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Archive for August, 2007

転送妊婦死産流産報道事件 5 資料

Posted by guideboard on 2007/08/31/Fri

» 転送妊婦死産流産報道事件 5

奈良県の医療情報、空きベッドあるのに「受け入れ不能」

asahi.com 2007.8.30

奈良県橿原市の妊婦(38)が奈良・大阪両府県の病院に相次いで受け入れを拒まれ、救急搬送中に胎児を流産した問題で、県の救急搬送システム「救急医療情報システム」が最低1日2回しか更新されず、実態を反映していないことがわかった。宿直時は常に「受け入れ不可能」の表示にしている病院もあった。奈良県で妊婦の県外搬送が常態化している一因とみられ、医療関係者は早期の改善を求めている。

県救急医療情報システムは79年に稼働を開始。消防が患者の搬送先を探すため、登録された医療機関が患者を受け入れ可能かどうか、診療科目ごとにインターネット上で確認できる。各医療機関は、午前8時と午後5時に必ず更新することになっており、状況が変われば随時更新するよう、県から求められている。

午前9時半と午後6時には、県から委託を受けた県医師会職員らが、情報が更新されていない病院に督促の電話をかける仕組みだ。だが、リアルタイムに情報更新されないため、必ずしも実態が反映されていない。

搬送受け入れを断った奈良県立医大の場合、29日は午前2時の段階で2床空いていたが、同5時半には1人定員オーバーだった。ただ、システムはこの間ずっと「受け入れ可能」の表示だったという。

一方、ある県立病院では、宿直の間はシステムを「不可能」表示にしている。産科の医師は4人で当直は1人体制。担当者は「仮に空きベッドがあっても、通院患者以外の急患に対応できないから」と説明しており、病院によって判断に差がある実態も浮かんでいる。

同医大産婦人科の小林浩教授は「県立医大以外の病院は基本的に満床の表示だ。医大がいっぱいだったら、県外へ搬送することになる」として、システムが十分機能していないと指摘する。実際、奈良県の場合、リスクの高い妊婦の県外搬送率は、25・3%(06年)と他県に比べて高いという。

一方、妊婦を搬送した中和広域消防組合は、当時、県立医大以外の「受け入れ不可能」表示だった県内病院に、ベッドに空きがあるかどうか、電話確認をしていなかった。これに対し、県は「人が入力するものだから、表示だけで判断しないで電話確認をしてほしい」と協力を求めており、両者の連携は不十分なままだ。

同組合消防本部は、昨年の大淀病院での妊婦死亡問題の後、搬送受け入れ要請のスピードアップを救急隊員らに指導してきた。担当者は「システムが更新されていないわずかな可能性にかけて県内の病院にいちいち問い合わせるより、高速道路を通って大阪に行く方が早いという判断があった」と話す。

だが、同消防本部が今回、各病院に受け入れを求める際に伝えたのは、妊婦が下腹部の痛みを訴えていることや血圧、体温などの基本的な情報のみ。妊婦は妊娠してからの期間を把握しておらず、かかりつけ医もいなかったため、病院側に緊急性が伝わらなかった可能性もある。

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奈良県の周産期医療ネットワーク、態勢ない2病院含む

YOMIURI ONLINE 関西発 2007.8.30

体調不良を訴えた奈良県橿原市の妊娠中の女性(38)を受け入れる病院が見つからず、死産した問題に絡み、県が開設した高度な産科医療のできる「県周産期医療ネットワーク」に、医療態勢が整っていない2病院を含めていたことがわかった。県は「将来的に対象の妊婦を受け入れてくれる可能性があるため」と釈明するが、この2病院は約2年間もネットワークの画面に表示されたままで、周産期医療に対する県の取り組みの甘さが問われそうだ。

県周産期医療ネットワークは2005年7月に開設された。切迫流産など危険な状態の妊婦らを対象に、かかりつけの産科医がネットワークに表示された対象病院から受け入れ先を探すシステム。画面は、パスワードを入力すれば、閲覧できるようになっており、入院可能なベッド数や重症患者の受け入れ可能数などが表示される。

