国民皆保険 12 / マサチューセッツ州の皆保険資料
Posted by guideboard on 2007/10/08/Mon
米国マサチューセッツ州で、全州民を医療保険加入させる制度の続報。
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神戸新聞 2006.6.18
ほころぶブッシュ政権
06 米中間選挙 5
医療皆保険 マサチューセッツ州
独自制度 州越えて波紋
今年四月マサチューセッツ州議会で成立した法律を、米主要紙はこぞって「歴史的」と報じた。補助金や罰則を駆使して全州民に医療保険加入を求め、事実上の「皆保険」を目指す全米初の制度導入だったからだ。
米国の公的保険は高齢者と限られた低所得者層だけが対象で、大半は民間保険が頼り。医療費高騰で体力のない企業が次々と補助を打ち切る中、保険に入れない無保険者は全米人口の16%、約四千六百万人(二〇〇四年)に膨らんだ。
州都ボストン郊外のプロテスタント教会に通う、母子家庭のベラ・カーターさん(五四)もつい最近まで、約五十五万人とされる同州の無保険者の一人だった。二万ドル(約二百三十万円)の年収は低所得保険(メディケイド)の上限を超えていた。糖尿病、高血圧、高脂血症の薬代毎月約三百ドル(約三万四千円)を苦労して支払ってきたが、新法で社員に保険を提供しない企業は罰金の対象になることが決まると、勤め先は急きょ、ベラさんに保険提供を申し出た。
五年前に脱サラで無保険になり、糖尿病のインスリン注射などの継続的負担に悩んできたピーター・ブルックさん(四五)も、新制度下では州の補助金で安く保険に加入できる見通しだ。無保険者の苦しみを議会やマスコミに訴え、強力な運動を展開してきたハーマン・ハミルトン牧師(四一)は「ともかく大きな前進だ」とうなずいた。
無保険者問題は高騰が止まらない医療費と並ぶ米医療制度の二大 ” 病巣 ” の一つ。クリントン政権一期目でヒラリー夫人を中心に皆保険を目指したが「大きな政府」を嫌う共和党と、民主党の対立激化の中で失敗した。
ブッシュ政権は医療費貯蓄の免税などに取り組むが、イラク戦争と巨額の財政赤字で抜本的な対策はとても打ち出せない。そんな中メリーランドやハワイなど、無保険者を減らす新制度を導入する州が増え始めていた。
州法成立過程を迫ってきたマサチューセッツ大のジェームズ・リー准教授は「さまざまな要因が作用して、通常なら対立する同士が同じテーブルに着いた」と話す。〇八年の大統領選出席をうかがう共和党のロムニー知事が、最大の好機とみて「飛び乗った」のも大きな要因との指摘もある。
「この法律を別の州がすぐに導入するのは難しいかもしれない。だが医療保険制度の議論を全米で再び巻き起こすのは間違いない」とハミルトン牧師。波紋が今後どう広がるか、政治関係者はかたずをのんで見守っている。
(ボストン共同)