医療崩壊 / 逃散 2 / 検証医師不足第 1 部 (4)
Posted by guideboard on 2007/10/09/Tue
デーリー東北新聞
(4) 広がる影響 休診で分散する分べん 2006.1.5
「やっぱり二つの自治体病院の産科休診は痛いなあ」。昨年十月上旬、青森県内のある病院関係者はこうつぶやいた。
上十三地域の分べん数は年間約千七百件。このうち二〇〇四年度は、出産ができなくなった十和田市立中央病院は約四百二十件、公立野辺地病院は約二百十件と、合わせて同地域の三分の一を占めていた。
それが一気にゼロになったことで、他の公立病院や開業医が扱う数は確実に増加した。この関係者は「全体的に医師は不足しており、ぎりぎりのところでやっているだろう。パンクしないかどうか心配だ」と懸念する。
■変わる妊婦動向
二病院の産科休診による妊婦の動向について県健康福祉部は「三沢市や八戸市、青森市などに分散した。五戸町や七戸町の病院でも増加している」と説明する。
特に、年間約二百二十件の出産を扱っている三沢市立三沢病院は、昨年四—十一月で約三百件とハイペースな伸びを見せる。同年八月末に青森市で開かれた県自治体医学会で、同病院の医師は「分べん数は倍増する見込みだ」と発表した。
古澤次寸事務局長は「普通に考えて、距離的に近い三沢病院に流れている」と分析。その上で「しっかりと妊婦を診られるように院内の態勢を整えたい」と話す。
■七戸病院も休診
公立七戸病院でも一月から出産ができなくなった。同町でただ一人の産婦人科医が昨年十二月末で退職したからだ。ただ、この医師は一月十日から町内で開業する予定で、産科医が空白化する事態は一応、避けられそうだ。
同病院の〇四年度の分べん数は約二百件。だが、〇五年度は十二月中旬までに約二百十件を超えた。大黒博院長は「一人の勤務体制で大変だっただろう」とこれまでの労をねぎらった上で、「開業するという意思は尊重したい。こちらとしては“ノー”とは言えない」と話す。
同病院は、これまで医師を派遣していた秋田大学医学部に対して新たな産科医派遣を打診したが、「秋田県内でも医師不足で県外派遣は難しい」との回答があり、現在のところ後任の見通しは立っていない。
これで、上十三地域の公立病院で出産ができるのは三沢病院だけと、ますます深刻な状況となった。