画面には現在、5病院が表示されているが、2病院のうち、一つは以前、受け入れ態勢が整っていたものの、2005年10月までに高度な産科治療を休止。もう一つの病院は元々、こうした受け入れ態勢はないが、県は「一般の集中治療室で受け入れてもらえる可能性がある」として表示したという。

前日の記者会見で、県は、同ネットワークの対象病院は5か所と説明していた。

一方、県は30日、かかりつけの産科医がいない妊婦でも、緊急時の受け入れ先病院を探索するシステムを活用できないかどうか、検証する組織を発足させることを明らかにした。

(2007年8月30日 読売新聞)

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奈良県の「ドクターバンク」、いまだ登録医ゼロ 産科・小児科 不足解消遠く

Sankei WEB 2007.8.30

奈良県橿原市の妊婦(38)の受け入れ先病院探しが難航した問題で、同県が今年度スタートさせた産科や小児科の医師OB登録の「ドクターバンク」制度が、いまだ登録ゼロで機能していないことが30日、分かった。また、計3回にわたり受け入れ要請を断った県立医大付属病院(同市)ではベッドが1床空いていたにもかかわらず、医師が別の患者の処置に追われて受け入れられなかったことも判明した。

奈良県の「ドクターバンク」制度は、高崎実香さん=当時(32)=が昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院から転院を断られた末に後日死亡した問題を教訓として整備された。

奈良県外の医療機関で働く県内出身者の医師や、県立病院を出産や定年で退職した医師OBなどに事前登録してもらい、県内の主に産科や小児科、僻地(へきち)の医療機関で働いてもらう制度で、今年4月に発足。県医務課の職員が、全国各地の医師会や県人会などに足を運び、登録を呼びかけた。

しかし、退職した医師に接触を試みたくても、医療機関などから「個人情報保護」などを理由に退職医師の名簿提出を拒まれるなど、作業は難航。現時点で接触できた候補者は1人もいないという。

同制度は他府県でも例があり、医師不足が深刻な産科や小児科の医師の登録をすすめているが、登録する医師がほとんどいないのが現状だ。

一方、県などによると、今回の問題で最初に受け入れを要請された県立医大付属病院では当時、当直医が2人いたが、1人は帝王切開を終えた術後の妊婦の経過観察に追われ、もう1人は通常分娩の妊婦が入院してきた直後だった。

中和広域消防組合橿原消防署から連絡を受けた同病院の事務職員は、通常分娩の妊婦を診ていた医師に打診したが、医師は「いまお産の診察中なので、後にしてほしい」と回答。事務職員は同署に「患者が入ったところ」として断ったが、医師はその後の県の聞き取りに「(受け入れ自体を)断る意思はなかった」と答えたという。

県の担当者は「産科医が多ければ、今回のような事態を防げたかもしれない。ようやく産科医確保に動き始めたばかりなのに…」と話した。

また、最終的に受け入れた病院などによると、妊婦は妊娠6カ月程度だったとみられ、胎児は死産だった。厚生労働省の規定では、妊娠12週以降に死亡した胎児を出産することを死産としている。

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「手回らず」と断る 奈良の妊婦死産で病院側

東京新聞 2007.8.30

奈良県橿原市の妊娠中の女性(38)が医療機関に相次いで受け入れを断られ、死産した問題で、医療機関側は30日、「分娩中で手が回らなかった」などと事情を説明、産科医の不足や施設の不備など医療現場での大きな問題点が浮かび上がった。

女性を搬送した救急隊員の意図がうまく伝わらず「症状が分かれば受け入れ可能だった」とする施設もあり、救急連絡の“不手際”も露呈した。

初めに受け入れ要請があったのは、橿原市の奈良県立医大病院。救急隊が29日午前2時55分から計3回連絡したが、急患の処置中で新たな患者への対応ができなかった。

近畿圏の「産婦人科診療相互援助システム」に入っている大阪市都島区の市立総合医療センターには、午前3時ごろ「産科はありますか」と問い合わせがあった。緊急を要する事態とは思わず、「初めての患者は受け入れていない」と答えると、「それなら結構です」と引き下がったという。

