小泉改革 13 / 郵政民営化 5 / 各国郵便事情
Posted by guideboard on 2007/09/30/Sun
2005 年 8 月 21 – 22 日、メモしておいたものを残しておく。
民営化したドイツ、イギリス、ニュージーランド等の国では、民営化に際し郵便料金は上がり、結果としては失敗に終わっているのだそうです。
米国、フランス ….. 国営 ( 公社 ) のまま
イギリス、ドイツ、ニュージーランド、スウェーデン ….. 民営化して X
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米国
USPS – The United States Postal Service
米国郵政公社
http://www.usps.com/
70 万人の国家公務員を抱えている。
かつて郵便貯金の制度が存在したが廃止された。
米国の銀行では、口座維持手数料を設けることが一般的で、低所得者層を中心に金融機関に口座を持っていない人が少なくない。
低・中所得世帯の 25% ( 1,100 万世帯 ) が非保有。
1999 年から、政府の補助金で郵便局に民間金融機関の ATM を設置するプロジェクトが進行中。
3 年前の大統領諮問委員会
「郵便は引き続き公営、公務員でやる事が米国にとって最適である。」
2003 年 7 月 31 日、大統領の郵政公社諮問委員会の報告書
「ユニバーサル維持は国営でしかできない」
公社のままで全国一律サービスを維持する方針を決定。
ラニオン USPS 総裁
( フォード自動車の元副社長、全米の最高民間経営者賞受賞者 )
「広いアメリカのハワイからフロリダまで、ニューヨークからワシントンまで、どこへ出すにも同一料金 ( 30 円ほど ) で出せる郵便はがきの仕組みは、公営でなければ維持出来ない。
アメリカ人は歴史的に民営化が好きだが、郵便を民営化するべきだ、との声は聞こえてこない。
大切な事は公営で質のよいサービスを提供し、経営の効率化を図る事ではないか。」
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イギリス
政府経営のロイヤル・メールを民営化した。
郵便事業は、窓口会社、郵便会社、小包会社といったように分割されている。
貯金事業は独立行政法人のナショナルセービングにより運営される。
ナショナルセービングは店舗を持たず郵便窓口会社に業務を委託する形をとる。
ロンドン、マンチェスター、リバプールなどの都会では、市内のコンビニエンスストア形式の個人経営による雑貨店が郵便局の窓口としてライセンス契約に基づき郵便事業を取り扱うが、これは大都市圏のみに見られる。
2002 年 3 月、ロイヤル・メールが赤字克服と利益向上を理由に全国 9,000 局のうち都市部の 3,000 局の閉鎖と合計 4 万人の人員削減を含む 3 カ年計画を出し、昨年 11 月 1,400 以上の郵便局と35,000人の職員が削減された。
しかし、郵便料金体系や新規参入の完全自由化は 2007 年まで延期。
過疎地域における郵便局の財源確保の為に、ブレア首相は昨年 1,250 億円の政府支援を決めた。
1980 年代から民間金融機関の金融排除が深刻化し、社会問題化
全世帯の 7% ( 150 万世帯 ) が銀行口座非保有。
ブレア首相の諮問を受けた内閣府特命チームの調査レポート
2000 年 2 月
- 全国に展開する郵便局がコミュニティで果たす重要な役割を評価
- 郵便局で基礎的な金融サービスを提供し、金融排除に取り組むべき
上記の提言を受け、郵便局で 2003 年 4 月からユニバーサルバンクのサービスを開始。
ロイヤル・メールは一度やめた金融事業に再参入、民間銀行と提携。
英国のユニバーサルバンクサービスとは、
- 郵便局「郵便局口座」(給付、年金の受給及び現金の引き出しのための郵便局のみで利用できる口座)を導入
- 13の銀行等が基礎的銀行口座を無料で郵便局において提供
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フランス
公法人形態を堅持、昨年、国営の保険事業をスタート。
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ドイツ
郵便の自由化は段階的、かつ、コントロールした形で実施、
郵便事業の完全自由化を見送り。
1990 年、郵便と貯金の一体運営を分離、特殊会社化。
( 郵便と貯金に分けて民営化 )
2008 年の完全自由化まで 18 年かけて段階的に移行。
ポストは民営化したものの、100 グラム以下の郵便に関しては独占権が認められている。
2006 年から 50 グラムに。2008 年から完全自由化を予定。
