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大淀事件 36 / 侮辱罪資料

Posted by guideboard on 2007/10/02/Tue

» 大淀事件 36 / 侮辱罪

毎日新聞 2007.10.1

ネット流出:掲示板に書き込み、侮辱容疑で医師を書類送検

奈良県大淀町立大淀病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院で転送を断られた末に死亡した高崎実香さん(当時32歳)=同県五條市=の診療情報がインターネット上に流出した問題で、流出した医師専用掲示板に実香さんの夫晋輔さん(25)の名誉を傷つける書き込みをしたとして、奈良県警が東日本在住の医師を、刑法の侮辱容疑で奈良地検に書類送検したことが1日、分かった。県警は診療情報の流出についても慎重に捜査している。

県警などによると、医師は、実香さんの死亡が報道された昨年10月、医師専用掲示板「m3.com Community」に、晋輔さんを中傷する内容の書き込みをした疑い。

掲示板はソニーグループの「ソネット・エムスリー」(本社・東京都港区)が運営する医療専門サイト内に、医師同士の率直な意見交換の場として設置された。医師会員数は今年3月末の時点で、約14万6000人にのぼる。国内最大級の医師専用インターネット掲示板で、書き込みの閲覧人数も多く、県警は晋輔さんに対する医師の中傷が不特定多数に広まったと判断したとみられる。

この掲示板を巡っては、運営会社が今年5月、利用規約に反する中傷などの書き込みがあったとして、掲示板を一時閉鎖した。同社は「全投稿のチェックシステムなど改善策を整えた」として、「Doctors Community」に掲示板の名称を変えて再開した。

掲示板には、実香さんの病歴情報、診断内容の詳細、看護記録、医師と遺族のやり取りなどが書き込まれたことが判明している。診療情報の流出を受けて、実香さんの遺族は今年4月、県警に刑事告訴する方針を明らかにしていた。

毎日新聞 2007年10月1日 15時00分

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asahi.com 2007.10.1

ネットで遺族中傷、容疑の医師に科料略式命令 妊婦死亡
2007年10月01日

奈良県大淀町の病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、計19病院に転院の受け入れを断られた末に死亡した妊婦(当時32)の診療情報がインターネット上に流出した問題をめぐり、ネット上で遺族を中傷したとして、奈良県警が横浜市の医師を侮辱容疑で書類送検していたことがわかった。奈良区検が略式起訴し、奈良簡裁は9月21日付で、科料9千円の略式命令を出した。

命令によると、医師は昨年10月、勤務先のパソコンを使って情報流出が判明した医師専用の掲示板に接続。「妊娠したら健全な児が生まれ、脳出血を生じた母体も助かると思っているこの夫には妻を妊娠させる資格はない」などと、遺族を中傷する書き込みをした。この問題では、遺族が被疑者不詳のまま侮辱容疑で告訴していた。

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侮辱罪で医師に略式命令 ネット掲示板で夫を中傷 奈良・大淀の妊婦死亡

共同通信 2007.10.2

奈良県の大淀町立大淀病院で出産中に意識不明になり、約20の病院に受け入れを断られた末に死亡した妊婦の夫を、インターネットの掲示板で中傷したとして、奈良区検は1日までに、侮辱罪で横浜市の医師を略式起訴。奈良簡裁は科料9000円の略式命令を出した。

中傷とは別に、カルテの内容などがネット上に流出しており、奈良県警は慎重に捜査している。

命令によると、医師は昨年10月18日、勤め先のクリニックのパソコンを使って、医師専用のインターネットの掲示板に夫を中傷する書き込みをした。

掲示板はソネット・エムスリー(東京)が運営。2004年12月、医師同士が率直な意見交換をできるよう開設した。医師専用掲示板としては国内最大級で、医師の会員数は約15万人とされる。

同社はことし5月、利用規約に反する書き込みがあったとして、一時閉鎖。全投稿をチェックするよう利用規約を改正し、名称も変えて再開した。

妊婦は昨年8月に頭痛を訴え意識不明になったが、主治医はけいれんと判断、死因は脳内出血だった。関係者によると、昨年10月に死亡が報道された直後から、掲示板で議論が始まった。

カルテなどの流出を知った遺族がことし4月、刑事告訴を検討していることを明らかにしていた。

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大淀事件 36 / 侮辱罪

Posted by guideboard on 2007/10/02/Tue

本件の民事提訴の際、ご遺族原告側石川弁護士は、診療記録が多数の医師の検討の対象になったことを問題視した。

そのために採られた行動は、次のようなものであった。

  1. 診療記録が多数の医師の目に触れさせるように流出したのは、誰かが守秘義務、あるいは個人情報保護に関する法律かまたは大淀町の条例に違反しているとして刑事告発を検討する。
  2. m3.com Community その他のインターネット上で診療記録が検討された場を閉鎖、あるいはそれらの検討の記録を消去させる。
  3. ご遺族原告に関するコメントを、擁護するもの以外、封殺する。

弁護士として当然の行動であり、有能で、大阪の撃墜王との異名を持つ石川弁護士は、被告医師を有責に追い込むために、過失をどこかに見つけて責めようとしたのである。そこには正確な医学的検討など不要であり、医師たちが加えた検討の結果は、弁護活動を損なうものであった。

診療記録を流出させたのは、一つは診療録をマスコミに渡したご遺族であった。毎日新聞奈良支局のスクープを許したのは実はご遺族であった可能性が高まった。報道映像は、実に冷静に、手振れの無い、素人とは思えない映像で、亡くなった患者さんとご家族の姿を映し出していた。

2007-06-26 マスコミ許すまじ
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070626

救急車の搬送時には記者は既に居たとのことです。
…..
1. 事件当夜から記者は取材を開始していた
2. 記者は家族に例の団体を紹介した
3. 記者と例の団体は乗り気でない家族を訴訟に引きずり込んだ
4. 乗り気でなかった原告の夫及び弁護士をマスコミ報道に引きずり込んだ

病院関係者、あるいは被告を支援する側の誰かが不正に診療録を入手して、それをネット上に流して、検証と称して被告医師を擁護し、ご遺族原告を侮辱した、こういう構図を描いたのだろう。

しかし守秘義務違反に問える医師は、被告医師の周辺やネット上にはいそうにないと分かった。しかも情報流出元とマスコミ、特に毎日新聞奈良支局の所行が白日の下に晒されてしまう結果となった。

m3.com Community では正確な医学的検証をされてしまう。ならばご遺族原告を非難したコメントを探し出して、医学的検証もまとめて m3.com Community を封鎖してしまう。個人情報保護というお題目は、マスコミ、ネットで飯を食う者たちにとって水戸黄門の印籠のように効く。これはうまくいった。

So-net は、登録者情報を警察に開示した。それがこの結果だ。

毎日新聞 2007.10.1
ネット流出:掲示板に書き込み、侮辱容疑で医師を書類送検

asahi.com 2007.10.1
ネットで遺族中傷、容疑の医師に科料略式命令 妊婦死亡

真実を追究する医師たちのネットワークは、しかし、綻びなかった。

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警察は、なお診療情報の流出経緯を捜査しているという。しかしこれまでの報道で見る限り、報道機関は診療記録を早い段階で入手し、その画像を報道していた。

2006.10.21 TBS のニュース画面で、医師の手による診療記録と看護記録の映像が出た。

2006.10.27 読売テレビのニュースで、看護記録の映像が出た。

2006.10.31 読売新聞奈良県版には、医師の手による診療記録の写真が掲載されていた。同日、読売新聞大阪朝刊には、診療記録に基づかないと書くことができないような時系列での事件の経緯が掲載された。

2006.11.2 大阪毎日放送のニュース画面で、医師の手による診療記録の映像が出た。

2006.11.14 KTV のニュース画面で、看護記事の映像が出た。

その後、2007.5.24 NHK で、民事提訴の報道の際、医師の手による診療記録と看護記録の映像が出た。

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m3.com Community は、弁護士が一言個人情報を口にすれば、あっけなく言論を封殺する。医師以外の者でも容易に入り込める。医師たちの思想信条や個人情報をどう外部利用しているか分かったものではない。そもそも一私企業の営利活動の一端である。

無くなっても構わない。

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原告側の認識とは、このようなもののようだ。しかも陣痛促進剤に罪を求めたり、CT と一人の脳外科医がいれば救命できたと考えているかのようだ。

奈良大淀病院の裁判! その2
http://obgy.typepad.jp/blog/2007/08/post_825a.html

「子どもなんか助けんでも、お母さんを助けてほしかった」
と考えていると仰います。原告側はそのように考えているとも。
「だって脳出血ですよ?」と私は申しあげました。
「除脳硬直がでるほどの脳出血ですよ?助かるわけがないじゃないですか」
「えっ!?でも脳外科に送れば助かるでしょう」
話がかみ合わないんです。
どうやら岡本さまの奥さまは、「くも膜下出血」で手術をして助けてもらったとのこと。
「。。。えっと。くも膜下出血や硬膜外血腫は脳出血と違うんですよ」
「え、どう違うんですか」
「聞いてらっしゃらないんですか?」
「似たようなもんだって」
「えっ。。。」
ちょっと開いた口がふさがらなくなってしまいました。
くも膜下出血も、硬膜外出血も、脳出血ではありません。
頭蓋内出血ではあるけれど、脳出血は「脳実質」の出血です。
その区別も、まさか原告側はついていない?
そういえば。。。
と法廷で石川弁護士が脳の解剖図を予習していた光景が
脳裏によみがえりました!
あっ!なんだあの人、わかってないんだ。
硬膜外出血やくも膜下出血とのちがいも!
解剖図の前に、大事なことが分かっていない!
脳出血がいかに重篤な結果をひきおこすかということも!
そして搬送する前にすでにもう助からない兆候が出ていたってことも。
訴える前に調べておいてよ、そんなこと!
とおもいました。
すくなくとも、訴えた後でもいいから、調べてよ。
「医学的なことはわからない」じゃないよ。
私たちは滔々と、「脳出血」「除脳硬直」がどんなものであるか、
一生懸命説明しましたが、わかっていただけたかどうかはわかりません。
しかし、ひょっとしたら裁判官にもわかっていないのかもしれません。
逆に。
証人尋問で必要なのは、実は脳外科医だということがわかりました。
「脳外科医」にカルテを読んでもらえば、一発でこの事件は終了です。
彼らが言っているのは、赤ちゃんうんぬんではないのです。
なぜ母親が助からなかったか。
脳出血が「予見不可能」「一気に起こる」
「除脳硬直までおこった場合には、もう救命はほぼ不可能」

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ちなみに、このニュースが出た昨日の午後以降、m3 とか本件にまつわるキーワードでネット検索をかけた複数の人物がいて、当ブログも少々ご覧になられたようだ。

参考資料

大淀事件 36 / 侮辱罪資料

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高知医療センター PFI 10 / 辞職資料

Posted by guideboard on 2007/09/19/Wed

» 高知医療センター PFI 10 / 辞職

高知新聞 2006.1.13

旅行が辞職の一端
医療センター瀬戸山院長が会見

高知医療センター(高知市池)の瀬戸山元一院長は12日、同センターで記者会見し、3月末での辞職を正式に表明した。自身の健康状態を第一の理由に挙げながらも、同センターへ手術器具などを納入する業者がメンバーに加わっていた昨秋の私的な海外旅行が「一つのキーになっている」と述べ、辞職を決意する一端となったことを明らかにした。

瀬戸山院長は、旅行先で「コーヒー1杯の接待も受けていない」と業者との不適切な関係を否定したが、利害関係にある業者の同行を「好ましいことではなく、けじめをつけた」と説明。

方向付けに尽力した高知医療センターについては、目指す急性期医療が救命救急センターを中心に進んでいるとの自負をのぞかせながらも、「この病院はまだまだ発展しなくてはいけない使命を帯びている。中途での退任は、職員のみならず県民市民に申し訳ない」と頭を下げた。

同席した県・高知市病院企業団の吉岡諄一企業長は、瀬戸山院長の辞職を重く受け止める姿勢を示す一方、民間のノウハウを活用するPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)事業で病院運営に携わる特定目的会社(SPC)との関係について言及。

「対等の関係で緊密な連携を保たないといけないが、疑惑を抱かれる手法は戒めなければならない」と述べ、PFI事業の特性を踏まえた職員と業者の接し方について独自の基準を確立する考えを示した。

【写真説明】記者会見で辞職を表明する瀬戸山院長=右=と吉岡企業長(高知医療センター)

新たな波紋を危惧思い半ばの“カリスマ院長”

病院運営では全国初のPFI事業に、電子カルテシステムをはじめとする統合情報システムの導入。さらには大学の医局にこだわらない医師の確保や診療科の壁を越えたチーム医療の展開—。

全国が注視する公立病院の統合に際し、院長予定者、院長として次々に新機軸を打ち立ててきた瀬戸山元一氏を、その足跡から「カリスマ的」と形容する向きがある。

宮崎県出身ながら小学2年から7年間、高知市で過ごした縁もあって平成12年春、旧県・市病院組合理事に就任。舞鶴市民病院の経営再建や島根県立中央病院の運営で発揮した手腕が買われ、それが統合新病院づくりでは「患者が主人公」という理念に集約された。

強いリーダーシップを発揮しようとする手法から自治体や医療関係者とのあつれきを生むこともあったが、高度医療に特化した新病院を構築するためには必要不可欠な人材だったとも言える。知名度の高い瀬戸山氏の存在が、地域外から医療スタッフを呼び寄せる原動力ともなった。

しかし一方では、民間業者との「付き合い方」が早くから疑問視されてきた。PFI事業の優先交渉権者を選定する直前に参入希望業者と米国に視察旅行に出掛けるなど、その“脇の甘さ”は県・市病院組合議会でも厳しくただされた。

そうした業者との距離感覚の危うさは院長就任後もささやかれ、今回発覚したイタリア旅行での業者同行にしても同様。民間病院なら許容範囲内でも公的病院の医療トップにはそれが許されず、厳しい目が向けられる。その目がいったん張り付けば、今後の医療センターの運営や瀬戸山氏が理想とする病院像にも暗い影を落としかねない。 橋本大二郎知事、岡崎誠也高知市長らは早い段階で、旅行の件について報告を受けていた。辞職表明まで1カ月以上の時間は「功労者の円満退社」に向けた調整期間だったと言えなくもない。

院長自身は医療センターの開院前後から体調不良を訴え、精彩を欠くようになった。信を置いていた医療スタッフも一人二人と距離を置き、はた目にも理想と現実のギャップに悩んでいたようにも映ったが、思い半ばにしての“カリスマ院長”の辞職劇には、内外へ新たな波紋を広げることへの危惧(きぐ)と今後をにらんだ状況判断が見え隠れしている。(政治部・岡林直裕)

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高知新聞 2005.2.6

◆6
高知版PFI
官民協働につまずき

県・高知市病院組合の瀬戸山元一理事(院長予定者)が導入を提案したPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)事業は、公的施設などの整備・運営に民間の資金やノウハウを活用する手法。
平成11年に法制化されたが、初発のPFI事業は多くが施設整備の資金調達を目的とする「箱物PFI」。だが瀬戸山理事は整備だけでなく、その後のサービスに民間手法を生かす「運営PFI」を重視。専門性が要求される医療施設を官民協働で運営するという、前例のない「高知版PFI」を目指した。

構想は前任の島根県立中央病院でも描いていた。瀬戸山理事とともに同病院の運営に携わった沖一・県市病院組合事務局次長は「医事業務や検体検査を民間の幹事会社に一括委託する手法を導入していた」という。

大きく違ったのは契約期間。島根中央では単年度契約だったが、PFIでは30年の長期契約が可能だ。沖次長は「設備投資の法定償却期間ですら5年。単年度だと企業側と不安定な関係しか築けない。PFIは病院・企業双方にメリットがある」と考えた。

【写真説明】統合病院PFI事業の説明会。約200社が集まり、予想を上回る反響があったが…(13年3月、高知市内)

ジレンマ

病院組合は13年2月、PFIの実施方針を公表。市場の反応を探るための説明会を開いた。

想定した事業は、施設の整備▽維持管理▽医療関連サービス▽医事事務や物品管理▽食堂売店など一般サービスの運営—など広範囲。企業の提案を審査し、選定したSPC(特定目的会社)と交渉する考えだった。

説明会は東京と高知市で開いたが、市内の説明会には約200社が詰め掛けた。「これほど反応があるとは」。瀬戸山理事は手応えを感じたが、県市から病院組合に派遣された事務職員には不安があった。PFIの実務を担った吉岡和夫・病院組合事務局長は「行政マンは良くも悪くも、前例は、議会や県民の理解は、手続きは…と考える。それらをすべて走りながらやらねばならなかった」と振り返る。

そうした不安から県市は専門家を交えた委員会を立ち上げ、事業化の課題を検討。ブレーキをかけながらゴーサインを出すという状態に加え、県市両議会や病院組合議会では地域経済への貢献度が焦点化する。

「SPCには資本や競争力のある大企業がなり、県内企業にメリットがない」。強い批判は、市場原理重視でコスト削減を図るPFI自体のジレンマとも言えた。

病院組合は費用対効果の試算や県内業者の登録制度を提示し、議会の理解を何とか取り付けて募集を開始。オリックスを代表企業とするグループ(9社)を含む4グループが提案書を提出した。

視察旅行

4グループから優先交渉権者を選ぶ最終審査を控えた14年6月、病院組合が組合議会に行った報告が波乱を呼んだ。

〈瀬戸山理事は同年3月、公務出張で大手旅行会社が主催する海外視察旅行の団長として米国を訪問。そこにPFI事業に参入を希望する4グループの構成企業も参加。しかもその旅費は全額旅行会社が負担していた〉

たちまち審査委員会の委員だった瀬戸山理事に議会筋や市民団体から批判の矢が飛んだ。「審査の公正さに疑念をぬぐい去れない。委員から外れることが望ましい」

組合議会の申し入れに、瀬戸山理事は「配慮が足らなかった」と旅費を返還し、審査委員を辞任。病院組合は瀬戸山理事を減給に処した。官民協働を目指すPFIは思わぬつまずきを見せた。

統合病院取材班=2005年2月6日付・朝刊

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高知医療センター PFI 1 資料

Posted by guideboard on 2007/09/16/Sun

» 高知医療センター PFI 1

YOMIURI ONLINE 2007.9.16

業者から家電や家具、高知医療センター前院長を逮捕

公共事業に民間のノウハウを活用するPFI方式を全国で初めて病院経営に導入した高知医療センター(高知市)の前院長が、周辺業務を担当する業者から約250万円相当の家電製品などを受け取ったとして、高知県警は16日、前院長で同志社大教授の瀬戸山元一容疑者(63)(京都市左京区)を収賄容疑で、業者側の「高知医療ピーエフアイ」(高知市)元工事監督員松田卓穂(68)(広島市安佐南区)、同矢倉詔喬(のりたか)(64)(神戸市東灘区)両容疑者を贈賄容疑で、それぞれ逮捕。同センターや瀬戸山容疑者の自宅などを捜索した。

瀬戸山容疑者は「すべて自分で購入したものだ」と否認している。

調べでは、瀬戸山容疑者は2000年4月から院長予定者として病院施設整備の責任者を務めていた。施設内の設計変更でスペースの利用方法や医療機器の配置について、病院側の要望を抑えるなどピーエフアイ側に有利に取り計らった謝礼として、松田、矢倉両容疑者から04年12月にプラズマテレビ、05年1月にソファや冷蔵庫などを受け取った疑い。

松田、矢倉両容疑者は当時、ピーエフアイに参加していた「オリックス・リアルエステート」(当時)の従業員だった。

高知医療センターは05年3月の開院で、赤字だった高知市立市民病院と県立中央病院を統合した。経営コストを下げるために、PFI方式を導入。医療行為は医師らの病院企業団(旧高知県・高知市病院組合)が、周辺業務の医療事務や患者の給食などは、オリックスなど9社が出資して設立したピーエフアイが担当する分業制度をとっている。

瀬戸山容疑者は京大医学部卒。島根県立中央病院長時代に、全国で初めて「電子カルテ」を導入、病院経営の手腕が注目された。橋本大二郎・高知県知事らの要請で医療センターの院長予定者として、同病院組合理事に迎えられ、PFI方式の導入を提案した。

高知県と高知市は02年12月、ピーエフアイと、30年間で約2130億円の委託契約を結んでいる。

瀬戸山容疑者は02年3月、05年10月に業者と海外旅行し問題になった。06年1月、「健康上の問題」を理由に院長を辞職した。

医療センターは42診療科632床で、職員は734人。

(2007年9月16日22時12分 読売新聞)

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中國新聞 2007.9.16

収賄で同志社大教授逮捕 PFIの病院整備めぐり ‘07/9/16

高知医療センター(高知市)の施設整備をめぐり、業者から高級家具や家電製品を受け取ったとして、高知県警捜査二課などは十六日、収賄容疑で、同志社大教授でセンターの前院長瀬戸山元一せとやま・もといち容疑者(63)=京都市左京区=を逮捕、センター内にある関係先や自宅を家宅捜索した。

「自分で購入したものだ」と容疑を否認しているという。

高知医療センターは民間の資金やノウハウを活用するPFI方式を導入した初の公立病院として、県立と高知市立の病院を統合して二〇〇五年三月に開院。瀬戸山容疑者は病院経営の手腕を買われ、昨年三月まで初代の院長を務めていた。

贈賄容疑で逮捕されたのは、センターを運営する特定目的会社(SPC)を構成するオリックス・リアルエステート(現オリックス不動産)の元従業員で無職松田卓穂まつだ・たくほ(68)=広島市、同矢倉詔喬やぐら・のりたか(64)=神戸市=の二容疑者。

調べでは、瀬戸山容疑者は開院前のセンター施設整備に関連し、オリックスを中心とした企業グループに有利な取り計らいをした謝礼として、〇四年十二月と〇五年一月の二回、当時高知市の自宅で松田容疑者らからソファや家具、プラズマテレビなど計二十一点(時価合計約二百五十万円相当)を受け取った疑い。

二〇〇〇年四月に院長予定者となり、高知県・高知市病院組合の理事を務めていた〇二年には、病院事業に参入を希望する業者らと旅行会社の費用負担で米国へ視察旅行をしたことが問題となり、減給処分を受けた。

瀬戸山容疑者は一九七〇年に京都大医学部を卒業。専門は外科で、京都府や島根県の病院の院長を歴任。島根の病院長時代には、全国に先駆けて「電子カルテシステム」を導入した。

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asahi.com 2007.9.16

前高知医療センター院長を収賄容疑で逮捕 業者から家具
2007年09月16日21時42分

高知県立中央病院と高知市民病院を統合して民間に委託するPFI方式で05年に開院した「高知医療センター」(高知市)の施設工事をめぐり、業者からテレビや家具を受け取ったとして、高知県警は16日、前院長で現同志社大大学院教授の瀬戸山元一(もといち)容疑者(63)=京都市左京区=を収賄容疑で逮捕。PFI事業を委託している特別目的会社(SPC)の構成企業のオリックス・リアルエステート(現オリックス不動産)の元従業員2人についても贈賄容疑で逮捕した。

瀬戸山容疑者は「すべて自分で購入したものだ」と容疑を否認、贈賄側は容疑を認めているという。

贈賄容疑で逮捕されたのは、いずれも同社の元従業員で無職松田卓穂容疑者(68)=広島市安佐南区=、矢倉詔喬容疑者(64)=神戸市東灘区。

SPC「高知医療ピーエフアイ」はオリックスやオリックス・リアルエステートなど11社で構成。瀬戸山容疑者は00年、同センターの設立母体の高知県・高知市病院企業団の前身、高知県・高知市病院組合の理事に院長予定者として就任。組合は02年12月、SPCと30年の事業契約を結び、約2132億円で病院建設のほか清掃や給食、診療報酬請求事務、薬や医療材料の調達などを委託。センターは05年に開院した。

県警捜査2課の調べでは、院長予定者の瀬戸山容疑者は04年12月下旬、SPCの工事監督員をしていた松田、矢倉両容疑者から、プラズマテレビなど電化製品2点、05年1月下旬にソファなど家具と家電計19点、合わせて約250万円相当を、両容疑者が担当する病院施設の施工に関して有利な取り計らいをした見返りと知りながら受け取った疑い。

瀬戸山容疑者は京大医学部卒。82年に舞鶴市民病院(京都府舞鶴市)の院長に就任。赤字経営を立て直した。92年からは島根県立中央病院(島根県出雲市)の院長となり、世界初とされる「電子カルテシステム」を導入。高知医療センターの開設では、PFI方式を施設建設だけでなく、全国で初めて病院経営にも採り入れ注目された。06年3月に体調不良などを理由に辞職した。

同年10月に同志社大学大学院総合政策科学研究科チェア・プロフェッサーに就任、学生への講座は担当していないが、各地で講演などを行っている。

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へその緒で胎児窒息死資料

Posted by guideboard on 2007/09/05/Wed

» へその緒で胎児窒息死

共同通信 2007.9.4

医師のミスで胎児死亡 市立赤穂市民病院

兵庫県赤穂市は3日、市立赤穂市民病院で1月、産婦人科医が、出産間近の女性の体内で胎児の位置を変えようとしたところ、へその緒が首に巻き付いて窒息死する事故があったと発表した。

市が女性側に解決金500万円を支払うことで示談が成立。市議会の議決を経て支払う。

病院によると、1月25日、出産のために入院していた赤穂市の30代の女性の胎児が、子宮内で横向きになっていたため、医師が通常の位置に戻したが、心拍がなくなり死産が確認された。へその緒が首に二重に巻き付いたとみられる。女性は無事という。

病院は「悲しい結果となってしまい申し訳ない。誠意を持って対応したい」としている。

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goo ヘルスケア
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10391100.html

さいたいけんらく
臍帯巻絡

どんな病気か

臍帯巻絡とは、臍帯が胎児の体の一部に巻きついている状態のことで、全分娩例の20〜25%にみられます。頸部の巻絡がほとんどを占めますが、四肢、体幹に起こすこともあります。巻絡の回数は1回のことが多いのですが、2回以上の場合もあります。

臍帯は、胎児にとって胎盤を介して母体から酸素や栄養をもらうための大切な命綱です。臍帯に異常が起これば、胎児は低酸素によって仮死(かし)状態となり、時には死亡することもあります。臍帯の異常には卵膜付着や臍帯下垂(かすい)などさまざまなものがありますが、臍帯巻絡はほかの臍帯異常に比べて圧倒的に頻度の高いトラブルです。

原因は何か

活発な胎動や長い臍帯が誘因になるといわれていますが、はっきりとはわかっていません。胎動が原因であることは、胎動の激しい胎児に臍帯巻絡が多い傾向があることからも推測されます。

また、臍帯巻絡がある胎児の臍帯は、ない場合よりも一般的に長いのですが、それが原因なのか結果なのかはまだわかっていません。引っ張られて伸びた結果であるとする意見が多いようです。

検査と診断

出生前の診断法としては、超音波断層法が有効です。これによって臍帯巻絡の有無はかなり確実に診断できますが、超音波カラードプラー法やパワードプラー法なら100%近く診断ができ、巻絡の回数も推測できます。血流障害を引き起こすようなきつい巻絡の有無は、パルスドプラー法で臍帯静脈波動の存在を確認することにより推測できます。

治療の方法
 
出生前に超音波で臍帯巻絡と診断されても、出生前に巻絡を解除する方法はありません。分娩時の胎児の心拍モニタリングで高度変動一過性徐脈(いっかせいじょみゃく)などの異常心拍パターンが現れ、胎児仮死(胎児ジストレス)と診断されると、急速な分娩がすすめられます。

分娩時、胎児の頭が娩出した時に頸部巻絡(けいぶけんらく)がわかった場合は、そのまま体幹を娩出するか、臍帯を頭のほう、あるいは体幹のほうへ抜くと体幹を娩出できることも多いのですが、臍帯がきつく巻かれていると、体幹の娩出が困難になったり、顔がうっ血してくる場合があるので、大至急臍帯を切断します。

病気に気づいたらどうする

妊娠中に臍帯巻絡と診断されたら、専門の医師による検査を受けます。超音波断層法で胎児の発育状況と胎位を、ノンストレステスト(NST)で胎児心拍パターンの状況を総合判断し、分娩の方針が決定されます。

(執筆者:菊池昭彦)

菊池昭彦 長野県立こども病院総合周産期母子医療センター産科

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東府中病院医学講座

臍帯の構造・形態と胎児循環
臍帯の異常(1)臍帯の卵膜付着・前置血管
臍帯の異常(3)臍帯下垂と臍帯脱出

2001/01/16 最終更新

臍帯巻絡
臍帯巻絡とは? 巻絡部位、巻絡の仕方は?

上図のように、文字通り臍帯が胎児の体に巻き付くことを臍帯巻絡と呼んでいる。臨床的にしばしば認められることであるが、巻絡部位としては頸部、体幹部、四肢などである。巻絡部位も頸部と体幹部のように複数になることがあるが、巻絡の仕方も一重とは限らず多重になることもある。頸部券絡が最も高頻度に起こるが、時には2回以上の巻絡もみられる。(総合産科婦人科学(坂本正一・倉智敬一編集)医学書院P734より引用)

臍帯巻絡を起こしやすい状態とは?

当然、臍帯の長さが長いほど、巻絡が発生しやすくなる。特に多重の券絡の場合には臍帯の長さが長いことがほとんどである。また、正常な長さの臍帯に巻絡が発生すると実質的には過短臍帯と同様になることもありえるのでそのような意味で注意を要する。以下の過短臍帯の項を参照して下さい。

臍帯巻絡は妊娠のいつ頃発生するのか?

巻絡が発生するのは妊娠中期とされ、妊娠末期になって発生することはまれとされている。すなわち、巻絡が起こるためには胎児が360度回転する必要があり、子宮内を自由に動ける時期に発生すると考えられ、妊娠末期には胎児が成長し、大きくなったために物理的に臍帯巻絡が発生するほど大胆には運動出来ないとされている。

臍帯巻絡は全て危険なのか?

臍帯巻絡が妊娠中期に発生することからしても、巻絡それ自体は数ヶ月間に及ぶこともあり、巻絡それ自体が必ずしも危険とは考えられない。すなわち、ゆったりと巻き付いていても全く危険ではないが、何等かの理由により臍帯の血流障害が発生するようならば児にとって極めて危険である。しかし、臍帯巻絡を超音波画像診断図にて診断出来たとしても(超音波検査の施行条件によっては、診断が不可能なことも多いです。施行条件とは母体の肥満の程度、下腹部手術痕の有無、羊水量、胎位胎勢、児頭の下降度、子宮筋腫の合併などの様々な因子です。)、危険な臍帯巻絡と危険でない臍帯巻絡を分娩前に鑑別することは困難である。

分娩時の管理は?

臍帯の血流障害は具体的には胎児徐脈となって発見される。逆に胎児徐脈のパターン(変動一過性徐脈)によっては徐脈の原因が臍帯因子であると示唆される場合もある。分娩時には胎児を取り巻く環境が大きくそして刻々と変化する。臍帯巻絡がある場合には特に、規則的な子宮収縮(陣痛の発来)や児頭の下降などにより臍帯圧迫が強まり血流障害が発生することもある。そのために、胎児徐脈の出現に注意し、徐脈が出現した場合にはその程度によっては帝王切開などの急速遂娩術が必要になる場合もある。

過短臍帯と過長臍帯

通常の臍帯の長さは50cm程度である。しかし、短い時には20cm以下の場合もあり、長い場合には100cm以上の場合もあるが、臍帯の長さを分娩前に測定することは不可能である。すなわち分娩前に過短臍帯と過長臍帯の診断をすることは極めて困難であり、分娩後に結果的に診断されることがほとんどである。いずれにせよ、長すぎても、短すぎても危険である。

発生頻度は? 臍帯の長さを決定する因子は?

過短臍帯と過長臍帯の発生頻度は稀であり、日常的に頻繁に経験されることではない。また臍帯の長さを決定する因子は不明であるが、羊水量が多く、胎動が活発であれば臍帯長は延長する傾向にある。すなわち臍帯長は単に胎動による牽引力で規定されているとの説もある。

臍帯が短すぎると何が問題か?

臍帯があまりにも短すぎて、20cm以下の場合には分娩障害をきたすことがあるとされている。すなわち臍帯が短すぎるために一般的には児頭の下降が困難になり、分娩が遷延する。しかし、児頭の下降が進めば臍帯が牽引され、牽引の程度によっては(1)臍帯の血行不全による胎児仮死、(2)臍帯の胎盤からの断裂、(3)胎盤の剥離、(4)子宮の内反、(5)続発性微弱陣痛などをきたすこともある。

臍帯の絶対的な長さ(分娩後に胎盤、臍帯が娩出された後に測定される値)が正常であっても、臍帯が胎児に巻絡している場合には実質的な臍帯の長さは短いと考えられる。この場合には過短臍帯ではないが、過短臍帯と同様な危険性を有している。

臍帯が長すぎると何が問題か?

