国民皆保険 4 / 医療費推計資料 2
Posted by guideboard on 2007/10/08/Mon
民主党、山井和則衆議院議員の質問主意書
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平成十八年三月二日提出
質問第一二一号
医療費の推計に関する質問主意書
提出者 山井和則
医療制度改革は、国民の生命と健康に関わる重大な問題であり、この改革にあたって、将来の国民医療費の推移がどのようなものになるかという推計は、改革の方向性に大きく影響するものである。
そこで、以下のとおり質問する。
一 この推計について、政府は、平成十七年十月十九日付けの医療制度構造改革試案(以下「試案」という。)において、制度改正なしで医療費が推移した場合、平成三十七年度の医療給付費が五十六兆円になると見通しており、その試算の現行見通しは「平成十六(二〇〇四)年五月の『社会保障の給付と負担の見通し』に即しつつ、起算点を平成十八年度概算要求とすると、」と書かれている。このため、試算の前提とされている平成十六年五月の「社会保障の給付と負担の見通し」(以下「社会保障見通し」という。)を見ると、「平成十六年度予算を足下とし、一人当たり医療費の伸び(一般医療費二・一%、高齢者医療費三・二% 平成七〜十一年度実績平均)を前提に、人口変動(人口高齢化及び人口増減)の影響を考慮して医療費を伸ばして推計。」とある。以上のことから、試案の推計は、「一人当たり医療費の伸び(一般医療費二・一%、高齢者医療費三・二% 平成七〜十一年度実績平均)」を用いて推計していると理解してよいか。
二 社会保障見通しの「平成七〜十一年度実績平均」とは、「平成六年度を起算点とした、五年間の医療費の伸びの平均」と「平成七年を起算点とした四年間の医療費の伸びの平均」のどちらを意味するのか。
三 同じく社会保障見通しの前提とされる「一般医療費二・一%、高齢者医療費三・二%」における高齢者とは、何歳以上を指しているのか。
四 試案においては「平成十八年度概算要求を起算点」として医療制度改革試案の推計を行っているが、この起算点の一人当たり医療費は、一般、高齢者それぞれ何を根拠にいくらとしているのか。
五 四の起算点の数字を元に、どのようにして平成三十七年度の国民医療費六十五兆円、医療給付費五十六兆円という数字を導き出したのか、計算式を明示して説明されたい。
六 五で計算された、平成三十七年度の国民医療費六十五兆円、医療給付費五十六兆円という数字は、その間に経済成長等を見込んでいると思われるが、現在の貨幣価値に換算した場合、いくらと考えられるか。
七 社会保障見通しでは「平成十六年度予算を足下とし」とあるが、この起算点の一般・高齢者の一人当たり医療費は、一般、高齢者それぞれ何を根拠にいくらとしているのか。
八 「一人当たり医療費の伸び(一般医療費二・一%、高齢者医療費三・二% 平成七〜十一年度実績平均)」の「実績」は、どのような基礎データを元に導き出されたものか、示されたい。
九、八の実績の計算は、医療費の伸びのみを計算したものか、若しくは、それに加えて次に示す事項について何らかの補正を加えたものか。補正されている場合には、それぞれどのような考え方に基づいて、どのような計算式で計算し、どれだけの補正を加えているか、示されたい。
ア 診療報酬改定の影響
イ 高齢化の影響
ウ 制度改正の影響
十 九の項目以外に補正を行っている場合は、どのような補正を、なぜ、どのような計算式で、どれだけの補正を加えているか、併せて示されたい。
右質問する。
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平成十八年三月十日受領
答弁第一二一号
内閣衆質一六四第一二一号
平成十八年三月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員山井和則君提出医療費の推計に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山井和則君提出医療費の推計に関する質問に対する答弁書
一について
