国民皆保険 8 / 軽費医療外し
Posted by guideboard on 2007/10/08/Mon
本記事の原典は、2006 年 6 月 12 日、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/06/_8_2163.html にアップされた。原典は削除された。
キーワード
国民皆保険、医療、保険、免責、保険外し、軽費
保険免責と軽費医療の保険外し、この二つの政策の真の目的は何か。
健康保険財源の 80% は、レセプト 1 件あたりの医療費が高額なもの、上位 25% の件数のレセプトで占められている。その高額なものとは、胃切除手術での 1 ヶ月以内の入院程度の医療費から上のものである。大多数の病院での入院医療が含まれる。
逆に言えば、大多数の小規模医療機関での外来診療、軽費医療に使われる医療費は、少ないのだ。それを何割か削った所でさほどの医療費削減にはならない。
その軽費医療を無理矢理削減する方策が次の二つである。
1. 保険免責
2. 軽費医療の保険外し ( 廉価医薬品や低額な処置・検査など )
アクセスとそこそこの質を安価に提供している日本の医療。国民皆保険である日本の医療は社会保障そのものである。セーフティネットだから、落っこちる直前に、あるいは落っこちかけた所ですぐに救い上げてもらえるものでなければならない。
保険免責と軽費医療の保険外しは、軽症な内の受診を抑制する。さらには、受診、すなわちアクセスそのものも抑制する。保険免責と軽費医療の保険外しは、落っこちる者を落っこちかけた所で救い上げることを困難にする。セーフティネットを破壊するものである。
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軽費医療の保険外しは、私が知る限りでは、1997 年頃には、日本医師会内部で整形外科、耳鼻科などの処置の逓減制といった形で議論されていたらしい。政府厚生省がいつ考えだしたかは分からないが、同じ頃には官僚も考えていただろう。2002 年改定の頃から診療報酬改定の具体的な話の前段階程度の所には顔を出すようになった。いわゆるアドバルーンといった形でである。
実際には、いわゆる医薬品のコンビニ販売開放と、眼科の検査のマルメ、リハビリテーションでの混合診療導入などで、それと分からないように道筋が付けられた。
これからは、風邪薬、胃腸薬、抗アレルギー剤、ビタミン剤、湿布などの保険外し、眼科耳鼻科の検査や、いわゆる物療などの消炎鎮痛処置の保険外しかマルメ。こういった方法で軽費医療を保険から外そうとしている。
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保険免責と軽費医療の保険外しは、医療費削減にはならない。却って増える恐れがある。
保険免責と軽費医療の保険外しは、医療へのアクセスの最初の段階、すなわち傷病が軽度なうちの受診が抑制される。そうすれば、重症化してからの受診が却って増え、医療費抑制にはつながらないのではないか。
医療機関は、個人零細診療所か、大規模急性期病院しか、経営が成り立たないような診療報酬になってきている。療養病床は削減・廃止となって慢性期医療は在宅医療しか生き残れなくなった。保険免責と軽費医療の保険外しは、その零細診療所を潰すことしかできない。医療費の大部分を使っている急性期病院の医療費は減らない。
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では、保険免責と軽費医療の保険外しは、いったい何のためだろうか。
1. 日本医師会の構成要員の大部分を医療から撤退させ、日医を弱体化させる。
2. 中小医療機関を潰して、大規模医療機関またはそれらの医療機関の関連の施設、すなわちそのチェーンに再編する。
自民党、規制改革会議や財界の勢力は、実は、これを狙っているのではないか。
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