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転送妊婦死産流産報道事件 2 資料

Posted by guideboard on 2007/08/30/Thu

» 転送妊婦死産流産報道事件 2

読売新聞 2007.8.30

妊婦死産、かかりつけ産科医なく搬送先決定遅れる

出血などの症状を訴えた奈良県橿原市の妊娠中の女性(38)を受け入れる病院が見つからず、死産した問題で、女性にかかりつけの産科医がいなかったことがわかった。医師から要請のあった妊婦については受け入れ病院を探す仕組みがあるが、今回は、消防が各病院に直接受け入れを打診せざるを得ず、搬送先の決定に時間がかかったとみられる。奈良県は「かかりつけ医のいない妊婦の搬送は想定外」とし、制度上の不備がなかったかどうか検証する。

奈良県によると、危険な状態にある妊婦らを対象にした周産期医療ネットワークがあり、県立医大病院などを窓口に受け入れ先を探す。新生児集中治療室などを備えた43病院がパソコン端末で空床状況などを共有する大阪府の「産婦人科診療相互援助システム(OGCS)」に協力を求める仕組みもある。しかし、原則として、かかりつけ医の要請に基づく病院間の転送に限られている。

女性にはかかりつけ医がいなかったため、救急要請を受けた橿原市の中和広域消防組合は、こうしたシステムとは別に受け入れ先を探した。同県立医大病院に要請したが、多忙などを理由に断られ、大阪府内の各病院へ連絡。10か所目の高槻市内の病院がようやく応じた。この間、女性は救急車内で待機させられた。

救急車は同市内で事故を起こし、病院到着は119番通報から約3時間後だった。女性は当初、妊娠3か月で事故直前に流産したとされていたが、病院の診断で妊娠7か月とわかったという。

消防の受け入れ要請を受けたOGCS加盟の大阪市立総合医療センターは「OGCSを利用した転搬送であれば受けられると回答した」と説明している。

この日、記者会見した奈良県健康安全局の米田雅博次長は「かかりつけ医のいない妊婦への対応策を検討していきたい」と述べた。

(2007年8月30日 読売新聞)

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読売新聞 2007.8.30

救急搬送中の妊婦死産、厚労相「省として検証、措置とる」

舛添厚生労働相は29日夜のNHKの番組で、受け入れ病院が見つからず、救急搬送中の妊婦が死産した問題について、「厚労省としてきちんと状況を検証して、しかるべき処置をとりたい」と述べ、調査に乗り出す考えを示した。

番組終了後、舛添厚労相は記者団に対して、「(奈良県では未整備の)総合周産期母子医療センターの整備を早めるなどの処置が考えられるが、まずは状況を把握したい」と語った。

(2007年8月30日2時4分 読売新聞)

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asahi.com 2007.8.29

11病院拒否 妊婦の悲劇教訓生きず 救急システムに穴

2007年08月29日

お産の医療現場で悲劇は繰り返された。29日朝、奈良県橿原市の妊婦(38)が病院に相次いで受け入れを拒まれて胎児を流産した事態の始まりは、昨夏にも妊婦が死亡したのと同じ県内で起きた。行政が主導する産科医療の受け入れシステムは機能せず、近畿の広域連携の仕組みも構想の途中だった。関係者は「一刻も早く解消を」と訴えた。

奈良県橿原市の中和広域消防組合に、同市のスーパーから男性の声で119番通報があったのは29日午前2時44分。「妊娠している。下腹部が痛いと言っている」

8分後、救急隊員3人を乗せた救急車が到着し、店内のベンチに横たわっていた女性を収容。1キロ余り離れた市内の県立医大病院に受け入れを求めたが、同病院からは別の妊婦を受け入れたばかりとして断られた。

消防は県のインターネットシステムも使って受け入れ産科を調べたが、県内の医療機関はいずれも「不可」。大阪府内の病院に協力を求めた。

府立母子保健総合医療センター(和泉市)には、午前3時17分ごろに電話が入った。同センターは高度医療を行う「総合周産期母子医療センター」で、一般救急は原則として受け入れていない。電話交換業務を請け負う業者の担当者が「紹介型病院なので、一般救急は受けていない」と答えると、「それなら結構です」と電話は切れたという。

ただ当時、センターには空き病床があった。牧野幸雄・事務局次長は「救急搬送を受け入れるかどうかは最終的には当直医の判断。消防側からどうしても、と強く言われて電話をつなげば、受け入れられた可能性もある」と話した。

府内のほかの7病院からも処置中や満床を理由に断られ、最後に高槻病院(高槻市)が受け入れ先に決まったのは、救急車の現場到着から約1時間半後だった。

奈良県には二つの救急搬送システムがある。救急が一般の救急患者の受け入れ先を探す「救急医療情報システム」と、医療機関がハイリスクの妊婦や新生児を別の医療機関に搬送する「周産期医療システム」だ。「周産期医療」では、県立医大などの基幹病院が窓口となって受け入れ先を探すため、比較的見つかりやすい。だが今回は救急からの通報だったため、「ハイリスク」の患者と認識されず、消防が単独で受け入れ先を探すことになった。同消防組合は「周産期医療システム」を知らなかった。

