JBM / 安全のためには 1 / 航空機事故調査委員会
Posted by guideboard on 2007/10/06/Sat
本記事の原典は、2006 年 2 月 28 日、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/02/post_0308.html にアップされた。原典は削除された。
キーワード
医療、航空、航空機、鉄道、船舶、海難、海運、海事、事故、安全、再発防止
先進諸国の航空機事故への取り組みから考えてみる。
人もシステムもエラーが発生することを前提に、何重にも安全システムを構築しておく。事故が起こったら、システムのどこに原因があったかを調査して改善する。
人間の不注意、ミス、その他人的要因に起因するもの、すなわちヒューマンエラーも、それが発生する原因があるはずだから、原因を究明して改善する方が、ミスを犯した人間を罰するよりも、事故再発防止に資するのである。ミスを処罰するだけでは事故は減らない。
日本はまず人を処罰する傾向が強い。日航機ニアミス事故でも着陸した旅客機の操縦室には、警視庁捜査員が真っ先に飛び込んだ。事件として捜査し被疑者を刑に処す、この考え方ではいつまでたってもシステムは改善されない。
当時の日航のパイロットへのアンケートでは、大多数の乗員は、907便の機長の判断・操作について「自分も同様の操作をしただろう」、「これで刑事責任を追及されるとなれば、今後の安全阻害要因になる」と考えている。
さらに、このような状況の中で、機長を初めとする関係者の刑事責任が追及されるのであれば、今後、運航の現場に心理的な悪影響を及ぼし、一瞬の判断が必要な緊急事態において、それを躊躇させ運航の安全に致命的な問題を惹起しかねないことを憂慮するとコメントされている。
( 下記参考資料参照、日航機長組合による )
処罰する方もシステムを維持する方も、ミスを犯した人間を処罰するだけなら簡単に済む。それで済ましてしまえば楽だ。システムとして改善に取り組むということは、努力が必要だし、コストもかかる。しかし安全を確保するためには払わなければならない対価である。
医療は、航空機の運行以上に、個々の事例で不確かである。人的エラー、システムの欠陥、不可抗力、自然の摂理までが様々に現場で絡まり、医師はそれを巧みに回避し続けている。そのエラーに対する解決法が個人の処罰で終わってしまうのなら、現場で日々刻々と起こっている問題は何も解決されない。
さらにそのコストを削る行為はどういう結果を招くか、自明である。
参考資料
JBM / 安全のためには 1 / 航空機事故調査委員会資料