平成十七年十月十九日に厚生労働省が公表した医療制度構造改革試案(以下「試案」という。)における平成三十七年度の医療給付費の見通しは、平成十六年五月十四日に厚生労働省が公表した「社会保障の給付と負担の見通し」(以下「社会保障の給付と負担の見通し」という。)の「一人当たり医療費の伸び(一般医療費二・一%、高齢者医療費三・二% 平成七〜十一年度実績平均)」を用いて算定している。
二について
社会保障の給付と負担の見通しにおける「平成七〜十一年度実績平均」は、平成六年度を起算点とした、平成七年度から平成十一年度までの五年間の各年度の医療費の伸び率の平均である。
三について
社会保障の給付と負担の見通しにおいて用いた「高齢者医療費三・二%」を算定した際の対象者は、七十歳以上の者及び六十五歳以上七十歳未満の者で一定の障害状態にあるもの(以下「高齢者」という。)である。
四について
試案においては平成十八年度概算要求を起算点としているが、その起算点の一人当たり医療費は、政府管掌健康保険制度等の各制度の平成十八年度概算要求時点における医療費の見込額について、高齢者とそれ以外の者(以下「一般の者」という。)に区分し、高齢者と一般の者ごとに各制度を通じて合計した額を、高齢者及び一般の者の全体の人数でそれぞれ除して算出したものであり、一人当たりの高齢者医療費は八十二万円、一人当たりの一般医療費は十七万円となっている。
五及び六について
平成三十七年度の国民医療費の見通しは、起算点における一人当たりの一般医療費及び高齢者医療費に、一般医療費については毎年度二・一パーセントの伸び率を、高齢者医療費については毎年度三・二パーセントの伸び率を乗じて得た平成三十七年度の一人当たりの一般医療費及び高齢者医療費に、平成三十七年度時点で見込まれる一般の者と高齢者の人数をそれぞれ乗じて算出した平成三十七年度の一般医療費及び高齢者医療費の見通しの合計であり、経済成長率を用いて算出はしていない。お尋ねの「現在の貨幣価値に換算した場合、いくらと考えられるか」については、何を意味するのか必ずしも明らかではないのでお答えすることはできない。
また、平成三十七年度の医療給付費の見通しは、同年度の国民医療費から患者が負担する額を控除して算出している。
七について
社会保障の給付と負担の見通しにおいては平成十六年度予算を起算点としているが、その起算点の一般の者及び高齢者の一人当たり医療費は、政府管掌健康保険制度等の各制度の平成十六年度予算編成時点における医療費の見込額について、一般の者と高齢者に区分し、一般の者と高齢者ごとに各制度を通じて合計した額を、一般の者及び高齢者の全体の人数でそれぞれ除して算出したものであり、一人当たりの一般医療費は十七万円、一人当たりの高齢者医療費は八十万円となっている。
八について
社会保障の給付と負担の見通しにおける一人当たり医療費の伸び(以下「一人当たり医療費の伸び」という。)の実績は、平成六年度から平成十一年度までの期間に係る、診療報酬の審査支払機関での支払が確定した医療費から老人保健施設療養費等を除いた医療費を用いて算出したものである。
九及び十について
平成三十七年度の医療給付費の見通しについては、一人当たり医療費の伸びを前提に、人口変動の影響を考慮して算定しており、一人当たり医療費の伸びの「平成七〜十一年度実績平均」の算定に当たっては、高齢化の影響等の人口構成の変化の影響及び患者負担の見直し等の医療保険制度改正の影響を除くための補正のみを行っており、診療報酬改定の影響その他の事項については補正を行っていない。
高齢化の影響等の人口構成の変化の影響の補正については、基準とする年度の年齢階級別一人当たり医療費に、比較を行う年度の年齢階級別加入者数を乗じて得た医療費の合計額を、比較を行う年度の加入者数で除して得た一人当たり医療費と、基準とする年度の一人当たり医療費の相違率を、人口構成の変化の影響率として補正前の一人当たり医療費の伸び率から除外している。平成七年度から平成十一年度までの当該影響率は一般医療費について年平均〇・五パーセントである。
また、一人当たり医療費の伸びの実績には、平成七年度から平成十一年度までの間に行われた医療保険制度改正による影響が含まれているため、将来の医療保険制度改正を見込まない医療費の見通しの算定に当たっては、当該期間における医療保険制度改正による影響を除外する必要がある。