(共同)

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妊婦流産で搬送システム改善へ 奈良県が検討委を設置へ 

asahi.com 2007.8.30

奈良県の荒井正吾知事は30日夜の記者会見で、ハイリスクの妊婦や新生児の搬送先を探す「県周産期医療システム」を改善する意向を示した。病院や消防のほか、国や大阪府の担当者を交えた検討委員会を9月上旬にも立ち上げ、11月中に対応策を決める。

同県の周産期医療システムは、患者の症状を把握している産科医が県立医大付属病院などの基幹病院に相談し、搬送先を探す仕組み。今回の妊婦のように、かかりつけの産科医がいないケースは想定していない。このため、119番通報を受けた救急隊は一般の救急患者の搬送先を調べる「緊急医療情報システム」で受け入れ先を照会したが、各病院のデータ更新が滞りがちで、実際に受け入れ可能な病院もシステムの画面では「受け入れ不可」となっていた。

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2007/08/30-22:57 「断ったつもりない」=病院と救急隊、意思疎通不十分−妊婦死産・奈良

時事ドットコム 2007.8.30

奈良県橿原市の妊婦(38)を乗せた救急車が受け入れ病院を探すのに手間取り、妊婦が死産した問題で、最初に照会を受けた県立医大付属病院の産科医は「断ったつもりはなかった」と話していることが30日、分かった。同病院の産婦人科ベッドは1床空いていたが、救急隊は断られたと考え、別の病院を探したという。

県は近く、検討会議(座長・荒井正吾知事)を設置し、再発防止策を検討する。

県健康安全局によると、救急隊は29日午前2時55分に、妊婦を収容し同病院に電話で受け入れを打診した。しかし、この1分前に別の妊婦が入院。産科医は事務員に対し「お産の診察中なので後にしてほしい」と話し、事務員は救急隊に「手術になるかもしれない」と告げると、救急隊は電話を切った。産科医は県に「断ったという意識はなかった」と説明している。

救急隊は午前4時すぎ、同病院に再び照会。しかし、この直前に「大量出血した妊婦を受け入れてほしい」という別の電話があり、要請は受け入れられなかった。

さらに、同医大高度救急救命センターに電話したところ、「全身の状態はそれほど悪くない。別の病院で対応してください」と断られた。妊婦は大阪府高槻市の病院に運ばれる途中の同4時45分ごろ容体が変わり出血、死産した。

県は、救急隊と医師の意思疎通が不十分だった点や、救急医療情報システムで「受け入れ不可」と表示していた病院が相次いだ理由などを検証する。

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妊婦たらい回し 一刻も早い産科救急の整備を(8月31日付・読売社説)

読売新聞 2007.8.31

産科の緊急医療体制の欠陥がまた、悲劇を招いた。

奈良県の妊娠7か月の女性が大阪府の病院へ運ばれる途中、救急車内で死産した。九つの病院に受け入れを断られ1時間半も搬送先が決まらなかった。

奈良県では昨年8月、公立病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明になった妊婦が19病院に受け入れを拒否され、死亡している。

妊婦のたらい回しは、首都圏をはじめ全国で起きている。今回のような例は氷山の一角ではないか。一刻も早く、妊婦や新生児の緊急搬送システムを構築し、お産の安全を確立することが必要だ。

奈良県の妊婦は未明に出血した。通報を受けた消防は、奈良県立医大病院に受け入れを要請したが、宿直医が診察中などという理由で要請を3回断られた。

しかし、空きベッドはあった。なぜ受け入れられなかったのか。窓口の職員と医師が十分に意思疎通できていたのかどうか。仮に医大病院が無理だったとしても、消防と協力して、別の受け入れ先を探すことができたのではないか。