これに対して臍帯が長すぎる場合も危険である。長すぎるがために臍帯を圧迫されやすくなり、また臍帯の結節を作りやすく、臍帯巻絡(ときに複数回の)や臍帯捻転も起こしやすくなる。また長いが故に臍帯下垂や臍帯脱出の危険度も高くなる。

臍帯の過剰捻転

臍帯は一般にラセン状に捻転しているのが正常である。しかし、臍帯の特定の部位に過剰捻転が起こると臍帯血管は狭窄・閉鎖されることになり、狭窄の程度によっては胎児が死亡することもある。例えば、臍帯の胎児臍輪部分の過剰捻転による子宮内胎児死亡は時に経験されることである。しかし現在の医療レベルでは、事前に的確に診断することは極めて困難である。

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メルクマニュアル家庭版, 胎児や新生児に影響する問題 261 章 出産の合併症
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec22/ch261/ch261c.html

胎児や新生児に影響する問題

分娩が順調に進行しないと、胎児や新生児に問題が生じることがあります。

胎児仮死: 胎児仮死は分娩中に起こる比較的まれな合併症で、多くは胎児が十分に酸素を受け取っていないことが原因で起こります。胎児の心拍パターンの異常は、胎児仮死を診断する上で最も感度が高い指標となります。分娩初期には15分おきに、分娩後期では陣痛後に毎回、胎児用聴診器で胎児の心拍を確認します。分娩監視装置で継続的に測定することもあります。心拍数に明らかな異常がみられる場合は、産婦に酸素を補給する、輸液量を増やす、産婦の左を下にして寝かせるなどの方法で普通は解消されます。これらの方法で効果がない場合には、鉗子または吸引分娩器を使用するか、帝王切開を行ってできる限り早く出産させる必要があります。破水後の羊水が緑色をしている場合は、胎児が仮死しているおそれがあります(ただし、多くの場合は無事)。この変色の原因は胎便(胎児の最初の便)です。胎児仮死の原因としては、胎児の過熟(過期妊娠に伴う胎盤の機能不全)や、妊娠や分娩の合併症による母体や胎児への影響などがあります。

呼吸障害: まれに、出生前には異常がみられなかったにもかかわらず、出生後に新生児が呼吸を始めないことがあります。このような新生児には蘇生(そせい)が必要となります。このため新生児の蘇生に熟練した人が出産に立ち会う場合があります。

胎向と胎位の異常: 胎向は、胎児が後ろ(母親の背中の方)を向いているか、前を向いているか(胎児が横になっている場合は顔が下向きか、上向きか)を示します。胎位は、最初に産道を通るのが胎児の体のどの部分であるかを示します。最も多くみられ、安全なのは、頭を下にして(頭位)、母親の背中側を向き、顔と体がやや左右どちらかを向いていて、首を前に曲げてあごを引き、両手を胸の前で交差している姿勢です。胎児がこのような姿勢をしていない場合は、分娩が困難となり、経腟分娩ができない場合もあります。

胎向と胎位
妊娠の末期には、胎児は分娩に備えて姿勢を変えます。正常な状態では、胎向は後ろ向き(母体の背中の方を向いた状態)で顔と体がやや左右どちらかを向き、首を前に曲げ、胎位が頭位(頭を下にした状態)になります。胎向が前向きの場合は異常です。異常な胎位には、顔位、額位、骨盤位、肩甲位などがあります。

胎児が前を向いている場合は(胎向異常の1つ)、首を曲げずに真っすぐ伸ばしていることが多く、胎児の頭部が産道を通過するためにより広いスペースが必要です。このため鉗子分娩、吸引分娩、あるいは帝王切開が必要になることがあります。

胎位の異常にはいくつかのタイプがあります。顔位では首が後ろに反っているため、顔から先に娩出されます。額位は首がやや後ろに反った状態で、額から娩出されます。しかし、胎児がこのような姿勢を取り続けることは少なく、自分で姿勢を直すのが普通です。

胎児の殿部(尻の部分)から娩出される骨盤位は、満期出産の2〜3%でみられます。経腟分娩で骨盤位から生まれてくる新生児は、頭位の場合よりも損傷を受けやすくなります。このような損傷は出生前、分娩中、出生後にも起こる可能性があり、死に至ることもあります。陣痛開始前あるいは娩出前に骨盤位と診断された場合は、合併症が起こる可能性が低くなります。

分娩が始まる前であれば、普通は妊娠37〜38週の時点で、母親の腹部を圧迫することによって胎児の姿勢を頭位に直せることもあります。しかし、分娩が始まってしまい、その時点で胎児が骨盤位を取っている場合は問題が生じることがあります。殿部よりも頭の方が大きいため、殿部の大きさに広がった産道は頭が通過するには狭すぎることがあります。また、頭位の分娩では頭が産道に従って変形しますが、頭が殿部の後から出てくる場合はこの変形がうまくいかないことがあります。したがって、胎児の体が出てきても、頭だけ産道内に残ってしまうことがあります。このような状態になると、脊髄(せきずい)やその他の神経が引き伸ばされて神経障害を起こす可能性があります。胎児のへそが頭より先に娩出されると、へその緒が胎児の頭と産道にはさまれて胎児に酸素がほとんど届かなくなります。酸素欠乏による脳障害は、頭位で生まれた子供よりも骨盤位で生まれた子供に多くみられます。特に初産婦では経産婦のように産道が広がっていないため、これらの障害が重くなります。胎児が骨盤位を取っている場合は障害や死亡のおそれがあるため、帝王切開がよく行われます。

産道に対して胎児が横になっている場合は、肩から先に産道に下降してきます(肩甲位)。通常は帝王切開を行います。ただし、双子の2人目がこのような胎位をとっている場合は、正しい胎位に直してやることによって腟から分娩できることがあります。

多胎出産: 20年ほど前から双子や3つ子などの多胎出産が増えています。胎児の数は妊娠中に超音波で確認できます。

多胎では子宮が過度に拡張します。過度に拡張した子宮は、妊娠が満期にならなくても収縮しはじめる傾向があり、未熟児や小さな新生児が生まれてくることがよくあります。ときには過度に拡張した子宮が出産後に十分に収縮しないため、出血が起こります。多胎では胎児ごとに胎向と胎位が異なるため、経腟分娩が難しいこともあります。また第1子が生まれた時点で子宮が収縮し、残っている胎児の胎盤がはがれてしまうこともあります。その結果、後から生まれる胎児では分娩中や出生後に問題が生じやすくなります。

これらの理由から、双子の出産では経腟分娩にするか帝王切開にするかを医師があらかじめ決めておくことがあります。ときには双子の第1子を経腟分娩で娩出した人で、第2子は帝王切開の方が安全と考えられることもあります。3つ子やそれ以上の多胎では帝王切開を行うのが普通です。

肩甲難産: 肩甲難産では、胎児の片方の肩が母親の恥骨に引っかかり、胎児は産道にとどまったままとなります。胎児の頭はいったん娩出されますが、引き戻されて腟口に押しつけられます。胸が産道で圧迫されているために胎児は呼吸ができず、血液中の酸素濃度が低下します。肩甲難産は胎児が大きい場合に起こりやすく、分娩が困難であったり、胎児の頭が骨盤内に十分に下りてこないために鉗子や吸引分娩器を使用した場合に多くみられます。

肩甲難産が起きた場合、医師はさまざまな手技を用いて胎児の肩を素早く自由にし、経腟分娩を継続できるようにします。まれに、各種の手技を試してもうまくいかない場合に、胎児の頭を腟内に押し戻してから帝王切開で娩出することもあります。

臍帯脱出と臍帯下垂: 1000回の出産に1回程度の割合で、胎児よりも先にへその緒(臍帯[さいたい])が腟内へと出てくることがあります。出てきたへその緒が収縮してしまうことがあり、そうすると胎児への血液供給が途絶えてしまいます。起こり方によって、臍帯脱出と臍帯下垂に分けられます。

臍帯脱出(顕性臍帯脱出)とは、羊膜が破れた後、胎児が見えないうちにへその緒が腟内に、あるいは腟の外にまで出てくることをいいます。臍帯脱出は胎児が殿部から先に下りてくる場合(骨盤位)によく起こりますが、胎児が未熟なうちに、あるいは胎児が骨盤内まで下りてこないうちに破水が起こると、胎児が頭から下りてきていても起こることがあります。胎児が十分に下降していない段階で破水が起こると、羊水が流れ出る勢いでへその緒が胎児より先に出てきてしまうことがあるからです。臍帯脱出を起こした場合には、ただちに帝王切開で娩出し、胎児への血液供給が断たれるのを防ぐ必要があります。手術を行うまでの間は、へその緒からの血液供給が途絶えないよう、医師や看護師が胎児の体を臍帯から離して支えます。

臍帯下垂(潜在性臍帯脱出)とは、羊膜は破れず、へその緒が胎児の前方あるいは肩の前に入りこんだ状態です。主に胎児の心拍パターンの異常から診断されます。多くの場合、母親の姿勢を変えたり胎児の頭を持ち上げたりしてへその緒にかかる圧力を除くことで解消されます。ときに帝王切開が必要となることもあります。

臍帯巻絡: 4回の出産に1回程度の割合で、胎児の首にへその緒が巻きつく臍帯巻絡(さいたいけんらく)が起こることがありますが、胎児への悪影響は通常はありません。出産前の超音波検査で発見されることもありますが、特に処置は行いません。医師は分娩の際に、へその緒が胎児の首に巻きついていないかどうかを必ずチェックし、巻絡が発見されたら胎児の頭をくぐらせてへその緒を首から外します。

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医療崩壊 / 公共財としての医療 / 地域医療を育てる会資料 2

Posted by guideboard on 2007/09/02/Sun

» 医療崩壊 / 公共財としての医療

読売新聞 千葉版
ルポ医療の現場 疲弊する医師
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/kikaku/103/
患者支える充実感
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/kikaku/103/5.htm

「お風呂に入れてよかったですね」「よくはない。体が動かんようになって」

匝瑳市民病院(匝瑳市)の内科病棟で、林仁美医師(27)が脳こうそくの患者(91)と会話を交わす。林さんは同病院の勤務医ではなく、旭中央病院(旭市)の3年目の研修医だ。

旭市出身の林さんは山形県の大学に進んだが、地域医療で成果を上げている旭中央病院で学びたいと地元に戻った。同病院には、1、2年目は病院内、3年目は匝瑳市民病院など周辺の病院で研修を受ける「地域医療医コース」があり、林さんは現在、このコースにいる。

林さんが地域医療のよさを実感したのは、本人の希望で自宅に戻った肺がん末期の80歳代男性を担当した時だった。自ら往診に出向き、最期をみとった。家族からは「先生のおかげで家に帰すことができた」と感謝されたという。「都市部の大病院は病気だけを診がちだけれど、地域の病院では患者さんの生活まで含めて支えることができる」と林さんは語る。

臨床教育委員会の委員長も務める吉田象二・旭中央病院長は、「都会から医師を連れてきても定着してくれるとは限らない。地域医療を支える人材を、若いうちから育成することは重要」と指摘する。

地域医療の危機に直面して、住民の中にも、自らできることをしていこうという機運が生まれている。

「病院や行政に要望するだけでなく、住民も病院と診療所を使い分けたり、病気の予防に努めたりすべきだと思います」。成東病院(山武市)の医師不足問題を話し合うため、NPO(非営利組織)法人「地域医療を育てる会」が3月、東金市内で開いた集会で、同会の藤本晴枝理事長がこう主張すると、会場の多くの人がうなずいた。藤本さんは「様々な立場の人が知恵と力を出し合う関係こそ、地域には必要」と話す。

地方病院の医師確保策のモデルケースもなくはない。長野県佐久市の佐久総合病院は、田園地帯の病院ながら821床の大規模病院。206人の医師を擁し、周辺自治体の5診療所に医師を派遣している。診療所の医師は患者を同病院に紹介し、紹介した患者を診に行くこともある。研修などで留守にする時などは、代わりの医師が派遣される。

同病院での研修や関連診療所での勤務を希望する医師も少なくない。同病院から派遣されている同県南相木村の国保直営診療所長、色平哲郎医師は3月の東金市での講演で、「医師が来てくれる動機を地域としてどう作るかが大事だ」と指摘した。

井上由美子・城西国際大教授(福祉学)も、「地域医療に関心を持つ医師を育てることが重要だ。医師不足に特効薬はなく、地道な対策を取っていくしかない」と話している。

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読売新聞 千葉版
特報スコープ・岐路の地域医療
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/kikaku/080/
知恵寄せ合い将来像探る
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/kikaku/080/5.htm

自ら守る命と健康

「地域医療を育てる会」の第1回定例会で会の意義を説明する藤本さん(右から2人目)

「3か月入院すると退院を迫られる。その後はどうしたらいいのか」「どうやったら健康が維持できるのか知りたい」

今月8日、東金市内の福祉施設に民生委員や主婦ら約20人が集まり、医療への疑問や考えを口々に語った。

耳を傾けたのは県立東金病院の平井愛山院長や山武郡市広域行政組合の職員ら。質問に答える形で、平井院長が訪問看護や病院主催の市民公開講座について説明した。

「病院や行政が情報発信していても、なかなか住民に届かないんだな」。会合を呼びかけた「地域医療を育てる会」代表の藤本晴枝さん(40)は、情報提供の難しさを感じていた。

「育てる会」は今年4月に発足したばかり。山武郡周辺の住民や医療、福祉、行政関係者らが意見を交わし、住民の声を医療、行政側に届けるほか、住民に情報を発信することを目指している。

会の設立に動いた藤本さんは東京都出身。1993年、江戸川区から夫の実家のある東金市に転居した際、“医療過疎”地域の状況に驚いた。

夜中に高熱を出した子供を、車で千葉市や旭市の救急病院まで運んだこともあった。幼稚園で知り合った母親に、「かかりつけ医の自宅まで行ってたたき起こすしかないわよ」と教わった。女性団体に加わり、情報誌に医療記事などを書いていたころ、地域に新しい医療センターを作る構想が持ち上がった。

計画は、県立東金病院、国保成東病院、国保大網病院の3病院の機能を集約し、約5年後に24時間対応できる救急機能を備えた中央病院と外来患者や症状が安定した入院患者を受け入れる2か所の支援病院を作るという内容。

役所に請われ、医療センター構想策定委員会に加わった藤本さんは、高齢者のニーズに焦点があたりがちな議論の中、小児科や周産期医療の充実などを訴えた。

現在、まとまりつつある医療センター計画の住民への説明が進んでいる。今年1月末に東金市内で開かれたシンポジウムの終了後、藤本さんの目には、主催者の行政担当者は満足げな表情に、住民は物足りなさそうに映った。

「苦情を申し立てたり、行政に頼ったりするだけでなく、住民も行政や医療提供者と一緒に知恵を絞らないといけない」との思いが会の結成に向かわせた。

こうした動きは医療側も歓迎している。会に加わる東金病院の平井院長は、「中央病院ができても患者が押し掛けたらパンクする。住民が病気を予防し、かかりつけ医から中核病院までを上手に受診するようにしないと問題は解決しない」と指摘する。

センター計画は今後、病院の設置場所や運営方法、医療サービスの内容などを詰める方針だ。会では、住民の声を計画に織り込むことも目指すという。「健康や命を守るためには、それぞれの立場から力を出し合わないと」。地域医療の将来像を心に描きながら、藤本さんはそう思っている。(おわり)

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asahi.com 2007.8.28

患者の立場で若手医師育成 東金の病院で

東金市台方の県立東金病院が市内のNPO法人「地域医療を育てる会」と一緒に、若手医師のコミュニケーション能力を高めるための「医師育成サポーター制度」を始めてまもなく半年を迎える。医師不足が深刻な山武地域。平井愛山院長は「住民とともに医師を育てることで、医師も地域医療への意識が高まる」と語る。

「サポーター」となる市民に、若手医師が生活習慣病についての講義をし、質問に答える。その様子を市民が評価する。患者とのやりとりに慣れていない若い医師にとって、市民にわかりやすく説明することが、診療のトレーニングとなる。

4回目となった20日、同病院の会議室には17人のサポーターと平井院長が集まった。今年度の講師を務めるのは阿部浩子医師(33)。8年目の内科医だ。

この日のテーマは「貧血」。貧血が起こる仕組みや予防法を、15分間で説明する。誰にでも分かるように専門用語はできるだけ避け、「経口薬」を「飲み薬」と言い換えるといった工夫をした。

テーマに対しての質疑応答(15分)では「鉄剤を飲んでいるが、ずっと飲んでいても大丈夫なのか」「検査は年1回程度でいいか」。矢継ぎ早にサポーターから質問が飛ぶ。

その後、「病院から『診療所を紹介します』と言われたら」を議題にして30分間の自由討論があった。状態が安定している患者に対して、主治医が近くの診療所を紹介するケースを想定して意見が交わされた。阿部さんには司会役として、白熱する議論の調整力も問われた。

すべてが終了すると、サポーターが阿部さんについて、声の大きさは十分だったか、質問に耳を傾けていたかといった約20項目を、5段階で評価した。

平井院長によると、診察や治療の場面で、患者とのコミュニケーションは、医師として最も必要な技能だが、大学ではほとんど教わることがないという。同時に複数に教えることによって、どのように話せば全員に理解してもらえるかが分かる。

「地域医療を育てる会」の藤本晴枝理事長は「患者はベテランの医師に診てもらいたいと思う。それでは、若い医師のやる気がなくなる。患者側は何ができるのか」と考えた。医療に詳しくない市民が、分からないことをぶつけることで医師を育てるという逆転の発想から、この取り組みは生まれた。

もともと人前で話すことが苦手だったという阿部さん。繰り返し市民に話すことで「理解度は人によってさまざま。患者が何を考えているのかが分かるようになった」。平井院長も「最初はマイクにしがみついていたのに、身ぶり手ぶりを交えて説明するようになった。自信の表れだろう」と評価する。

サポーターの登録は現在25人。40〜60代の人が多く、口コミで集まってきた。初めて参加した大網白里町の中尾栄子さん(68)は「医者と向き合って、市民が言えることは良いこと。病気をきちんと説明して、不安を取り除く先生になってほしい」と話した。

東金病院は、04年に始まった新医師臨床研修制度の導入に伴い、勤務医が大学病院に引き揚げられ、一時は内科医が2人となった。しかし、研修制度を充実させるなどして、今年の4月には6人に戻った。

サポーター制度は阿部さんが取得を目指す専門医のカリキュラムの一環として行われている。今年度は全12回行われるが、参加する市民も徐々に増えている。平井院長は「医師は孤立無援になったら辞めてしまう。とどまらせるために、住民が何かをしてくれているという力は大きい」と手応えを感じている。

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大淀事件 35 / 第 2 回口頭弁論

Posted by guideboard on 2007/08/29/Wed

今日 2007.8.29、大阪地裁で大淀事件民事訴訟の第 2 回口頭弁論が開かれた。

元大淀病院産婦人科部長は無責であると考える。その理由については、本ブログのこれまでの記事を参照して頂きたい。

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大淀事件 34 / 医療過誤専門弁護士資料

Posted by guideboard on 2007/08/23/Thu

損害賠償請求控訴事件
大阪高等裁判所平成一五年(ネ)第一〇四四号
平成17年9月13日民事第四部判決
控訴人 甲野一郎
同法定代理人親権者父 甲野太郎
同母 甲野花子
控訴人 甲野太郎 ほか一名
上記三名訴訟代理人弁護士 阪井基二

同 阪井千鶴子 

被控訴人 徳島県
同代表者徳島県病院事業管理者 塩谷泰一
同訴訟代理人弁護士 田中達也
同 田中浩三

【文献番号】28110568
文献種別 判決/大阪高等裁判所(控訴審)
判決年月日 平成17年 9月13日
事件番号 平成15年(ネ)第1044号
事件名 損害賠償請求控訴事件

判決概要 帝王切開術によって出生した子とその父母である控訴人らが、控訴人の出生に際し、被控訴人が設置、運営する病院の担当医師らの医療行為に不適切な点があったため、控訴人に脳障害が残ったとして、不法行為又は診療契約の債務不履行に基づき、損害賠償を請求した事案で、担当医師には、母に対して帝王切開術を施行する必要性がいまだ肯定できないのにこれを実施し、子を在胎31週4日で肺機能や脳室周囲血管の未熟なままに娩出させた過失があり、また、父母に対し、帝王切開の選択が胎児に与えるリスクや他の選択肢の可能性について説明しなかった点において、説明義務の違反があるとして、請求を一部認容した事例。

主   文

一 原判決を次のとおり変更する。
(1)被控訴人は、控訴人甲野一郎に対し、一億〇六二四万四九六九円及びこれに対する平成四年七月四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
(2)被控訴人は、控訴人甲野太郎及び同甲野花子に対し、各三三〇万円及びこれらに対する平成四年七月四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
(3)控訴人らのその余の請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は第一、二審を通じてこれを五分し、その一を控訴人らの、その余を被控訴人の負担とする。
三 この判決主文一項(1)及び(2)は仮に執行することができる

事実及び理由

第一 当事者の求める裁判
一 控訴人ら
(1)原判決を取り消す。
(2)主位的請求
ア 被控訴人は、控訴人甲野一郎に対し、一億四二三八万一五五七円及びこれに対する平成四年七月四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
イ 被控訴人は、控訴人甲野太郎及び同甲野花子に対し、各六五〇万円及びこれらに対する平成四年七月四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
(3)予備的請求
 附帯請求の起算日を平成九年二月八日とするほかは、いずれも主位的請求と同じ。
(4)訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
(5)仮執行宣言
二 被控訴人
(1)本件各控訴をいずれも棄却する。
(2)控訴費用は控訴人らの負担とする。
(3)担保を条件とする仮執行免脱宣言

第二 事案の概要
一 本件は、控訴人らが、控訴人甲野太郎及び同甲野花子の子である同甲野一郎の出生に際し、被控訴人が設置、運営する徳島県立中央病院の医師らの医療行為に不適切な点があったため、控訴人甲野一郎に脳障害が残ったとして、主位的には不法行為に基づき、予備的には診療契約の債務不履行に基づき、それにより生じた損害の賠償を求めた事案である。
 原審は、徳島県立中央病院の医師らに控訴人ら主張の各過失は認められず、その余の点について検討するまでもなく控訴人らの請求は理由がないとして、その請求をいずれも棄却した。そこで、これを不服として、控訴人らが本件控訴を提起した。
二 前提となる事実(当事者間に争いがない事実並びに後に掲記する証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実)
(1)当事者
ア 控訴人甲野一郎(以下「控訴人一郎」という。)は、控訴人甲野太郎(以下「控訴人太郎」という。)を父とし、控訴人甲野花子(以下「控訴人花子」という。)を母として、平成四年七月四日に、第三子として誕生した。
イ 被控訴人は、徳島県立中央病院(以下「被控訴人病院」という。)を設置、運営し、産婦人科の乙山松子医師(以下「乙山医師」という。)や小児科の丙川竹夫医師(以下「丙川医師」という。)など同病院に勤務する医師を履行補助者として診療行為を行っていた。
(2)診療契約の締結
 控訴人花子の入院に際し、控訴人太郎及び同花子は、被控訴人病院を通じて、被控訴人との間で、控訴人花子の出産について、適切な診療、分娩介助及び施術をする旨の診療契約を締結するとともに、控訴人一郎の出生介助及び出生後に控訴人一郎に適切な診療をする旨の診療契約を締結した。
(3)事実経過等
ア 控訴人花子は、平成四年一月七日(以下、日時の記載は、特に断りのない限り平成四年のことである。)、月経が止まったとの理由で、被控訴人病院産婦人科を受診し、在胎週数六週四日(以下、「〜週」というのは在胎週数を意味する。)と診断された。
イ 控訴人花子は、一月二一日から六月九日までの間、被控訴人病院において、おおむね一か月ごとに乙山医師による検診を受けていた。乙山医師は、四月一四日の検診のころから、控訴人花子につき、前置胎盤を疑うようになったが、五月一二日及び六月九日に控訴人花子に対して行った超音波検査により前置胎盤であるとの確定診断を下し、六月九日、控訴人花子に入院を勧めた。そこで控訴人花子は、六月一二日、二八週三日で被控訴人病院に入院した。
ウ 七月四日午前六時四〇分ころ、控訴人花子がトイレに行った際に性器出血が見られた(なお、これ以降の出血の態様や量については争いがある。)。
 乙山医師は、同日午前八時二五分ころに控訴人花子を診察した上、控訴人花子に対し、帝王切開術による分娩を行うこととした。
 控訴人花子は、同日午前一〇時五分ころ、被控訴人病院三階の手術室(以下、単に「手術室」という。)に搬入され、全身麻酔を施された。
 乙山医師は、控訴人花子に対し、手術室において、同日午前一〇時一五分から帝王切開術を開始し、
同日午前一〇時一八分に控訴人一郎を娩出した。出血量は、羊水込みで約七五〇mlであった。
 控訴人一郎は、三一週四日であり、出生体重は一七一六gと低出生体重児であった。
控訴人一郎は、出生時の啼泣がカルテ上(±)とされ、全身色不良で、筋緊張も弱く、一分後のアプガースコアは七点であった。
エ 控訴人一郎は、自発呼吸はあるものの呼吸がやや弱いため、手術室内でアンビューバッグによる酸素投与により呼吸補助を受け、その後、同所から酸素投与しながら保育器に入れられて、丁原梅子助産婦によってエレベーターを利用して、被控訴人病院四階小児病棟の未熟児室(以下、単に「未熟児室」という。)に搬送された(以下「本件搬送」という。なお、未熟児室に搬入された時刻については争いがある。)。手術室において分娩に立ち会っていた小児科の丙川医師は、三階の手術室を出てから四階の未熟児室まで先行し、控訴人一郎を待ち受けた。
 本件搬送に際し、エレベーターを待ち未熟児室に至るまでの間に、控訴人一郎は呼吸不全を起こし皮膚色が悪化し、強度のチアノーゼを呈した。
丙川医師は、未熟児室への搬入後、控訴人一郎に対し、アンビューバッグによる酸素投与を行い、その後、気管内挿管を行ってレスピレータ装着等の処置を施した。
その後、レントゲン所見上、肺未熟の疑いにより、同日午前一一時二五分ころに至って人工サーファクタントを投与した。投与中から経皮酸素モニターでの酸素分圧等の改善がみられ、レスピレータの酸素投与条件減少の方向へ向かった。
オ 翌七月五日には、控訴人一郎の右肺に気胸が認められたが、八日には消退した。
カ 八月一三日、控訴人一郎は、被控訴人病院を退院した。
キ 控訴人一郎は、一一月一八日の四か月検診の際に、被控訴人病院で発達の遅れを指摘された。
 その後、控訴人一郎は、遅くとも平成六年七月七日までには、脳性麻痺と診断され、肢体不自由(両上肢機能障害二級、両下肢機能障害二級)により、身体障害一級との認定を受けた。
ク 控訴人らは、被控訴人病院の措置の過失を疑い、平成七年九月カルテ等について証拠保全を申し立て、同月二二日証拠保全がなされた。その後、控訴人らは、平成一〇年二月二六日、本件訴えを提起した。被控訴人は、控訴人らの不法行為に基づく損害賠償請求に関し、平成一一年一〇月一四日の原審第八回弁論準備手続期日において、消滅時効を援用する旨の意思表示をした。

三 争点
(1)産婦人科乙山医師の帝王切開術の実施時期決定等に係る過失
(2)小児科丙川医師の呼吸管理に関する過失
(3)説明義務違反
ア 帝王切開術の実施決定時の乙山医師の説明義務違反
イ 脳性麻痺との確定診断後の丙川医師の説明義務違反
(4)過失と脳性麻痺との因果関係
(5)控訴人らの損害額
(6)各要因の現在の症状への寄与度の考慮
(7)消滅時効(予備的抗弁)

四 争点に対する当事者の主張
(1)産婦人科乙山医師の帝王切開術の実施時期決定等に係る過失
(控訴人ら)
ア 前置胎盤が見られる場合に、分娩時期を決定するに当たっては、子宮出血の量、持続、妊娠持続期間、胎児生活力、前置胎盤の程度、胎位・胎勢、下降度、経妊、経産回数、挙児の熱望度、頸管の状態、分娩開始の有無など多くの要因を総合して慎重に判定しなければならない。
 なお、三一週の胎児の肺機能が未熟であることは、医学上明らかであり、この時期は胎児の肺の成熟にとって重要な時期なのであるから、担当の医師としては、可能な限り長く、子宮内に胎児をとどめ、肺機能が成熟するのを待つべきである。実際にも、前置胎盤においては、少量の出血を繰り返しながら、三六週まで在胎期間を延ばすことが広く行われている。
イ 本件では、乙山医師は、経口投与していたウテメリンを点滴投与に切り替えた上で、控訴人花子に対し、絶対安静を指示し、止血を試みるとともに、経時的に外出血量を計測しつつ経過観察し、少しでも長く胎児が発育するのを待ち、具体的に分娩時期を決定するに当たっても、胎児の状態、母胎の状態、出血量等から慎重に判断すべき義務があった。

 とりわけ、小児科的には、胎児は、三二週からサーファクタントが分泌され、肺機能が急速に成熟するところ、控訴人一郎は、あと二、三日で三二週となる時期にあったのであり、あと少し胎内保存的治療を施せば、肺機能の未熟性は大きく変わり、出生後の呼吸不全が起こる確率は異なったはずであるし、出生後に同じく軽度の呼吸不全が起こったとしても、予後は全く異なったはずである。また、上記のようにして胎出娩出までの時間を稼ぐ間に、副腎皮質ホルモンであるベタメタゾンやデキサメタゾンを投与するなどして、胎児の肺サーファクタントの産生を誘導した後に帝王切開することにより、新生児呼吸窮迫症候群(RDS)の発生を予防するべきであった。この方法は、平成四年当時既に一般的に行われていた。
 ところが、乙山医師は、上記義務に違反し、控訴人花子がいまだ大出血も来しておらず、大出血の予兆も少なくとも出血量からはこれを窺い知ることができない段階で、しかも、診察後も自力歩行で帰室しても何ら問題がなく、子宮収縮なども見られない状況下で、出血が止まるかどうか様子を見るというようなことを全くしないままに、単に、当日が土曜日であり、その午後以降は手術スタッフがそろいにくいことを手術決定の理由として、直ちに帝王切開術を行った。これは、慎重に決定すべき分娩時期を安易に決定したものというべきである。ちなみに、乙山医師は、出血の状況が噴出型の出血であったかのようにいうが、これを裏付ける記録はカルテには全くない。かえって、カルテには「帯下血性増量」とあるだけで、生理パッドにも出血はなかったのである。
 したがって、乙山医師には、分娩時期の決定につき、判断を誤った過失がある。また、胎内保存的治療を行い待期する間に、上記のように副腎皮質ホルモンの母胎投与を行い肺サーファクタントの産生を促すべきところ、これを怠った過失もある。

(被控訴人)
ア 前置胎盤では、通常、二五週以降、特に二八週以降に陣痛を伴わない子宮出血を来すのが特徴であり、初回は警告出血と呼ばれる出血から始まることが多いが、初回から大出血を来すこともある。一度強出血を起こすと、母体は出血性ショック、胎児は胎児仮死、胎児死亡となることがあるため、警告出血とは思えない出血があれば、初回の出血であっても、母児の救命を図る目的で緊急帝王切開術が適応となる。特に母体が出血性ショックで重篤な状態になる前に児の娩出を行うことが必要である。
 一方、控訴人らが主張するように、できる限り胎内保存的治療をすべきであるとは限らず、直ちに娩出した方が待期的管理法に比して呼吸窮迫症候群(RDS)、貧血、感染、高ビリルビン血症、低血糖症、低カルシウム血症等の罹患率が圧倒的に低いとの統計もある。
 したがって、未熟児の救命が見込める病院において、前置胎盤で出血が制御困難であると判断された場合に、やや早期に帝王切開を施行しても過失があるとはいえず、特に、全前置胎盤で性器出血が起きた場合にそれが警告出血にとどまると予測することは容易ではなく、近い将来に大量出血が起きることを想定して対処することは、医師として当然なすべき措置である。


徳島新聞 2006.2.7

県側の敗訴確定 中央病院脳性まひ訴訟、最高裁が上告棄却

徳島県立中央病院で帝王切開し、出産した子供が脳性まひになったのは医師の不適切な対応が原因として、大阪府の両親らが県に約一億六千万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は六日までに県の上告を棄却した。病院側の医療ミスを認め、県に約一億一千万円の支払いを命じた二審大阪高裁判決が確定した。

二審判決によると、母親は一九九二年六月、同病院で帝王切開することが多い「前置胎盤」と診断され入院。医師は「いつ大出血が起こるか分からない」などとし、子供が三十一週の段階の七月に帝王切開した。

一審の大阪地裁堺支部は、両親らの請求を棄却。二審の大阪高裁は一審判決を変更し、子供が三十一週の段階で、少量出血する程度だったのに帝王切開したため、出産後の呼吸不全が原因で脳性まひになったとして、病院側の医療ミスを認めた。

塩谷泰一県病院事業管理者は「県側の主張が認められず、極めて残念だ。今後とも医療安全対策については懸命に取り組んでいきたい」と話している。

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大淀事件 34 / 医療過誤専門弁護士

Posted by guideboard on 2007/08/22/Wed

本件に関連して、お二方の弁護士の名前を覚えた。

石川寛俊弁護士

大淀事件で原告ご遺族の代理人を務められている石川寛俊弁護士は、エイズ訴訟大阪原告団の弁護を努められたり、医療問題に造詣が深い方と伺っている。大阪の撃墜王とも呼ばれる凄腕でもあるという。

大淀事件では、有志の多数の医師がネット上に流れた情報を元に医学的立場から、医学、医療制度それぞれを顧みた的確な検証を行った。その元となった患者情報が流出したことを、石川弁護士はどうお思いになられたのかをここでは考察したり言及したりはしないが、大淀町の個人情報保護条例や医師などの守秘義務に反するものとして訴訟をちらつかせた。

m3.com はそれを受けて貴重なログを消し去ってしまった。

自然科学に基づく真実の探求よりも、依頼人の利益が大切なのは弁護士なら当たり前だ。日本の司法制度には、そういう司法のシステム自体が医学医療、国民の生命や健康に敵対してしまうという、制度上の限界があるともいえるだろう。

情報漏洩問題の過去記事の主なものは以下である。

» 大淀事件 27 / 情報漏洩問題
» 大淀事件 27 / 情報漏洩問題資料
» 大淀事件 30 / m3
» 大淀事件 30 / m3 資料

情報漏洩問題の画像資料は以下にある。

» guideboard


阪井千鶴子弁護士

この方は、徳島県で緊急帝切出生児の脳障害に係る裁判に置いて、原告患者側代理人を務められ、最高裁まで争って勝利された。医療過誤を専門に掲げられている、これまた凄腕の方であろう。

損害賠償請求控訴事件
大阪高等裁判所平成一五年(ネ)第一〇四四号
平成17年9月13日民事第四部判決

また、マチ弁日記おばさん弁護士の独り言というブログを主催していらっしゃる。母親でもあり、人情味あふれる方でいらっしゃるのだろう。

ただ、医療過誤専門とおっしゃった割には、大淀事件や、今まさに崩れ落ちていくまっただ中の医療については、あまりご存じないようだ。

正真正銘ひとりごと 作成日時 : 2007/06/27 21:05

突然、まじめな話をするが、ここ最近で一番ショックを受けたのは、奈良県の妊婦死亡事件の裁判のニュースである。
私も、昨年、最高裁まで争った産婦人科分野の訴訟では、某サイトで書き込まれた記事を読んで、正直言ってめげた。
で、今回、何にショックを受けたかというと、医療側の主張である。今まで、産婦人科分野の訴訟をするたびに、一病院を相手にしていると言うよりも、産婦人科学会を相手にしているという感が強かった。裁判所が「鑑定」という度に、私は、その鑑定医の推薦はどこに頼むの?産婦人科学会相手の裁判で、医師会の顧問弁護士が代理人で出てきているのに、学会に推薦して貰うの?医師会に推薦して貰うの?学会と関係のない大学なんてあるの?近畿の医療訴訟での裁判所ネットワークって何?って思ってた。そして、医療側が出してくる私的鑑定書は、鑑定人の名前を見れば、産婦人科学会を通じて頼んでいるのねと丸わかり。当時産婦人科学会の牙城と言われていた「某大学の助教授」だったりした。それを見て、いつも、自分が相手にしているのは、一病院じゃない、産婦人科学会なんだと思っていた。
ところが、今回の奈良の裁判では、報道が正しければ、被告は「医療界」をあげて、闘うらしい。おっきくなってる!!
しかし、医療界をあげて闘うのであれば、裁判所はどこに鑑定依頼をするのだろう。大阪地裁17民事部の裁判官たちも、今頃、悩んでいるのでは?