医療保険制度改正の影響の補正については、医療保険制度改正が行われた直後の期間における対前年同月比の実績の伸び率から医療保険制度改正の影響がないと考えられる期間における対前年同月比の実績の伸び率を控除することにより医療保険制度改正の影響率を算定している。当該影響率は、一般医療費については、平成九年度はマイナス三・九パーセント、平成十年度はマイナス〇・八パーセントであり、高齢者医療費については、平成九年度はマイナス三・五パーセント、平成十年度はマイナス一・八パーセント、平成十一年度は〇・七パーセントである。
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平成十八年三月二十三日提出
質問第一八〇号
医療費の推計に関する再質問主意書
提出者 山井和則
平成十八年三月十日付内閣衆質一六四第一二一号の答弁書(以下、「前回答弁書」という。)の内容について、いくつかの疑問が生じたので、以下のとおり質問する。
一 前回答弁書によると、平成十六年五月十四日に厚生労働省が公表した「社会保障の給付と負担の見通し」(以下「社会保障の給付と負担の見通し」という。)に用いられた平成十六年度予算編成時点における医療費を「一人当たりの一般医療費は十七万円、一人当たりの高齢者医療費は八十万円と」見込んでいる。この数値を基礎として、国立社会保障・人口問題研究所の平成十六年度推計人口を一般と高齢者に分けてそれぞれ一人当たり医療費に乗じて国民医療費を算出し、医療給付費を国民医療費の八十五%として計算を行うと、平成十六年度予算における医療給付費は二十七・八兆円となった。一方、「社会保障の給付と負担の見通し」を見ると、平成十六年度予算における医療給付費は二十六兆円となっている。同じ平成十六年度予算を基礎とし、前回答弁書に従い一人当たり医療費から計算した医療給付費と、「社会保障の給付と負担の見通し」に書かれた医療給付費との間で二兆円近いずれが生じ、整合しない。私の計算に間違いがあれば、どこが間違いなのか具体的にご指摘いただきたい。もし計算間違いでないならば、なぜ整合しないか答弁されたい。
二 前回答弁書では「平成三十七年度の国民医療費の見通しは、起算点における一人当たりの一般医療費及び高齢者医療費に、一般医療費については毎年度二・一パーセントの伸び率を、高齢者医療費については毎年度三・二パーセントの伸び率を乗じて得た平成三十七年度の一人当たりの一般医療費及び高齢者医療費に、平成三十七年度時点で見込まれる一般の者と高齢者の人数をそれぞれ乗じて算出した平成三十七年度の一般医療費及び高齢者医療費の見通しの合計であり」とある。また平成十七年十月十九日に厚生労働省が公表した医療制度構造改革試案(以下「試案」という。)では、起算点の医療費は「一人当たりの高齢者医療費は八十二万円、一人当たりの一般医療費は十七万円」とされている。このことから、試案における平成三十七年度の国民医療費推計は、次の計算で行ったと理解して間違いないか。間違いがあれば、具体的にご指摘いただくとともに、正しい計算方法をお示し頂きたい。この際、文章で分かりにくい場合は、数式にてお示し頂きたい。
ア 起算点の一人当たり医療費 一般医療費十七万円 高齢者医療費八十二万円
イ 一般医療費の伸び率二・一パーセントを平成十八年度から平成三十七年度まで十九回乗ずる。つまり、一・〇二一を十九回乗じて、伸び率を決める。結果は、一・四八倍。この伸び率を起算点一般医療費十七万円に乗じ、平成三十七年度一人当たり一般医療費は二十五・二万円。
ウ イと同様の計算により、平成三十七年度一人当たり高齢者医療費は、百四十九・二万円。
エ 平成三十七年度人口を、国立社会保障・人口問題研究所の中位推計に従い、一般九千三百四十万人、高齢者二千七百八十万人とし、それぞれに一人当たり平成三十七年度医療費を乗じて、平成三十七年度一般・高齢者医療費を算出する。その結果は、一般二十三・五兆円、高齢者四十一・五兆円。
オ 一般医療費と高齢者医療費を合計して、平成三十七年度国民医療費六十五兆円。
三 二と同様の計算により、平成十六年度を起算点、一人当たり一般医療費十七万円、一人当たり高齢者医療費八十万円として、「社会保障の給付と負担の見通し」の推計を私どもが再計算すると、平成三十七年度の国民医療費は六十七・八兆円となった。ここから医療給付費を国民医療費の八十五パーセントとして計算すると五十七・六兆円となった。一方、「社会保障の給付と負担の見通し」を見ると、平成三十七年度国民医療費六十九兆円、医療給付費五十九兆円となっている。この不一致はなぜ生じるのか。私の計算に間違いがあるならご指摘いただきたい。そうでないなら、理由を教えていただきたい。
