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JBM / ガリレオ裁判 3

Posted by guideboard on 2007/10/07/Sun

本記事の原典は、2006 年 8 月 3 日、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/09/_3_bdfe.html にアップされた。原典は削除された。


キーワード
医療訴訟、医事紛争、医療事故、医療過誤、医療ミス、科学、裁判、テオフィリン中毒、出血性ショック、亀田総合病院事件、敗訴

本件では、病理解剖がなされていた。それが学会発表されていて、死因がそれからも判断できる。

亡くなった患者さんとそのご家族の残念な気持ちは察するにあまりある。心からの哀悼の意を捧げたい。

多分、ほとんど全ての医師は、自分の努力で患者さんを救えなかったことを、心底悔やむ。自分の無力さを見せつけられて、打ちのめされる。だが、科学の視点を見失ってはいけない。落ち込んだままではいけない。次の患者さんがいるのだ。

真実の科学的究明は、過去から現在まで、医学の発展の基礎だった。そのおかげで現在の医学の恩恵を受けることができるのだ。そして現在も、真実の科学的な究明が、将来の人類に福音をもたらすのだ。

—–

本件は自殺企図だったという。学会発表抄録からもそれと分かるし、某所にはマスコミ方面からもそのようにも伝わっている。警察は、死亡した患者の自宅の家宅捜索を行ったという。

急激なテオフィリン血中濃度の上昇に引き続く、多臓器不全・DICだったのだろう。

血尿とされているのは、ミオグロビン尿も併存したか、腎実質からの DIC による出血であったかもしれない。テオフィリン中毒で痙攣は続発するだろうし、痙攣とともにミオグロビン血症・尿症も起こるだろうし、高カリウム血症もあっただろう。後腹膜血腫は DIC とともに起こり、出血性ショックというよりも DIC と多臓器不全による死亡ではなかったのか。

ブラッドアクセスのカテーテルは、活性炭吸着の時点で血管損傷を起こすことなく挿入されていた。DIC の際には、明らかな血管損傷がなくとも、様々な部位からの滲み出るような出血が起こり、それが止まらない。DIC に続発する後腹膜血腫は知られている。判決でも血管損傷の部位、原因には言及していないようだ。当然、静脈穿刺部分は、カテーテルを挿入したその血管壁とカテーテルの間のミクロン単位の隙間から出血し、それが止まらなくなる。出血源は、単独の一部分の血管損傷ではないのだ。

元日、亀田総合病院に本件患者が搬送されてきたとき、各科専門医に招集がかけられたと伝え聞いている。活性炭吸着の後血液透析まで準備し、人工呼吸を行い、大量の輸血を行った。おそらく当時、この病院の複数の医師が、救急、集中治療、透析、血液など各科の専門医が主治医とともに治療に当たったであろう。医師以外でも、薬剤部門、臨床検査部門もフル稼働で薬の払い出しを行い、検査を繰り返し、輸血の準備に追われただろう。これは一つの病院の総力を挙げた戦いであったことだろう。

亀田総合病院は、一地方の私立病院だが、その規模とスタッフは地方大学医学部附属病院を凌駕するほどのものだ。大学病院では、各科の専門医が素早く集まるような体制はなかなかない。残念ながら亡くなった患者さんは、おそらくは、日本で最高の医療を受けたはずだ。どこに瑕疵があったのだろうか。どこが過失だったのだろうか。

院内で剖検を行っている。詳細な検証を加えたはずだ。そして、それを総括し、反省して将来に活かすために、他の多くの医師に知らしめるために、学会で発表した。

ここまで真摯に取り組んだのだということが、この短い学会発表の抄録から読み取れる。一人の救急外来担当医が静脈穿刺を仕損なって患者を死なせたというような、単純な図式ではない。

第 13 回日本アレルギー学会春季臨床大会
会期 : 2001 年 5 月 10 日 ( 木 )、11日 ( 金 )、12 日 ( 土 )

http://square.umin.ac.jp/allergy-2001s/

テオフィリン中毒で死亡した 1 喘息剖検例

2000/12/28の血液中のテオフィリンは検出限界以下
2001/1/1早朝嘔気にて来院。血清テオフィリン濃度が103μg/ml

腎臓内科の協力にて吸着を開始したが 、途中で活性炭カラム内が2回凝血したので通常の血液透析の準備を行っているうちに痙攣が発症した。経鼻的に気管内挿管し呼吸器を装着したが、この時点から採血直後に凝血する現象が始まり、次いで著明な肉眼的血尿とともに採血部位からの持続出血が始まった。この時点でAPTT 73.2秒と延長、FDP 39.6 μg/mlと上昇が認められたが血小板数は35万/μlあった。

剖検では後腹膜腔への出血と肺鬱血が目立つ所見

私には、専門外でしかも乏しい情報だけではあるが、法が科学を曲げたようにしか見えない。

参考資料

JBM / ガリレオ裁判 3 資料

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