やっと40キロ離れた大阪府高槻市の病院を見つけたものの、搬送中の救急車が事故に遭い、到着は通報から3時間後になった。もっと早く搬送できていれば、胎児は助かったかもしれない。

奈良県や大阪府は、空きベッドの有無や医師が対応可能かどうかをパソコンで確認する産科病院の相互支援ネットワークを、それぞれ設けている。

だが、ネットワークは、病院間での搬送が前提になっていて、医師が病状を確認していないと、搬送のシステムが動き出さない。今回の妊婦のように、かかりつけの医師がなく、消防から直接要請を受ける場合は想定していなかった。

重篤な患者については、救急車からの要請にも対応できるよう、運用を改善すべきではないか。

奈良県は、リスクの高い妊婦や胎児を専門的に診療する「総合周産期母子医療センター」の設置も遅れている。

厚生労働省は、今年度中に全都道府県が整備するよう求めてきたが、奈良県は医師不足から、山形、佐賀、宮崎の3県とともに来年度以降にずれ込みそうだ。こんな地域格差があってはならない。

産科医不足は深刻だ。2004年までの10年間で7%も減り、1万人余になった。出産を扱う医療機関も05年までの12年間に1200施設が閉鎖された。

厚労省は来年度予算の概算要求に医師不足対策費160億円を盛り込んだが、養成には時間がかかる。当面の対策として、自治体や医療機関が緊密に連携した広域的な救急体制を整備すべきだ。

(2007年8月31日1時32分 読売新聞)

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転送妊婦死産流産報道事件 5

Posted by guideboard on 2007/08/31/Fri

本朝までの続報を見てみる。

救急隊現着時から搬送依頼をあたっていくある所までは、妊婦ということが分かっていなかったか伝わっていなかったのではないか。

「女性が出血している」というのが奈良県立医大への搬送依頼の最初の情報のようだ。

妊婦さん自身、産科検診を受けておらず、38 歳で、妊娠を知らなかったか、妊娠を舐めていたか、正確に救急隊に伝えることができなかったかなのだろう。

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救急医療レベルを選別するトリアージを考慮しての報道がなされていない。

女性の急性腹症で性器出血なら、初動は一次ないし二次レベルの産婦人科救急である。

妊娠早期の流産なら一次ないし二次レベルの産科である。

妊娠中後期の切迫早産なら、三次ないし高次の周産期救急で NICU や ICU が必要な場合を想定しなければならない。

本件の初動時はどうだったのか。高次を想定できるだけの情報が妊婦さん本人からは得られなかったようだし、一次二次を高次施設が断ることに問題はない。

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奈良県の産科小児科ドクターバンクは、参加希望医師の登録が未だないという。誰か地雷原に飛び込んで撤去して豊かな大地に耕すような「赤ひげ」や「ヒポクラテス」はいないかと、市民も行政も天に向けて口を開けて待っている。

参考資料

転送妊婦死産流産報道事件 5 資料

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転送妊婦死産流産報道事件 4

Posted by guideboard on 2007/08/31/Fri

奈良県立医大が受け入れできなかった事情が漏れ伝わってきた。

まず、腹部痛の女性患者か妊婦か、どのように患者情報が伝わっていたか。女性の急性腹症を高次周産期救急医療施設が最初に受け入れるというシステムは元々ない。

妊婦と伝わっていても、最初の情報では妊娠週数が 20 週とか 3 ヶ月とかと伝わっていた。ならば妊娠初期の流産は、これも高次周産期救急医療の適応ではない。1 または 2 次レベルで対応すべきである。

そして当夜の奈良県立医大の様子である。以下、某所より ( 出典の情報源はあえて明らかにしない )。

午前2時55分に消防から連絡のあったのですが、その1分前に別の妊婦さんが搬送されたらしく、さらにその少し前に緊急帝切になった妊婦さんが病棟に上がってきた直後で、2人の当直の先生ではとても対応できる状態ではなかったようです。その後午前4時に再度要請があったのですが、このときは先の妊婦さんのオペ中で対応できなかったようです。さらに今度は高度救急救命センターに連絡があったそうなのですが、さすがに妊娠三ヶ月の切迫は3次救急である高度救急救命センターの適応ではなく、産科医もいない状態ではどうにもならないと返事したようです。