県内では昨年8月、大淀町の町立大淀病院で出産中に意識不明となった高崎実香さん(当時32)が、やはり奈良と大阪の19病院に転院の受け入れを断られた末に死亡する問題が起きている。

県はその後、県立医大病院内に、リスクの高い妊婦や新生児を対象に高度医療を行う「総合周産期母子医療センター」の開設を進めてきたが、開設時期が来年1月から同5月にずれ込んでいた。県健康安全局の米田雅博次長は29日午後に記者会見を開き、「反省点としてすぐに検証していきたい」と話した。

一方、大阪府には「産婦人科診療相互援助システム(OGCS)」というネットワークがある。府内の41病院がベッドや集中治療室の空き情報などをパソコンで共有し、他府県からの照会にも答えている。だがこの仕組みは、リスクの高い周産期の患者を対象にした病院間の2次救急援助システムで、消防からの救急搬送は想定していない。

事故を受けて、厚生労働省から「奈良から直接情報を閲覧できるか」と問い合わせがあったが、府は「関係機関と調整しないとできない」と回答したという。

また、近畿2府4県などは今年3月、「近畿ブロック周産期医療広域連携検討会」を発足させた。2次救急の搬送先が地元で見つからない場合、他府県で迅速に搬送先を探せるルールづくりを9月中に行う予定だが、そのさなかに事故は起きた。

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nikkansports.com 2007.8.30

死亡妊婦の夫、行政の対応に怒り

「何も変わっていない」。昨年8月、奈良県大淀町の病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、約20の病院から転院を断られ死亡した高崎実香さん=当時(32)=の夫晋輔さん(25)は29日、奈良県の女性(38)が同様の対応を受け、搬送中に流産したことに怒りをあらわにした。

晋輔さんは「行政は最初だけ(批判を)避けるように『対策を取ります』と言うが、結局何も実行していない」と指摘。「問題を真剣に考えていなかったのだろうというのが悔しい」と語気を強めた。

実香さんは約20の病院で転院を断られた後、最終的な転院先で手術し男児を出産したが、約一週間後に死亡した。

[2007年8月30日11時54分 紙面から]

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Sankei WEB 2007.8.30

奈良県の「ドクターバンク」、いまだ登録医ゼロ 産科・小児科 不足解消遠く

奈良県橿原市の妊婦(38)の受け入れ先病院探しが難航した問題で、同県が今年度スタートさせた産科や小児科の医師OB登録の「ドクターバンク」制度が、いまだ登録ゼロで機能していないことが30日、分かった。また、計3回にわたり受け入れ要請を断った県立医大付属病院(同市)ではベッドが1床空いていたにもかかわらず、医師が別の患者の処置に追われて受け入れられなかったことも判明した。

奈良県の「ドクターバンク」制度は、高崎実香さん=当時(32)=が昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院から転院を断られた末に後日死亡した問題を教訓として整備された。

奈良県外の医療機関で働く県内出身者の医師や、県立病院を出産や定年で退職した医師OBなどに事前登録してもらい、県内の主に産科や小児科、僻地(へきち)の医療機関で働いてもらう制度で、今年4月に発足。県医務課の職員が、全国各地の医師会や県人会などに足を運び、登録を呼びかけた。

しかし、退職した医師に接触を試みたくても、医療機関などから「個人情報保護」などを理由に退職医師の名簿提出を拒まれるなど、作業は難航。現時点で接触できた候補者は1人もいないという。

同制度は他府県でも例があり、医師不足が深刻な産科や小児科の医師の登録をすすめているが、登録する医師がほとんどいないのが現状だ。

一方、県などによると、今回の問題で最初に受け入れを要請された県立医大付属病院では当時、当直医が2人いたが、1人は帝王切開を終えた術後の妊婦の経過観察に追われ、もう1人は通常分娩の妊婦が入院してきた直後だった。

中和広域消防組合橿原消防署から連絡を受けた同病院の事務職員は、通常分娩の妊婦を診ていた医師に打診したが、医師は「いまお産の診察中なので、後にしてほしい」と回答。事務職員は同署に「患者が入ったところ」として断ったが、医師はその後の県の聞き取りに「(受け入れ自体を)断る意思はなかった」と答えたという。

県の担当者は「産科医が多ければ、今回のような事態を防げたかもしれない。ようやく産科医確保に動き始めたばかりなのに…」と話した。

また、最終的に受け入れた病院などによると、妊婦は妊娠6カ月程度だったとみられ、胎児は死産だった。厚生労働省の規定では、妊娠12週以降に死亡した胎児を出産することを死産としている。

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