四 前回答弁書を見ると、「社会保障の給付と負担の見通し」において、採用した平成十六年度予算編成時点での見込額から、起算点における高齢者一人当たり医療費は八十万円としたとある。一方、「平成十六年度医療費の動向」によると、高齢者一人当たり医療費は、七十三・九万円であるという。予算と実績の乖離はなぜかくも大きいのか、答弁いただきたい。
五 前回答弁書を見ると、試案における平成三十七年度医療費推計に当たっては、起算点として、一人当たり高齢者医療費八十二万円が用いられているとある。一方、「平成十六年度医療費の動向」による平成十六年度高齢者医療費一人当たり実績は七十三・九万円である。この平成十六年度高齢者一人当たり医療費七十三・九万円を起算点に平成十八年度概算要求で八十二万円となるには、年率五・三四%の伸び率を前提としていることとなる。この伸び率は、近年の高齢者一人当たり医療費の推移を見れば、妥当性を欠くのではないかと思われるが、政府の見解を述べられたい。
六 前回答弁書を見ると「社会保障の給付と負担の見通し」における「一人当たり医療費の伸び(一般医療費二・一%、高齢者医療費三・二%、平成七〜十一年度実績平均)」の算出に当たっては、高齢化等の人口構成の影響と医療保険制度改正の影響を除く補正が行われているとある。一方「社会保障の給付と負担の見通し」には、「平成七〜十一年度実績平均」とのみあり、補正が行われたことが記されていない。なぜ補正の事実を明記されなかったのか答弁いただきたい。
七 前回答弁書を見ると、「社会保障の給付と負担の見通し」における「一人当たり医療費の伸び(一般医療費二・一%、高齢者医療費三・二%、平成七〜十一年度実績平均)」の算出に当たっては、高齢化の影響等の人口構成の変化の影響を、医療費の伸び率から除外しているとある。採用した伸び率から、高齢化等の人口構成の影響が除外されているのならば、推計に当たって、起算点となる年度から推計する年度までの高齢化等の人口構成の影響を算出して、人口構成の影響を除外した伸び率による推計の結果に乗ずる必要がある。しかるに、二に示した前回答弁書の計算には、この高齢化等の人口構成の影響の計算が含まれていない。方法的に間違いであると思われるが、いかがか。
八 前回答弁書にある「一人当たり医療費の伸び(一般医療費二・一%、高齢者医療費三・二%、平成七〜十一年度実績平均)」算出に当たって適用した補正方法を平成十二〜平成十六年度までの各年度において行うことは、技術的に可能なことである。そこで、平成七年度から平成十六年度までの各年度について、前回答弁書に述べられた方法に従った一般・高齢者それぞれの、実績伸び率、高齢化等の人口構成の影響の補正率、医療保険制度改正の影響の補正率、実績から二つの影響を除外した推計用の伸び率を示していただきたい。そして、この近年五年の伸び率平均を用いて、平成三十七年度の国民医療費と医療給付費を推計するといくらになるか答弁いただきたい。
九 前回答弁書を見ると、高齢化の影響等の人口構成の変化の影響を補正するために、基準とする年度の「年齢階級別一人当たり医療費」を用いたとある。これは、国民医療費の五歳階級別医療費を意味すると理解するが間違いないか。
十 国民医療費の五歳階級別医療費は、平成十年度から平成十五年度までは公表されているが、それ以前については公表資料がない。そこで、推計の前提となっている伸び率「一般医療費二・一%、高齢者医療費三・二%」の算出に当たって用いた平成六年度から平成九年度までの国民医療費の五歳階級別医療費を教えていただきたい。もし存在しないのであれば、その期間の補正をどのような根拠によりどのような方法によって行ったのか、明確に回答いただきたい。
十一 前回答弁書によると「医療保険制度改正の影響の補正については、医療保険制度改正が行われた直後の期間における対前年同月比の実績の伸び率から医療保険制度改正の影響がないと考えられる期間における対前年同月比の実績の伸び率を控除することにより医療保険制度改正の影響率を算定している」とある。そして、一般医療費については平成九年度と十年度、高齢者医療費については、平成九年度と平成十年度と平成十一年度に医療保険制度改正の影響の補正が行われたとある。この五回の補正を行うに当たって利用した「医療保険制度改正が行われた直後の期間」とはそれぞれいつからいつまでの期間であるのかお答えいただきたい。また、それぞれの期間について、伸び率を控除する基礎とした「医療保険制度改正の影響がないと考えられる期間」はいつからいつまでの期間を採用したのか、その期間と選定基準をお答えいただきたい。