突然 作成日時 : 2007/08/19 20:25

相談者が望んでいることは医師を個人的に攻撃することではない。
相談者は、「何が起こったのか知りたい」という場合が多い。そして、金銭的なことは二の次のケースが多い。

医学と日本の医療制度の限界が示された本事件であったが、国立循環器病センターで亡くなられた方とその後遺族の方々を、まことにお気の毒に思う。そのご遺族は、本事件が報道された最初にどのようにコメントされたか。阪井弁護士はご存じないのだろう。

» 大淀事件 01 資料 / 各社報道 第一報 20061017

夫の晋輔さん(24)は「実香が意識を失っても大淀病院の主治医は『単なる失神でしょう』と言って仮眠をとっていた。命を助けようという行動は一切見えなかった。決して許せない」と訴えている。
(2006年10月17日 読売新聞)

亡くなった患者さんが意識を失った時点と脳内出血がいつ起こったかの問題、担当医が仮眠を取っていたかと各所へ連絡を取っていたかの真実は、この第一報以後、数多く検討が加えられているし、裁判で新たな事実が判明することもあろう。

「決して許さない」、こうコメントされている。ご主人がこういうコメントをされたことは無理もない。だが、阪井弁護士は、医療事故、医療過誤の被害者たる患者さんやご遺族は真実が知りたいのだとおっしゃる。

乖離しているのではないか。復讐願望、処罰感情や金銭要求は全くないのだろうか。

後は炎上、祭となってしまった阪井弁護士のブログを、見ることが叶うなら、ご覧頂きたい。

マチ弁日記おばさん弁護士の独り言
医療過誤 ( pdf 保存 658KB )
正真正銘ひとりごと ( pdf 保存 702KB )
突然 ( pdf 保存 1.2MB )

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大淀事件 33 / 中締

Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon

刑事では、大淀病院に捜査が入っています。受け入れを断った医療機関も刑事捜査の対象とされています。また大淀町には個人情報保護の法令違反の疑いとしての捜査が入っている様です。民事の提訴もなされました。これで一旦中締めとして、記事の更新を中断します。

これまでの記事は他のサイトに掲載していたのですが、こちらに記事と資料をまとめておくことにしました。また、あるサイトから削除となる記事をこちらに収載し保存しました。

報道された記事、インターネット上に出回った情報のうち、記事作成に必要な参考資料として私が個人的に参照したものは、なるべく偏らず、漏らさず保存参照して比較検討する材料とすることに努めました。一部のみとか、ある社の報道のみなどという恣意が入り込まないように、公平な検討に努めるためです。各記事中では特に断っていませんが、これら資料の著作権は、原典の執筆者、出版社、報道機関にあります。

また貴重な画像を拝見させて頂いたサイトからは、参照するために保存させて頂いたものがあります。

これらの情報、資料、画像の中には、著作権者や利害関係を持つ方にとっては消し去りたいものもあるようですし、情報を自らの望むようにコントロールしたいと思い、それを実行に移した方々 ( 大淀事件 30 / m3 ) がいらっしゃいますので、引用元を明示していないものがあります。無断引用になりますのも、引用元を秘匿することでもあるとご理解頂きたいと思います。

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大淀事件 32 / 陣痛促進剤資料

Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon

毎日新聞 2007.5.31

「世の中変える出発点に」 義父、奈良女大で講義 奈良・妊婦転送死亡
妊婦転送死亡:「世の中変える出発点に」 義父、奈良女大で講義 /奈良

◇病院への心境の変化語る

大淀町立大淀病院で昨年8月、五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、転送先で死亡した問題が、奈良女子大文学部(奈良市)で30日あった「社会学概論」の講義で取り上げられた。義父の憲治さん(53)は「医療や司法のあり方について、世の中を変える出発点にしたい」と語り、学生は「被害者の心境の変化を知りたい」と意見を交換した。6月6日の次回講義は夫晋輔さん(25)が体験を語る。【高瀬浩平、中村敦茂】

講義は薬害や医療事故を研究する栗岡幹英教授(社会学)が担当。被害者が病院、弁護士、報道機関、被害者団体などとかかわりながら、行動や心境をどう変えたか分析するのが狙い。

事故の経過や体験を語った憲治さんは昨年8月8日、実香さんの搬送先探しが難航した時について「焦るばかりで、医者に、電話しろとどなった」と打ち明けた。大淀病院側から昨年9月、話し合いの道を閉ざされた時について「初めて被害者になったと感じた」と説明。「医者を悪者にしたくない。病院が良くなってほしい」と、最近大きな心境の変化があったことを伝えた。

講演後、次回の講義について学生たちと打ち合わせ。学生側から憲治さんへ「なぜメディアに事実を明らかにしたのか知りたい」「私が当事者なら医師を許せない。なぜ冷静になれるのか」と質問。次回の講義で晋輔さんが疑問に答えることになった。憲治さんは提訴までのハードルが高い医療訴訟のあり方への疑問を話す。「少人数で深い話し合いをしたい」との意見でまとまり、一般公開は見送った。

文学部3年、鳥羽都子さん(20)は、大淀病院側が説明を拒んだことについて「自分の家族のことだったらと思うと、病院の対応はとても疑問だ」と話していた。

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「母になるあなたへ」
毎日新聞 2007.5.30

奈良・妊婦転送死亡:「母になるあなたへ」
義父、奈良女大で講演

奈良県大淀町立大淀病院で昨年8月、同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、転送先探しが難航した上、搬送先で死亡した問題で、義父の憲治さん(53)が30日、奈良女子大学文学部(奈良市)の「社会学概論」講義で、事故の体験や再発防止への思いについて語った。

薬害や医療事故の研究実績がある、「陣痛促進剤による被害を考える会」メンバーの栗岡幹英教授(社会学)が依頼。陣痛促進剤は実香さんにも投与された薬で、憲治さんは「いつか出産する女子学生に、被害者にならないための知識を身につけてほしい」と講演を快諾した。

講義には約30人の学生が出席。憲治さんは、陣痛促進剤の副作用で、母親や赤ちゃんが死亡するケースが相次いでいる現実にショックを受けたといい、実香さんが亡くなった経緯を説明しながら、「いつか病院と遺族が手を携えて、地域医療を再生したい」と強く訴えた。

【高瀬浩平、中村敦茂】

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「産科医療良くなれば」 死亡妊婦の夫が講義
共同通信 2007.6.6

奈良県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、約20の病院から転院を断られ死亡した高崎実香(たかさき・みか)さん=当時(32)=の夫晋輔(しんすけ)さん(25)と義父憲治(けんじ)さん(53)が6日、奈良女子大(奈良市)で講義、産科医療に対する思いなどを学生に語った。

晋輔さんは「二度とこんなことが起こってほしくない。僕が動いて産科医療が良くなれば実香が生きた証し、死んだ意味が残る」と訴え、涙ぐむ場面もあった。1年の土田由美さんは「生の声で、心にくるものがあった。医療制度をしっかりしてほしい」と話した。

医療事故の当事者の話を学生に直接聞かせたいと、文学部の栗岡幹英(くりおか・みきえい)教授(医療社会学)が依頼した。

実香さんは昨年8月、分娩中に頭痛を訴え、意識不明になった。医師はけいれんと診断し移送を要請。次々断られ、最終的に転院した病院で手術し男児を出産したが、脳内出血で約1週間後に死亡した。

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義父・高崎憲治さん、奈良女大で意見交換「医師と対話したい」

毎日新聞 2007.6.7

妊婦転送死亡:義父・高崎憲治さん、奈良女大で意見交換「医師と対話したい」 /奈良
◇夫・晋輔さんと陣痛促進剤の危険性訴え
◇「別の専門科目の講義にも活用を」栗岡教授

五條市の高崎実香さん(当時32歳)が昨年8月、分娩中に意識不明となり、転送先で死亡した問題で、奈良女子大学で6日講演した夫晋輔さん(25)は終了後、学生ら約15人と質疑応答や意見交換をした。意見交換には晋輔さんの父憲治さん(53)も参加。学生から「次世代の医師や看護師にも体験を話してほしい」と求められ、憲治さんは「機会があればぜひやりたい。医師と対話したい」と答えた。【高瀬浩平】

憲治さんは実香さんが出産時に使った陣痛促進剤の危険性について繰り返し訴えた。文学部2年の松井翔子さん(20)は自分が生まれた時、母親がこの薬を使ったという。松井さんは「母が亡くなったかもしれないと思うと身につまされた。自分が産む時も危険性を考えないといけない。今日聞いたことをブログに書き込みたい」と言う。

大学院人間文化研究科で社会学と心理学を学ぶ山本智子さん(48)は「子どもがいる晋輔さんは家庭を中心に見ていて、妻がいない寂しさを感じていた。憲治さんは全体を見て、制度を問題にしていた。役割分担しているようだ」と話した。

講演を依頼した栗岡幹英教授(医療社会学)は「別の専門科目の講義にも生かしたい」と次につなげる考えだ。晋輔さんは「学生に意見が伝わって良かった。全国の多くの人に伝えてほしい」と話した。

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毎日新聞 2007.7.12

大淀病院、産科医探し 県制度利用も応募めどなし
奈良・妊婦転送死亡:大淀病院、産科医探し 県制度利用も応募めどなし

入院中の妊婦、高崎実香さん(当時32歳)=奈良県五條市=が昨年8月、転送先探し難航の末に死亡する問題が起きた同県大淀町立大淀病院が、県の「ドクターバンク制度」を利用して産婦人科医を探し始めた。同病院は問題発覚後の今年3月末、婦人科を残して産科を休診、県南部の分娩(ぶんべん)施設がなくなっていた。

同制度は、医師不足が深刻な産科、小児科、へき地勤務医について過去の離職・退職者で県内で働くことを希望する医師を登録。県内の公的病院から求人を受け付け、医師をあっせんする。県によると、6月18日に大淀病院から常勤の産科医3人と常勤の小児科医1人の求人を受けた。しかし、制度を始めてから3カ月以上たった現在も医師の登録はないため、大淀病院の産科再開のめどは立っていない。【中村敦茂】

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asahi.com 関西 2006.12.22

奈良・大淀病院、分娩対応中止へ 県南部のお産の場消える
2006年12月22日

奈良県大淀町の町立大淀病院で8月、重体になった妊婦(当時32)が計19病院に搬送の受け入れを断られた末、大阪府内の病院で死亡した問題で、同病院が来年3月で分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止することがわかった。同病院の産婦人科にはこの妊婦を担当した常勤の男性医師(59)しかおらず、長年にわたる激務や妊婦死亡をめぐる対応で心労が重なったほか、別の産科医確保の見通しが立たないことなどが理由とみられる。

県などによると、同病院は来年3月末で産科診療を休止し、その後は婦人科外来のみ続ける方針。スタッフの拡充を検討したが、県内の公立病院に産科医を派遣してきた奈良県立医大の医師不足などから、新たに医師が確保できず、分娩対応の継続ができないと判断した。病院側は同日、院長名で事情を説明する文書を張り出した。

男性医師は県立医大から非常勤医師の応援を得ながら、年間150件以上のお産を扱っていた。宿直勤務は週3回以上で、妊婦が死亡した後、「ここで20年以上頑張ってきたが、精神的にも体力的にも限界」と周囲に漏らしていたという。

県南部では、県立五條病院(五條市)が4月に産科医不足から分娩取り扱いを中止しており、大淀病院がお産を扱う唯一の病院だった。県幹部は「早急に県内の周産期医療のあり方を見直さねばならない」と話す。

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大淀事件 32 / 陣痛促進剤

Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon

亡くなられた方は、予定日超過のために誘発目的で大淀病院に入院し、PGE2 による誘発が開始されていた。
» 大淀事件 01 資料 4 / 近県者情報 20061018

これだけでは、通常よくある対処であり、これが子癇や脳内出血には結びつかない。

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ご遺族の方々が相次いで奈良女子大学の教壇に立たれた。いずれ母となるであろう女子学生に、体験と心境を語る。その勇気ある尊いお志に敬意を表したい。教壇へ招いたのは「陣痛促進剤による被害を考える会」メンバーの栗岡幹英奈良女子大学教授。

毎日新聞 2007.5.30
奈良・妊婦転送死亡:「母になるあなたへ」
義父、奈良女大で講演
陣痛促進剤は実香さんにも投与された薬で、憲治さんは「いつか出産する女子学生に、被害者にならないための知識を身につけてほしい」と講演を快諾した。

義父の方が陣痛促進剤についてどう捉えてどういうお話をされたかは分からないが、この記事では、微妙につながって読める。

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陣痛促進剤による被害を考える会のウェブサイトを拝見させて頂く。
http://homepage1.nifty.com/hkr/higai/

被害者の視点を忘れずに「産科医療」の事故・裁判・質・システムを考えるシンポジウム ( 2007.4.28 エル大阪 ) の記事が目にとまる。

注目を集める事件の真相を語る
●陣痛促進剤事故を繰り返すリピーター医師
 出元明美さん(「陣痛促進剤による被害を考える会」代表)
●横浜市堀病院の母体死亡事故
 吉野克則さん(被害者遺族)
●奈良県大淀町立病院の母体死亡事故
 高崎晋輔さん高崎憲治さん(被害者遺族)
●福島県立大野病院の母体死亡事故
 鳥集 徹さん(ジャーナリスト)
●金沢大学医学部産婦人科の無断臨床試験裁判
 打出喜義さん(「金沢大学病院 産婦人科」医師)
パネル・ディスカッション
〜被害を繰り返さないための産科医療改革運動20年の意味と今後を考える〜
石川寛俊弁護士、岡本隆吉さん他、

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そしてこういうサイトを拝見させて頂くことができる。

日々のたわごと・医療問題資料館
http://symposium.b-r.under.jp/
http://symposium.b-r.under.jp/?eid=551249
http://symposium.b-r.under.jp/?eid=554323
http://symposium.b-r.under.jp/?eid=555247
http://symposium.b-r.under.jp/?eid=555249

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さらにここを拝見させて頂く。
新小児科医のつぶやき
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070626
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070706 ( ここのコメント欄 )

第四の権力ともいわれるマスコミ。崇高な目標と尊い努力を払いながら、現実社会の荒廃を後押しをしてしまう集団。これらの方々のおっしゃるところの理想の医療を目指す流れはますます激しくなっていく。いつかその理想に到達できる日が来るのだろうか。

第一回口頭弁論を伝える報道も、毎日新聞と共同通信ではだいぶトーンが異なる。

毎日新聞 2007.6.26
奈良・妊婦転送死亡:賠償訴訟 初弁論、夫が涙の訴え 両親も癒えぬ悲しみ
「命助けようとする必死さ伝わらなかった」
弁論で、母は被告側の「社会的なバッシングで大淀病院は周産期医療から撤退した」との意見表明に心を痛めた。「実香の死で病院が閉鎖に追い込まれたかのような主張。実香も『そうじゃないでしょ』と言いたいと思う」と少し口調を強めた。

共同通信 2007.6.25
「遺族は責任を転嫁」 妊婦死亡で町が争う姿勢
町側代理人は「診療体制の問題点を特定の医師、医療機関に責任転嫁しようとしており、到底許容できない」と主張。提訴を「正当な批判を超えたバッシング」と批判し「結果として病院は周産期医療から撤退、県南部は産科医療の崩壊に至っている」と述べた。

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最後にこれを見る。これが現実である。

asahi.com 関西 2006.12.22
奈良・大淀病院、分娩対応中止へ 県南部のお産の場消える
奈良県大淀町の町立大淀病院で8月、重体になった妊婦(当時32)が計19病院に搬送の受け入れを断られた末、大阪府内の病院で死亡した問題で、同病院が来年3月で分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止することがわかった。同病院の産婦人科にはこの妊婦を担当した常勤の男性医師(59)しかおらず、長年にわたる激務や妊婦死亡をめぐる対応で心労が重なったほか、別の産科医確保の見通しが立たないことなどが理由とみられる。

毎日新聞 2007.7.12
奈良・妊婦転送死亡:大淀病院、産科医探し 県制度利用も応募めどなし
同病院は問題発覚後の今年3月末、婦人科を残して産科を休診、県南部の分娩(ぶんべん)施設がなくなっていた。

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その昔、理想郷を求めた人たちがいたが、たどりついた理想郷には何もなかった。

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参考資料

大淀事件 32 / 陣痛促進剤資料
大淀事件 31 / 20070625 第一回口頭弁論資料

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追記

ご遺族の主張は、担当医を絶対許さないといいつつ、医療制度の問題であり医療の充実をと訴え、提訴時には損害賠償額を明らかにせず、奈良県南部の産科医療が消えてしまったためなのか同病院の産科医療の存続を訴え、それも訴えた相手に逃げるな、お前がやれとおっしゃる。ご遺族の主張には軸がいくつかあるように感じる。

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追記

これも報道されていたことであるが、亡くなられた方のご主人は、25 年前、本件の元産婦人科部長が取り上げた子だった。

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追記

上記、新小児科医のつぶやき http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/ でも触れられていることである。2007.5.29、ABC のテレビドキュメンタリー、悲鳴病棟の放送を拝見すると、亡くなられた方の、まだ陣痛が続いている最中の映像、そして帝切、脳外科手術後の病室での映像までが、手ぶれもなく、鮮明に記録されている。

悲しみに暮れるご主人は常に映っている。大変においたわしい限りである。だれがこの冷徹な映像を撮ったのだろう。これほど説得力を持って視聴者を圧倒できる映像は、なかなか見ることはない。

大淀事件 32 / 画像資料

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大淀事件 31 / 20070625 第一回口頭弁論資料

Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon

» 大淀事件 31 / 20070625

毎日新聞 2007.6.26

奈良・妊婦転送死亡:賠償訴訟 初弁論、夫が涙の訴え 両親も癒えぬ悲しみ

◇「命助けようとする必死さ伝わらなかった」
◇娘の死、産科医療に生かして−−両親も癒えぬ悲しみ

奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となった同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)の転送が難航した上、死亡した問題で、夫晋輔さん(25)と10カ月の長男奏太ちゃんが町と担当医師に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の初弁論が25日、大阪地裁(大島眞一裁判長)であった。晋輔さんは「命を助けようとする必死さが伝わってこなかった」と涙ながらに意見陳述。被告側は「早く搬送していても救命の可能性はなかった」と全面的に争う姿勢をみせた。【高瀬浩平、撮影も】

この日、実香さんの両親も傍聴。母(58)は終了後、「あの子は天国から見守ってくれたと思います」と涙を浮かべた。

晋輔さんが意見陳述に立つと、母は胸に抱いた実香さんの遺影に「見守っててね」と語りかけた。手にした赤い巾着(きんちゃく)袋の中には安産のお守りと、実香さんの回復を願って写した般若心経。「奇跡が起きて良くなりますようにと、わらにもすがる思いでした。あの子の枕元にずっと置いていました。奇跡は起きませんでした」と袋をさすった。

弁論で、母は被告側の「社会的なバッシングで大淀病院は周産期医療から撤退した」との意見表明に心を痛めた。「実香の死で病院が閉鎖に追い込まれたかのような主張。実香も『そうじゃないでしょ』と言いたいと思う」と少し口調を強めた。

父(60)も「娘は亡くなったのに、被告側が被害者だと言っている感じがした。なぜ亡くなったのか、なぜ脳内出血が起きたのか究明してほしい」と訴えた。

母の悲しみは癒えない。一日に何度も仏壇に手を合わせ「どうしてる?」「実香ちゃん。安らかになれたらいいね」と話しかける。24日に墓参りし、「正しい道が開かれますように見守ってね」と祈った。

父も「寂しさや悲しみは和らぎ、薄らぐことがない。日がたつにつれて増していく感じ。娘は妻として母としての夢があった。子どもにどんな服を着せよう、どんなお弁当を作ってあげよう、と言って、普通の平凡な生活を望んでいたと思う。夢を閉ざされて無念だっただろう」と話した。訴訟については「娘の死を産科医療の充実のために生かしてほしいというのが親としての思いだ」と話した。

毎日新聞 2007年6月26日 大阪朝刊

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47 NEWS 共同通信 2007.6.25

「遺族は責任を転嫁」 妊婦死亡で町が争う姿勢

奈良県大淀町立大淀病院で出産時に意識不明となり、約20の病院に転院を断られた後に死亡した高崎実香さん=当時(32)=の夫晋輔さん(25)らが大淀町と担当医に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、大阪地裁(大島真一裁判長)で開かれ、町側は争う姿勢を示した。

町側代理人は「診療体制の問題点を特定の医師、医療機関に責任転嫁しようとしており、到底許容できない」と主張。提訴を「正当な批判を超えたバッシング」と批判し「結果として病院は周産期医療から撤退、県南部は産科医療の崩壊に至っている」と述べた。

遺族側の訴えについては「脳内出血は当初から大量で、処置にかかわらず救命し得なかった」と反論した。

これに先立ち意見陳述した晋輔さんは、転院先の医師から「あまりに時間がたちすぎた」と伝えられたことを明かし、おえつしながら「もう少し早ければ助かったということ。それが頭から離れません」と訴えた。

2007/06/25 17:47 【共同通信】

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妊婦死亡裁判 病院争う姿勢 NHK 奈良 2006.6.25

去年、大淀町の町立病院で妊婦が出産中に意識不明となって死亡したのは医師の診断ミスが原因だと夫らが訴えている裁判で、病院側は、「出産中に大量の脳内出血を起こし、どのような処置をしても助けられなかった」と全面的に争う姿勢を示しました。

この問題は、去年8月、大淀町の町立大淀病院で、T崎M香さん(当時32)が出産中に脳内出血で意識不明となり、ほかの19の病院に受け入れを断られて大阪の病院まで運ばれた末、8日後に死亡したものです。

原告で夫の晋輔さんら2人は、「脳内出血を疑わせる兆候があったのに、産婦人科の主治医が放置したため容態が悪化し、死亡につながった」として、病院を運営する町と主治医に損害賠償を求めています。

25日は大阪地方裁判所で1回目の裁判が行われ、被告の町と医師側は、「医師は放置していないし、妊婦が大量の脳内出血を起こしていたことを考えるとどのような処置をしても命を救うことはできなかった」と反論し、全面的に争う姿勢を示しました。

この問題が明らかになった後、大淀病院はことし3月一杯で産科を休診しましたが、これについて被告側の弁護士は、「今回の件でバッシングを受けた結果だ。原告らの誤った主張は医療界をあげて断固正していく」と批判しました。

これに対し、原告の晋輔さんは裁判の後、「病院には産科を続けて欲しかったが、事故の検証もせずに廃止を決めてしまった。逃げたとしか思えない」と話していました。

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大淀事件 31 / 20070625

Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon

本記事は、2007 年 6 月 25 日、午前 0 時 0 分、http://guideboard.blog.com/ に掲載されたものである。原典とそのコメントを転載保存する。


はじめに、お亡くなられた方、そしてご遺族の皆様方に深甚なる哀悼の意を捧げます。

2006 年 8 月 8 日、その事件は起こりました。

ご遺族は、この事件の真実をお求めになろうと、2007 年 5 月 23 日、亡くなられた患者さんを最初に担当した奈良県大淀町、大淀町立病院の元産婦人科部長と大淀町を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こされました。

まことに残念なことで、私たち医師もこの件の真実はどこにあるのかを知り、それをこれからの医療、国民の皆様の健康、生命のため、特に産科医療、救急医療に役立てたいと思います。

私たちは、決して真実から目を逸らしてはなりません。医師たちは、この事件が明らかにされた直後から、報道された制約ある材料からだけではありますが、真実を追究する努力をしました。元産婦人科部長は限られた医療資源と時間の中で努力されました。そして元産婦人科部長個人の責任に帰するようなことは、事件の本質を隠してしまうことだと分かりました。

ご遺族の方々の無念の思いは察するにあまりあります。そして医師個人の責任を追及することは、目を曇らせ何も得るものがないものだと思います。

真実、それは亡くなられた方は医師の手によって命を落とされたのではないことが明らかになり、ご遺族が納得できる結論を手にされる日が来ることを願ってやみません。

今日 2007 年 6 月 25 日、この裁判が始まります。日本の産科、周産期、救急医療全体の問題も併せて考え、被告医師が有責とされないことを望みます。

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追記

本件に関するマスコミ報道に問題があったことは、何人もの有志の手によって、既に明らかにされています。

支援リンク

http://swedenhouse-oita.cocolog-nifty.com/pediatrics/2007/06/post_6369.html
http://blog.m3.com/case-report-by-ERP/20070625/1
http://blog.m3.com/Visa/20070625/2
http://blog.goo.ne.jp/peak1839/e/a74d79de787611ac83568fce7c866e0a
http://blog.so-net.ne.jp/kyouteniiretamono/2007-06-25
http://slummy.cocolog-nifty.com/oshiro/2007/06/post_9a2e.html
http://d.hatena.ne.jp/takuzo1213/20070625/p1
http://blog.m3.com/OB_Gyne/20070625/1
http://blog.m3.com/nana/20070625/1
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070625
http://blog.m3.com/TL/20070625/3
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/06/72_8e2f.html
http://zainomusou.blogspot.com/2007/06/blog-post_25.html
http://plaza.rakuten.co.jp/tinyant/diary/200706240000/
http://blog.m3.com/Fight/20070625/2
http://blog.m3.com/Neurointervention/20070625/1
http://blog.livedoor.jp/cima7771/archives/50895792.html
http://ameblo.jp/y-gami/entry-10037764967.html
http://medicalfootball.blog69.fc2.com/blog-entry-81.html
http://d.hatena.ne.jp/guri/20070625/1182747068
http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000/13435910.html
http://d.hatena.ne.jp/physician/20070625
http://blog.hashimoto-clinic.jp/200706/article_3.html
http://yukitake.exblog.jp/6381361/
http://blog.m3.com/Norinorinori/20070625/1
http://blog.m3.com/akagamablog/20070625/2
http://d.hatena.ne.jp/droppo/20070625
http://d.hatena.ne.jp/ririnko0406/
http://blog.m3.com/my-quest-since-2006/20070625/1
http://ameblo.jp/med/entry-10037803442.html
http://suirad.exblog.jp/5718624/
http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/blog-entry-209.html
http://anesthesia.cocolog-nifty.com/freeanesthe/2007/06/post_50f9.html

コメントさせて頂いたサイト

http://nuttycellist.blog77.fc2.com/blog-entry-520.html

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1 – 被告医師の無責を信じ願う方は、コメントをお寄せください。よろしくお願い申し上げます。 (Comment this)

Written by the blog’s author: master of guideboard at 2007/06/25 – 00:28:53

2 – 私も大淀病院産科医師を支持します。 (Comment this)

Written by: いなか小児科医 at 2007/06/25 – 01:27:43

3 – 大淀病院の産科医の先生の無罪を信じております。 (Comment this)

Written by: 無記名 at 2007/06/25 – 23:37:43

4 – 私も大淀病院の元産科医の先生を支援します。 (Comment this)

Written by: Dr. I at 2007/06/25 – 23:47:40
http://blog36.fc2.com/kenkoubyoukinashi/

5 – 私も大淀病院産婦人科医師を支持します. (Comment this)

Written by: sui at 2007/06/26 – 00:23:09
sui

6 – 私も大淀病院産婦人科のDrを支持し、応援させていただきたいと思います。 (Comment this)

Written by: 無記名 at 2007/06/26 – 01:26:11

7 – 私も、大淀病院の元産科医の先生を支援します。 (Comment this)

Written by: takuzo at 2007/06/26 – 01:42:08
http://blog.com/redirect/?url=http://d.hatena.ne.jp/takuzo1213/

8 – 先生、はじめまして。
まさか責任を問われることはないと思いますが、
裁判は、判決が出るまで解りません。
正しい判決が出る日まで、しっかり応援し続けたいと思っています。
今後ともよろしくお願い致します。 (Comment this)

Written by: 無記名 at 2007/06/26 – 02:45:35

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参考リンク
被告となった元産婦人科部長を支援する意思を表明した方々のリストが以下で拝見できる。

AFCPのブックマーク / 6.25
http://b.hatena.ne.jp/AFCP/6%2e25/

参考資料

大淀事件 31 / 20070625 第一回口頭弁論資料

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大淀事件 30 / m3 資料

Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon

» 大淀事件 30 / m3

毎日新聞 2007.5.10
奈良・妊婦転送死亡:流出の診療情報を削除 掲示板運営会社、事実関係の調査開始

奈良県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、転送先探しが難航した末、死亡した同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)の診療情報がインターネット上に流出した問題で、流出元とみられる医師専用掲示板の運営会社が、この情報の掲載をいったん削除し事実関係の調査を始めた。今後、運営方法の見直しも検討するという。

掲示板は「m3.com Community」。ソニーグループの「ソネット・エムスリー」(本社・東京都港区)が運営する医療専門サイト内に、医師同士の率直な意見交換などを目的に設置されている。07年3月末の登録者数は14万6000人。

同社の永田朋之取締役は、診療情報の書き込みについて「個人情報の取り扱いなどの当社の規約に違反する可能性があり、判明すれば情報を削除する」としている。「書き込み情報のチェックは日常的に実施しているが、調査経過で、目的や規約に反する投稿が完全に削除されていない事実が判明した」と話している。【中村敦茂】

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毎日新聞 2007.5.16
奈良・妊婦転送死亡:診療情報流出 中傷削除のため医師掲示板を閉鎖

