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大和高田市立病院事件 3 / 検察審査会

Posted by guideboard on 2007/10/24/Wed

検察審査会は起訴相当と議決した。申し立ては亡くなった方のご主人。この議決の理由は、頻回にエコーを行って出血源が見つけなければならなかったというものだ。

奈良検察審「産婦人科医の不起訴不当」 出産後妊婦死亡
asahi.com 2007.10.24
奈良県大和高田市の市立病院で04年10月、入院中の妊婦が出産直後、子宮内に大量出血して死亡した事故で、業務上過失致死容疑で書類送検された産婦人科の男性医師が不起訴処分(嫌疑不十分)となったことについて、奈良検察審査会が24日までに不起訴は不当として再捜査を求める議決をしていたことがわかった。妊婦の夫が審査を申し立てていた。

当初の不起訴理由はこうだった。

予測不可能と医師不起訴 奈良の妊婦死亡で地検
共同通信 2007.4.19
奈良地検は18日までに、出産時の処置のミスで女性を死亡させたとして業務上過失致死容疑で書類送検された奈良県大和高田市の市立病院の30代の男性産婦人科医を、嫌疑不十分で不起訴処分にした。
地検は、子宮破裂による出血が超音波検査で確認できず、死因の出血性ショックを予測できなかったと判断した。

超音波検査の限界。検査を頻回にすれば限界を引き上げることができたはず、という主張のようだ。

これまでは、検査をせずにいて異常の発見が遅れたり発見できなかったから敗訴という司法判断はあった。だから防衛医療として、医学的な適切さを超えて量、質ともより多くの医療資源が必要になった。あとから何か言われる前に、無駄かもしれないがやっておこう、ということだ。

これからは、検査結果が陰性であっても、繰り返し行えば陽性に出るかもしれないから、陽性が出るかどうか頻回に繰り返さないといけないというのだろうか。

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検察審査会は、一般の庶民感情が入り込むところである。奈良県の人たちの一般的な考えは、警察、検察が捜査して不起訴としたものでも、もっと追求すべしであった。

医師集団は、この事件の医療側に明らかな過失はないと、この件について報道、ネット上あるいは医師間のコミュニケーションによる情報を基に、判断していた。

それを訴追せよと言った。起訴不起訴という結果がどうなるかは未定だが、捜査がもう一回なされる。その結果が何を引き起こすかまでは想像できない。何人かの産科医が大和高田市、奈良県、あるいは産科を去るだろう。

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今回の奈良の検察審査会では、不起訴不当と考えた審査員が 6 – 7 名いたということになる。

検察審査会法
第 4 条
検察審査会は、当該検察審査会の管轄区域内の衆議院議員の選挙権を有する者の中からくじで選定した11人の検察審査員を以てこれを組織する。

第 27 条
検察審査会議の議事は、過半数でこれを決する。但し、起訴を相当とする議決をするには、8 人以上の多数によらなければならない。

現在の検察審査会の議決には拘束力はないが、司法制度改革の一環として、検察審査会法を改正するための法律が 2004 年 5 月 28 日に公布され、今後は「同一の事件について起訴相当と 2 回議決された場合には必ず起訴される」こととなり、法的拘束力を持つことになった ( 2009 年 5 月 27 日までに施行するよう定められているが、期日は未定、裁判員制度開始に合わせる予定 )。

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今後、庶民感情は法廷に流れ込むようになる。

  1. 刑事裁判への被害者参加が実現すると、医療事故の患者さんの遺族が法廷で医師を責めることになる。
  2. 刑事裁判で裁判員が出てくる時代になると、それはもうすぐだが、こういう一般庶民の目線を取り入れた判決が下される。
  3. 附帯私訴が取り入れられると、刑事裁判の証拠や判断で民事訴訟も裁かれる。

裁判員、遺族という一般の感情を前に、患者さんのためと思って努力した医師は、何を反論しても無駄になるのだろうか。医師という立場では、患者さん、遺族側を攻撃することなどできない。防戦するしかない、刑事も民事も大変不利な戦いとなる。

私刑と収奪にも似た生き地獄。

参考資料

大和高田市立病院事件 3 資料

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