ベッドが 2 床あっても産科医は勝手には増えない。しかも当直である。夜間勤務ではない。

どうやったらこの事例を受け入れて産科医に働いてもらえたか。医師は、ほとんどの医師が、多分、答を知っている。答えは、もちろん、一つではない。

マスコミや評論家はそれを追求する能力もなく、ただ騒ぎ、誰かを非難するだけだ。これまでは医師個人を叩いていたが、これはさすがに叩けないらしい。病院をあるいは奈良県の行政を叩いている。

国レベル、ひいては自らの心の内にまで思いを馳せることはできないのだろう。

毎日新聞 2007.8.30

奈良県大淀町立大淀病院を経営する同町などに損害賠償を求める訴訟を起こしている高崎実香さんの夫の晋輔さん(25)は29日、大阪地裁での口頭弁論の閉廷後、再び起きた悲劇に、憤りを語った。

悲しいというよりも、怒りを覚える。(妻が亡くなった)1年前に、産婦人科医や病院の関係者はいろいろ考えたはずなのに、なぜ同じことを繰り返すのか腹が立つ。行政も、結局は先延ばしにしてきた結果だ。もういいかげんに分かってください、と言いたい。再発防止や産科医療の改善を求めて自分たちも、もっと社会に訴える活動をしないといけないと思う。

そして、奈良県南部の産科医療施設は無くなった。

毎日新聞 2007.8.30

出産ジャーナリストの河合蘭さんの話

産科医不足が背景にあるのは間違いないが、増える見込みがない今、システムの工夫で対応すべきだ。搬送を断った病院が、どうすれば受けられるのか、国は徹底的に調査し、前向きな対策を講じてほしい。産婦の入院に対応していたとか、一般の救急だからという病院の言い分はおかしい。

システムを工夫するなら集約化とアクセス制限しかない。一般の救急を高次周産期医療施設に即時に収容するシステムは実現可能だろうか。

毎日新聞 2007.8.30

来年1月に出産予定の五條市内の30代女性は「あんなに遠くに運ばれるのかと思うとショックだ。長い間車に揺られるのは赤ちゃんにとって良くない。なぜ県立医大付属病院が受け入れなかったのか。手術が終わってからでも処置すればよかったのに」と話した。

当直医のエンドレスの不法労働を求めて当然である。

毎日新聞 2007.8.30

市民の立場で医療の安全を求める活動を続け、生駒市新病院整備専門委員会の委員を務める高校教諭、勝村久司さんは「県内では10年以上前から、救急車はすぐに来ても、行き先がないということが指摘されていた。産科や小児科は市民が必要としている救急医療で、行政が責任を持ってやらないといけない。県立医大付属病院が受け入れなかったのは非常に大きな問題だ」と憤った。

これを言うなら、医療資源の一極集中化と空路陸路のアクセス整備だろうか。

全部毎日新聞で、しかも同じ方向からコメントが届いている。

参考資料

転送妊婦死産流産報道事件 4-2 / 当夜の奈良県立医大

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転送妊婦死産流産報道事件 2 資料 / 毎日新聞

Posted by guideboard on 2007/08/31/Fri

» 転送妊婦死産流産報道事件 2

毎日新聞 2007.8.30

救急車流産:受け入れ不可能の病院産科医、分娩に追われ

奈良県橿原市の妊婦(38)が大阪府高槻市の病院へ搬送中に救急車内で流産した問題で、受け入れを不可能とした9施設のうち、4病院が当時、わずかな人数の産科医で分娩(ぶんべん)などに追われている状況だったことが29日、毎日新聞の調べで分かった。全国的に問題とされている産科医療の体制不備には、分娩の取り扱いをやめたり、制限する産科が相次ぎ、分娩を続ける病院に負担が集中しているという実態が背景にあることが改めて浮き彫りになった。