奈良県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、搬送先探しが難航した末に死亡した高崎実香さん(当時32歳)=奈良県五條市=の診療情報がインターネット上に流出した問題で、流出元とみられる国内最大級の医師専用掲示板が閉鎖されたことが16日、分かった。中傷などの書き込みがあったためで、閉鎖期間は削除が終わるまでの今後2、3週間に及ぶ見通し。

掲示板は、ソニーグループの「ソネット・エムスリー」(東京都港区)が運営する「m3.com Community」。登録医師は約14万6000人に上る。規約では中傷やプライバシーの侵害など不適切な書き込みを禁じているが、遺族や病院長らを不当に攻撃する書き込みがあった。書き込みは登録した医師しかできない。掲示板について遺族は「患者や遺族への中傷があふれている」と問題視していた。【中村敦茂】

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最近の弊社医師専用掲示板m3.comCommunityについての一連の報道に関しての、弊社の見解を以下の通りお知らせ致します。

<町立大淀病院に関連する診療情報のネット流出に関して>

弊社調査の結果、先般より掲載を停止している投稿の中に、既に遺族の方がマスコミに対して開示され公になっている情報、シンポジウムなどで開示された情報に加え、未だ公にはなっていない情報が含まれていた可能性があることが判明致しました。

投稿の内容のどこまでを公知とみなすのか、医師限定の掲示板における投稿をどのように扱うか等についての法的な判断に関しては、専門家の間でも見解が分かれるところです。

しかしながら、本件につきましては、遺族の方やその弁護士がマスコミを通じ法的措置を取る可能性を表明している状況の下、当該医師および弊社顧問弁護士との協議を踏まえ、弊社では当該投稿に関しては法的な問題が全くないという確証が得られるまでは、再掲載は見合わせることに致しました。

<m3.comCommunityの外部への開示について>

当掲示板サイトでは患者への中傷が溢れている等の、いたずらに医療不信を煽るようなマスコミの報道や、会員医師限定のサイトの内容が恣意的、部分的に許可無く転載、開示されている現状に対し、極めて遺憾に思っております。

弊社は、今回の件に限らず、マスコミを含む非会員に対して、当サイトの閲覧や内容についての公開は、一切許可しておりません。会員の皆様におかれましても、当サイトの投稿内容を外部に開示することのないようご協力をお願い致します。また、ID、パスワードを第三者に利用させることも規約にて禁止致しておりますので、もしそのようなケースをご存知でしたら、弊社までご連絡頂きますようお願い申し上げます。

<規約違反投稿に関して>

一方で、一部ではあるものの、サイト内において規約違反の投稿があることも事実です。規約にのっとり、誹謗中傷、名誉毀損、プライバシーの侵害に当たるような投稿は行わないよう、改めてお願い致します。弊社では、個人情報保護方針に基づいたプライバシーの保護、会員情報の管理を行っておりますが、他者の権利侵害等の理由で、公権的な開示請求がなされた場合には、登録情報を開示せざるを得なくなる事もございます。是非この点については、ご認識の上、ご注意をお願いいたします。また弊社では、そのような事態を未然に防ぐ意味も含め、上記他者の権利侵害に当たる恐れのある投稿、規約違反の投稿を削除することがございますのでご了承ください。

<m3.com Community運営方針について>

前回のお知らせでも述べさせていただきましたが、「医師の方々にオープンかつ率直な意見交換の場を提供することにより、さまざまな医療問題に対する認識を深めたり、医療や診療の質を向上させるためのヒントを共有することにより、日本の医療に貢献すること」を目的として、弊社では当掲示板サイトを運営しています。また、必ずしもマスメディアでは取り上げられないような専門的な情報を得る場としても、意味のあるサイトだと信じています。事実、先日行なったユーザー医師の方へのアンケートにおいても、93%の方に「意義があるサービスだ」とご評価頂き、96%の方に「サイトを継続して欲しい」との回答を頂きました。当社としては今後も上場しているメディア企業として、社会的な意義と責任を踏まえ、関連法及び利用規約に沿ったサイト運営を徹底していきたいと考えています。

多くの医師の方々が「目の前の患者を助けたい」という気持ちを持って、激務に耐えながら診療に取り組んでいるにも関わらず、医療に対する不信を煽る一部の報道により、患者と医師の間の信頼関係が崩れてきていることに、多くの会員医師の方と同様に弊社でも強い懸念を感じています。今回の一連の報道でも、事実関係が不明確なまま、センセーショナルなタイトルなどで、医師と患者の間の不信感を煽りかねないものも一部にみられ、忸怩たる思いです。当サイトの中に「患者と医師は対立するものではなく、共同して病という敵に対するパートナーであるべきだ」という投稿がありましたが、正にその通りだと考えております。今後、弊社としては、患者と医師の信頼関係を再構築し、さらに医療界が発展できるよう、最大限の働きかけを行って参る所存です。

今後ともご支援、ご愛顧の程、どうぞよろしくお願い致します。

ソネット・エムスリー株式会社

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愛媛新聞 コラム 地軸 2007.5.25

「妊婦死亡」が問うもの

「妊娠したら健康な児が生まれて、なおかつ脳出血を生じた母体も助かって当然、と思っているこの夫には、妻を妊娠させる資格はないッ!」「おまえらが一生懸命勉強して医者になりお前らが主張する医療事故がない医療を行えばいい」▲

奈良県の病院で昨年、分娩(ぶんべん)中に意識不明となった女性が約二十の病院に転送を断られ、亡くなる痛ましい出来事があった。その遺族や報道に関し、引用もはばかられる書き込みがネット上でなされている。週刊誌が伝えている。会員十四万人以上の医師専用掲示板というから、さらに驚く▲

出産にリスクはつきもの。そうとは分かっていても、患者側には確率論などではなく、わが身に降りかかったことがすべてになる。万一の時はだれしも果てしない「なぜ」にさいなまれると思う▲

では病院側は説明を尽くしたといえるか。遺族らはおととい民事訴訟を起こした。命を金銭で換算する作業は不本意だろう。法廷での対立でさらに傷つきかねず、真相に迫れる保証もありはしない。提訴は決して最善ではない。それでも事実を知るにはほかに道がない▲

被害が認められることが第一歩で、再発防止策が徹底されてようやく尊厳が回復される—医療情報の公開・開示を求める市民の会の勝村久司さんの指摘も重い(「医療被害にあったとき」さいろ社)。お産の危機を告発した奈良の問題では、再発防止がことに重要になる。これも遺族の思いだ▲

危機を一番知るのは現場の医師だろう。冷静な生の声を聞きたい。

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大淀事件 30 / m3

Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon

m3.com は、医師専用掲示板から情報がマスコミに流出したことを理由に、医師専用掲示板を閉鎖した。医師以外の人間が偽って参加していたかどうかをチェックする以外に、最も重要な理由は、本件のご遺族を誹謗する情報、ご遺族がまだ公開していないと主張されている情報を医師専用掲示板から削除するためであった。

誹謗中傷ではない、冷静な議論や真相追求のための情報までが消えた。m3 に情報の削除を求めた勢力の最大の理由が推定できる。

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m3 の情報がどう流出したか。

m3 の情報は、時を置かずして 2ch にも掲載された。m3 から転載したか、m3 に情報を掲示した提供者が 2ch にも同じ情報を載せたか、定かではない。m3 からの情報とは示さずに掲示した当サイトのようなところもある。

問題は、医師専用掲示板を医師以外の人間が自由に見れたことである。種々雑多な掲示板の書き込みがすべて外部に見られていたわけだ。

しかし、医師以外の人が m3 の医師専用掲示板を見ていることは、公式には m3 は否定するものの、無理なく推定できることだ。営利企業が無料サービスで会員を集めて、何から利益を上げるかと言えば、情報である。m3 が積極的にか消極的にかは分からないが、医師以外の誰かに医師専用掲示板の情報が見られることを知っていて不思議はない。

以下のような事例も判明している。

天漢日乗
「マスコミたらい回し」とは? (その54)朝日新聞からm3.com経由の謎のアクセス 朝日新聞社内の医師じゃないとすると誰?
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/05/54m3com_d9ba.html

クローズドを謳っていても、所詮オープンと大差ないということである。

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m3 に掲示された情報は、法律に抵触していたか。

情報を病院や患者さんのところから持ち出すときには法の制約がある。持ち出された情報がどこかで人の目に触れるときには、その使い方によっては名誉毀損その他の触法状態が発生し得る。

誹謗中傷は論外だが、情報に基づく冷静な、真実に近づく努力までもが否定された。事実を消したいと思う人がいたのだろうか。

現場から持ち出された情報を受けた本件の m3 での情報提供者は、情報を受け取って m3 に掲示したこと自体に法に抵触するところはなさそうだが。

医師の守秘義務は、業務上知り得た患者さんの秘密についてであるから、業務ではない行為で知り得た情報を公開することの問題は、刑法の守秘義務については当てはまらない。

個人情報保護法は、情報の管理者についての規制であり、しかも生きている個人の情報が対象である。

大淀町の個人情報保護条例というものもある。これも情報を管理し、町や町民の情報を公開する町の機関に関するものである。
http://www.town.oyodo.nara.jp/reiki/reiki_honbun/ak43705091.html

ご遺族が大淀町を相手に情報漏洩を追求するのは、法令の上では正しい手続きである。

だがそれでは m3 に提供された情報と事実に迫る議論を消すことも、その情報提供者を追求することもできない。

よって、掲示板は誹謗中傷にあふれているというグレーなものの言い方で m3 に圧力をかけたら、あっさり m3 が折れた、味噌も糞も一緒に十把一絡げに削除した、というところではないだろうか。

ただ、ご遺族が m3 のクローズドな掲示板の書き込みを目にしたこと自体、ご遺族の眼前へ情報を持ち出した人は m3 の規約違反である。あまりクリーンなやり方ではないようだ。

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m3 は真実を追究する目と心を持った医師を遠ざけてしまった。

ご遺族は真実を知りたいとおっしゃりながら、真実に近づく行為を否定された。ご遺族が知りたい真実とは、何だろうか。本件の第一報の時、ご遺族はこうおっしゃっていた。

YOMIURI ONLINE 2006.10.17
出産で意識不明、18病院受け入れ断る
女性、1週間後死亡
夫の晋輔さん(24)は「実香が意識を失っても大淀病院の主治医は『単なる失神でしょう』と言って仮眠をとっていた。命を助けようという行動は一切見えなかった。決して許せない」と訴えている。

そして提訴である。医師個人も訴えることにされた。

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参考資料

大淀事件 30 / m3 資料
大淀事件 29 / 提訴報道

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大淀事件 27 / 情報漏洩問題

Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon

既に詳細な検討と議論は尽くされ奈良県警の捜査の行方を待つだけになっているので、簡略にまとめておく。

2006.8.7 – 8

事件発生。

2006.10.17

第一報は毎日新聞 msn ニュース ( Mainichi INTERACTIVE http://www.mainichi-msn.co.jp/ ) に 2006.10.17 3:00 に掲載された。
» 大淀事件 01 ( 20061019 / 01:11 )
» 大淀事件 01 資料 / 各社報道 第一報 20061017

分べん中意識不明:18病院が受け入れ拒否…出産…死亡
【林由紀子、青木絵美】
毎日新聞 2006年10月17日 3時00分

2006.10.18

大淀病院関係者に知り合いがいるという医師が m3.com 上で伝聞として最初に情報を提供したものが 2006.10.18 である。
( 当ブログで最初にこの情報を取り上げた際は、情報源に配慮して出典を隠していた。m3.com が情報漏洩を問題視してサービスの一部を停止したことを受け、m3.com、およびそこの情報を転載した 2ch が出典であったことを明らかにする。 )
» 大淀事件 01 資料 4 / 近県者情報 20061018

2006.10.19

奈良県産婦人科医会が大淀病院長から事情を聞いて記者会見したのが 2006.10.19。
» 大淀事件 05 資料 / 各社報道 20061019

2006.10.21

2006.10.21 の時点で、大淀病院関係者に知り合いがいるという医師が m3.com 上で提供した情報によると、カルテは病院関係者からマスコミにわたっていたらしい。
カルテの看護記録に、すでに退職した元総婦長が来院したと記載あり ( 亡くなった患者さんの親族らしい )、彼女自身が消防署員などから病院のリストを手に入れ、搬送受け入れについて多くの病院に連絡している。この人物から多くの病院側情報などがマスコミに漏えいしたとある。
» 大淀事件 08 資料 / 近県者情報 3 / 各社報道 20071021

2006.10.21

診療録の映像が最初にマスコミに載ったのは、おそらく 2006.10.21 の TBS のニュースだろう。これには看護記録やサマリーのようなものとともに医師の手によって記載された診療録が映っている。
» 大淀事件 27 / 情報漏洩問題 / 画像資料

2006.10.27

2006.10.27 の関西テレビのニュースには看護記録と思われるもののみが映っていて、医師の手による部分はない。
» 大淀事件 17 画像資料

同じく 2006.10.27 2:00 までの時点で、大淀病院関係者に知り合いがいるという医師が m3.com 上で伝聞とマスコミ関係者から見せられたというカルテのコピーを元に情報を提供していた。しかもそれでマスコミ関係者と大淀病院関係者を通じて入手できる情報のすべてだと言っていてた。
» 大淀事件 17 ( 20061027 / 22:20 )
» 大淀事件 17 資料 / 近県者情報 5

2006.10.31

読売新聞奈良県版 2006.10.31 に医師の手による診療録の写真が載った。
» 大淀事件 27 / 情報漏洩問題 / 画像資料

2006.11.2

大阪毎日放送がニュースで診療録の画像を報道したのが 2006.11.2。これにも医師の手による診療録が映っている。
» 大淀事件 20 画像資料

2006.11.14

関西テレビの 2006.11.14 のニュースでは、看護記録と思われるもののみ映り、医師の手による部分はない。
» 大淀事件 24 / 報道被害 / 画像資料

2006.12

2006.4.29 の時事ドットコムによると、ご遺族は 2006 年 12 月に情報漏洩があったことを知ったという。
» 大淀事件 27 / 情報漏洩問題資料

2007.4.28

遺族側弁護士がある集会で診療情報が漏洩したと発言。ご遺族は、報道機関には看護記録しか渡していないと言明した。

2007.5.24

NHK の 2007.5.24 のニュースでは、医師の手による診療録が看護記録やサマリーなどとともに映っている。
» 大淀事件 29 / 提訴報道 / 画像資料

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何かおかしいと思うが ….. ご遺族のおっしゃることを併せて考えると、早い時期に読売新聞と毎日放送は、看護記録以外の部分も含めた診療録を入手していたことになる。しかも病院職員に対する調査では、病院職員は誰も診療録を流してはいないようだ。

11 月の時点で既にテレビに流れていたことを、しかもスクープを取った毎日新聞系列のテレビで診療録の映像が流れていたことをご遺族は 1 ヶ月ほど気がつかなかったのだろう。

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参考リンク

http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070430
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070502
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070503
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070504

最も重要な検討はここでなされている。
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070506

2006.10.31付読売新聞大阪朝刊情報
http://soho1172001.web.fc2.com/index.htm

カルテ画像
http://soho1172001.web.fc2.com/image.htm

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参考資料

大淀事件 27 / 情報漏洩問題資料
大淀事件 27 / 情報漏洩問題 / 画像資料 ( LIVEJOURNAL )

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大淀事件 27 / 情報漏洩問題資料

Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon

» 大淀事件 27 / 情報漏洩問題

asahi.com 関西 2007.4.29

診療情報ネット流出 遺族、告訴へ 奈良・妊婦死亡
2007年04月29日

奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となった妊婦(当時32)が県内外の計19病院に転院の受け入れを断られた末、出産後に脳内出血で死亡した問題で、妊婦の詳しい個人病歴情報や診療経過がネット上に流出していたことがわかり、遺族は近く、大淀町長や病院関係者を地方公務員法(守秘義務)違反と町個人情報保護条例違反で奈良県警に告訴する方針を決めた。個人の医療情報の流出を巡って、病院関係者を告訴するのはきわめて珍しいという。

遺族によると、流出先のインターネット上のサイトは会員制の医師専用の掲示板で、「大淀病院関係者から入手した情報」として、妊婦の入院前後の経過や病歴情報、診断内容の詳細が流されている。遺族には、病院側からカルテや看護記録などが開示されているが、流出情報にはそれ以上の詳しい内容も含まれているという。

この問題で奈良県警は、担当医が診断した子癇(しかん)発作との判断に誤りがなかったか、業務上過失致死容疑で捜査している。

遺族は「町に調査を求める申入書を出したが返答がない。誠意が感じられない」としている。

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YOMIURI ONLINE 関西発 2007.4.29

奈良・妊婦死亡の診療情報がネット流出

◇医師?掲示板に書き込み

奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、高崎実香さん(当時32歳)が出産時に脳内出血を起こし、19病院に受け入れを断られたあと転院先で死亡した問題で、高崎さんの診療経過など極めて詳細な個人情報がネット上に流出していることがわかった。遺族側の石川寛俊弁護士が28日、大阪市内で開かれた産科医療をめぐる市民団体のシンポジウムで明らかにした。情報は医師専用の掲示板に関係者らしい人物が書き込み、複数のブログに転載されている。石川弁護士は、個人情報保護条例に基づく対処を町に要請。遺族は条例違反(秘密漏示)などでの刑事告訴も検討している。

医師専用掲示板への書き込みは、昨年10月に問題が報道された翌日から始まった。仮名で「ソースが確実なきょう聞いた話」「この文章はカルテのコピーを見ながらまとめました」などとして、最終月経の日付から妊娠中の経過、8月7日に入院して意識不明になるまでの身体状況や検査値、会話など、カルテや看護記録とほぼ同じ内容を複数回に分けて克明に書き込んでいた。この中には、入院前の記録など当時、遺族が入手していなかった内容や、当日の医師の勤務状況など病院関係者しか知らない内容も含まれていた。

この掲示板では「一連の報道は、患者側からの意見しか反映されていない」などと、医師の責任を否定する意見が多く書き込まれていた。情報発信者が「転載して結構です」としたため、同じ内容が医師や弁護士など、かなりの数の公開ブログに転載された。

石川弁護士は「主治医と家族のやりとりを近くで聞いていた人物としか思えない書き込みもある。病院側は、遺族が詳しい説明を求めたのに応じていない。その一方で、病院関係者と見られる人物が情報を“だだ漏れ”にしており、許しがたい」と批判している。

遺族は「あまりに個人的な内容で驚いた。患者の情報が断りもなく第三者に伝わるなら、診察室で何も言えない」と話している。

業務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らした場合、医師、助産師、薬剤師は刑法の秘密漏示罪にあたり、6月以下の懲役または10万円以下の罰金。看護師など他の国家資格者も関係の法律に罰則がある。他の職種でも、町立病院なら個人情報保護条例と地方公務員法の違反で罰則がある。

大淀病院の横沢一二三事務局長は「高崎さんが入院した日に病院にいた職員を対象に聞き取りをした。全員が『情報を漏らしたことはない』と答えたので調査を終えたが、遺族の弁護士には伝えていない。掲示板の運営事業者への照会などは思いつかなかった。再度検討する」と話している。

(2007年4月29日 読売新聞)

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時事ドットコム 2007.4.29

2007/04/29-17:54 詳細な診療情報、ネット流出=転院拒絶され死亡の妊婦−遺族、告訴の方針・奈良

奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となった女性=当時(32)=が19病院に受け入れを断られた末、出産後に死亡した問題で、大淀病院での診療経過などが含まれた女性の詳細な個人情報がインターネット上に流出していることが29日、分かった。

情報は、会員制の医師専用掲示板に書き込まれ、その後複数の掲示板などに転載された。遺族は来月にも、容疑者不詳のまま町個人情報保護条例違反容疑などで告訴する方針。

遺族によると、流出したのは入院前後の状況や、女性の病歴などの情報。特に、昨年8月7日の入院から翌日未明に大阪府内の病院に移送されるまでの身体の状況、検査値、主婦や医師の会話内容などは、分単位で詳細に記されている。

中には「ソース(情報源)が確実なきょう聞いた話」などといった記載もあった。

遺族は昨年12月に情報流出を知り、町と同病院に質問状を送ったが回答はないという。遺族は「流出したのは病院関係者以外には知ることができない情報ではないか。二重、三重の精神的苦痛を強いられている」と話した。

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Sankei Web 2007.4.29

死亡妊婦のカルテ内容、医師専用掲示板に流出

奈良県の大淀町立大淀病院で出産中に意識不明になり約20の病院に受け入れを断られた後、死亡した高崎実香さん=当時(32)=のカルテ内容などがインターネット上に流出していることが29日、分かった。医師専用の掲示板に「カルテのコピーを見た」などと書き込まれた文章が、ブログなどに転載された。遺族は、個人情報保護条例や地方公務員法(守秘義務)違反などでの刑事告訴を検討している。

高崎さんは昨年8月、頭痛を訴え意識不明になったが、主治医はけいれんと判断。死因は脳内出血だった。遺族らによると、同年10月に高崎さんの死亡が報道された直後から、医師免許を持つ人しか利用できない「国内最大級」をうたう掲示板で議論が始まった。

同月中に、ある仮名の利用者が「カルテのコピーを見ました。コピーはもう返却しました」などとして、高崎さんが8月7日に入院するまでの記録や診療の詳細など、遺族も知らない内容を書き込んだ。

遺族は「女性にとって大切な情報がいとも簡単に流された。医師のモラルとしてあってはならないこと」と憤っている。ネット上で流出情報を基に遺族らへの中傷も相次ぎ、掲示板では「医師に責任はなかった」とする意見が多いという。

(2007/04/29 20:14)

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日刊スポーツ 2007.4.30

死亡妊婦カルテ、医師専用ネットに流出

奈良県大淀町立大淀病院で昨年8月、出産中に意識不明となり、19の病院に受け入れを断られた後、死亡した高崎実香さん(当時32)のカルテ内容がインターネット上に流出していることが29日、分かった。医師専用の会員制掲示板に「カルテのコピー」を見たとの書き込みがあり、複数のブログなどに転載された。高崎さんの遺族は担当弁護士と協議し、個人情報保護条例や地方公務員法(守秘義務)違反などで刑事告訴を検討している。

高崎さんの個人情報が、医師免許を持つ人しか利用できない会員制掲示板で、さらされていた。書き込みは昨年10月に高崎さんの死亡が報道された直後から始まった。「カルテのコピーを見た。コピーはもう返却した」などとし、高崎さんの最終月経の日付を含む入院するまでの妊娠中の経過、診療の詳細など、遺族も知らない内容が専門用語とともに書き込まれた。

遺族は「掲載された掲示板は医師専用というが、女性の極めて個人的な情報を含む産婦人科のカルテが、家族に断りもなくネットに掲載されていいのか」と憤りを隠せない。「家族も知らない内容まで他人が勝手に見て話し合っている。そんなことが許されるのか。医師である前に人間としてどうか。世の中に問いたい」と話した。

遺族が掲示板への情報流出を確認したのは昨年11月。掲示板には「遺族が騒ぐから産婦人科医が減って医療が崩壊する、など私たちへの批判もあった」という。公にすれば情報の流出範囲が拡大するとの懸念もあり、公表は控えていたが、大淀病院や大淀町への問い合わせにも返答がなく、公表を決意したという。担当弁護士と協議し、被疑者不詳での刑事告訴を検討している。

高崎さんのカルテ内容とみられる情報は、医療関係者のものとみられる複数のブログなどに今も転載されている。あるブログは、掲示板への書き込み以前に、遺族が報道陣に「カルテのコピー」を公開していたと主張。コピーを医療関係者が分析してまとめただけとし「(個人情報保護条例違反には)当たらないだろう」と書き込んでいる。しかし、遺族側は「報道陣に公開したのは、出産のために入院した昨年8月7~8日の『看護記録』だけ。カルテなど公開してない。さらされた情報には、遺族も知らない通院中のカルテの内容が含まれ、病院関係者しか知り得ない情報だ」としている。

[2007年4月30日7時45分 紙面から]

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毎日新聞 2007.4.29

診療情報流出:19病院で転送断られた妊婦遺族が告訴へ

奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった高崎実香さん(当時32歳)=同県五條市=が、県内外の19病院で転送を断られた末に搬送先の病院で出産後に死亡した問題で、高崎さんの診療情報がインターネット上に流出していたことが分かった。遺族は被疑者不詳のまま町個人情報保護条例違反容疑で、5月にも県警に告訴する。

流出したのは、高崎さんの看護記録や意識を失った時刻、医師と遺族のやりとりなど。ネット上の医師専用の掲示板に書き込まれ、多数のブログなどに転載された。この掲示板は登録者数10万人以上で、問題が報道された昨年10月から書き込みが始まった。

遺族は「医師専用掲示板には患者の中傷があふれている。診療情報の流出は自分たちだけの問題ではないと思い、告訴に踏み切ることを決めた」と話している。

【中村敦茂】

毎日新聞 2007年4月29日 21時03分

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スラッシュドット ジャパン 2007.5.7

医療カルテがネットに流出? 実はマスコミが不正入手?
mhattaによる 2007年05月07日 15時30分の掲載
プライバシーと報道の狭間で部門より.

Anonymous Coward曰く、
昨年8月、32才の妊婦が出産時に脳内出血を起こし、多くの病院に転院受け入れを断られたあげく死亡したという事件があった。 読売新聞の記事によると、このケースで医療関係者(と遺族)しか知りえない診療情報が、医療関係者の参加するブログや掲示板などで公開されているとして、 遺族側が個人情報保護法による告訴を検討しているとのことである。

しかし、ここで問題とされている診療情報は、 そもそもマスコミによって報道されたものではないかという指摘がある。 実例として当の 2006.10.31付読売新聞大阪朝刊カルテの写真が掲載されているのを確認できる。

個人情報保護法によらずとも医師法による守秘義務があるため、 遺族側が公開していないというカルテをマスコミが報道することは異常事態である。 読売新聞には、どのようにカルテを入手したのか説明が求められるのではないか。

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毎日新聞 2007.5.18

診療情報流出:奈良の妊婦死亡で、県警が捜査着手

奈良県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、緊急搬送先探しが難航した末、死亡した高崎実香さん(当時32歳)=同県五條市=の診療情報がインターネットの医師専用掲示板に流出した問題で、同県警が掲載情報を収集するなど捜査を始めたことが分かった。内容が町個人情報保護条例の保護対象にあたるかなど検討を進めている。

掲示板は、ソニーグループの「ソネット・エムスリー」(東京都港区)が運営する「m3.com Community」。県警は今月初めに、遺族が独自に集めた資料の提出を受けた。高崎さんの死亡問題が報じられた昨年10月に書き込まれた内容で、看護記録の内容や医師と遺族のやりとりなどが含まれていた。

同掲示板では、診療情報の流出以外に、遺族らへの中傷的な書き込みがあったことも判明。同社は今月11日から掲示板を一時閉鎖している。【中村敦茂】

毎日新聞 2007年5月18日 9時58分

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大淀事件 28 資料 / 毎日新聞 開かれた新聞座談会 20070421

Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon

» 大淀事件 28 / 毎日新聞 開かれた新聞座談会

毎日新聞 2007年4月21日 東京朝刊
開かれた新聞:座談会 医療現場に構造欠陥 さらに分析し提言を(その1)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070421ddm010040163000c.html

◇「開かれた新聞」委員会・座談会
医師不足のため病院の診療に支障をきたす「医療崩壊」が各地で進んでいます。奈良県では昨年8月、分娩(ぶんべん)中に容体が急変した妊婦の緊急搬送先をなかなか確保できず、妊婦は8日後に死亡しました。毎日新聞は奈良の事例を通じて医療体制の不備を問うキャンペーンを展開し、さらに今年1月から企画「医療クライシス」を連載中です。地域間格差にも焦点を当てています。賛否の意見が多数寄せられており、「開かれた新聞」委員会のメンバーに意見を聞きました。作家の高村薫さんも議論に加わりました。

【司会は朝比奈豊主筆、写真は大西達也】=座談会は13日に毎日新聞大阪本社で開き、紙面は主に東京・大阪本社発行の最終版を基にしました。

◆医療
◇記事の見せ方に工夫を--玉木明委員
◇政治の流れ無視できず--吉永春子委員

司会 昨年8月、奈良県の大淀病院で分娩中の妊婦が意識不明になり、緊急搬送先の病院で亡くなりました。10月以降、搬送先の確保に手間取った背景などを含めて報じています。昨年2月には帝王切開手術中に妊婦を死なせたとして福島県立大野病院の産婦人科医が逮捕される事件もありました。こうした問題の構造的な要因を調べ、報告する狙いで、今年1月から東京と大阪の記者たちが企画「医療クライシス」を連載中です。一連の報道には多くの反響があり、患者側だけでなく、医療関係者からも賛否の意見が寄せられています。

玉木明委員 奈良の記事は大変意味のあるスクープだ。たまたま昨年末から正月にかけて、同居の義母が1カ月入院したが、人手不足ですさんだ病院の現状を実感した。義母は認知症で歩き回り、夜中に病院から「介護に来てくれ」と言われる。私たちが行けないと義母を拘束してしまう。どんどん気力をなくしていくのを見かねて家に連れ帰った。多くの人が深刻な状況を経験しているのではないか。このまま医療を放っておいたら大変だという印象を持ったので、「医療クライシス」を含めて良い記事だと感じた。こういう医療の現状を広く世に知らしめていくのが新聞の重大な任務だと思う。

吉永春子委員 奈良のスクープは見事だった。いろいろな恐れを感じながら取材を進めた担当記者は大変だったと思う。他の週刊誌のルポなどと比べると、毎日の記事は非常に抑制が利いており、影響を考えながら書いたという気がする。ただ「放置」や「たらい回し」といった表現は、誤解や反論を受けやすい。本当に「放置」していたのか繰り返し確かめたほうがいいし、「たらい回し」の見出しは慎重さが欠けていた。

砂間裕之・大阪本社社会部兼科学環境部デスク 国立循環器病センターに運び込まれるまでの6時間について、“放置”という表現を使いました。その間、何も処置されなかったという遺族の強い思いがあり、事実関係としても19病院に搬送を断られ、遺族から見れば、結果的に放置されたというのは間違いでないと思います。一方、「たらい回し」は事実と異なり、東京本社の一部紙面でそういう見出しになったのは不適切だったと反省しています。

柳田邦男委員 過去の医療報道でいくつか間違いはあったと思う。例えば「院内感染」と「患者の死亡」が結びつくと、記者は「医療事故だ」と決めつけがちだが、医学的な意味を探るかどうかが、単なるセンセーショナリズムか問題提起の記事になるかの分かれ目だ。奈良の問題では、2カ月間かなり慎重に取材し、科学環境部の記者も一体となって調査報道として第一報を出した手順は正解だった。今までの報道の姿勢で言えば妥当だったと思うが、もう一つ違う座標軸や視点を持ち込んではどうか。時代の変わり目には、記事の重点や意味付けも変わらないといけない。

司会 高村薫さんには、「開かれた新聞」委員の立場ではなく、作家として、新聞読者としての視点からご意見をお願いします。

高村薫氏 医療のことは全くの素人で、一読者として大淀病院のニュースに接すると何が原因で、誰が悪いのか、まとまりのあるストーリーが示されているとは受け取れなかった。素人には医師側の主張が妥当なのか判断できない。逆に被害者側の主張が正しいのか間違っているのかも分からない。利害関係のない第三者として医療事故の記事を読むと、いつもどう判断していいのか悩む。結局、誰が悪いのか、誰が責任を取るのかという形では見えてこない。

司会 柳田委員の言うこれまでと違う視点の必要性とは、具体的にはどういうことでしょうか。

柳田委員 大野病院の産科医逮捕に時代の変わり目が鮮明に表れている。一般に医療への期待は絶大で、万が一、出産時に新生児を死なせたら、親は殺されたという意識さえ持つ。お産は時にはリスクを伴うと認識されていた時代とは違う。そこに警察の強硬姿勢が加わり、その影響で分娩を扱う産婦人科医が激減した。警察側には遺族の心情を背景に刑事罰で医療界を糾(ただ)そうとする姿勢がある。それなりの理由があるにせよ、医師を凶悪犯的に扱うことで、産科医が激減し、医療崩壊を加速させるという由々しい事態が生じている。第三者機関が医療ミスの有無にかかわらず、被害者や遺族に補償の手立てを講じながら、原因を科学的に究明する制度を作らない限り、この二律背反は解決できない。報道はそこまで考えるべき時代だと思う。その点で「医療クライシス」シリーズはいい企画なので、提言の議論をさらに深めてほしいし、医療事故発生時の記事でも、その都度その視点を入れてほしい。

高村氏 高度な医療技術が発達し、かつては、ここまででいいだろうと思われていた以上の治療ができるようになった。ただし先端医療にはお金がかかる。日本の早期新生児の死亡率は世界一低くなった。大いに喜ばしいことかもしれないが、諸条件の中で、そこまで追求すれば際限がなくなる。産科の技術に限らず、患者と医師の双方が際限のない満点を求める結果、医師が足りない、お金が足りない、病院が足りないと言われている気がする。そのため私は一読者として、いつも自分自身で頭を冷やしながら医療関係の記事を読んでいる。

