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日本医師会 / 執行部の頭脳 3 意見広告

Posted by guideboard on 2007/09/25/Tue

本記事の原典は、2007 年 3 月 21 日、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2007/03/post_d5ea.html にアップされた。原典は削除された。


キーワード
日本医師会、日医、新聞、意見広告

2007.3.19 – 3.20、全国紙に日医の全面の意見広告が載った。

文字で書かれていることは、これまでの日医では考えられないような、医療制度の危機に触れ医師側が抱いている危機感を表現し、これを読んだ医師が多少はうなづけるものであった。

ところが、小さい文字が並んでいるだけで、これでは読む人が少ない。読んでも理解されにくい文章。危機感を持っている人にしか伝わらない危機感。医療制度の崩壊の危機を感じている国民はまだ少数だ。若くて健康に働いている大多数の人にとっては、医療制度なんてどうでもよいものだ。

まだこれでは国民に伝わらない。

イメージが大切だ。文言は短く、医療現場の危機感あふれる写真とともに、50 字程度で主張する。それを 3 – 4 コマ作って配置すればよい。救急救命センターに患者を運び込む瞬間の写真、深夜でも明かりの消えない ICU、ぼろぼろの建物と待合室には高齢者しかいない僻地の小さい病院。そういうシチュエーションで働いている医師の憔悴し切った表情。こういう写真とともに、危機感をあおる短い文言を並べるのだ。

医療崩壊は既にまっただ中であることを示す全国の医療崩壊マップも付ければよい。診療科を閉鎖した病院のリストを、名称を伏せてでよいから医療崩壊マップの日本地図の横に並べる。○○市 A 病院産科何月何日閉鎖、というのが 100 も 200 も並ぶのだ。これは読めなくてよい。たくさんあると分かればよい。

そして最後に必ず必要なシーン。赤ちゃんを抱いた母親を見守る医師と看護師の姿。ここに、「私たち日本医師会は、医療の未来を守っていきたい。」のフレーズを入れる。

突っ込みどころは、「医師数の格差」の文言を入れているところ。これは不要だ。日医が政府厚労省の代弁者だということを示している。

この新聞広告が、

  1. 国民に日医への理解を求めるためか。
  2. 医師向けのポーズでガス抜きなのか。
  3. 政府に医療政策を働きかけていくための戦略の一つなのか。
  4. マスコミのスポンサーとなることで日医たたきの圧力を減らすためなのか。
  5. 先日、週刊誌で叩かれていたような、日医幹部と某新聞社社員との不透明な関係が成せるものなのか。

私は、邪推だが、主な目的が 2. で、バックには 5. があるのではないかと思う。前回の青一色の小さい文字ばかりの広告と、デザインコンセプトが同じだ。

ダメだ。

朝日新聞 2007.3.19 10 版 15 面 ( 大阪 )

今、日本の産婦人科・産科の半分は、
お産を受け入れられない、という事実があります。*1

地域の産科が、次々と閉鎖に追い込まれています。
それにより、将来 50 万人の「お産難民」が発生する可能性があります。

「休日・夜間急患センター」を訪れる救急患者の 50% 以上は、
赤ちゃんや子どもたちです。*2
しかし、夜間に子どもを連れていっても小児科医がいない、
という事態が今、全国各地で起きています。

こうした問題の要因として考えられるのは、
まず、地方と都市部において、
医師数に格差が生じていること。
さらに、日本は人口 1,000 人当たりの医師数が、
先進国中、最も少ない国であること、*3
などがあげられます。

国は、5 年後の平成 24 年 3 月末までに、
全国に現在 38 万床ある「長期療養者のためのベッド」を、
半分以下の 15 万床まで削減する方針を打ち出しています。

それにより、退院を余儀なくされる「医療難民」が、2 万人。
在宅や施設での受け入れすら困難な「介護難民」が、4 万人。
計 6 万人の「難民」が発生するおそれがあります。*4

WHOから「健康達成度世界一」 *5 と評価されてきた日本の医療は、
今や、崩壊に向かっています。
この国の医療が抱える危機を、乗り越えるためのタイムリミットは、
刻々と近づいています。
あなたとともに私たち日本医師会は、医療の崩壊を食い止めたい。
医療の未来を守っていきたいのです。
あなたの声を、ぜひ、私たちにください。
私たちは、みなさんのご意見を、国に訴えかけてまいります。

日本医師会
〒 113-8621 東京都文京区本駒込 2-28-16
www.med.or.jp FAX : 03-3942-7036

*1 平成 17 年度厚労省発表「医療施設 ( 静態・動態 ) 調査・病院報告」の概要
*2 日医雑誌 第 134 巻・第 5 号 / 平成 17 年 8 月
*3 OECD Health Data 2006
*4 日医ニュース 第 1085 号 / 平成 18 年 11 月 20 日
*5 WHO ( 世界保健機関 ) The World Health Report 2004, 2002

日医ウェブサイトに挙げられているリンク

  1. 「将来50万人の『お産難民』が発生する可能性があります」日本産婦人科医会HP http://www.jaog.or.jp/News/2007/31Jan2007.pdf
  2. 『日医雑誌』第134巻第5号 H.17.8
    「小児救急が問題となる社会的背景」田中哲郎:国立保健医療科学院生涯保健部長
  3. 人口1,000人当たり医師数の国際比較(2004年) (OECD Health Data 2006 から作成)
  4. 日本医師会「療養病床の再編に関する緊急調査」結果
  5. 日本医師会『世界トップレベルの医療を提供するために』

参考資料

日本医師会のウェブサイトの記事、新聞の意見広告について ( 意見広告 印刷用 pdf 637KB )

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PDF 保存 640KB

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