国民皆保険 13 / 不正
Posted by guideboard on 2007/10/08/Mon
本記事の原典は、2006 年 6 月 18 日、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/06/__8c2e.html にアップされた。原典は削除された。
キーワード
健康保険、医療費、明細、領収書、領収証、不正、過誤、資格喪失、受給資格、喪失、病名、漏れ、病名漏れ、もれ、病名もれ、無駄、コスト、アクセス、クォリティ
日本の医療には無駄が多い。
医療費請求には不正がある。
不正の額は年間 9 兆円に上る。
日本の医療費 30 兆円は、国家予算の 3 割以上の規模だ。
国の財政赤字は、毎年 30 兆円だ。
これは大変だ。ならば医療の無駄と医療費の不正を無くさなければ。
主に野党政治家、財務省や厚生労働省、小泉政権以後の政府与党中枢、財界、健康保険組合、労働組合、こういった領域の人たちの多くは、こう信じているようだ。
政財官に労働組合と来たら、子供と引退した高齢者以外の日本人の大部分ではないか。医療職従事者はこの中には入っていない。医療職従事者以外の日本人全員が、医療職従事者 ( この場合は医師 ) を指弾している。医療機関に安く受診でき、保険料負担を減らし、国の赤字を削減するために。
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果たして、日本の医療には無駄が多いのか。
日本の医療システムは、その効率の良さと相まって、WHO から 1 位にランクされた。G7 7 カ国中、対 GDP 比で最低の医療費、OECD 参加国中 17 位の低医療費。
国民皆保険で、アクセスは保証され、コストは安く、クオリティはまあまあ、世界トップレベルの医療を健康保険で安く受けることができるものも多い。
全く無駄がないとは言わないが、既に、かなりの無駄が省かれているように思える。
日本の医療のアクセス、コスト、クォリティのよさは、これまで医師の労働法規無視の働きによって支えられてきた。これ以上無駄を省いて医療費を削減しようとするのは、栄養不良なのにさらにダイエットをするようなものだ。
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果たして、医療費の不正請求は 9 兆円もあるのか。
この 9 兆円という数字は、雑誌「世界」が 1997 年、厚生省の元指導医療官に取材した際、この元指導医療官の個人的な印象として語られた数字である。それが各メディアに取り上げられ、一人歩きし、国会の場でもこれがあたかも本当の数字、公式に数字のように語られた。
この元指導医療官が語った 9 兆円には、受給資格喪失、過誤などや病名漏れでのレセプトの返戻、診療報酬点数表の解釈の違いによる減額などが含まれていると考えるが、それでも桁が大違いである。
不正請求として表面化するものは、だいたい年間 60 億円前後のオーダーである。これは氷山の一角と見る人もいるだろうが、数億円単位の不正は、レセプト審査や医療監査で発見しやすい。大体は医師、看護師の定数や施設基準の問題である。昨年、北海道や東北地方の公立病院が、何件か処分されたものがこの例である。
9 兆円もの不正を働こうと思ったら、25 万人いる全国の医師が、毎日、どれだけの患者さんに対して不正を働かなければならないか、考えてみたらよい。薬や検査の不正はそんなに高額なものにならない。血液検査で 10 数項目の検査をして数千円レベルのものだ。
不正請求が発覚して行政処分を受ける医師の例の多くが、数十万円から数百万円の単位である。それで 2 年間の保険医停止となる。それがどれだけのダメージになるか。100 万円単位の不正では割にあわないわけだ。大多数の医師は、不正を働こうとは思わない。
受給資格喪失、過誤などや病名漏れでのレセプトの返戻、診療報酬点数表の解釈の違いによる減額などは、件数、金額が把握されていて、年間 3,000 億円前後の数字という。これらには医療機関に責任がないものが多数含まれる。
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医療費 30 兆円が国の予算の 3 割以上を占めているのか。
簡単に言うと、医療費 30 兆円のうち、国庫負担分は 8 兆円である。医療費 30 兆円が国の財政を破綻させる、という主張をしたい人が、よくこの数字を使う。
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参考リンク
医療制度を考える部屋
医療費の大半は少数の患者で使われています
高額医療と救急医療への提言
日本の医療費の実状
小泉改革
参考資料
国民皆保険 13 / 不正資料 1
国民皆保険 13 / 不正資料 2
国民皆保険 13 / 不正資料 3
国民皆保険 13 / 不正資料 4
国民皆保険 13 / 不正資料 5
国民皆保険 13 / 不正資料 6