吉永委員 医師不足は政治の問題として考えたほうがいい。1982年に中曽根内閣の第2次臨時行政調査会が行政改革の一環として、医師数の伸びの抑制を打ち出した。実際、当時の厚生省は86年から医師の新規養成数を全体の10%程度削減する方針で医療行政を進めてきた。昨年には7・9%まで抑え込んで声高らかに宣言した。この流れは決して無視できない。もう一つは取材先の病院長からよく聞く話で、現場の実情にうとい厚生労働省が病院運営に細かく口出しする点だ。その辺りの取材も求められる。

柳田委員 医師不足には数多くの要素がある。最も大きいのは医療費抑制だ。国はなんとしても医療費をこれ以上増やさないという方針で、徹底的に抑制している。象徴的なのは介護療養型病床をなくし、リハビリテーションにも上限を導入したことだ。高齢化率の高い地方の医療機関は本当に締め上げられる。もう一つは吉永さんが指摘した医学生定数の抑制で、何の根拠もない。医療費をこれ以上増やさない有効な手段として医者が増えては困るというだけだった。OECD(経済協力開発機構)の調査では、人口10万人当たりの日本の医師数は先進7カ国の中で最低水準にとどまる。そこに医療事故の報道が追い打ちをかけた。

玉木委員 毎日新聞は個人の医師を批判するだけで終わらせないという観点で一連の報道をしてきたと説明があったが、報道の在り方として大淀病院問題を伝えた初報の社会面(大阪本社)の記事が気になった。「遺族『助かったはず』」という見出しで、亡くなった母親の顔写真と、無事だった赤ちゃんを抱く父親の写真を掲載した。これは医師を告発していれば済んだ時代の形式で、既視感がある。新聞を開いた医師の中には、短絡的に医師たたき、医療たたきの記事がまた出たと受け止める人がいたと思う。新しい時代には新しい時代の器を考えてほしい。整理の仕方、見出しの付け方の問題もあるが、そろそろこういうパターンから抜け出し、新しい作り方ができないか。

砂間デスク ご指摘は真剣に受け止めます。ただ、決して古いステレオタイプの記事だとは思いません。今日の議論のように医師、医療界をどうするかを考えながら、医療事故の一方の当事者である患者、遺族の権利を守ることも新聞の使命です。医療側の意見とともに患者の意見も掲載しないと、全体像は分からないと考えます。

玉木委員 それは分かるが、記事の見せ方として新しいものを古い器に盛って出されたら、昔の料理と同じに見える。そういう感じがするということを強調したい。

柳田委員 医療事故にとどまらず、JR西日本の福知山線脱線事故(05年)でも、日本航空ジャンボ機の墜落事故(85年)でも、被害者の声は大事だから、記事の本文や見出しで被害者の言葉をカギ括弧に入れて出すのはニュースとしてあり得る。ただ玉木さんの言うように見せ方を衣替えできないかとは思う。

司会 記事が情緒的すぎるという印象ですか。

吉永委員 他紙も含め全般的に気持ち悪くなるほど情緒的な記事が多いのは事実だ。現実はもっとリアルだと思う。出産の現場は想像以上に緊迫している。ベテラン医師に聞いたが、出産の時はいつ何が起きるか分からず、緊迫した状況の中で瞬時の判断が求められる厳しいものだと言われた。こうした産科医の重責も書くべきだ。

柳田委員 被害者の声を取り上げるなという気はさらさらない。しっかり伝え、そこから出発するのが事故論の原点だが、メディアの中では、被害者の視点を事故の真相究明の方法や制度にどう生かすか、その記事の作り方が検討されてこなかった。

玉木委員 この遺族は記者の真意を理解し、協力してくれたのだから、相応の見識のある人だと思う。その言い分の掲載に反対だと言うつもりはない。しかし、社会面の記事だけを見ると、情緒的というか、引っかかりを感じる。

柳田委員 遺族報道の在り方を含めて一つだけ補足しておきたい。何か事故が起きると現場の従事者の刑事責任の追及が優先されるのは、日本の一罰百戒主義文化の欠陥だが、それでは絶対に本質に迫れない。背景にある構造を分析すると、真因は制度やシステムの欠陥による組織事故であることが分かる。医療事故も、医師の一つの行為をあまりに強調しすぎると、本質が見えなくなる。今回の報道はかなり掘り下げて、企画も継続しているから多面的だと言えるが、基本的に犯人捜査的な物の見方から脱却しないと、本質に迫る記事にならない。私が医療事故にかかわる第三者調査機関の設置を主張するのも、捜査ではなく、構造分析を通じて欠陥を修復するためだ。突き詰めれば、刑事訴訟法がすべてに優先する社会システムの変更につながる。そのことも頭に入れておくと、新しい視点の記事を書けるのではないか。(25面につづく)

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◇委員会メンバー
吉永春子委員(テレビプロデューサー)
柳田邦男委員(作家)
玉木明委員(フリージャーナリスト)
◇オブザーバー
高村薫氏(作家)
◇毎日新聞側の主な出席者
朝比奈豊主筆▽藤原健大阪本社編集局長▽河野俊史東京本社編集局次長▽山内雅史大阪本社社会部デスク▽砂間裕之同社会部兼科学環境部デスク▽薄木秀夫「開かれた新聞」委員会事務局長
==============
◇三つの役割--開かれた新聞委員会
毎日新聞の第三者機関「開かれた新聞」委員会は(1)人権侵害の苦情への対応をチェック=記事によって当事者から人権侵害の苦情や意見が社に寄せられた際、社の対応に対する見解を示し、読者に公表する(2)紙面への意見=報道に問題があると考えた場合、意見を表明する(3)メディアのあり方への提言=より良い報道を目指すための課題について提言する--という三つの役割を担っています。
記事による人権侵害の苦情や意見は各部門のほか、委員会事務局(ファクス03・3212・0825)でも受け付けます。
毎日新聞 2007年4月21日 東京朝刊

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開かれた新聞:座談会 医療現場に構造欠陥 さらに分析し提言を(その2止)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070421ddm010040165000c.html

◇「開かれた新聞」委員会・座談会
(24面からつづく)
◇責任の所在が見えない--高村薫氏
◇補償と究明制度見据え--柳田邦男委員

司会 医療関係者からの批判は具体的にどんな内容だったのか。

河野俊史・東京本社編集局次長 取材班に届いた反響のうち、毎日新聞の医療報道を批判するものは2割程度でした。医師の個人責任を問うことへの反発など、医療界の人からのものが多かったです。

砂間デスク 大淀病院に関する医師からの意見はメールで100通前後です。医療体制の不備を指摘した記事への共感とともに、記者個人に対するものも含めて組織的と見られる批判がかなり寄せられました。主な内容は医師を個人攻撃するような表現で不適切ではないか、「医療クライシス」と報道姿勢が違う、医療の専門知識がないのに書くなというものなどでした。医療従事者専用サイトを通じての怒りが多いのも特徴でした。

吉永委員 私にも批判された経験があるが、たいていの医師は「専門家でないくせに」「ろくに知りもしない記者が」という意識を持っている。脳外科と精神医療の取材が多かったが、臨床現場へ入る前に3カ月勉強させられたこともある。「専門家でない」という反応は当然あるという前提で取材を進めるべきだと思う。

柳田委員 専門性のない記者が先走るなという批判はどんな分野でも起こり得るが、専門家が記者になって、いい記事が書けるかどうかは別問題だ。福島と奈良のケースでは、医師側の反応が全く違う。医師が逮捕された福島の医療界では、マスコミ批判より警察批判が強かった。一方、奈良では警察が立件を見送り、マスコミの中でも特に毎日新聞が攻撃された。その時々の状況や雰囲気で不満をぶつける対象が変わるのだから、今回の批判は、背景にあるもの、医師たちがどういう理由で揺れ動いているのかを考える材料として見るべきだろう。

高村氏 医療関係者からの反響は総読者数を考えると少ない。驚いたのは支局の若い記者が個人名を挙げられ、非難されていることだ。意見を無視しろとは言わないが、逆にものすごく重大に受け取る必要はないと思う。賛成にしろ反対にしろ、インターネットを通じて自分の意見を簡単に、しかも過激な形で表明できる社会になった。ただ大多数の読者は、記事の一部は分かるけど、残りは分からないだとか、ここまでは賛成で、ここからは違うとか、もっと複雑な判断をしていると思う。特定の先鋭的な批判は、こういう意見もあるのだろうという程度の受け止め方でいいのではないか。新聞記者であれ、私のような物書きであれ、自分の立場で表現するのだから、すべての人の意見に合い、満足させるものは書けない。ある程度の意見の違いがあることを前提に、それぞれの記者たちが取材に回ればいい。今回の取材班も基本的なスタンスとして、十分なことをしていると思う。

司会 今後の「医療クライシス」では、取材班が具体的な提言もしていく方針です。社会はどこまでを医療に求めるのか、医療ミスのとらえ方の問題、患者と医療側の間に立つ第三者機関の必要性など、記者たちはこれまでも問題意識を持って取材してきましたが、皆さんのご指摘を生かし、さらに充実した企画にしていきたいと思います。

◆格差

◇地域事情掘り下げ発信

司会 昨年から企画「縦並び社会」で格差問題を取り上げ、今年2月には、小泉政権下での地域間格差の拡大を数字で示しました。統一地方選に合わせて各地で格差を問う企画も掲載しています。現職知事の強さが目立った前半の統一選では、滋賀県議会で地域政党が躍進した点を詳しく報道しました。格差や地方の問題の伝え方についてご意見をお聞かせください。

柳田委員 北海道夕張市に関する記事が典型だが、地方自治体の行財政危機という側面から扱う例が多い。より重要な地域の実態のルポや分析が少ない。阪神大震災以降、ボランティア組織が続々と生まれ、お金に頼らない「もう一つの生き方」を考えるようになった。「財源がないからできない」ではなく、ボランティアと自治体の協働作業を町おこしにつなげるアイデアは無数にあるはずだ。そこで全国の支局を総動員して絶えず情報を集めて紙面化すれば、生きがい探しや町おこしの「希望新聞」ができる。

吉永委員 東京の紙面で掲載された「地域間格差を問う」も、特に1~3回目はなかなかの力作だった。いくつかのルポを読んだが、自治体が熱心に取り組む企業誘致さえ決して甘くないことがよく示されている。補助金を出して誘致に成功しても税収があまり伸びず、期待したほど地元の雇用が増えないことが分かる。滋賀県議選の記事を読み、無党派の議員も議会運営などこれからが大変なので、きちんと追跡してもらいたいと思った。

玉木委員 夕張市の破綻(はたん)から見えてくるのは地方政治・行政の発想の貧しさだ。炭鉱から観光へというスローガンを掲げ、国の補助金を得て箱物を作る。そこに利権が見え隠れして、議会も市長や行政の監視機能を果たさない。破綻のしわ寄せは住民に降りかかる構図だが、選挙で意思表示しなかった市民の責任が問われる側面がどうしても出てくる。これに対し、滋賀県議選の結果は、地方がどう変わっていくのかという一つの方向を示していて、一歩先を行く事例になると思う。統一選に限らず地方選挙の持つ意義を伝える視点が重要だ。

高村氏 地方(大阪)に住む人間として地方から発信される地方の記事を読み、東京との格差を実感している。地方では高齢化と人口減少が進み、産業が立ち行かなくなる。公共事業で整備した道路やホールなどの維持管理もできなくなる。支局の記者たちには、何よりも急がなければならないという危機感を持ってほしい。そして地方の記事には人々の情の部分があってもいいと思う。それぞれの地方にはそれぞれの事情がある。共通しているのは、従来のように国からお金を引き出せず、分権を進めて何とか自立しなければならないことだ。私から見れば滋賀県も後がない県だ。中央の人が考えるように、単に風が吹いて無党派議員が増えたのではなく、新幹線の駅なんか造っている場合じゃないという直感的な危機感がある。

藤原健・大阪本社編集局長 切羽詰まった事情があるという目配り、気配りをしながら紙面を作り、それを東京本社の紙面でもどんどん載せるように連携しなければと改めて思います。

河野局次長 もはや地方の現状を紹介している段階ではなく、具体的に提言していく次元に入ったと思います。東京からも地方の話を吸い上げて踏み込んだ記事を多く書いていきたいと考えます。

柳田委員 これだけ地域間格差が言われているのに、1面や社会面に突っ込んだ内容の地方の記事が少なすぎる。例えば新潟県が水俣病被害者対策で、国の基準以上の発想をしているのはほとんど伝わっていない。地方紙には時々、かなりいい記事が載る。新聞記者は他の新聞に先に書かれたことをあまり大きく扱いたがらないが、読者のためには恥を捨てて追い掛け、記事の取り上げ方、書き方により全国に通じる記事になるという意識を持つべきだ。

玉木委員 やはり地域の住民と真正面から向き合って記事を書くのが基本だと思う。中には地方の材料をどうやって書いたら社会面に大きく載るかを考えすぎる記者もいる。そういう目が中央にばかり向いた書き方をしていると、記事がつまらなくなる。地方からの発信は大切だが、支局の若い記者には小手先のテクニックに頼ってほしくない。

高村氏 機会さえあれば東京に出たいと思う若者が地元でもう一つの価値観を持って生きていけるようになればいい。先ほど分権の必要性を強調したのは、地方ならではの生き方や価値観を作っていくためだ。

柳田委員 金狂いの世の中とはいえ、地方を歩いていると、東京の会社勤めで手にする高い給料より、故郷の山を守りたい、漁師になりたいと新しい価値観を選んだ人たちに出会う。礼賛ではないが、土臭い話から若者に多様な生き方を伝えていく方法はある。

吉永委員 本当に新しい価値観が生まれたらすごいと思う。私の故郷もそうだが、大変だ、困ったと言いながら、古い体質からなかなか抜け切れない。町に伝わる年輪の重さもあるし、改革、改革という言葉の裏にある危うさを見抜く勘も備わっている。町それぞれが抱えている問題が違うのだから一律には言えない。

司会 地方からの情報発信について、大事な提言をいくつもいただきました。今後の紙面作りに生かしたいと考えます。一方で、毎日新聞は02年以降、全国各地に編集幹部や記者が出向く「移動支局」の取り組みを41カ所で続け、今年度からさらに拡大します。地元の人たちと交流しながら全国紙として特色ある地域発信ニュースを目指します。

==============

■基調報告

◇医療体制の不備追及--砂間裕之・大阪本社社会部兼科学環境部デスク

昨年8月8日、奈良県の大淀病院に入院中の妊婦の容体が急変し、19病院に搬送を断られた。約60キロ離れた大阪府吹田市の国立循環器病センターに運び込まれたのは6時間後。妊婦は帝王切開と脳の同時手術で無事出産したが、8日後に亡くなった。奈良支局の若い記者が関係者取材を進め、科学環境部と連携して断片情報を積み重ねた。約1カ月半後に妊婦の身元が分かった段階で書けたが、医療体制の不備を追及して改善につなげるため、遺族や現状を憂慮する医師らの取材を続けた。10月17日朝刊の初報後もキャンペーンを展開。当初から医師個人の責任に焦点を当てる単発報道で終わる考えはなかった。

◇第3部で具体策提言--河野俊史・東京本社編集局次長

医療報道は最も重要な取材テーマの一つだ。福島の医師逮捕のケースでは、背景や強制捜査の問題点をいち早く報道したつもりだ。最近のひやりとさせられる事案の背景には医師不足など医療現場の構造的な問題があり、企画「医療クライシス」では実情を深く掘り下げている。厚生労働省は医師の偏在を強調するが、私たちは医師自体が足りないと考えた。第3部では具体的な対策を提言したい。

◇現状を丁寧に取材--山内雅史・大阪本社社会部デスク

地方の現状を丁寧に取材し、全国に発信できるテーマを探るのが大阪のスタンスだ。企画「潮流を追う」の狙いもそこにあり、最初は滋賀県の嘉田由紀子知事誕生の背景に迫った。嘉田知事は06年7月の知事選で、新幹線駅舎建設や琵琶湖のダム開発の凍結を掲げて自民、民主、公明の3党相乗りの現職を破った。統一地方選前半戦で、全国的に無党派層が動かなかったと言われたが、滋賀県議選では知事派が過半数を制した。このような変化を伝えるには支局の役割が大きい。関西の地盤沈下も含め地方がこのまま衰退すると、日本の将来は危ないという認識を持っている。地方のマイナス面だけでなく、応援する記事も書き続けたい。

毎日新聞 2007年4月21日 東京朝刊

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大淀事件 28 / 毎日新聞 開かれた新聞座談会

Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon

大淀事件の第一報の報道が検討に上っている。柳田邦男氏は、医療事故の報道が引き起こす影響が理解できていらっしゃる。他の委員諸氏も報道の影響について考えを巡らせていらっしゃるようだ。毎日新聞社側は、読者からのメールなどでの反響を見ても、理解の端緒にもつくことができないでいるようだ。

モラルに欠けたヤブ医者が騒いでいる、くらいにしか思わないのだろうか。

毎日新聞東京朝刊 2007.4.21
開かれた新聞:座談会 医療現場に構造欠陥 さらに分析し提言を(その1)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070421ddm010040163000c.html

司会 昨年8月、奈良県の大淀病院で分娩中の妊婦が意識不明になり、緊急搬送先の病院で亡くなりました。10月以降、搬送先の確保に手間取った背景などを含めて報じています。昨年2月には帝王切開手術中に妊婦を死なせたとして福島県立大野病院の産婦人科医が逮捕される事件もありました。こうした問題の構造的な要因を調べ、報告する狙いで、今年1月から東京と大阪の記者たちが企画「医療クライシス」を連載中です。一連の報道には多くの反響があり、患者側だけでなく、医療関係者からも賛否の意見が寄せられています。

玉木明委員 奈良の記事は大変意味のあるスクープだ ….. このまま医療を放っておいたら大変だという印象を持ったので、「医療クライシス」を含めて良い記事だと感じた。こういう医療の現状を広く世に知らしめていくのが新聞の重大な任務だと思う。

吉永春子委員 奈良のスクープは見事だった ….. ただ「放置」や「たらい回し」といった表現は、誤解や反論を受けやすい。本当に「放置」していたのか繰り返し確かめたほうがいいし、「たらい回し」の見出しは慎重さが欠けていた。

砂間裕之・大阪本社社会部兼科学環境部デスク 国立循環器病センターに運び込まれるまでの6時間について、“放置”という表現を使いました。その間、何も処置されなかったという遺族の強い思いがあり、事実関係としても19病院に搬送を断られ、遺族から見れば、結果的に放置されたというのは間違いでないと思います。一方、「たらい回し」は事実と異なり、東京本社の一部紙面でそういう見出しになったのは不適切だったと反省しています。

柳田邦男委員 過去の医療報道でいくつか間違いはあったと思う。例えば「院内感染」と「患者の死亡」が結びつくと、記者は「医療事故だ」と決めつけがちだが、医学的な意味を探るかどうかが、単なるセンセーショナリズムか問題提起の記事になるかの分かれ目だ。奈良の問題では、2カ月間かなり慎重に取材し、科学環境部の記者も一体となって調査報道として第一報を出した手順は正解だった。今までの報道の姿勢で言えば妥当だったと思うが、もう一つ違う座標軸や視点を持ち込んではどうか。時代の変わり目には、記事の重点や意味付けも変わらないといけない。

高村薫氏 医療のことは全くの素人で、一読者として大淀病院のニュースに接すると何が原因で、誰が悪いのか、まとまりのあるストーリーが示されているとは受け取れなかった。素人には医師側の主張が妥当なのか判断できない。逆に被害者側の主張が正しいのか間違っているのかも分からない。利害関係のない第三者として医療事故の記事を読むと、いつもどう判断していいのか悩む。結局、誰が悪いのか、誰が責任を取るのかという形では見えてこない。

司会 柳田委員の言うこれまでと違う視点の必要性とは、具体的にはどういうことでしょうか。

柳田委員 大野病院の産科医逮捕に時代の変わり目が鮮明に表れている。一般に医療への期待は絶大で、万が一、出産時に新生児を死なせたら、親は殺されたという意識さえ持つ。お産は時にはリスクを伴うと認識されていた時代とは違う。そこに警察の強硬姿勢が加わり、その影響で分娩を扱う産婦人科医が激減した。警察側には遺族の心情を背景に刑事罰で医療界を糾(ただ)そうとする姿勢がある。それなりの理由があるにせよ、医師を凶悪犯的に扱うことで、産科医が激減し、医療崩壊を加速させるという由々しい事態が生じている。第三者機関が医療ミスの有無にかかわらず、被害者や遺族に補償の手立てを講じながら、原因を科学的に究明する制度を作らない限り、この二律背反は解決できない。報道はそこまで考えるべき時代だと思う。その点で「医療クライシス」シリーズはいい企画なので、提言の議論をさらに深めてほしいし、医療事故発生時の記事でも、その都度その視点を入れてほしい。

…..

玉木委員 毎日新聞は個人の医師を批判するだけで終わらせないという観点で一連の報道をしてきたと説明があったが、報道の在り方として大淀病院問題を伝えた初報の社会面(大阪本社)の記事が気になった。「遺族『助かったはず』」という見出しで、亡くなった母親の顔写真と、無事だった赤ちゃんを抱く父親の写真を掲載した。これは医師を告発していれば済んだ時代の形式で、既視感がある。新聞を開いた医師の中には、短絡的に医師たたき、医療たたきの記事がまた出たと受け止める人がいたと思う。新しい時代には新しい時代の器を考えてほしい。整理の仕方、見出しの付け方の問題もあるが、そろそろこういうパターンから抜け出し、新しい作り方ができないか。

砂間デスク ご指摘は真剣に受け止めます。ただ、決して古いステレオタイプの記事だとは思いません。今日の議論のように医師、医療界をどうするかを考えながら、医療事故の一方の当事者である患者、遺族の権利を守ることも新聞の使命です。医療側の意見とともに患者の意見も掲載しないと、全体像は分からないと考えます。

玉木委員 それは分かるが、記事の見せ方として新しいものを古い器に盛って出されたら、昔の料理と同じに見える。そういう感じがするということを強調したい。

柳田委員 医療事故にとどまらず、JR西日本の福知山線脱線事故(05年)でも、日本航空ジャンボ機の墜落事故(85年)でも、被害者の声は大事だから、記事の本文や見出しで被害者の言葉をカギ括弧に入れて出すのはニュースとしてあり得る。ただ玉木さんの言うように見せ方を衣替えできないかとは思う。

司会 記事が情緒的すぎるという印象ですか。

吉永委員 他紙も含め全般的に気持ち悪くなるほど情緒的な記事が多いのは事実だ。現実はもっとリアルだと思う。出産の現場は想像以上に緊迫している。ベテラン医師に聞いたが、出産の時はいつ何が起きるか分からず、緊迫した状況の中で瞬時の判断が求められる厳しいものだと言われた。こうした産科医の重責も書くべきだ。

柳田委員 被害者の声を取り上げるなという気はさらさらない。しっかり伝え、そこから出発するのが事故論の原点だが、メディアの中では、被害者の視点を事故の真相究明の方法や制度にどう生かすか、その記事の作り方が検討されてこなかった。

玉木委員 この遺族は記者の真意を理解し、協力してくれたのだから、相応の見識のある人だと思う。その言い分の掲載に反対だと言うつもりはない。しかし、社会面の記事だけを見ると、情緒的というか、引っかかりを感じる。

柳田委員 遺族報道の在り方を含めて一つだけ補足しておきたい。何か事故が起きると現場の従事者の刑事責任の追及が優先されるのは、日本の一罰百戒主義文化の欠陥だが、それでは絶対に本質に迫れない。背景にある構造を分析すると、真因は制度やシステムの欠陥による組織事故であることが分かる。医療事故も、医師の一つの行為をあまりに強調しすぎると、本質が見えなくなる。今回の報道はかなり掘り下げて、企画も継続しているから多面的だと言えるが、基本的に犯人捜査的な物の見方から脱却しないと、本質に迫る記事にならない。私が医療事故にかかわる第三者調査機関の設置を主張するのも、捜査ではなく、構造分析を通じて欠陥を修復するためだ。突き詰めれば、刑事訴訟法がすべてに優先する社会システムの変更につながる。そのことも頭に入れておくと、新しい視点の記事を書けるのではないか。

…..

◇委員会メンバー
吉永春子委員(テレビプロデューサー)
柳田邦男委員(作家)
玉木明委員(フリージャーナリスト)

◇オブザーバー
高村薫氏(作家)

◇毎日新聞側の主な出席者
朝比奈豊主筆▽藤原健大阪本社編集局長▽河野俊史東京本社編集局次長▽山内雅史大阪本社社会部デスク▽砂間裕之同社会部兼科学環境部デスク▽薄木秀夫「開かれた新聞」委員会事務局長

毎日新聞社の手前か、大変よいスクープと評価されているが、第一報の時点でマスコミ各社はご遺族から診療記録を入手し、大淀事件 08 ( 20061021 / 15:22 )、これは第一報の 4 日後の情報、これと同程度の情報を得ていたはずなのだ。大淀事件の報道について、まず、たらい回しの用語一つの問題ではなく、事実をどれだけ記録から見つけ出せるか、その能力が劣っていたのではないか。

その他の医療関係の報道でもそうだし、委員諸氏が指摘していらっしゃるが、事実を見つけ出し検証し提言するというレベルにはほど遠い、犯人をでっち上げ叩くだけ叩く程度の報道が多く目につくのは、各社ともそうだが、コマーシャルベースの報道機関の限界なのだろうか。

第一報の記者を批判非難する声が聞かれることについて、若い記者が非難されている、気にしなくてよいとコメントされているが、署名記事で自信を持ってスクープを発したのだから、執筆した記者には、若かろうがベテランであろうが、その責任があるだろう。

参考リンク

http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/04/43_3465_f626.html
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/04/44_ac1a.html

砂間氏は奈良支局の出だったようだ。

以下、参考資料

大淀事件 28 資料 / 毎日新聞 開かれた新聞座談会 20070421


追記

この記事の 2 ヶ月あまり後、20070626、http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070626 にてこのスクープにまつわるもう一面の情報が伝えられた。新聞記事を信じるか、一ブログ執筆者を信じるかは様々だが、これまでの経緯を考えると、このブログ記事には符合することが多い。

  • 亡くなられた妊婦さんが陣痛に苦しむ様子、意識が戻らないままの術後の様子、それらを手ぶれもなくビデオで撮影していた人がいたこと。
  • 情報漏出と騒いだ割には元々情報は遺族側から出ていたこと。
  • 執筆記者がこの報道の少し後に産休に入っていて、ある団体からの講演の依頼を断っていたこと。
  • ご遺族の親族に元大淀病院関係者 ( 元看護婦長 ) がいらっしゃって、独自に消防救急や諸病院に搬送を打診していたりマスコミに情報を提供していたこと。

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大淀事件 20 資料 / MBS 20061102

Posted by guideboard on 2007/07/15/Sun

» 大淀事件 20 ( 20061105 / 23:53 )

「産婦人科医療のジレンマ」2006/11/02 放送
http://www.mbs.jp/voice/special/200611/02_5477.shtml

妊婦死亡の背景に、命の現場が抱えるあるジレンマが見えてきました。

奈良の妊婦が19もの病院から受け入れを拒否され死亡したことが表面化してから2週間余りが経ちますが、VOICEのその後の取材で、今の産科医療が抱えるある問題が浮かび上がりました。

最先端の医療施設のベッドが、いつも『満床』なんです。

NICU、新生児のための集中治療管理室です。

9人の赤ちゃんを、5人の看護師が付きっきりで世話しています。

8月8日未明、子癇発作の妊婦の受け入れを打診されたこの病院は、「NICUのベッドが満床で、生まれてくる赤ちゃんに対応できない」と断りました。

この日、どこの病院もベッドはふさがっていました。

高崎奏太くんは、もうすぐ生後3ヵ月になります。

生まれたときは肺炎をおこした状態でしたが、元気に成長しています。

しかし、母親の実香さんは、分娩(ぶんべん)の際の脳出血で亡くなりました。

奈良と大阪の19の病院が、実香さんを受け入れることができませんでした。

「ベッドが満床というだけで、治療を早くしてあげられなかった。今でも悔しいです」

実香さんは、予定日を1週間すぎた8月7日午前9時すぎ、分娩誘発のため、大淀病院に入院しました。

夕方には陣痛が始まりますが、午前0時すぎ、頭痛を訴え意識を失います。

「不安で不安でしょうがなかったんで、とにかく『大丈夫ですか?』って主治医に聞いたら、『陣痛と頭痛からの失神でしょう』と言われた」

意識が戻らないまま1時間がすぎ、午前1時37分、実香さんは突然けいれんをおこします。

主治医は、妊娠高血圧症候群による「子癇(しかん)」と判断し、地域の拠点病院である奈良県立医大に電話、引き受けを依頼しますが、断られてしまいます。

「すでに病床が満床で、患者さんがあふれている状態なんです。部屋があればもちろん受けますけども、ない状況ですとなかなか責任もてませんので、病院を探したんです」

県立医大の産科医は県立奈良病院に連絡しますが、ここも満床。

奈良県内の病院をあきらめ、大阪の母子センターに受け入れを依頼しました。

が…

「当センターもベッドがいっぱいでしたので、大阪で病院を探すことになりました」

大阪府には、43病院の産婦人科が加盟する「OGCS(=産婦人科診療相互援助システム)」があります。

母子センターの医師は、ベッドに空きがあり、受け入れができそうな病院をコンピューターで探しました。

しかし…

堺市のベルランド総合病院。
「分娩を待つ妊婦が4人いて、手が足りません」

淀川キリスト教病院。
「満床です」

近畿大学付属病院。
「満床です」

済生会吹田病院。
「麻酔医が不在で、緊急手術に対応できません」

高槻病院。
「帝王切開の手術が2件重なり、もう対応できません」

大阪の中核病院、大阪市立総合医療センターは、NICUのベッドが満床でした。

「子癇など、母体のほうに異常がおこると、胎児・新生児のほうに異常がおこることも考えまして、お断りさせていただいた次第です」

時間がどんどん過ぎていきます。

家族は自ら大阪の消防局に電話して、救急病院の連絡先を調べ、主治医に伝えました。

また夫の父親は、奈良県立医大の医師と直接、話したといいます。

「『ベッドがないんです』と言うので、『ベッドはいらん!廊下の片隅でもいい。とりあえず処置してください』とお願いしたんですけど、拒否されました」

実香さんが60キロ離れた国立循環器病センターに運ばれたのは、午前6時。

19の病院に断られ、意識を失ってから『6時間』がすぎていました。

「これほど重症の方をお願いして、これほど時間がかかるのは初めてです。普通は、20〜30分以内に見つかると思うんですけどね」

なぜ、こんなに断られ続けたのでしょうか。

【主治医の判断ミス】

「もっと早く脳内出血とわかってたら、意識なくなった時点でCTを撮っていただいたら、命だけはとられなかったかなぁと思います」

主治医は脳出血を疑わず、当初、失神と判断。

その後、妊娠高血圧症候群による子癇と考えました。

脳出血や生命の危険の可能性が伝わっていれば、搬送先はもっと早く見つかったかもしれません。

「脳出血であれば、むしろ大学で脳外科のある病院や救命救急センターを中心に探しますので、もう少し早く見つかった可能性はあります」

【満床が常態化】
NICUが満床で実香さんを受け入れられなかった病院が、3つありました。

医療技術の進歩が皮肉にも、NICUを満床にします。

「不妊の治療で双子、三つ子という方がおられます。妊娠23週、24週で生まれても助かる子どもさんがおられますので、そういう方を積極的に助ける。それで、満床になってる」

奈良県は、出産のための病院整備やシステムづくりが遅れています。

緊急治療が必要な母体を県外に搬送する割合は、4割近くにのぼっています。

「今回の悲劇、なぜおこってしまったのか。お答えいただきたい」

「適切に救急搬送がされなかった。こういうことが今回の悲劇を呼び起こした」

今回のような一刻を争う緊急事態では、「県内の拠点病院が無理をしてでも受け入れるべきではないか」という意見もあります。

「産婦人科の病棟が満床でも、病院全体の中で少しどこかに空きがあれば、やはり引き受けるというか、それはできたんじゃないかと思いますけど」

「(Q.ほかの科のベッドや、救命救急センターを使うという選択肢は?)もちろん、使うことは十分できると思います。ただ、それは今、あなたたちが結果を知っているから言うことであって、私たちは最善の努力をしています」

実香さんを失い、一時は絶望のあまり、死ぬことも考えた夫の晋輔さん。

いまは、産婦人科医療の充実を求める署名活動を始めたいと考えています。

「もう今後こんなことがおこってほしくないって、実香は思ってると思うんです。それをぼくに伝えてくれている気がして」

主治医の判断ミス、医師不足、常に一杯で余裕のない施設など、複合的な要因が重なって、実香さんは亡くなりました。

構造的な問題にメスを入れない限り、悲劇を防ぐことはできません。

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大淀事件 09 追補資料 / 読売新聞 20061031