ただし、完全自由化でも、ドイツ・ポストのシェアは、92% 程度を確保する見込み。
また、民営化後郵便(ドイツポスト)と郵貯(ポストバンク)は別々に運営されていた。
ポスト・バンクは、不採算地域の郵便局から撤退し、都市部に独自窓口設置。
スーパー等に無人 ATM を設置して対応していることもある。
そのためもあって、利用者の少ない郵便局の廃止が進んだ。
全国約 3 万の郵便局があったが、約 1 万 3 千に減少し、かつ直営の郵便局はわずか 5 千となった。
これが社会問題となり、政府は郵便局を 1 万 2 千局以下にしてはならないとの政令を作らざるを得なくなった。
なお、ドイツの場合地方自治体が運営する貯蓄機関が存在していることもあり、郵貯のシェアは日本ほど高くはない。
ドイツポストバンク(郵貯事業)が85%の郵便局からの離脱を示唆し、ドイツポストとドイツポストバンクの争いに発展。
政府仲介により、ドイツポストバンクを子会社化、1999 年、再び一緒に経営されることになり、窓口ネットワークと金融サービス分野を再構築。
ポストバンクの株式の50%以上を政府が保有していたのでこれができた
ユニバーサルサービスの明確な定義付けと確保策
2002年にユニバーサルサービス令を施行。
全土に最低12,000の郵便局設置を義務づけ。
人口2000人を超える自治体には最低1局の設置。
だれでも2km以内でアクセス可能が基準。
雇用・社会的諸条件への配慮
経営事情による解雇禁止を労働協約化。公務員年金の請求権を国が保障。
参入業者に免許を付与する場合、その労働条件をチェックし、ソーシャルダンピングを禁止する。
民営化を実施したベーチェ元郵政相
「分割しても過半数の株式は絶対に政府が保有しておかなければならない」
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スイス
連邦政府郵政省による運営。
ユニークなものとしては郵便バスの存在があげられる。
これは、郵便物をバスで輸送し、そのバスに一般の乗客も有料で乗車できるというものである。
なお、民間に委託されている路線も一部存在する。
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ニュージーランド
1987 年に郵政事業民営化
NZポストとポストバンクに事業分割され、
それぞれ政府保有の特殊会社となった。
その後、ポストバンクは1989年にANZ銀行に株式売却、1994年には同銀行に吸収合併された。
次第に郵便局の統廃合が進んでいった。
郵便局数は、1987年に1244局あったものが、1995年には237局に減少。
サービス低下に国民の不満が噴出。
貯金部門については外資 ( オーストラリアの銀行 ) に売却したものの、手数料値上げや相次ぐ支店閉鎖、特に郡部においては十分な金融サービスが提供されなくなったことに対する国民の批判が高まり、政治問題に発展。
2002 年2月、政府が資金を拠出してNZポストの銀行子会社(キウィバンク、国営金融機関)を設立し、郵便局における金融サービスの提供を開始。
2003 年 7 月現在、全国 287 局でサービス展開中。
金融商品としては送金決済サービスのほか、若年層を対象にした手数料無料の貯蓄口座や、住宅ローンなども提供している。
キウィバンクのコンセプト
- 個人専門の金融機関
- 全国の郵便局窓口でサービス提供
- 手数料を他の金融機関より低い水準に設定
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スウェーデン
ポストバンクは、ノリアルバンクという破綻しつつあった民間銀行に譲渡。
ノリアルバンクは郵便局でなく、独自のネットワークをつくるようになり、結局、郵便局のネットワークが3分の2閉鎖されるということになった。
スウェーデンの、特に地方に住んでいる人たちが大きな打撃を受けた。
例えば、年金を受け取るのに郵便局を使っていた人たちは、今、全く金融サービスにあたるものを受けれないでいる。
スウェーデンの国民は、郵便局も利用できない人が多くなってしまった。
(マーク・J・シャー元国連上席調査研究員)
ストックホルムでは、通信のユニバーサルサービスを確保するべく規模の大きい集配局は維持されていた。
スウェーデン全国で、本来国民へのサービスとして国が担当していた郵便局の民営化により、合理化と利益追求を理由に、全国各地の郵便局支店の閉鎖が続いている。
支店を閉鎖された地域に住む高齢者、身体障害者たちは、郵便局支店のある次の町まで、バスや電車で行かなくてはならない。
数年前までは、スウェーデンの公共サービスは素晴らしいと国民から好評であった。これらのシステムは現在では昔話となっている。
参考資料
社団法人神奈川県産業貿易振興協会 米国郵便事情 PDF 680KB