十二 十一で示された期間について、それぞれの伸び率の実績を示されたい。
十三 十一で示された五つの「医療保険制度改正の影響がないと考えられる期間」については、改正の前と後の両方にそのような期間があり得るが、実際に補正の基準とした期間が「医療保険制度改正が行われた直後の期間」より前の時期であるならば後の、後の時期であれば前の期間においても「医療保険制度改正の影響がないと考えられる期間」が存在する可能性があるので、その期間及びその期間における医療費の伸び率実績を示していただきたい。
十四 十三において、推計に使われていない「医療保険制度改正の影響がないと考えられる期間」があるならば、推計に採用した期間を選んだ理由について、それぞれ根拠を示して説明されたい。
十五 前回答弁書を見ると、平成三十七年度の国民医療費の見通しは「経済成長率を用いて算出はしていない」とある。また、一人当たり医療費の伸びの「平成七〜十一年度実績平均」の算定に当たっては「診療報酬改定の影響その他の事項については補正を行っていない」とある。では、平成七年度から平成十一年度までの診療報酬の伸び、名目経済成長率の伸び及び一人当たり国内総生産の伸びは、平均するとそれぞれ年率いくつであるのか教えていただきたい。
十六 平成三十七年度の医療費推計に当たり「診療報酬改定の影響その他の事項については補正を行っていない」とすると、推計期間において、この伸び率測定期間と同じ伸び率の診療報酬改定があると考えて推計を行ったことと同じであると思われるが、そのように理解して良いか。また、診療報酬改定は金額に大きな影響を与えるのに、その影響を排除しなかった根拠を教えていただきたい。
十七 将来における診療報酬改定が無かった場合及び一人当たり国内総生産の伸びと同じ率であった場合に平成三十七年度国民医療費はいくらになると政府は推計するか、答弁いただきたい。
右質問する。
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平成十八年三月三十一日受領
答弁第一八〇号
内閣衆質一六四第一八〇号
平成十八年三月三十一日
内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員山井和則君提出医療費の推計に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山井和則君提出医療費の推計に関する再質問に対する答弁書
一について
厚生労働省においては、平成十六年五月十四日に厚生労働省が公表した「社会保障の給付と負担の見通し」(以下「社会保障の給付と負担の見通し」という。)における平成十六年度予算編成時点の医療給付費の見通しは、国立社会保障・人口問題研究所が取りまとめた「日本の将来推計人口(平成十四年一月推計)」の平成十六年度推計人口を用いて算出したものではなく、平成十六年度予算編成時において政府管掌健康保険制度等の各制度が適用されると見込まれる者の人数を用いて算出していること等から、御指摘の「ずれ」が生じていると考えている。
二について
平成十七年十月十九日に厚生労働省が公表した医療制度構造改革試案(以下「試案」という。)における平成三十七年度の国民医療費の見通しの算出方法を詳細に述べると、政府管掌健康保険制度等の各制度について、平成十八年度概算要求時点の年齢階級別一人当たり医療費に、高齢者医療費については毎年度三・二パーセントの伸び率を、一般医療費については毎年度二・一パーセントの伸び率を乗じて得た平成三十七年度の年齢階級別の一人当たりの高齢者医療費及び一般医療費に、平成三十七年度に見込まれる高齢者(七十歳以上の者及び六十五歳以上七十歳未満の者で一定の障害状態にあるものをいう。以下同じ。)とそれ以外の者(以下「一般の者」という。)の年齢階級別人数をそれぞれ乗じて算出した平成三十七年度の高齢者医療費及び一般医療費の見通しを各制度を通じて合計し、平成三十七年度の国民医療費を算出している。
三について