Posted by guideboard on 2007/07/15/Sun

» 大淀事件 09 ( 20061023 / 13:51 )

2006.10.23、産經新聞で時系列にまとめた報道があった。同じソースによると思われる報道の読売新聞のものを収載する。マスコミ各社は、初報時から日にちをおかずして、診療録に基づくレベルの報道が可能であった。すなわち、カルテを入手していた。それも家族提供である。

——————– 以下引用 ——————–

読売新聞大阪朝刊 2006.10.31 社会 39 頁

奈良県大淀町の町立大淀病院で8月、高崎実香さん(当時32歳)が出産時に脳内出血を
起こし、転院先で死亡した問題で、大淀病院の医師は、意識消失を「失神」、その1時間2
3分後のけいれんを「子癇(しかん)」と判断していた。産科医の間では「診断は難しく、
仕方がなかった」とする意見が多いが、「最初から脳出血を疑うべき」と指摘する医師もい
る。転院の問題より、早い段階で脳出血に気づけたかどうかが、救命の可能性を考える上で
最大のポイントと言えそうだ。

◆脳神経外科医「典型的な症状だ」 産科医「その場で難しい」

■高血圧で起きる

出産の際に妊婦が脳出血を起こすことは、たまにあり、緊急に開頭手術をして血腫(けっ
しゅ)を除く必要がある。

一方、子癇は、妊娠中毒症の高血圧から生じるけいれんで、こちらも頻度は少ないが命に
かかわる。妊娠中毒症は胎児と母体の不適合が原因といわれ、帝王切開などで子どもを早く
体外に出すのが治療の基本だ。

どちらも血圧の上昇が直接原因なので、子癇に脳出血が併発することもある。

高崎さんは予定日を過ぎていたため8月7日朝に入院。陣痛促進剤を投与され、夕方から
陣痛が始まったが、深夜に異変が生じた。

午前0時に頭痛、0時10分に嘔吐(おうと)、0時14分に意識消失、1時37分にけ
いれん、2時に瞳孔拡大、4時30分に呼吸困難と進んだ。

家族によると、転送先の国立循環器病センター(国循)では「右脳混合型基底核出血」と
いうタイプの出血と診断されたという。

■意識消失の時点で

大阪府高槻市で開業する脳神経外科医の山口研一郎医師は「典型的な脳出血の経過で、頭
痛の前後に出血したようだ。深い部位だが手術は可能で、いち早く開頭するしかない。けい
れんや瞳孔拡大は脳圧上昇が進んだ症状。呼吸まで止まると、命が助かっても意識障害が続
く。もっと早い段階が勝負だ」と説明。

「妊婦の意識消失で脳出血を疑うのは常道。脳外科医なら、片側まひの有無を調べてすぐ
わかる。神経系に詳しい医師がいなかったのが不幸だ」と言う。

大淀病院の主治医と内科医は、意識消失を陣痛による失神と考え、特に処置をせずに病室
を離れた。けいれんの後、子癇と判断して緊急対処を始めた。子癇では安静が重視される。

内科医はCT(コンピューター断層撮影法)を求めたが、主治医は「搬送までは安静が一
番」と退けた。家族は「私たちも『脳の血管が切れたのでは』と訴えたのに、『それは絶対
ない』と言われた」としている。

産科の訴訟で鑑定経験の多い我妻タカシ(わがつまたかし)医師は「意識を失い、痛み刺
激を与えても戻らなければ、脳出血を疑ってCTを撮るべきだ。けいれんも、子癇の場合は
繰り返し起き、意識は戻るので区別できる」と話す。

ただ、転送先については「開頭手術、帝王切開、新生児への対応が必要で、夜中に見つけ
るのは簡単ではなかろう」という見方だ。

■現実にできるか

妊娠中毒症は高血圧、たんぱく尿、浮腫のどれか一つがあると診断される。入院前、高崎
さんに明確な兆候はなかったようだが、急に起きることもある。

奈良県立医大出身の産婦人科医の1人は「頭痛が起きた時の血圧上昇は妊娠中毒症の診断
基準を上回っている。意識消失の段階で何かできたかも」と言いつつ、「自分が居合わせた
ら現実にどうだったか……」。

別の医大の産婦人科教授も「事後に考えれば処置がまずかったと言えるだろうが、その場
ではなかなかわからないものだ」と話している。

陣痛促進剤の事故は多いが、今回の脳出血とは無関係という見方が一般的だ。

■高崎実香さんの経過(診療記録から)

8/7~8
9:20 町立大淀病院に入院。妊娠41週
9:40 陣痛促進剤の内服開始
   (昼の血圧測定121/81)
14:55 陣痛促進剤の内服6回目で終了
   (夜の血圧測定131/66)
17:20 嘔吐あり、2分ごとに陣痛
21:46 「痛い、痛い」
22:00 嘔吐あり
23:00 「もうイヤ、家に帰りたい」
0:00 頭痛。「こめかみが痛い」。血圧155/84
0:10 胃液を嘔吐
0:14 突然の意識消失。血圧147/73、尿失禁
   内科医も呼ぶが「失神でしょう」
1:37 強直性けいれん、いびき。水銀血圧計で
   は200/100。主治医は子癇を疑い、けいれ
   んを抑えるマグネゾールの投与を開始
1:50 県立医大に「子癇の患者がいる」と転院
   要請。内科医がCT撮影を提案するが、
   主治医は「動かさないほうがいい」
2:00 瞳孔拡大。血圧148/75
   (この間、搬送先を探すが見つからず)
   (血圧は上が154~186)
4:30 呼吸困難で気管挿管。国循に搬送決定
4:50 救急車で搬送開始。主治医が付き添う
6:00 国循に到着。脳の手術後、帝王切開で出産
8/16 意識不明のまま死亡

写真=高崎実香さんのカルテ(家族提供)。上から5行目に「意識消失」、2枚目に「強
直性ケイレン?」「eclampsia(子癇)?」と書かれている

——————– 以上引用 ——————–

なお、読売新聞社の過去記事データベースからは、写真を見ることはできないが、記事からは、この写真と同じ診療録を撮影した写真と思われる。

http://guideboard.livejournal.com/1474.html
http://guideboard.livejournal.com/2150.html

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大淀事件 29 / 提訴報道資料 報道各社 20070523 – 24

Posted by guideboard on 2007/07/14/Sat

大淀事件 29 / 提訴報道

2007.5.24 NHK ニュース
奈良妊婦死亡 診断ミスと提訴
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/05/24/d20070523000192.html

この問題は去年8月、奈良県大淀町の町立大淀病院で、高崎実香さん(当時32歳)が出産中に脳内出血で意識不明となり、ほかの19の病院に受け入れを断られて大阪の病院まで運ばれた末、8日後、死亡したものです。訴えを起こしたのは、夫の晋輔さん(25)と、実香さんが意識を失った中で出産した長男で生後9か月の奏太ちゃんです。訴えによりますと、実香さんには頭痛やおう吐に続いて突然、意識を失うなど脳内出血を疑わせる兆候があったのに、産婦人科の主治医は詳しい検査を行わず、転院を決めるまで少なくとも1時間半、放置したと主張しています。そして、医師の対応の遅れが容体を悪化させ、死亡につながったとして、病院を運営する町と主治医に損害賠償を求めています。原告の晋輔さんは、請求した金額は明らかにしませんでしたが、記者会見で「今一度、真実をはっきりさせてミスを認めていただき、謝罪してほしい」と話しました。訴えについて、町立大淀病院の原育史院長は「今後、司法の場で明らかにしていきたいと考えています」というコメントを出しました。

5月23日 20時48分

2007.5.24 NHK 奈良妊婦死亡 診断ミスと提訴 PDF 480KB

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神戸新聞 2007.5.24 朝刊 1 面
転院20病院拒否、妊婦死亡
「診断ミス」賠償請求
奈良、遺族大阪地裁に

奈良県大淀町立大淀病院で出産時に意識不明となり、約二十の病院から受け入れを断られた後に死亡した高崎実香さん=当時(三ニ)=の夫晋輔さん(ニ五)らが二十三日、適切な診療をしなかったとして町と担当医に損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。(28面に関連記事)

訴状などによると、妊娠した美香さんは二〇〇五年十二月から大淀病院で定期的に診療を受け、昨年八月七日に分娩のため入院。分娩誘発剤で陣痛が始まったが、嘔吐を繰り返した後、深夜に頭痛を訴え、八日午前零時すぎに意識を失った」

呼び出された担当医は、晋輔さんらが脳内出血の可能性を指摘したが「分娩中のけいれん発作だから動かせない」と説明。家族に転送先の病院を探していることは伝えたが、その後も処置しなかった。県立医大病院などが転送先を探したが、満床などを理由に約二十の病院が受け入れを拒否。午前四時半ごろにようやく転送先が大阪府吹田市の国立循環器病センターに決まり搬送したものの、実香さんは脳に大血腫が見つかり、帝王切開で男児を出産した後、同月十六日に死亡した。

大淀病院の当直内科医も脳の異常の可能性を指摘していたとされ、晋輔さんらは「担当医は脳内出血を疑って検査し、すぐに治療できる病院に転院させる注意義務があった」と主張している。

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神戸新聞 2007.5.24 朝刊 28 面

奈良の妊婦死亡
「真実明らかに」
提訴の遺族墓前に誓う

「真実をはっきりさせ、謝罪してもらいたい。こんなことは二度と起こってほしくない」。死亡した高崎実香さんの夫晋輔さん(二五)は二十三日、提訴後に大阪市内で会見。ゆっくりと言葉を選びながら、裁判にかける思いを語った。(1面参照)

実香さんの容体が急変した昨年八月八日未明。担当医は脳の異常を疑わず、詳しく診察もせずに処置室を離れた。

「命を助けようという必死さがまったく見られず、そのことに一番傷ついている」と晋輔さん。

当初、病院は話し合いに応じていたが、保険会社の代理人が間に入り、打ち切りに。会見に同席した晋輔さんの父憲治さん(五三)は「病院側は『ミスといえばミスだ』と話し、すまないという気持ちも持ってくれていたと思うが …。真実を明らかにするには提訴せざるを得なかった」とやりきれなさをにじませた。

実香さんの命を受け継いで生まれた奏太ちゃんは、病気もなく「よく育ってくれている」。裁判所に向かう前、晋輔さんは墓前で実香さんに語り掛けた。「やるべきことは手を抜かずにやる。今から行ってきます」 

提訴後、記者会見する死亡した高崎実香さんの夫晋輔さん(右)と父親の憲治さん=23日午後、大阪市北区の大阪司法記者クラブ

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YOMIURI ONLINE 関西発 2006.5.24

奈良の妊婦死亡、適切な治療怠ったと賠償提訴

奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、妊婦が出産時に脳内出血で意識不明となり、相次いで転院拒否された末、搬送先の病院で死亡した問題で、遺族が23日、「脳検査も治療もせず放置した」として、担当医と大淀町を相手に損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。この問題を巡っては、県警が担当医らを事情聴取するなど業務上過失致死容疑で捜査しており、刑事・民事の両面で真相解明が進むことになった。

原告は、高崎実香さん(当時32歳)の夫、晋輔さん(25)と生後9か月の長男奏太(そうた)ちゃん。原告側は請求額を明らかにしていない。

訴状によると、実香さんは出産のため昨年8月7日に入院。翌8日午前0時ごろ、「頭が痛い」と訴えて意識を失った。担当医は「脳に異常はなく、陣痛などによる失神」と説明。その後、両手足が硬直し始めると、妊娠中毒症の妊婦が分娩(ぶんべん)中にけいれんを起こす「子癇(しかん)」と診断し、転院先を探した。

実香さんは意識消失の約6時間後、大阪府吹田市内の国立循環器病センターに搬送され、脳内出血と判明したが、奏太ちゃんを出産後、死亡した。

晋輔さんは「自分や看護師だった親族らが脳内出血の可能性を再三、指摘したのに、担当医は途中で仮眠するなどし適切な治療を怠った」と主張している。

町立大淀病院の原育史(やすひと)院長の話「今後、司法の場において明らかにしたいと考えております」

◇転院拒否◇

高崎実香さんの転院を巡っては、大阪府と奈良県の計19病院が「ベッドが満床」「NICU(新生児集中治療室)がない」などと受け入れを拒否。産科医らの調査では、県で必要とされるNICUの病床数は119床だが現在40床しかない。症状の重い妊婦の約3〜4割を県外に移送するなど、産科救急システムの深刻な不備を露呈した。

(2007年5月24日 読売新聞)

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日経ネット関西版 20067.5.24

夫ら遺族、担当医を賠償提訴──奈良、受け入れ拒否続き妊婦死亡で(5月24日)

奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、出産中に意識不明になり約20の病院に受け入れを断られた後に死亡した高崎実香さん(当時32)の夫、晋輔さん(25)ら遺族が23日、同病院の産婦人科担当医が適切な診療を怠ったとして、大淀町と担当医に損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。

訴状などによると、実香さんは妊娠後、2005年12月から定期的に同病院で診断を受け、昨年8月7日に出産のため入院。しかし出産中の翌8日未明、頭痛を訴えて意識不明になった。

その後、両腕の硬直などから内科医らが脳の異常の可能性を指摘したが、担当医は「分娩(ぶんべん)中のけいれんなので動かせない」と説明。転院先を探していることを伝えたが、コンピューター断層撮影装置(CT)にはかけなかった。

約20カ所に受け入れを拒否された後の同日午前4時半ごろ、国立循環器病センター(大阪府吹田市)への転院が決まり、午前6時過ぎの搬送後、CTで脳の大血腫が見つかった。実香さんは脳内出血と帝王切開の手術を受け、男児を出産したが、実香さん自身は8月16日に死亡した。

晋輔さんは「大淀町や病院が当初応じていた説明を打ち切ったので、当日起きたことを明らかにするために、提訴に踏み切らざるを得なかった。病院には改めてミスを認めて謝罪してほしい」と話している。

原育史・大淀病院院長の話 今後、司法の場で明らかにしたいと考えている。

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asahi.com 2007.5.23

奈良妊婦死亡 「医師が誤診」夫が提訴
2007年05月23日22時35分

奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、出産中に意識不明となった高崎実香さん(当時32)が、県内外の19病院に転院の受け入れを断られた末に死亡した問題で、夫の晋輔さん(25)=奈良県五條市=と生後9カ月の長男が23日、適切な治療を怠ったとして、大淀町と産婦人科(現・婦人科)の男性医師(60)を相手に、損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。地方の産科医不足が解消されない中で、地域医療のあり方も問われそうだ。

訴状などによると、実香さんは昨年8月7日朝、分娩(ぶんべん)のため同病院へ入院。翌8日未明に頭痛が始まり、まもなく意識を失ったが、担当医は「陣痛による失神」と判断して仮眠に入った。晋輔さんらは脳内出血を疑って頭部の画像診断を求めたものの、担当医は妊娠中毒患者がけいれんを起こす「子癇(しかん)」と診断して検査をしなかった。

容体の悪化を受けて病院側は転院先を探し、奈良県の2病院、大阪府の17病院から「満床」などと断られた。意識喪失から6時間後、実香さんは搬送先の国立循環器病センター(大阪府吹田市)で右脳に大きな血腫ができていることが判明。帝王切開で奏太(そうた)ちゃんを出産したが、8日後に脳内出血で死亡した。

原告側は、担当医は脳内出血を疑って必要な検査をし、治療に対応できる医療機関へすぐに転院させるべきだったと指摘。「症状を悪化させて死亡させた過失」は最初に入院した病院側にあると主張している。現段階で請求額は明らかにしていない。

実香さんの死をきっかけに、大淀病院は今年4月から産科の診療を休止。一方、奈良県警は業務上過失致死容疑で捜査している。晋輔さんは「病院が話し合いに応じず、提訴に踏み切った。産科医療が良い方向へ進むよう、真実をはっきりさせたい」と話した。

大淀町立大淀病院の原育史(やすひと)院長の話 今後、司法の場で主張を明らかにしたい。

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大淀事件 29 / 提訴報道

Posted by guideboard on 2007/07/14/Sat

本事件の第一報以来、ご遺族は医療システムに問題があることと、担当医個人を責めることに意味がないことをコメントしていた。

しかしとうとう、担当医個人のミスを責める裁判を起こされた。ご遺族の無念の心中は察するに余りある。だが、ご遺族の気持ちを追いきれなくなってきた。

2007.5.24 NHK ニュース
奈良妊婦死亡 診断ミスと提訴
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/05/24/d20070523000192.html

医師の対応の遅れが容体を悪化させ、死亡につながったとして、病院を運営する町と主治医に損害賠償を求めています。原告の晋輔さんは、請求した金額は明らかにしませんでしたが、記者会見で「今一度、真実をはっきりさせてミスを認めていただき、謝罪してほしい」と話しました。

神戸新聞 2007.5.24 朝刊 28 面
奈良の妊婦死亡 「真実明らかに」 提訴の遺族墓前に誓う

「命を助けようという必死さがまったく見られず、そのことに一番傷ついている」と晋輔さん …..
会見に同席した晋輔さんの父憲治さん(五三)は「病院側は『ミスといえばミスだ』と話し、すまないという気持ちも持ってくれていたと思うが …。真実を明らかにするには提訴せざるを得なかった」とやりきれなさをにじませた。

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以下,参考資料

大淀事件 29 / 提訴報道資料 報道各社 20070523 - 24

2007.5.24 NHK 奈良妊婦死亡 診断ミスと提訴 ( LIVEJOURNAL )

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大淀事件 26 資料 / 毎日新聞 20061128

Posted by guideboard on 2007/07/14/Sat

» 大淀事件 26 ( 20061130 / 12:53 )

毎日新聞 2006.11.28

奈良、総合周産期母子医療センター 08年開設 緊急患者即応へ、後方病床を増設
総合周産期母子医療センター:緊急患者即応へ、後方病床を増設—-08年開設 /奈良

◇妊婦に不安、急ぐ

県が27日明らかにした、県立医大付属病院(橿原市)での総合周産期母子医療センター開設計画は、危機を脱した患者を受け入れる後方病床を増やし、緊急患者をMFICU( 母体・胎児集中治療管理室)やNICU(新生児集中治療管理室)に受け入れやすくしたものだ。開設は08年1月。意識不明となった妊婦の高崎実香さん(当時32歳)が今年 8月、転院先探しが難航した末に大阪府の病院で死亡した問題が背景にあるだけに、その運用が注目されそうだ。

【松本博子、青木絵美】

県は当初、07年度中の整備を目指していたが、米田雅博・県健康安全局次長は「一般の妊婦の分べんにも、不安感が広がっているため急いだ」と説明。県によると、小児科3人 、産科5人の医師と看護師を確保し、08年3月末までにセンター指定を目指す。稼働開始時点で、県全体のMFICUは4床から7床、後方病床は0床から12床に増加する。 NICUは40床のままだが、後方病床が0床から30床に増える。柿本善也知事は「県民の皆様に安心して出産していただけるよう、今後とも周産期医療体制の整備・充実を図 りたい」とコメントした。

県の計画について、県医師会の産婦人科医会副会長で、県立医科大の小林浩教授は「今後、敷地内にどういう規模でセンターを造るのか具体的に決めることになるが、ビジョンが 示されたのは一歩前進だと思う」と評価する。一方、実香さんの夫晋輔さん(24)は「妻の問題を受けて動き出してくれたことは素直にうれしい。ただ、センターを整備しても 医師や看護師、助産師なしには機能しない。医師の確保策もしっかり取り組んで」と話した。

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大淀事件 26 ( 20061130 / 12:53 )

Posted by guideboard on 2007/07/14/Sat

本記事は、2006 年 11 月 30 日、午后 0 時 53 分、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/ にオリジナルの記事 ( 奈良産科転送事件 21 ) がアップされたものである。原典は削除された。


キーワード
奈良県、大淀町立大淀病院、奈良県立医科大学、総合周産期母子医療センター、産科、小児科、医師不足

やればすぐに動き出せるではないか、奈良県。

しかし、懸念がある。小児科 3 人、産科 5 人でこれだけの施設の拡張ができるのだろうか。過重労働は解消されないのではないか。現在、県立奈良病院の 5 名の産婦人科医が、未払時間外手当、労働条件や医療安全などを求めて、争おうとしているではないか。

その上に増員と言っても、当分は医師の確保が難しいのではないだろうか。

毎日新聞 2006.11.28
奈良、総合周産期母子医療センター 08年開設 緊急患者即応へ、後方病床を増設
小児科3人 、産科5人の医師と看護師を確保し、08年3月末までにセンター指定を目指す。稼働開始時点で、県全体のMFICUは4床から7床、後方病床は0床から12床に増加する。 NICUは40床のままだが、後方病床が0床から30床に増える。

以下、参考資料

大淀事件 26 資料 | 旧 奈良産科転送事件 21 資料

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大淀事件 25 資料 / 毎日新聞 20061121

Posted by guideboard on 2007/07/14/Sat

» 大淀事件 25 ( 20061125 / 12:45 )

毎日新聞 2006.11.21

「CTに有用性」 脳内出血死、9年前の提言生かせず 奈良・妊婦転送死亡で
奈良・妊婦転送死亡:脳内出血死、9年前の提言生かせず—-「CTに有用性」

◇旧厚生省研究班「CTに有用性」

妊産婦に異常事態が起きた場合、分娩(ぶんべん)施設内で速やかに処置できるよう、医師数や検査機能の充実など体制整備を求める提言を、旧厚生省研究班が97年にまとめていたことが分かった。全国約200人に及ぶ妊産婦の死亡原因を詳細に分析して導き出した報告。だが今年8月に奈良県の妊婦が脳内出血で死亡した問題では、分娩施設や搬送システムの体制不備など地域の産科救急体制の危機が浮き彫りになり、9年前の貴重な提言が生かされなかった形だ。

【根本毅】

「妊産婦死亡の原因の究明に関する研究班」(班長、長屋憲・吉祥寺南町診療所院長)の報告によると、91-92年の妊産婦死亡は230人に上った。調査できた197人の死因は、子宮破裂などによる出血性ショックが74人で最も多く、次いで脳出血が27人だった。

死亡例の分析で、転送された施設(大学病院を除く)の産婦人科の平均医師数は、常勤が4・4人、当直は0・6人。麻酔科医なども少なく、「十分な24時間体制とはあまりに懸け離れた現状」と指摘した。一方、死亡した妊産婦の分娩を当初扱った施設は、より体制が貧弱で「マンパワーや検査機能の不備が死亡に大きく影響した」と分析した。

脳出血では、頭痛を訴えたのに診断・搬送が遅れた例もあった。診断について「頭痛や血圧上昇、意識消失があると、産婦人科医の多くは妊娠中毒症や子癇(しかん)発作と考え、その治療を優先させる。これは現時点では正しい」とした。その上で、CT(コンピューター断層撮影)の有用性に触れ、「どの症状なら脳出血を疑い、画像診断(CT)すべきかガイドラインを示す必要がある」と提言した。

今回の奈良のケースでも夜間、脳外科医と麻酔科医が不在で、産科医と内科医計2人で対応。報告書の指摘と同じように頭痛や意識消失などの症状があったが、失神や子癇発作と判断し、CTは撮らなかった。

長屋院長は「9年前と変わらず、全身管理の専門家や設備がほとんどない状態で大多数の分娩が扱われていることが最大の問題。こんな危険な環境での分娩は、日本ぐらいなものだ」と早急な改善を訴える。

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大淀事件 25 ( 20061125 / 12:45 )

Posted by guideboard on 2007/07/14/Sat

本記事は、2006 年 11 月 25 日、午后 0 時 45 分、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/ にオリジナルの記事 ( 奈良産科転送事件 20 ) がアップされたものである。原典は削除された。


キーワード
奈良県、大淀町立大淀病院、産婦人科、産科、妊婦、転送、搬送、受け入れ拒否、死亡、私感、脳内出血、脳出血、CT

毎日新聞根本毅記者は、なにか根本的な理解が足りないのではないだろうか。

厚生省研究班が、妊婦の意識障害に対して、CT を速やかに撮影すべしと言うガイドラインを出しているのではない。以下の署名記事では、タイトルと報道の内容が全く正反対に乖離している。

妊婦の脳出血は、子癇より遥かに低い頻度であり、それをすべて CT で検出するための、有用性と危険性のバランス、検査の感受性や特異性については思い至っていないのだ。子癇の危険性は、これまでの本件を扱った種々のインターネット上の検討で示されているように、母児共に死に至るリスクがあるものである。お母さんが震えているだけではないのだ

毎日新聞 2006.11.21
「CTに有用性」 脳内出血死、9年前の提言生かせず 奈良・妊婦転送死亡で
診断について「頭痛や血圧上昇、意識消失があると、産婦人科医の多くは妊娠中毒症や子癇(しかん)発作と考え、その治療を優先させる。これは現時点では正しい」とした。その上で、CT(コンピューター断層撮影)の有用性に触れ、「どの症状なら脳出血を疑い、画像診断(CT)すべきかガイドラインを示す必要がある」と提言した。

いまだ、医学では、この問題をクリアできていないのだ。「どの症状なら脳出血を疑い、CT を撮像するすべきかのガイドライン。」

これがあれば、大淀病院の産婦人科医は、もっと迷うことがなかっただろう。子癇だったら CT の輪の中で母児ともに失われるかもしれない ….. その危険を犯して CT を撮像して、それにかかる時間は 1 時間では済まない。首尾よく脳出血と分かった。では、搬送先をあたる条件はより厳しいものになっていたはずだ。ますます受け入れ先を見つけるのが困難にならないか。

奈良県の大淀病院という医療供給の制限がついたところで、しかも分娩室と CT 検査室が離れているところで、オンコールの技師で撮像しなければならない体制、これらの諸条件を考えなければならないのに、その考察を怠った報道を続けて来たのだ。

誤報と呼んでもよい、毎日新聞の一連の報道を正当化するためのこじつけが、この記事のタイトルなのだ。

この記事でもう一点、気になるところがある。記事の最後の次の一文である。

—– 以下引用 —–

「9年前と変わらず、全身管理の専門家や設備がほとんどない状態で大多数の分娩が扱われていることが最大の問題。こんな危険な環境での分娩は、日本ぐらいなものだ」

—– 以上引用 —–

この報道の長屋医師は、本当にこういうことを言ったのだろうか。日本以外の多くの国では、ほとんど全ての出産が高度な医療機関で行われているというのだろうか。ちょっと想像を働かせてみよう。

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リンク

CTは死のトンネル

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以下、参考資料

大淀事件 25 資料 | 旧 奈良産科転送事件 20 資料

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大淀事件 24 / 報道被害 ( 20061117 / 22:45 )

Posted by guideboard on 2007/07/11/Wed

本記事は、2006 年 11 月 17 日、午后 10 時 45 分、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/ にオリジナルの記事 ( 報道被害 ) がアップされたものである。原典は削除された。


キーワード
報道被害、マスコミ、関西テレビ、KTV、スーパーニュースアンカー、MBS、大阪毎日放送、毎日新聞

情報は、電波、インターネット、活字など、伝達媒体上に一度載ってしまうと、もう元には戻せない。

奈良県での、妊婦のたらい回し死亡、という報道各社の記事やニュース。システムの問題に触れてはいても、どの報道を見ても、医師個人を糾弾する姿勢は忘れないでくれている。

2006 年 11 月 14 日 ( 火 ) の関西テレビ放送 ( KTV )スーパーニュースアンカー ANCHOR の報道に、端的というか、これまでの医師糾弾報道のなかでも最先端の報道姿勢を感じることができる。キャスターはアンカーマンこと山本浩之氏と、村西利恵氏である。

YouTube の動画配信。2006 年 11 月 17 日夜 10 時頃の時点で見ることができる。

—–

本件で、患者さんをなくされたご家族、ご遺族の方々の悲痛な心中は察するにあまりある。誠に残念な事であり、あらためて、心より哀悼の意を表したい。

だが、ここでは報道のあり方を取り上げさせて頂く。本件のご遺族、ご家族の方々には何らの評価を加えるものではない。あらかじめ、お断りさせて頂く。

—–

ご家族、ご遺族が担当医を非難する言葉を口にされることに、無理はない。しかし、ご遺族お二人が、涙ながらに担当医を非難するコメントの映像をこれでもかと流す。7 分 50 秒ほどの放送時間のうち、約 1/4 だ。当事者を、被害者側とはいえ、そこまで映像化して衆目に曝すことは、ヒーローが悪役を叩きのめすのを応援するのと同じ心情が視聴者に起こることを計算しているのだろうか。その姿を気分よく見ていられる人は、多いのだろうか。

そこまでやらなくてもよいのではないか。

担当医の対応を責めるご遺族。その対応とは、子癇と診断する以前の段階での休息と、もう一つは、搬送依頼の連絡を担当医自身があまりしなかった、というものだ。そして報道は、システムの問題と言いつつ、ご遺族の映像を使うことで、担当医個人を見事に糾弾している。そして放送の最後に、キャスター氏は、担当医の対応に問題があると、はっきり言明した。

休息については、これまでの記事で、この担当医 ( 産婦人科部長 ) の勤務形態、意識レベル低下時の内科医対診と分娩監視装置でのモニター、助産師の監視と必要な措置を講じていたことは確認した。あとからあのときにどうすればよかったかという検証は、科学的究明と再発防止、システム設計の観点から行う必要があるが、個人を非難して済むものではないし、この担当医を非難すること自体、かならずしも適切とはいえない。

搬送依頼は、奈良県の周産期救急医療システムの場合、奈良県立医大が紹介の窓口になる段取りだった。田舎の病院の一医師が、個人で病院をあたるより、大学医局と県のシステムとで事にあたった方が、探索範囲を広く遠方に及ぼすことができる。本件の担当医が奈良県立医大と、あと他に少々の連絡をしただけなのは、そういうシステムだからだ。複数の司令塔がてんでバラバラな行動をとるのは、緊急時ほど、好ましくない状態である。ご遺族がそれを知らずに非難するのは無理もない。しかし、事件からかなり日にちが経った ( 11 月 14 日 ) このニュース放送で、それを知らずに流したとは思えない。

事件第一報は 2006 年 10 月 17 日、私が事件の時系列をほぼ掴んだのが 10 月 21 日。
» 大淀事件 01 ( 20061019 / 01:11 ) | 旧 奈良産科転送事件
» 大淀事件 08 ( 20061021 / 15:22 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 5

この時期のこのニュース放送は、担当医へのバッシングのとどめとでも言うべきものだ。本当にシステムの問題と思うなら、国の医療政策を検証批判すればよい。

刑事訴追の上にこの報道によるバッシングでは、本件の担当医には惨すぎる仕打ちである。仮に刑事有罪という結果になっても、今はまだ推定無罪である。また有志の医師による様々な検証も参考にして、本件の担当医にそこまで叩かれるほどの過ちはなかったと考えられる。奈良県医師会産婦人科医会は、より詳しい資料をもとに、本件担当医に問題はなかったと言っている。それすらも吹き飛ばした凄まじい嵐だ。

福島県の逮捕された産婦人科医の映像とともに、これもショッキングな映像として、見る人々に医師への反感を植え付けただろう。

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以下、参考資料、過去記事

大淀事件 20 ( 20061105 / 23:53 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 16

2006.11.14 KTV ( 関西テレビ ) 妊婦死亡の波紋 ( LIVEJOURNAL )

大淀事件 20 ( 20061105 / 23:53 ) | 旧 映像 Pictures 2006.11.2 MBS ( 大阪毎日放送 ) 特集 妊婦の命は救えなかったのか ( LIVEJOURNAL )

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コメント

私もそうですし、
もちろん道標主人様もそうですが、
こうやってネット上で意見を主張している効果がどれほどあるかは疑問でした。
ネット上の意見なんてマスターベーションに過ぎないの批判も常にあり、
強大なマスコミの影響力に較べれば、
やっている事は月とすっぽんとも考えられてもいました。

ところがそんなに馬鹿にしたものでもなさそうです。
拙ブログに寄せられたコメントですが、
内容からかなりの信憑性が置けると考えています。
信憑性を置いた上での話になりますが、
コメンターは心嚢穿刺事件を担当していた可能性があります。
大淀の事件には関与していると明言しています。
その弁護士がネット上の声は確実に利いていると発言しています。

例の「恥を知れ」発言が不十分ながらも訂正されたのも、
これもネットの力が大きいと評価しています。
傍証に過ぎませんし、
手の込んだデマの可能性も否定できませんが、
それでもささやかながら
やってきた事に効果があったことを
素直に喜びたいと思っています。

道標主人様におかれましても
益々の健筆、期待しております。

投稿 Yosyan | 2006/11/18 8:51:47

Yosyan 先生
こんにちは、または、こんばんは

> ところがそんなに馬鹿にしたものでもなさそうです。

私も、少しはその期待が持てそうに思います。

大淀事件 21 / 溝 ( 20061108 / 09:02 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 17 / 溝
大淀事件 21 / 溝 2 ( 20061108 / 11:09 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 17 / 溝 2
大淀事件 21 / 溝 3 ( 20061108 / 12:45 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 17 / 溝 3
大淀事件 21 / 溝 4 ( 20061108 / 22:03 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 17 / 溝 4

全く、嘘偽りを信じ込んで改めようとしない方もいらっしゃれば、反対に、ここに挙げさせて頂きました記事で触れましたように、ご自身で考え、判断し、真実に近づくことができる方が、少数の方ではありますが、いらっしゃる様です。

NHK 飯野解説委員も、医療にタッチし始めた最初は、医療たたきそのものであったということですし。

先生の所にコメントを寄せて下さっておられる弁護士の方々も、半年ほどかかったとはいえ、ご理解がよく、早いと思います。

情報の理性的な判断ができる人たちから、まずご理解して頂くように、それを突破口にと思います。そういう方々は、マスコミにも、一般の市井の中にも、いらっしゃると信じています。

投稿 道標主人 | 2006/11/19 0:59:41

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大淀事件 23 資料 / 毎日新聞特集 20061107

Posted by guideboard on 2007/07/11/Wed

» 大淀事件 23 ( 20061108 / 23:08 )

毎日新聞 2006.11.7

理想の体制築けるか 周産期医療の現状と課題

特集:奈良・妊婦転送死亡 理想の体制築けるか—-周産期医療の現状と課題

奈良県大淀町立大淀病院で意識不明になった妊婦を転送する病院がすぐに見つからず、大阪府内の病院で死亡した問題は、地域によって周産期医療の体制に差がある現実を示した。この問題を受け、国は来年度中に緊急かつ高度な治療が必要な母子に対応する「総合周産期母子医療センター」を整備し終えることを明言した。誰にとっても身近な問題だけに、報道に対し、さまざまな意見が届いている。理想的なシステムは築けるのか。周産期医療の現状と課題を考えた。

◆奈良

◇後方病床少なく、集中治療室の回転率低下 新生児受け入れ、悪循環

今年8月8日午前0時ごろ、奈良県五條市の高崎実香さん(32)が大淀病院で分娩(べん)中、意識不明に陥った。病院は同県内の拠点病院となっている県立医科大付属病院(橿原市)、次いで県立奈良病院(奈良市)に受け入れを打診したが、いずれも満床だった。この2病院を含めて19病院(奈良県2病院、大阪府17病院)で受け入れが不可能とされ、高崎さんは約6時間後、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に収容された。男児を出産したが、高崎さんは同月16日に死亡した。

高崎さんの死因は脳内出血だったが、大淀病院は、妊婦が分娩中にけいれんを起こす子癇(しかん)発作と診断。大淀病院の原育史院長は、問題発覚後の会見で「子癇発作の疑いとした点で、判断ミスがあった」と話した。

今回のケースでは、全国トップレベルの周産期医療体制を誇る大阪府でも17病院が受け入れられなかった。病床数不足や医師不足などを背景に、高リスクの患者の受け入れが大都市でも厳しい状況であることを示した。毎日新聞が17病院のうち9病院に取材した結果、大半が「満床」や「処置中」などだった。

一方、奈良県の柿本善也知事は「速やかな医療提供が出来なかったことを、誠に残念に思います」とコメントし、未整備の総合周産期母子医療センターを来年度の早期に設置すると明言した。

同県の周産期医療体制は、他の自治体に比べて立ち遅れている。母体・胎児の集中治療管理室は、02年度に設けた3床だけ。出生1万人当たりで見た新生児集中治療室は全国平均のほぼ半数にとどまる。

また、新生児集中治療室を出た新生児を受け入れる後方病床数は全国ワースト1の6床しかなく、ただでさえ少ない新生児集中治療室の回転率を下げている。結局、母体の緊急搬送の約4割を平均約1時間をかけ、県外に運んでいた。

【今西拓人、中村敦茂】

◆診療相互援助システム先進地・大阪

◇母体の死亡率、20年で激減

大阪府では、緊急かつ高度な産科救急と母体搬送に対応する独自の「産婦人科診療相互援助システム(OGCS)」を運用、約20年で、母体の死亡率を激減させるなど、効果を上げている。

大阪府ではかつて、母体の死亡率が高かった。80年には出産10万件当たり27件に上り、全国平均の19・5件より悪かった。これを改善するため、大阪産婦人科医会が中心となって設立したのが同システムで、87年から運用を始めた。当初34病院だったが、現在は43病院に増え、新生児集中治療室の空床状況などの情報も共有。母体の死亡率は著しく改善し、04年は出産10万件当たり、母体死亡は2・4件まで減った。

課題もある。システムの周知が進むと共に、システムの利用率が伸び、救急搬送の取扱件数が年々、増加。96年に963件だったのが、05年は1779件にまで増えた。このため、満床になる病院が多くなり、母体搬送の依頼に十分に応えられなくなってきている。リスクの高い産科救急に余裕を持って対応するためにも、産科医や病床数の増加が必要だという指摘がある。

【河内敏康】

◆国が目指す体制とは

◇総合周産期母子医療センター、未整備8県「来年度中に運用開始」

「周産期」とは、妊娠22週から生後7日未満までの期間を指す。妊娠に伴い母体が病気になったり、早産で低体重児が生まれるなどの危険性があり、周産期では緊急事態に備え、医療体制を整備する必要がある。国が目指す周産期医療体制はどんなものなのか。

未熟児の増加などに伴い、国は96年、周産期医療システムの構築に乗り出した。整備指針で、総合周産期母子医療センターの整備や、周産期医療従事者の研修などを盛り込んだ。04年の「子ども・子育て応援プラン」では、同センターを中心とした周産期医療ネットワークの整備を、08年3月までに完了するよう全都道府県に求めた。

総合周産期母子医療センターは、母体・胎児の集中治療管理室(MFICU)6床以上、新生児集中治療室(NICU)9床以上を備えた施設。奈良県のほか、秋田、山形、岐阜、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島の7県が現在も未整備だ。このうち奈良など4県で国の方針を満たす計画が策定されていない。

同センターの整備には数億円程度かかるが、リスクの高い母体や胎児の救命には不可欠な施設だ。この問題について柳沢伯夫・厚生労働相は先月27日の衆院厚生労働委員会で、「適切に救急搬送されなかったことは明らか」と答弁。そのうえで「助言、指導や、補助金支給で(総合周産期母子医療センターの)早期構築を促す。08年3月までに実施し、動かす」と述べ、来年度中に運用を始めることを明言した。【河内敏康】

◆反響

◇明らかな人災。人ごとではない/出産には危険が伴う

◇過熱報道で“萎縮防衛医療”が始まっている

一連の報道を受け読者からの反響は100件を超えた=写真。周産期医療の早急な体制整備を求める声や、問題の背景に疲弊した医療現場の現状があるとの指摘があった。一方で、報道に対する批判も4割近くあった。

緊急搬送体制の不備に対する不安の声は多い。メールで感想を寄せた女性は「今回の問題は明らかな人災。奈良での出産を考えていたので人ごとではない。実態を明らかにして、対策を立ててほしい」と訴えた。

また、奈良県に住む40代の主婦は「本当に痛ましいこと。県外に搬送されることのないよう奈良の病院は態勢を考えて」と注文を付けた。

出産には危険が伴うことを報道するべきだという声もあった。福岡県の医師は「出産は危険な側面をもち、100%の安全を保証できるものではない」。別の医師は「合併症を併発した分娩では(出産は)命がけの仕事だ。しかし、患者と家族は、元気に赤ちゃんが生まれ、母親も健康に退院できるのが当たり前と考えている」と訴える。

一方、報道への批判も。ある読者は「人手不足で過酷な勤務が続く中、こまやかなケアができないのが日本の産科医療の現状。力を出し切っても結果が悪ければ犯罪者として糾弾されるから医学生が少なくなる」と指摘。米国在住の外科医は「司法判断、マスコミの過熱報道のため、医師は一か八かで頑張って患者を助けようということができなくなっている。“萎縮(いしゅく)防衛医療”は既に始まっている」と記した。

◆一つの病院では完結しない—-出産ライター・河合蘭さん

今回の問題について、出産ライターの河合蘭さんに聞いた。

    ×

お産は、一般の病院では対応できないことが何の前触れもなく起こる。しかし、その怖さは、なかなか現場の医師ら以外には伝わらず、「安全」と高をくくる行政と温度差が生じているのではないか。

奈良県が、緊急で高度な治療を要する母体の約4割を県外搬送していた現状は深刻だと思う。周産期医療体制の整った大阪府に頼っていたのだろう。東京と隣県との間でも同様の関係がみられるが、最近は各県でも総合周産期母子医療センターが整備され、改善に向かって努力がなされている。高齢出産の増加などでこれからハイリスク出産は増えると考えられるし、県内の体制整備は急務だ。

周産期医療は一つの病院では完結せず、地域で支える必要がある。大淀病院のように、総合病院でも麻酔医が常勤でなく、すぐに手術が出来ない病院も珍しくない。だからこそ、ここと定めたセンターに、迅速に送れる仕組みを整えることが求められている。【聞き手・中村敦茂】

◆医師助ける体制改善を願う—-青木絵美(奈良支局)

「緊急かつ高度な治療が可能な病院に搬送するシステムが機能しない現状を、行政も医師も私たちも直視すべきだ」。私は、10月26日朝刊「記者の目」でそう訴えた。これに対し「記事は医師、医療機関を悪者に仕立てている」という意見が寄せられた。だが私を含め担当記者は当初から、医師1人の責任で終わる問題ではないと考えてきた。

待合室が患者であふれ、妊婦1人の検査、診察が2時間以上かかる現実を、奈良県内の病院で目の当たりにした。休みなく診察室と検査室を動き回る医師には、頭の下がる思いもした。お産に絶対の安全はない。だからこそ、万一の場合に備えた体制づくりは必要だと思った。それが現場の医師の助けにもなるからだ。

県は高リスクの妊婦搬送のあり方を議論する検討会の設置方針を明らかにした。現場の医師の参加も求めており、双方が意見を出し、体制の改善が進むことを願う。

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大淀事件 23 ( 20061108 / 23:08 )

Posted by guideboard on 2007/07/11/Wed

本記事は、2006 年 11 月 8 日、午后 10 時 38 分、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/ にオリジナルの記事 ( 奈良産科転送事件続報 19 ) がアップされたものである。原典は削除された。


キーワード
奈良県、大淀町立大淀病院、妊婦、転送、搬送、死亡、子癇、脳内出血、マスコミ、報道、誤報

毎日新聞が本件での総括的な記事を掲載している。

しかし、その記事のどこにも、これまでの報道での誤りには触れていない。報道に対して様々な指摘を受けたために、そこから逃げて、システムの問題を提起するジャーナリズムの使命という革を被ってみただけのようだ。

もちろん、本件は医師個人の責任だけの問題ではない。日本の医療政策、財政までを含めたシステムの問題なのだ。大切なポイントだが、現在までの情報を基に考えても、本件の産婦人科医や関わった医療機関に刑事罰を問われなければならないような要素はないと感じている。

参考までに、記事の見出し部分を引用する。

—–

毎日新聞 2006.11.7
理想の体制築けるか 周産期医療の現状と課題
特集:奈良・妊婦転送死亡 理想の体制築けるか—-周産期医療の現状と課題
◆奈良
◇後方病床少なく、集中治療室の回転率低下 新生児受け入れ、悪循環
◆診療相互援助システム先進地・大阪
◇母体の死亡率、20年で激減
◆国が目指す体制とは
◇総合周産期母子医療センター、未整備8県「来年度中に運用開始」
◆反響
◇明らかな人災。人ごとではない/出産には危険が伴う
◇過熱報道で“萎縮防衛医療”が始まっている
◆一つの病院では完結しない—-出産ライター・河合蘭さん
◆医師助ける体制改善を願う—-青木絵美(奈良支局)

—–

奈良支局は、誤りを含んだ記事を最初に出したにもかかわらず、それをスクープとして自慢し、医師個人を糾弾しようとして、その結末の記事が「医師助ける体制改善を願う—-青木絵美(奈良支局)」とは。

そしてこの総括でも、やはり、毎日新聞は大切な二つのポイントをとばしている。

1. 政府の医療費抑制政策の問題に触れていない。
2. 医療は未だ不確実なものという基本的な概念が忘れ去られている。

———-

以下、参考資料、過去記事

大淀事件 23 資料 | 旧 奈良産科転送事件 19 資料

大淀事件 21 / 溝 4 ( 20061108 / 22:03 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 17 / 溝 4
大淀事件 17 ( 20061027 / 22:20 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 13
大淀事件 / 毎日新聞 | 旧 奈良産科転送事件 / 毎日新聞
大淀事件 08 ( 20061021 / 15:22 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 5

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大淀事件 22 資料 / 奈良県議会委員会会議録

Posted by guideboard on 2007/07/11/Wed

» 大淀事件 22 ( 20061108 / 22:38 )

奈良県議会 委員会会議録 平成18年2月23日 厚生委員会
http://www.pref.nara.jp/gikai/iinkai-kiroku/18-2gatsu/kousei-180223.htm

厚生委員会記録

開催日時平成18年2月23日(木)13:34〜16:01
開催場所第1委員会室
出席委員9名
高柳忠夫委員長
今井光子副委員長
井岡正徳委員
森山賀文委員
田中惟允委員
辻本黎士委員
吉川隆志委員
国中憲治委員
秋本登志嗣委員
欠席委員なし
出席理事者上森健廣福祉部長兼こども家庭局長
三上貞昭健康安全局長
松永久典生活環境部長ほか、関係職員
傍聴者なし
議事
(1)2月定例県議会提出予定議案について
福祉部長兼こども家庭局長、健康安全局長、生活環境部長から説明。併せて、福祉部長から「奈良県高齢者保健福祉計画及び第3期介護保険事業支援計画(素案)の概要について」、健康安全局長から「奈良県立医科大学法人化に向けた中間とりまとめについて」及び生活環境部長から「新奈良県環境総合計画(案)について」「アスベスト問題への対応について」の報告。
(2)その他
福祉部長から「奈良県高齢者保健福祉計画及び第3期介護保険事業支援計画(素案)の概要」について、健康安全局長から「奈良県立医科大学法人化に向けた中間取りまとめ」について及び生活環境部長から「新奈良県環境総合計画(案)」「アスベスト問題への対応」についての報告。

…..

○今井副委員長
1つは、周産期医療の関係で質問させていただきたいと思います。
今、産婦人科が県下でどんどん閉鎖をされてきている。済生会奈良病院とか、榛原町立総合病院とか、もう既になくなっておりますし、最近では五條病院も危ないのではないかというような報道もされております。私も、過疎地・水資源等対策特別委員会のときにいろいろ調べましたら、吉野郡とか、宇陀郡とか、広大な地域で出産できる施設がないということがわかりまして、これはもう大変な問題だと思っているわけですけれども、平野部で出産すると言われておりますが、実際には里帰りで出産することも大変難しいと。ふだんから検診で診てもらっていなければ、出産もさせてもらえないような事態だということも聞いております。
以前は奈良県で、高リスクの出産とか未熟児などの問題で対応できないということで、たらい回しになりまして、他府県に運ばれたりしたということが問題になりまして、子ども専門病院をの運動が起こりましたし、私も議会でも再三取り上げたりしたんですけれども、その結果、小児の救急輪番とか医大の周産期センターなどが実現をされてきたと思っております。今の時点でこうした施設が十分機能して生かされているのかどうか。今の奈良県の周産期医療の実態は一体どうなっているのか。県としてこの問題をどう考えているのか。そのことをお尋ねしたいと思います。
…..

○三上健康安全局長
本県の周産期医療、この実態がどうかというご質問でございましたけれども、今後の取り組み、こういったことも含めてお返事したいと思います。
母体や胎児が非常に危険な妊婦、胎児がおなかにいる状態ですね、それともう1つ、低出生体重児、これは早く生まれた未熟児ですが、こういった人や子どもに産科や小児科の双方からの一貫した適切な治療を提供する周産期医療、これに関しましては、少子化対策として非常に重要であると考えます。
現状は、NICU、すなわち新生児の集中治療管理室、未熟児を主に入れる部屋ですが、これが県立医科大学に21床、県立奈良病院に9床、近畿大学医学部の奈良病院に10床、また、MFICU、これは母体・胎児集中管理室といいまして、母体を受け入れるところです。例えば早期破水で産まれそうとか、そういった人を受け入れるところですけれども、これが県立医大に3床、奈良病院に1床設置されておりまして、低出生体重児や母体を受け入れているという状態でございます。
また、県では、医大病院や県立奈良病院、近畿大学奈良病院、それから天理よろづ相談所病院、こういった県内の周産期医療機関の協力を得まして、周産期医療情報システム、こういうのをつくりましてネットワークを図って、周産期医療の必要な情報の収集、提供を行い、ハイリスク妊婦、低出生体重児受入れの迅速化、こういう点を図っているところでございます。
しかし、本県におきましては、NICUで集中治療を終えた新生児、これを受け入れる後方病床が、全国的に見ても極端に不足しているという状態でございます。このため、新たに受け入れることができるNICU、これが限定されてまいりますので、現在、新生児、未熟児ですが、産まれた子に関しては県内でほぼ100%受入れ可能という状態でございますが、救急搬送される母体、先ほどのハイリスクの妊婦でございますが、これにつきましては平成16年で207件中77件、約37%が大阪府等の県外の医療施設に搬送されているという現状でございます。
それから、また、周産期医療を担う小児科、産科の医師は全国的にも不足してございます。ただいまのご質問のとおりでございます。本県においても同様でございます。このような医師不足の解消を図るために、厚生労働省、総務省、それから文部科学省ですが、地域医療に関する関係省庁の連絡会議をつくりまして、平成17年8月に医師確保総合対策を策定いたしました。その中に小児科、産科医の配置が少ない病院が多く存在している地域では、病院相互の連携体制を構築することを前提としまして、少ない医療資源の集約化、重点化を推進するということが示されたところでございます。
県におきましても、このような周産期医療をめぐる課題についても検討を行いまして、県内で発生した周産期患者については、県内での医療の提供が可能な体制づくり、これを目指しまして、平成17年3月に、奈良県医療審議会の救急医療部会の中に周産期医療対策に係る専門的な事項を協議する周産期医療対策ワーキンググループを設置いたしました。このワーキンググループは、この平成17年度中に提言をまとめる予定でございまして、県としましては、この提言を受けて、安心して子どもが産めるよう、さらに周産期医療が充実するように体制整備を図っていきたいと考えております。
以上でございます。

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大淀事件 22 ( 20061108 / 22:38 )

Posted by guideboard on 2007/07/11/Wed

本記事は、2006 年 11 月 8 日、午后 10 時 38 分、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/ にオリジナルの記事 ( 奈良産科転送事件続報 18 ) がアップされたものである。原典は削除された。


キーワード
奈良県、大淀町立大淀病院、妊婦、転送、搬送、死亡、子癇、脳内出血、周産期救急医療、総合周産期母子医療センター

奈良県議会の資料 ( 2006.2.23 厚生委員会 )

奈良県議会 委員会会議録 平成18年2月23日 厚生委員会
http://www.pref.nara.jp/gikai/iinkai-kiroku/18-2gatsu/kousei-180223.htm
厚生委員会記録
開催日時平成18年2月23日(木)13:34〜16:01

○今井副委員長
…..
以前は奈良県で、高リスクの出産とか未熟児などの問題で対応できないということで、たらい回しになりまして、他府県に運ばれたりしたということが問題になりまして、子ども専門病院をの運動が起こりましたし、私も議会でも再三取り上げたりしたんですけれども、その結果、小児の救急輪番とか医大の周産期センターなどが実現をされてきたと思っております。今の時点でこうした施設が十分機能して生かされているのかどうか。今の奈良県の周産期医療の実態は一体どうなっているのか。

○三上健康安全局長
現状は、NICU、すなわち新生児の集中治療管理室、未熟児を主に入れる部屋ですが、これが県立医科大学に21床、県立奈良病院に9床、近畿大学医学部の奈良病院に10床、また、MFICU、これは母体・胎児集中管理室といいまして、母体を受け入れるところです。例えば早期破水で産まれそうとか、そういった人を受け入れるところですけれども、これが県立医大に3床、奈良病院に1床設置されておりまして、低出生体重児や母体を受け入れているという状態でございます。
また、県では、医大病院や県立奈良病院、近畿大学奈良病院、それから天理よろづ相談所病院、こういった県内の周産期医療機関の協力を得まして、周産期医療情報システム、こういうのをつくりましてネットワークを図って、周産期医療の必要な情報の収集、提供を行い、ハイリスク妊婦、低出生体重児受入れの迅速化、こういう点を図っているところでございます。
しかし、本県におきましては、NICUで集中治療を終えた新生児、これを受け入れる後方病床が、全国的に見ても極端に不足しているという状態でございます。このため、新たに受け入れることができるNICU、これが限定されてまいりますので、現在、新生児、未熟児ですが、産まれた子に関しては県内でほぼ100%受入れ可能という状態でございますが、救急搬送される母体、先ほどのハイリスクの妊婦でございますが、これにつきましては平成16年で207件中77件、約37%が大阪府等の県外の医療施設に搬送されているという現状でございます。

奇しくも本件事件が発生する半年前に、県議会では実情が把握されていたのだ。上で健康安全局長が述べている以上に、実情は脆かったという事なのだろう。

奈良県の周産期救急医療は、一次、二次と崩壊が進み、三次の医療機関に全てのしわ寄せが来ていた。奈良県が組んでいた周産期救急の 5 病院 ( 県立医大、県立奈良、国立奈良、天理よろず相談所、近大奈良 ) のネットワークも有名無実と化していた。このように伝え聞いている。

奈良県立医科大学附属病院周産期医療センターを設置 県政だより奈良 2003
県では、県立医科大学附属病院・県立奈良病院・国立奈良病院・天理よろづ相談所病院・近畿大学医学部奈良病院の五病院を周産期医療の基幹病院として、県内の産婦人科病院や診療所をコンピュータネットワークで結ぶ「周産期医療情報システム」を運用しています。

以下、参考資料、過去記事

大淀事件 22 資料 | 旧 奈良産科転送事件 18 資料

大淀事件 13 ( 20061025 / 11:13 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 9
大淀事件 08 ( 20061021 / 15:22 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 5
大淀事件 03 ( 20061019 / 15:34 ) | 旧 奈良産科転送事件 3

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大淀事件 21 / 溝 3 / 救命医療ソーシャルワーカー氏資料

Posted by guideboard on 2007/07/11/Wed

» 大淀事件 21 / 溝 3 ( 20061108 / 12:45 )

今回の事件に関連する医療機関の職員と思われる。


http://blue.ap.teacup.com/er_msw/280.html
救命医療ソーシャルワーカーの奮戦業務日誌

2006/10/20
「奈良妊婦19病院拒否」  日誌
朝日新聞:10月18日 なぜ起きた 奈良妊婦19病院拒否、死亡

単純に思うのですが・・・。

やっぱりうちの病院は麻痺しているのだと思います。

救命救急なら満床でも断らない、という基本でやっている当院にとって、どうしてこういうことが起こるのか、はじめはよくわからなかったです。

と、同時に、みんな「たまには断ってほしいよね〜」といいながらもかなり遠いところからやってくる救急車にも真剣に救命しているスタッフに誇りを感じたのでした。

問題がない素敵な病院、というわけではないですが、生命を守ることには貪欲な人が多いのも事実。

なんというか、なんというか、忙しいんだけど、投げ出したいんだけど、頑張ろうって思う原動力だったりするんですよね。

とにかく、かなり主観的な感情としては、大淀病院の産科医は逮捕じゃないか? なんて思ってます。1時間以上放置したあげく、病院探しを大学病院に任せ、内科当直医からの「CTを撮ったほうがいいのでは?」という助言を無視し、自分は仮眠していたそうですから。

最初からCT撮っていれば受け入れ病院がもっと早く決まったのに、という声が出始めましたが、逆に産婦人科学会は「擁護」論が多数派のようです。「子癇の発作と脳出血の痙攣発作は区別がつかないし、自分でもそうしたと思う」とのことだそうです。しかし、区別がつかないのであれば、可能性が低いとしてもCTを撮って脳出血の除外診断をするべきではなかったのでしょうか?

逆に言えば、子癇発作は安静にしたほうがいい、というのを守るためには数%の脳出血死亡はやむを得ない、と言うのでしょうか?

そういうとこ、甘いんじゃないかな? なんて感じてしまいます・・・。

しかし、インタビューを受けていた他の医師は、子癇発作と脳出血の発作は明らかに違う、と言ってましたけどね・・・。まぁ、よくわかりません。

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大淀事件 21 / 溝 3 / さじ医師資料

Posted by guideboard on 2007/07/11/Wed

» 大淀事件 21 / 溝 3 ( 20061108 / 12:45 )

http://venacava.seesaa.net/article/25726867.html
医学処
2006年10月19日
分娩中の脳出血を、18病院が受け入れ拒否して死亡。

なんだ…大淀病院、脳外あるんだ…。じゃあ言い訳のしようがないかもなぁ。出血が判明したのなら、産婦人科では無理かもしれないけど、「うち(大淀病院)」なら脳外で対応できるじゃん。

内科医の指示に従ってCTをとっていればまた違ったかもしれませんね。子癇というのは妊娠中毒症によって起こる痙攣のことでして、痙攣が脳出血によって起こったものならば子癇とは言いません。陣痛促進剤による出血なのかどうかは分からないので何とも言えませんが。

奈良県立医科大学付属病院にはちょっと失望というか。まあ満床だったなら仕方ないことだけど、救急設備の整っている大学病院の救急科には恐らく私と同じように期待している人が多いはずです。少なくとも近隣の住人は。まず電話を入れた先が奈良県立医大病院というのは正しい選択だったと思います。そこから命のバトンは転がっていきました。リスクとか金銭面とかいろいろ考えちゃったのかもしれないですが、採算度外視で頑張ってほしかった。

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大淀事件 21 / 溝 3 / realmedicine101 医師資料

Posted by guideboard on 2007/07/11/Wed

» 大淀事件 21 / 溝 3 ( 20061108 / 12:45 )

米国在住の doctor of chiropractic の方と思われる。


http://blogs.yahoo.co.jp/realmedicine101/41378301.html
医学と病気・医療と健康
奈良・妊婦転送死亡事故で奈良県医師会産婦人科医会が見解発表、大淀病院見解と相違
2006/10/23(月) 午前 6:55

奈良県医師会産婦人科医会が、転送先の病院が長時間見つからなかった点を重視し、県に「総合周産期母子医療センター」の設置を急ぐよう要望書を出す方針を決めたことは理解出来るし、また必要なことだろう。

しかし、奈良県大淀町立大淀病院が既に17日の院長会見で「脳内出血を見抜けず結果として判断ミス」との見解を示しているにも拘らず、19日になってから奈良県医師会産婦人科医会の理事会を開き、理事会として「脳内出血との違いは難しいが、失神とけいれんが起こり、血圧が高かったことを考えると、産科医が子癇と判断して処置したことに問題はなかった」との見解で一致したとの見解を発表したことに違和感を覚える。

そして、当直内科医とコンピューター断層撮影(CT)を巡るやりとりがあった点についても「院内でかなりの移動が必要なため、搬送を優先させた」との担当医の説明を妥当としたのも納得することは困難である。

どうも今後同様の医療事故が起きた場合に、産科医が過失を問われることを恐れて、前例を作りたくない、こういった事故は仕方の無いものというように誘導したいという、思惑が見え隠れしているように思えてならない。

原因解明や再発防止には触れず、「産科医の判断は妥当だった」という見解を表明し、奈良県医師会産婦人科医会として20年前から周産期医療の整備を行政に陳情してきた事を前面に強調して、まるで「最善を尽くしてきた我々産科医には責任はありません」とでも言わんばかりのようだ。

勿論、行政の怠慢は許されないし、改善すべきは改善しなければならない。

だが、産科医が脳内出血を見抜けず、言わば誤診した状態で、院内での移動を理由に当直内科医のCTでの確認の進言を無視して、転院のための搬送を指示したこと、それによって患者が結果的に死亡したことを「妥当」と言えるその根拠は何なのだろうか?

産科医の自己保身の為の余計な横槍という印象が拭えない。

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大淀事件 21 / 溝 3 / shoirmsnb 医師資料

Posted by guideboard on 2007/07/11/Wed

» 大淀事件 21 / 溝 3 ( 20061108 / 12:45 )

外科医としての経験が十数年はあるとおっしゃる医師のご意見。


あなたの,読む胃薬
http://blogs.yahoo.co.jp/shoirmsnb/22399181.html
奈良妊婦死亡問題について 2006/10/24(火) 午前 4:21
<はじめに>
 この件に関しては,個人によっていろいろ意見が異なると思います.私なりに医師という立場から,意見を述べたいと思いますが,私の意見が全てではありませんので,よろしくお願い致します.

 医師としての常識で考えれば,深夜に意識消失した出産間近の妊婦さんの救急要請を受けられる病院は,限られていると思います.あまりに条件が悪すぎます.
 それなのに19以上の施設が要請を断ったことを問題として取り上げていることが,このケースを複雑にしている一因だと思います.医師であれば全ての疾患に自信がある訳ではありませんし,たまたま相談を受けた時に他の患者さんを治療している場合だってある訳です.
 だから複数の施設の受け入れ拒否を,大々的に取り上げて報道しているメディアの姿勢には疑問を抱かざるを得ません.出来ることなら断った病院に出てきてもらって,その妥当性を説明してもらいたいですが,現在の公平性を欠いた報道の仕方では,それをしたところで悪者にされてしまうだけでしょうけど… 

 また近隣の3次救急病院の県立医大は,満床のため断ったそうですが,そういったことは通常でも良くあることです.これは各病院がベッド稼働率を上げるために,空きベッドを極力減らす経営努力を余儀なくされているためで,私は社会全体の問題だと思っています.
(まして大学病院とはその性質上,救急対応には難点もあります.各科の敷居が高いというか,連携が悪いため複数科にまたがる患者さんの治療は苦手なのです.しかし病院とは,決して万能ではありません.各々の病院に,その個性と役割があるのです)

 60Km離れた病院に搬送されたことも,出来れば避けたいけれど,受け入れ病院が無ければ仕方がありませんし,そういう地域だって,現に日本のどこかには有るかも知れません.

 それよりもむしろ大事なことが報道されていない訳ですが,まず死因が脳内出血でよいのかということです.そして脳内出血だった場合,どこの部位の出血だったのか?あるいは搬送先の病院で緊急手術を行った8日後に亡くなったとのことですが,何の手術をしたのか?
 これは脳内出血の部位によっては,助けることが困難だからです.時間の遅れがどの程度致命的であったのかが,報道では不明なのです.
 それこそが,私が指摘した報道の公平性の欠如の理由なのです.

 私の経験ですが,数ヶ月前にある病院で当直をしていた時,30歳代の頭痛の患者さんが救急車で搬送されてきました.その方は見るからにただの頭痛には見えないのです.のたうち回って,嘔吐して…
 私は,救急隊を叱責しました.何故うちに運んできたのかと.脳外科医のいる病院に搬送するべきではないかと…
 すると3次救急病院の医師は,まず2次救急病院で診断してもらえと言ったそうです.
 結局,技師を呼び出し,CTを施行し脳内出血を確認し3次救急病院に搬送しましたが,新たに収容されるまで小一時間は掛かったことでしょう.そしてその患者さんは,搬送先で亡くなったそうです…
 つまり教訓として,頭痛の原因を脳だと限定すれば,専門医に受けてもらい易くなる訳です.そしてもう一つの教訓として,たとえ迅速に対応しても,専門医に任せても,救えないケースも在ると言うことです…

 そういう意味で今回の問題点は,既に指摘されているかも知れませんが,子癇発作として思いこんでしまった産科医の判断が,一番の問題だと思われます.相談された内科当直医が再三CTを勧めたのに,それを受け付けなかった.それが問題なのです.
 私は産科医ではありませんから,子癇は知りませんし,専門外のことをとやかく言うつもりはありませんが,もしも自分で最後まで責任を持って患者さんを見続ける気位がないのであれば,CTを施行して脳の異常を否定しておくべきだったでしょう.それが紹介先の医療スタッフへのせめてもの配慮でもあるのです.
 また子癇発作という情報によって,救急センターが産科を中心に搬送先を探していたことも,結果的にマイナスだった訳です.