厚生労働省においては、社会保障の給付と負担の見通しにおける平成三十七年度の国民医療費及び医療給付費の見通しは、国立社会保障・人口問題研究所が取りまとめた「日本の将来推計人口(平成十四年一月推計)」の平成三十七年度推計人口を用いて算出したものではなく、政府管掌健康保険制度等の各制度が適用される者の平成三十七年度の人数の見込みを用いて算出していることや、平成三十七年度の年齢階級別の一人当たり医療費を用いて算出していること等から、御指摘の「不一致」が生じていると考えている。
四及び五について
平成十七年八月十日に厚生労働省が公表した「平成十六年度医療費の動向」における一人当たり高齢者医療費については、高齢者に係る医療保険制度における医療費を対象としており、公費負担医療制度における医療費等が含まれていないが、社会保障の給付と負担の見通しにおける一人当たり高齢者医療費と試案における一人当たり高齢者医療費については、公費負担医療制度における医療費等が含まれているため、両者の高齢者医療費が異なっている。
したがって、厚生労働省としては、「平成十六年度医療費の動向」における一人当たり高齢者医療費と試案における一人当たり高齢者医療費を比較して算出した伸び率を、一人当たり高齢者医療費の伸び率として議論することは適切ではないと考えている。
六について
社会保障の給付と負担の見通しにおいては、簡潔に記述する観点から、補正を行ったことについては省略して記述したところである。
七について
二についてでお答えしたとおり、社会保障の給付と負担の見通し及び試案における医療費の見通しは年齢階級別に算出した医療費を用いて算出しているため、将来の高齢化等の人口構成の変化は年齢階級別人口の変化を通じて医療費の見通しの中に反映されている。
八について
一人当たり一般医療費の伸び率の実績については、平成七年度は二・九パーセント、平成八年度は四・一パーセント、平成九年度はマイナス〇・七パーセント、平成十年度は〇・九パーセント、平成十一年度は一・〇パーセント、平成十二年度は一・六パーセント、平成十三年度は二・一パーセント、平成十四年度はマイナス一・二パーセント及び平成十五年度は〇・四パーセントである。また、一人当たり高齢者医療費の伸び率の実績については、平成七年度は三・八パーセント、平成八年度は三・七パーセント、平成九年度はマイナス〇・二パーセント、平成十年度は〇・六パーセント、平成十一年度は三・四パーセント、平成十二年度はマイナス四・〇パーセント、平成十三年度は一・二パーセント、平成十四年度はマイナス三・五パーセント及び平成十五年度は〇・八パーセントである。なお、平成十六年度の伸び率の実績は確定していないのでお示しできない。
医療保険制度改正の影響の補正率は、一般医療費については、平成九年度はマイナス三・九パーセント及び平成十年度はマイナス〇・八パーセントであり、高齢者医療費については、平成九年度はマイナス三・五パーセント、平成十年度はマイナス一・八パーセント及び平成十一年度は〇・七パーセントである。医療保険制度改正の影響の補正率については、医療保険制度改正が行われた直後の期間における対前年同月比の実績の伸び率から医療保険制度改正の影響がないと考えられる期間における対前年同月比の実績の伸び率を控除することにより算定しており、平成十二年度以降の医療保険制度改正の影響の補正率については、平成十二年の介護保険制度創設を含め医療費に大きな影響を与える制度改正が毎年のようにあったことから、お示しすることはできない。
また、高齢化等の人口構成の影響の補正率については、平成七年度から平成十一年度までの期間について一括して算出し、一般の者については年平均で〇・五パーセントとしたところであり、各年度の補正率は算出していない。
なお、近年五年の伸び率平均を用いた平成三十七年度の国民医療費及び医療給付費の見通し並びに平成十二年度以降の高齢化等の人口構成の影響の補正率については、右に述べたように、制度改正が毎年のようにあったことから平成十二年度以降の医療保険制度改正の影響等を適切に推計することができないため、お答えすることができない。
九及び十について