 最後に,奈良県産婦人科医師会の会見で
「今回の一連の治療には問題がなかった」
は,いただけませんね.病院長が会見で鑑別診断に問題があったかも知れないと述べているのに,あれでは世間に開き直っているような印象しか与えないし,信用を得られないでしょう.
 新たに謝罪会見を開かねばならない状況にならないといいのですけど…

コメント(42)
…..
分からないのはしょうがないです.私も子癇なんて分かりませんから.でも内科医に相談しておきながら,勧められたCTをしなかったのは,責められても仕方が無いのかなぁと…まして最後まで責任を取って患者を診るわけでなく,他院へ転送ですからね.ちょっと…です.
2006/10/24(火) 午後 7:09 [ shoirmsnb ]

医療過誤や医療ミスと,医師の能力の限界に依存する事故とは区別すべきですよね.前者は未然に防ぐ努力が必要ですが,後者は努力しても防げません.この違いを世間でごちゃごちゃにして議論するから,話がややこしくなっているのだと思っています.その理論で行くと福島産科医のケースは医療ミスではありません.
2006/10/26(木) 午前 11:23 [ shoirmsnb ]

割り箸の件も今回の件も,症例自体難しい症例だと感じています.むしろそれに応対した医師の態度や姿勢が問題視されているのだと思います.誠意を尽くし,患者さんやその家族の意見にも耳を貸して,真摯に対応していれば,こんな問題にはなっていないのではないでしょうか.専門でなくても能力がなくても,医者として出来ることをすれば,きっと分かってもらえたと思うのです.それでも失った人は,取り戻せませんけど…
2006/10/26(木) 午前 11:29 [ shoirmsnb ]

一般の方の発想が,どんどん短絡思考になっているような気がします.とりあえずコンビニ行っとこうかな,みたいな… でもコンビニに行っても揃わない物があるように,医者と言っても全ての医療に通じている訳ではないのですけど… 昔の医者が知ったか振りをして,行っていた曖昧な診療を期待しているのならやるけれど,責任を感じる故,分からないものを正直に分からないと,私は敢えて言っているつもりです.
2006/10/26(木) 午前 11:49 [ shoirmsnb ]

救急や地方の現状を体感している医療関係者の感想は,仕方がないというものが多いようです.私もそういう思いを持っています.この記事の後に子癇を見たことがある同僚と話した時にも,脳内出血だとは思えないだろうと言っていました.ただこの件が5ヶ月も後から報道されることになった詳しい経緯は分かる術もありませんが,ご遺族の一連の診療に対する不審,不満が背景にあるのでしょう.いかなる状況で勤務していようと,患者さん側が満足していなければ結果が最悪であった以上,致し方がないのかなと思います.
2006/10/28(土) 午前 8:28 [ shoirmsnb ]

CTは簡便だし,今はヘリカルが入っている病院も多いので,数分で取れる訳だし,ちょっと疑問点が多いですよね.私は緊急時はCTの読影も技師さんに相談しながらしています.一人で全ての判断をするのは,厳しい時もありますから…
2006/11/5(日) 午前 7:52 [ shoirmsnb ]

脳の状況も調べないで,脳外科に相談出来ないでしょう.実際脳外科に相談していないじゃない.CT撮影程度の移動が問題なら,救急車で搬送なんてもっと無理じゃない.私もその場にいた訳では無いけど,あなただって当事者からの話なんて聞いていないでしょ.そんなに不満ならメディアに,あの医師の対応は正当だと反論すればいいじゃない.私は緊急時にCT撮って,文句言われたことはないよ.
2006/11/7(火) 午前 11:01 [ shoirmsnb ]

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大淀事件 21 / 溝 3 / 今泉清保氏資料

Posted by guideboard on 2007/07/11/Wed

» 大淀事件 21 / 溝 3 ( 20061108 / 12:45 )

http://ameblo.jp/anabanashi/entry-10018589939.html
きょうのいまいずみ ~アナ話~
2006-10-17 23:59:58
妊婦のたらい回しに思う

奈良県で、分娩中に意識不明になった女性が、19もの病院をたらい回しにされた挙句亡くなった事件。

もちろん、脳内出血を見逃した担当医のミスは大きい。ただ、この医師や、受け入れなかった多くの病院だけを責めていては何も解決しない。こういう医療過誤はどこでも起こる可能性があり、その責任は国にあると思っている。

最近書店で平積みになっている「医療保険は入ってはいけない!」という本がある(内藤眞弓著 ダイヤモンド社)。医療保険は入れば安心という単純なものではないし、基本的には医療保険よりも貯蓄を優先するという著者の考えには賛成だ。貯蓄も無いのに毎月高い保険料を払うよりも、公的な保険制度をちゃんと理解して使うことが大切だというのも、まったくその通りだと思う。

その「公的医療保険」について書かれている章に、こんな記述がある。

OECDが2005年に発表したデータでは、国内総生産(GDP)に占める医療費の割合は18位に過ぎません。決して高くない医療費で大きな成果をあげているといえます。

ちなみにOECDは経済協力開発機構のこと。「大きな成果」の根拠として内藤さんが挙げているのは、世界保健機構(WHO)が2000年に発表したデータで「健康寿命、5歳未満時の死亡率の地位格差など5つの指標による保健システムの達成度で総合1位に評価されている」ことだ。

これも見方のひとつであろう。この「国民総生産に占める医療費の割合」を別の観点から見てみる。「大病院はどこまで『あて』にできるか」という本(柳瀬義男著 講談社+α文庫)にこんな記述がある。

わが国の医療福祉関係の経費すなわち、社会保障給付費(医療・年金など)が国民所得に占める比率は、欧州先進国に比べて著しく低い。日本では17.4%、アメリカ18.0%に対して、ドイツ37.7%、そしてスウェーデン45.9%である(アメリカは1995年度、他の国は96年度のデータ)。

引用した部分については、前者が医療費で後者が社会保障給付費だから比較の対象が違う。でも著者の柳瀬さんは別項で、

国や一部の経済評論家は、国民医療費が増大しているのは放置できないなどと繰り返しているが、医療費の対GDP比率で見ると先進国中日本は18位で、かなり下位に甘んじているありさまである。

と医療費についても触れている。要は、国がもっと医療にお金を使うべきだ、と言っているのだ。

柳瀬さんは札幌の夜間急病センターに勤務する現役の医師だ。医師という立場だからぜいたくな主張をしていると思う人もいるかもしれない。この本では、現場の医療費の実態が書かれていて、その現実に驚いてしまう。

夜間の急病センターには、泥酔した人や薬物を大量に飲んだ人などが運ばれてくる。急性アルコール中毒であり薬物中毒なので胃洗浄を行うことになる。医師が胃にカテーテルを挿入し、看護師2人が医師の介助や患者の看護にあたる。技術としてそれほど難しいものではないとはいえ、3人がかりの胃洗浄の診療報酬点数は250点。1点が10円なので、病院の収入は2500円。しかもカテーテルやガウンの実費は認められない。救急病院で、3人がかりで酔っぱらいの胃洗浄をして、その収入が2500円ということだ。

胃洗浄でこうなので、他の医療行為は推して知るべしだ。盲腸の手術(虫垂切除術)の点数は、純粋な手術のみで6900点(6万9千円)だが、ニューヨークでは70万円、パリで22万円、シンガポール10万円、香港18万円だそうだ。ニューヨークが高いのは医療制度が違うからだが、その他と比べても安い。

驚いたのは心臓マッサージの点数だ。手術中に心臓が停止して、医師が胸の上から心臓マッサージをした場合、30分までで250点(2500円)。確かに何の器具も使っていない。でもしなければならない緊急処置だ。やらなければ心臓が止まってしまう。それが30分2500円とは。

国立病院の多くが赤字だということで、病棟の削減が行われたり再編されたりした。国立大学の付属病院は独立行政法人になった。民間の病院ならともかく、国や自治体の病院が赤字ではいけないというのはどういうことだろう。会社じゃない、病院なのだ。大体にして、国が作った病院ですら経営ができないというのなら、それは医療報酬制度そのものが間違っている。

一方で、患者の自己負担の割合は増えた。医療費だけでなく、入院時の給食費の一部なども自己負担だ。この増えた自己負担分について、柳瀬さんはこう書いている。

乳幼児や重度心身障害者に対しては、かなりの数の自治体が医療費の自己負担分を助成してきた。この中には、弱者に対する病院給食費の助成も含まれている。
ところが厚労省は、こうした助成は「負担の不平を確立するという制度の趣旨に反するもので、不適切である」という通達を各自治体に出した。それでも東京都など20以上の自治体が助成を続ける方針を表明したが、過半数の自治体はこの通達によって助成をストップした。

東京都では小学校入学前の乳幼児について、自己負担分を都と区市町村で全額補助しているが、区によっては中学生まで補助を拡大している。この格差を無くすため、都では来年度から、世帯収入によって制限を設けるものの、小中学生にも1割の補助をするそうだ。

「負担の不平を確立」というなら、都がやっているように、国が助成をして公平にするのが本当だろう。国がやらないから都がやるわけだが、それは都にお金があるからできることで、やれない自治体の方が多い。その格差については国は何も言わない。

GDPに占める医療費の割合が世界で18位というのなら、もっと医療にお金をかけるべきだと思う。「決して高くない医療費で大きな成果をあげている」のは現場の医療関係者の努力によるもので、決して国のシステムが優秀なのではない。そこは絶対に間違えてはいけない。医療を収支でや経営だけで考えてはいけない。

すでにひずみは出ている。亡くなった奈良の妊婦が18もの病院に受け入れを断られたのは、それぞれの病院の怠慢ではない。産婦人科はどこも人手不足だ。どの病院もベッドに空きが無かったのは、医師や看護師が足りないということである。出産には確実に人手が要る。たとえベッドが空いていても、人手が無ければ受け入れることはできない。

街中にある産婦人科は高齢化が進み、婦人科検診はしても「分娩はやりません」というところが増えた。ということは、産婦人科の開業医は減っているということだ。一方で、昼夜を問わない勤務のために、産婦人科を志望する医師も看護師も減り続けている。ましてや助産師は圧倒的に足りない。

その助産師が足りない状態を埋めるために、看護師が助産行為をしていた病院のことが先日報じられた。私はそれを責めることができない。助産師がいないから患者を受け入れられません、と全ての産婦人科が言い切ってしまったら、出産できる病院そのものがかなり限られてしまう。

出産は病気ではなく自由診療だ。受け入れられなければ家で勝手に産んで下さいということになる。そんなの無理だろう、と思うけれど、現状のシステムではそうなっている。

大変でリスクが大きいのに、診療報酬上技術は規定通りにしか認められないし勤務時間は不規則で休みが無い。産婦人科に関わろうとする医療関係者が減るのは仕方が無い気がする。

同じことは小児科にも言える。小児科は相手が子供故に医療行為そのものがとても大変だが、診療報酬が低く薬価も低いので(同じ薬でも量が大人より少ないから)診療科としては儲からない。そして産婦人科と小児科は、患者の年齢が若いので、訴訟になる割合がどうしても多くなる。

少子化に乗じて小児科を縮小する病院もあるし、小児科の開業医は減る一方だし、医師免許を取得して小児科を選ぶ人はとても少ないそうだ。

医療ミスを無くするためにまずできることは、人手を増やすことなのだが、現状はまったく逆。

子供を産む人が減っている以上に、子供を産める病院が減っている。子供が通える病院が減っている。産婦人科と小児科がどんどん減っていくのが今の日本の現状なのだが、こんな国は美しい国になれるのだろうか。

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大淀事件 21 / 溝 4 / 各社社説資料

Posted by guideboard on 2007/07/10/Tue

» 大淀事件 21 / 溝 4 ( 20061108 / 22:03 )

産經新聞主張 2006.10.24

【主張】病院たらい回し 患者本位の基本忘れるな

分娩(ぶんべん)中に意識不明に陥った妊婦が、19カ所もの病院に次々と転院を断られ、やっと収容された病院で脳内出血と帝王切開の緊急手術を受け、男児を出産した。だが、8日後に亡くなってしまう。問題は病院の「たらい回し」である。

残された夫は「妻の命をもっと大切にしてほしかった」「今後、同じことが起きないよう妊婦の搬送システムを改善してほしい」と訴えている。

妊婦は8月7日、奈良県大淀町立大淀病院に入院し、翌日午前0時過ぎ、頭痛を訴えて意識を失った。適切な処置ができないと判断した大淀病院は受け入れ先を探したが、満床や専門医不在を理由に断られ、6時間後、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運び込まれた。受け入れを打診した20カ所目の病院だった。

患者を医療設備と専門スタッフのそろった病院に搬送するシステムの欠如がまず問題だ。

奈良県では高度な医療や緊急治療の必要な妊婦の40%近くが県外に転送されている。厚生労働省が進めているお産を扱う周産期医療をネットワーク化するシステムの導入も他の自治体に比べ、遅れたままだ。

重体の患者を引き受け、面倒な医療訴訟を起こされる事態を避けたがる受け入れ側の病院の体質もあるだろう。厚労省によると、周産期医療は訴訟が多く、医療ミスや医療事故の12%は、産婦人科医が当事者だという。

妊婦が最初に入院した大淀病院の誤診の問題も、忘れてはならない。大淀病院は容体の急変後、妊娠中毒症の妊婦が分娩中に痙攣(けいれん)を引き起こす「子癇(しかん)発作」と判断し、痙攣を抑える薬を投与した。当直医が脳の異常の可能性を指摘し、CT(コンピューター断層撮影法)の必要性を主張したが、受け入れられなかった。

脳内出血と正確に診断されていれば、搬送先の幅が広がり、早く受け入れ先が決まっていた可能性は高い。

奈良県警は業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査に乗り出した。

患者を救うのが、病院や医師の義務である。患者中心の医療の基本を忘れているから患者をたらい回しにし、患者不在となる。

もう一度、医療とは何かをしっかり、考えてほしい。

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神戸新聞 2006.10.20

妊婦死亡/医療の現実に目向けよう

出産中に重体に陥った妊婦が、病院のまずい対応や、転院先の受け入れ拒否などが重なり死亡していたことがわかった。

奈良県大淀町の町立病院で、八月に起きた。主治医が最初に症状を適切に判断していたら、転院がもう少し早ければ…と、いくつも悔いの残るケースだった。

背景に、産科医療の厳しい実態と、そのことを踏まえて医療機関が相互に連携していなかったことがある。なぜ、妊婦の死を防げなかったのか。検証と再発防止に向けた取り組みが欠かせない。

病院などの話によると、女性は出産中の夜中、頭痛を訴え、意識不明になった。主治医は、分(ぶん)娩(べん)中に時々みられる発作と判断し、けいれんを和らげる薬を投与した。その後、県立医大病院に受け入れを要請したが、満床を理由に断られた。

大阪府内の病院にも転送を打診した。それも拒まれ、やっと二十カ所目で国立循環器病センター(吹田市)が応じた。

女性が病院に到着したのは意識不明になって約六時間が経過した後だった。

女性は脳内出血と診断され、手術で男児を出産したが、約一週間後に亡くなった。男児は元気にしている。

町立病院はミスを認めている。妊婦の意識喪失を失神と判断した▽別の病気によるものと診断した結果、脳内出血と見抜けなかった▽そのため脳内の撮影をせず、脳外科治療を優先しなかった-などだ。

内科医が、脳に異常のある可能性を指摘していた。主治医が聞き入れて検査し、専門医の協力を仰いでおれば、あるいは最悪の事態は防げたかもしれない。

ただ、病院や主治医に責任を求めるだけでは問題の本質が見えなくなるだろう。

事故が起きたのは、深夜から未明にかけてという、病院の体制が最も手薄になる時間帯だった。夜間の不安は、現在の医療が等しく抱える問題である。

とりわけ、お産は待ったなしだ。全国で産科医不足が問題視されるのは、深夜の体制を確保できず、安全なお産を提供できなくなったことが大きな理由である。

特に奈良県は、症状が差し迫った妊婦への対応に課題を残してきたとされる。一方で母体・胎児の集中管理が必要なケースは少なくない。高度な医療機関を整備することと、そうした基幹施設を核に地域全体で協力体制を確立することが欠かせない。

同じことは医療全般にいえる。住民が求める医療と実際の医療が大きく開き始めている。その差を埋める努力を重ね、「安全・安心」につなげなければならない。

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中国新聞 2006.10.19

奈良妊婦死亡 お産の場整備に本腰を

何とも痛ましい。奈良県の妊婦が分娩(ぶんべん)中に意識を失い、受け入れを断られ続けた末に亡くなった。

法体系が想定しない最先端の生殖医療が論議になる一方で、お産の受け皿が不十分な現実を突きつけられた。国全体で少子化対策に取り組む中、産科医療現場の環境改善は最優先の課題である。

町立病院に入院していた妊婦は頭痛を訴え、意識不明となった。担当医はけいれんと判断し、拠点病院に受け入れを打診。拠点病院は満床だったため搬送先を探し、約二十病院に断られた。約六時間後に大阪府の国立医療施設に着いて脳内出血とわかり、緊急手術と帝王切開を実施。男児は生まれたが、母親は八日後に死亡した。

町立病院で別の医師がコンピューター断層撮影(CT)を勧めたのに、担当医は聞き入れなかったという。脳の異常を疑っていれば、他施設の対応も違っていたかもしれない。病院は判断ミスを認めた。奈良県警は業務上過失致死の疑いもあるとみて調べを始めた。

晩婚の影響などでリスクの高いお産は増えている。緊急で高度な治療に対応するため、国は各都道府県に来年度までに総合周産期母子医療センターを指定するよう通知している。奈良は未整備の八県の一つで、緊急治療が要る妊婦の三割以上を県外に委ねている。

中国五県は今年初めまでに体制を整えた。広島県の場合、センターである県立広島病院に加え、新生児集中治療室を持つ九つの地域センターがある。妊産婦の死亡数は二〇〇〇年から五年間で一人、妊娠二十二週以降の死産と生後一週未満の周産期死亡率も全国平均を下回り、優等生である。

だが実情は産科医師の献身的で過酷な努力があってこそという。

産科は二十四時間態勢のうえ、トラブルが訴訟につながる可能性も高い。全国の医師の年齢を見ると、六十歳以上は全体で20%に対し、産科は26%と高齢化は深刻だ。二十歳代に限ると七割が女性で、子育てのため職を離れる人も多い。「地元で産めない」は過疎地だけの問題ではない。

クリニックが健診、拠点病院がお産を役割分担するシステムを県立広島病院が導入するなど医療施設側の工夫も始まっている。多様な働き方の実現、医師の偏在を促した臨床研修制度の見直し…。現場だけに負担を強いない多角的な取り組みが必要だ。若い医師が志望しやすい職場であってこそ、妊婦も安心して出産できる。

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大淀事件 21 / 溝 2 / 無名氏資料

Posted by guideboard on 2007/07/10/Tue

» 大淀事件 21 / 溝 2 ( 20061108 / 11:09 )

http://switch101.blog38.fc2.com/blog-entry-294.html
opinion
社説【周産期医療 奈良県で出産しようと思いますか?】

【前書き】
 「産む苦しみ」とは女性特有のもの。男性だと出産の激痛に耐えることができない、という話もきいたことがある。今回は、周産期医療について「これだけは言わせて!!」。
 
【産経新聞より】
【今回のテーマ】
・【分娩(ぶんべん)中に意識不明に陥った妊婦が、19カ所もの病院に次々と転院を断られ、やっと収容された病院で脳内出血と帝王切開の緊急手術を受け、男児を出産した。だが、8日後に亡くなってしまう。】

【死亡原因�】
・【適切な処置ができないと判断した大淀病院は受け入れ先を探したが、満床や専門医不在を理由に断られ、6時間後、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運び込まれた。受け入れを打診した20カ所目の病院だった。】

【死亡原因�】
・【妊婦は8月7日、奈良県大淀町立大淀病院に入院し、翌日午前0時過ぎ、頭痛を訴えて意識を失った】
 ↓
・【大淀病院は容体の急変後、妊娠中毒症の妊婦が分娩中に痙攣(けいれん)を引き起こす「子癇(しかん)発作」と判断し、痙攣を抑える薬を投与した】
 ↓
・【当直医が脳の異常の可能性を指摘し、CT(コンピューター断層撮影法)の必要性を主張したが、受け入れられなかった。脳内出血と正確に診断されていれば、搬送先の幅が広がり、早く受け入れ先が決まっていた可能性は高い。】

【親族の訴え】
・【残された夫は「妻の命をもっと大切にしてほしかった」「今後、同じことが起きないよう妊婦の搬送システムを改善してほしい」と訴えている】

【奈良県の事情】
・【奈良県では高度な医療や緊急治療の必要な妊婦の40%近くが県外に転送されている。厚生労働省が進めているお産を扱う周産期医療をネットワーク化するシステムの導入も他の自治体に比べ、遅れたままだ。】

【周産期医療の現状】
・【重体の患者を引き受け、面倒な医療訴訟を起こされる事態を避けたがる受け入れ側の病院の体質もあるだろう。厚労省によると、周産期医療は訴訟が多く、医療ミスや医療事故の12%は、産婦人科医が当事者だという。】

【産経新聞の見解】
・【患者を救うのが、病院や医師の義務である。患者中心の医療の基本を忘れているから患者をたらい回しにし、患者不在となる。もう一度、医療とは何かをしっかり、考えてほしい。】

【後書き】

現在、Drコトー診療所2006がドラマで放送されています。録画はしていますが、全く見ていない状況。前作や2004には感動しましたね。吉岡秀隆のイメージ通りの配役にほのぼのしつつ、涙を誘うドラマです。その他、個性派俳優として、泉谷しげるや筧利夫、私としては時任三郎も好きですね。窮屈な現代社会だからこそ、こういう温かいドラマは受けがいいのかもしれない。

現実の医療現場では、五島(コトー)先生のように手厚く見守ってくれることは少ないと思わざる得ない…。そういう事故でしたね。妊婦は脳内出血により重体だったが、19ヶ所の病院をたらい回しにされ、男児を出産するもその数日後死亡している。何が問題だったのか。

まずは、産科医について。今年2月、福島県大野病院で帝王切開の手術中に胎盤をはがし、妊婦は大量出血の末に死亡した事故があった。業務上過失致死で逮捕・起訴された30代の執刀医は、年間200件もの分娩を1人で担当していた。今回の大淀病院でも、60代の常勤医が奈良県立医大から非常勤医の応援により、月数十件の分娩を扱っていた。更に、宿直勤務は週三回行っていたという。

大淀病院の主治医(常勤医)は、頭痛を訴え意識を失った(その1時間半後に痙攣を起した)妊婦が妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)による「子癇(しかん)の発作」と判断していた。当直医は、脳の異常を考えCT検査を訴えていたが何故却下されたのだろうか。ただ、妊娠中の脳出血のリスクは高いものの、出産中に脳内出血を起すのは1万人に1人とも言われる。複数の医師から診断を受けることができず、自分独りの経験に頼った結果の事故だったと言える。医師不足を解消しなければ、この状況は簡単には変わらないでしょう。

次は、奈良県について。産経新聞には「奈良県では、高度医療や緊急治療が必要な妊婦の4割が県外に転送されている」とある。これを読んだだけでも、奈良県の医療の遅れを感じてしまう。

そんな緊急かつ高度な治療が必要な母子への対応を目的とした「総合周産期母子医療センター」を全都道府県で整備するように国が指導(子ども・子育て応援プラン)している。2008年の整備完了を目指しているが、未だ8県の整備が未定な状況にある。その内訳は、秋田県、山形県、岐阜県、奈良県、佐賀県、長崎県、宮崎県、鹿児島県。

その他、今回の死亡事故に至った理由として【重体の患者を引き受け、面倒な医療訴訟を起こされる事態を避けたがる受け入れ側の病院の体質もある】ではないだろうか。本当に救いたい気持ちがあれば、19ヶ所もたらい回しにされなかったと思う。受入拒否した病院は、満床や専門医不在が理由だった。専門性が重視されがちな医師だが、基本的にどの医療分野でも学んでいるのだろうから、全く対処法が分からないというのは怠慢に近いと思う。確かに専門医不在であれば医療事故のリスクを背負うことになるが、受入拒否というのは見殺しにしたことに変わりはない。そして、満床というのは理由になるのだろうか。自分が妊婦の立場で「満床」という理由だけで断られたとしたらどう思うのか考えて欲しい。

「先生」と呼ばれる職業は幾つかある。政治家、弁護士、教師、そして医師。人間だからミスもあると言えばそれまでだが、人の命を預かる医療現場ではミスが許されないのが当り前だ。そんな過酷な職業であることは就く以前から分かっていたはず。自分の名誉の為に、患者を見殺しにするくらいなら医師である必要はないと思う。自分に都合の良い患者だけ選別しているような病院には絶対に世話になりたくない。

【参考資料】
産経新聞 10月24日主張【病院たらい回し 患者本位の基本忘れるな】

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大淀事件 21 / 溝 2 / その他大勢資料

Posted by guideboard on 2007/07/10/Tue

» 大淀事件 21 / 溝 2 ( 20061108 / 11:09 )

http://blogs.yahoo.co.jp/doctorpack/41475690.html
風俗孃氏
2006/11/4(土) 午後 1:10
人が死んで僕のせいじゃない、責任は果たした、なんて言い訳してる時点で人の命は預かれないでしょ。医者はやっぱりお金目当てですか? ブラックジャックなら、医療ミスうんぬんよりも、救えないことに憤りを感じるはずです。 色んな方がしょうがない、頑張った、お前はできるのか?なんていい加減な事書いてますが、その患者がみなさんの身内でも同じこと言わないといけませんね。医者にはモラルがない・・。

ななっち氏
2006/10/23(月) 午前 3:38
この件、ホント「論外」ですよね。何で認められないんでしょう?こういうのを認めていかない限り・・・何も解決しないですよね。ホント、自分のプライドを維持するだけの事で、人の命を左右するなんて、、、あっていいんでしょうかね。何だか荒んだ世の中になったものです。主張だけ、アメリカ人なっても、法律が追いついてないですからねぇ〜。結局、弱者だけが、犠牲になるんですね。

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http://belena.blog70.fc2.com/blog-entry-215.html
tee 氏 2006/11/06
判断ミスの正当化は医者にとって、最低だ。子癇、脳内出血の2つの可能性があることを知っていたのなら、死んでしまうことも予想できただろう。
医者しかわからないことを医者が正当化するのは簡単なことだけど、人一人の命に対しての責任がない。。一般人は医者以外に誰を信用したらいいのか。

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http://tensinohanewohiroget.blog69.fc2.com/blog-entry-89.html
さくらんぼ通信♪防犯と教育編♪
奈良・妊婦転送死亡19病院受け入れ拒否  

奈良・妊婦転送死亡:19病院以上、 拒否か 大淀病院「判断ミスあった」

奈良県大淀町立大淀病院で意識不明となった妊婦が、
緊急転送された大阪府の病院で死亡した問題で、
大淀病院の原育史(やすひと)院長が17日、会見した。
原院長は「(死因となった脳内出血ではなく)
子癇(しかん)発作の疑いとした点で、判断ミスがあった」
と述べた。県立医大に依頼した転送先の紹介とは別に、
独自に複数の病院に受け入れを打診していたことも明かし、
受け入れを拒否した病院は18カ所を上回る可能性も出てきた。

原院長は、当直の内科医らが脳の異状の恐れを訴えたのに、
主治医の産科医が子癇発作との判断を変えなかった事実を認め、
「CT(コンピューター断層撮影)を撮っていれば、
脳内出血を診断できた。命を救えた可能性があったと思う」と話した。

一方で、病院の責任については「非常に難しい問題」。
遺族への謝罪についても「検討中」と述べ、
「弁護士も含めて検討した対応を文書で提出する予定」と話した。

−毎日新聞より−

完全な医療ミス!
頭が痛いと頭痛を訴え、何度も吐いた、始めに診療した内科医は脳神経外科などでCT検査をと促したにもかかわらず
産婦人科医は、『妊娠中毒症と診断』しかし・・・
脳内出血を起こしていた。適切な処置をされないまま、
様態が急変『うちでは診れない、手に負えない』と受け入れ先を探すものの
19の医療機関への受け入れを拒否され、6時間の間適切な処置を
せず産婦人科医はその間仮眠していた。
最後にやっと受け入れてくれた60キロ離れた、
大阪の医療機関で死亡した。
おなかの赤ちゃんは帝王切開で無事生まれたが、
一度もわが子を抱くことなく、この世を去った。。。

緊急時の母子搬送システムが

奈良県にはない

出産時の緊急事態に対応できる搬送システムがきちんと整っていない

緊急時に産科的な問題ではなくきちんと脳内出血と
いうことが伝えられていたら、受け入れ先はあった。

出産時の緊急事態に対応できる

医療機関の確保と搬送システムの充実を!

さくらも、8万人に1人の薬物アレルギー患者という事で、
一般の個人などでの医療機関では、診療を拒否されることがあります。
その理由は『緊急事態時に適切な対応をする事ができない』というものです。
毎回思うことは、『緊急時に対応できる医療機関を増やしてほしい』
適切な治療を受けることができずに、亡くなって行く患者の数は、
いったいいつになったら0になるのだろう。

事件や事故が起きたときに

必ず対応できる場所を作ること!

いじめ問題での自殺事件にしても、
今回の医療ミスでの死亡事故にしても、何が一番の問題なのか?
いざという時に、本当に関わってくれる人がいないことが一番の問題ではないかと思う。
この産婦人科のドクターの前に診察した、外科医が産婦人科の
ドクターに患者を引き継いだ後に、もしもその後の確認という行為をしていたら、何もなされないまま放置されている患者を診ていたら、どうだったであろうか?
少なくとも、これはただ事ではないということに、
産婦人科のドクターよりも早く気がつけたのではないでしょうか?
もし、スタッフ同士のこういった連携・お互いが関わり続けることを
していたら、またはそういった連動して関わることができる
医療体制を整えていくことができたら、
こういった死亡事故は少なくなるのではないだろうか。

また、関わるという機関を増やすことによって緊張感を持ちながら、
環境改善に努めることができるのではないか。。。。。

さくらはそう思う。

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http://komiyama-fnews.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_b724.html
一筆入魂

2006年10月18日 (水)

病院たらい回し

奈良で起こった妊婦のたらい回し事件をご存知と思います。緊急を有する事態に各病院の取った行動はどんな事情があるにせよ許されるものではない。19件目の病院で妊婦は死亡・・・なんと残酷な仕打ちだろう。緊急を要する患者を何時間も放置し、自分の処置のみで他の症状を診察出来ない医者など辞めてしまえ・・・人命の尊さを解っているのか・・・この医者は・・・各病院もどうなっているのか・・・医は仁術なり・・・私の父親も田舎の開業医をやっていましたがそれは土曜日も日曜日もない毎日でした。それでも快方に向かう患者の顔を見ると・・・金儲けの下手な・・・赤ひげ医者でした。その父も他界して30年・・・世の中の医者ども・・・少し真剣に患者のこと、地域病院の連携システム等・・・真剣に考えろ・・・生まれて来た乳飲み子は何を考えているのだろうか・・・

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http://blogs.dion.ne.jp/sakura348101/archives/4384396.html
トン太のみちくさ日記
2006年10月21日
たらい回し

例文 患者さんをたらい回しにする
意味 ひとつの物事を責任を持って処理せずに次々と送りまわすこと
もともとは足でたらいを回す曲芸がありその廻すさまからたらいまわしと言う言葉が出来たそうです
たらいと言う言葉は手洗いの約で水や湯を入れて使うものの総称のこだそうです

暇なので世間を騒がしてる言葉の語源を調べてみました
以上で終わりです

奈良の妊婦さんの事件ですが素敵なお母さん&奥さんだったのに亡くなられて残念です
病院側のあの態度は許せません
あれが有名人だってもあの病院はあんな態度を取るのでしょうか?
人に命の重さは同じです
どの命にも精一杯の治療をして下さい
これだってれっきとしたいじめです
金持ちが引き起こした弱い者いじめです

Posted by うさぎ at 11:42

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http://www.queserastyle.com/free/tsubuyaki/ikari/52476/
奈良の妊婦死亡事件
あんこ 44歳 2006/10/18

急変して意識不明になっているのに18件もの病院に拒否され6時間もたらい回しにされ挙句の果てに我が子を1度も抱く事もなく逝ってしまった母・・・・会見で旦那さんが心の底から絞り出すような声で語っている姿は痛ましい以外の何者でもありません。

私は関わった医療関係者総てがグルの殺人と言っても過言ではない気がします。

これから赤ちゃんが生まれ家族が増え沢山の思い出を綴る事を楽しみにしていたであろう若い夫婦の未来を奪ってしまったのです。

満床・・・それは本当かもしれないが せめてやるべき手当を施し後から入院先を考えてもよかったのでは?内科医がCTを撮った方が良いと進言してるのに勝手な思い込みで拒否した医者、許せない気持ちです。

他人の私でさえこんな感情を抱くのだから当事者の苦しみは計り知れません

ご主人の語った『医者から見ればただの患者の一人かも知れないけど私達には大切な家族なんです』『病院って命を助けてくれる所じゃないんですかね?』という言葉が胸に刺さりました。

三重県の鳥羽の方でも産科医がいなくて出産をするには伊勢まで行かなくてはならないとニュースで言っていました。

少子化対策を唱えるのはいいけれど その前に設備を整えて安心して子供が産める環境を作った方がいいのでは・・・と思いました。

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http://otokogokoro21.iza.ne.jp/blog/entry/58528/allcmt/
ながら記
2006/10/17 13:27
残酷な奈良県病院

奈良県には残酷な病院しかないんだね。
たった一人の妊婦の急変に対応もできないなんて、
さぞぎゅうぎゅう状態の病院ばかりだったんでしょう。
一人くらいなら、病院はなんとかするもんだと思