先の答弁書(平成十八年三月十日内閣衆質一六四第一二一号)九及び十についてでお答えした「年齢階級別一人当たり医療費」の年齢階級は、五歳階級別の年齢階級を意味するものではない。平成七年度から平成十一年度の一般医療費についての高齢化の影響等の人口構成の変化の影響の補正率は、基準とする年度を平成六年度とし、旧厚生省が公表した「国民医療費」における零歳から十四歳まで、十五歳から四十四歳まで、四十五歳から六十四歳まで、六十五歳から六十九歳までの年齢階級別一人当たりの一般診療医療費と歯科診療医療費の合計額を基準に算定しており、平成七年度から平成十一年度までの年平均で〇・五パーセントとなっている。
十一及び十二について
「医療保険制度改正が行われた直後の期間」(以下「直後の期間」という。)及び直後の期間における伸び率の実績並びに「医療保険制度改正の影響がないと考えられる期間」(以下「影響のない期間」という。)及びその期間における伸び率の実績は、次のとおりである。
一般医療費の平成九年度の医療保険制度改正の影響の補正については、直後の期間は平成九年四月から平成十年三月までの期間、その期間の対前年同月比の伸び率はマイナス一・一パーセントであり、影響のない期間は平成七年四月から平成九年三月までの期間、その期間の対前年同月比の伸び率は二・七パーセントである。
高齢者医療費の平成九年度の医療保険制度改正の影響の補正については、直後の期間は平成九年四月から平成十年三月までの期間、その期間の対前年同月比の伸び率はマイナス〇・五パーセントであり、影響のない期間は平成七年四月から平成九年三月までの期間、その期間の対前年同月比の伸び率は三・〇パーセントである。高齢者医療費の平成十一年度の医療保険制度改正の影響の補正については、直後の期間は平成十一年七月から平成十二年三月までの期間、その期間の対前年同月比の伸び率は六・〇パーセントであり、影響のない期間は平成十年九月から平成十一年六月までの期間、その期間の対前年同月比の伸び率は四・一パーセントである。
なお、平成十年度の医療保険制度改正の影響の補正については、平成九年度の医療保険制度改正が翌年度にも影響した結果の補正を行った上で算出したものであり、平成十年度における直後の期間及び影響のない期間は平成九年度と同一である。平成十一年度の医療保険制度改正の影響の補正率については、平成十一年度の高齢者の医療保険制度改正が入院外医療費のみに影響を及ぼすものであったため、入院外医療費についての制度改正の効果を計算し、それを入院外医療費以外の医療費を含めた医療費に換算する補正を行ったものである。医療保険制度改正の影響の補正に際しての伸び率の実績からは診療報酬改定の影響を除いている。
また、厚生労働省においては、影響のない期間の選定に当たって、直後の期間とできるだけ近い期間を選定している。
十三及び十四について
十一及び十二についてで述べた影響のない期間は、いずれも医療保険制度改正の前の期間を用いている。厚生労働省においては、高齢者医療費について、医療保険制度改正が相次いで行われたため、医療保険制度改正の影響がある平成九年度、平成十年度及び平成十一年度の後の期間のうち比較的近い時期に適切な影響のない期間が存在しないと考えている。また、一般医療費については、影響のない期間を高齢者医療費に係る期間とほぼ同じ期間とすることが適切であると考えており、医療保険制度改正の影響がある平成九年度及び平成十年度の後の期間のうち比較的近い時期に適切な影響のない期間が存在しないと考えているため、十一及び十二についてでお示しした期間としたところである。
十五について
平成七年度から平成十一年度までの間における、診療報酬の伸び率は年平均〇・一パーセント、名目経済成長率は年平均〇・四パーセント、一人当たり国内総生産の伸び率は年平均〇・二パーセントである。
十六について
平成三十七年度の医療給付費の見通しについては、将来にわたって、平成七年度から平成十一年度までの期間と同じ伸び率の診療報酬改定を行うことを想定したものではないが、将来の診療報酬改定の影響を特定することができないため、診療報酬改定の影響の補正を行わなかったものである。
十七について
平成三十七年度の国民医療費の見通しについては、過去の一定期間の実績から得られた一人当たり医療費の伸び率を基に算出したものであり、将来における診療報酬改定がなかった場合や、一人当たり国内総生産の伸びと同じ率であった場合を仮定して平成三十七年度の国民医療費の見通しを算出することについては適切ではないと考えており、そのような見通しについては、算出していないのでお答えすることはできない。