受け入れの要請は、午前3〜4時の間で、4病院が、医師が足りず、受け入れの余裕がなかった。最初に要請を受けた奈良県立医科大付属病院は、2人の当直医が陣痛の患者の診察に当たっており、受付の職員を通じて、受け入れ不可能と回答。同病院には、3時半と4時ごろにも要請の電話があったが、大量出血の患者の搬送が予定されているなどの理由で受け入れられなかった。

このほかは、「当直1人と、呼び出した医師1人の計2人で、4件のリスクの高い分娩に対応していた」(大阪市の千船病院)▽「当直が1人で、入院患者の分娩が始まっていた」(寝屋川市の藤本病院)などの理由だった。これらの病院では、分娩の取り扱い数が近年急増している。

9施設のうち7施設が受け入れ不可能と回答していたが、残る2施設は「(搬送した橿原消防署から)連絡はなかった」とし、消防署の説明と食い違った。

一方、今回は消防隊が一般の救急を原則的に受け付けない高次救急病院に要請したという不備もあった。大阪府和泉市の府立母子保健総合医療センターは「事務レベルで断った。通院患者や病院からの転送だったら受け入れていた」と明かす。

毎日新聞 2007年8月30日 3時00分

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与謝野官房長官、早急な対応促す 奈良・妊婦搬送中流産

奈良・妊婦搬送中流産:与謝野官房長官、早急な対応促す

与謝野馨官房長官は30日午前の記者会見で、奈良県橿原市の妊婦の受け入れ施設がないまま、救急車内で流産した問題について「大変残念な、悲しい結果になった。舛添(要一)厚生労働相もきちんと対応するとおっしゃっている。まず厚労省の対応がきちんとなされることをみていきたい」と述べ、厚労省の早急な対応を促した。

また、与謝野長官は「せっかく母胎の中で子供が育っていよいよ出産という時になって、出産できる場所が見つからない、あるいは流産を食い止めるところが見つからないというのは日本の医療制度として欠けているところがある」と指摘した。【西田進一郎】

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消防の搬送依頼「想定外」 周産期ネットに不備 奈良・妊婦搬送中流産

奈良・妊婦搬送中流産:消防の搬送依頼「想定外」 周産期ネットに不備

◇弱者が救えない、悲しい社会です

奈良県橿原市の妊娠中の女性(38)が大阪府高槻市の病院へ搬送中に救急車内で流産した問題で、同県は29日午後、3回にわたり緊急記者会見。ハイリスク妊婦・新生児の搬送先を探すネットワークを構築していながら、実態として機能しておらず、消防から直接、搬送依頼を受ける場合を「想定していなかった」ということが明らかになった。大淀町立大淀病院の妊婦死亡問題から1年、産科医療の救急体制の不備が再び浮かび上がった。【中村敦茂】

会見した米田雅博健康安全局次長らの説明によると、96年以降、同県では、橿原市の県立医科大付属病院など2病院が、医院などからの転院依頼を受け付け、県内の産科専門病床の空きなどをオンラインで確認して、迅速な転送につなげる周産期医療ネットワークを運用してきた。

しかし、この仕組みは医院などからの転送が前提で、今回のように、かかりつけ医がおらず、消防から直接搬送依頼を受ける場合は「想定していなかった」という。このため消防は、緊急度の低い一般の医療情報システムだけで県内の搬送先を探したが見つからず、大阪府内の病院に連絡を繰り返す事態になった。

消防は県の医療の中枢施設で、距離も近い橿原市内にある県立医科大付属病院に3度、受け入れを要請しながら、いずれも断られた。1度目は、同病院が直前にリスクの低い通常分娩(ぶんべん)の妊婦を収容したのが理由で、危険度に応じた病院の機能分担が不十分な実態も明るみに出た。

米田次長は「分娩施設が減り、高次病院でも通常分娩を受けざるを得なくなっている」と釈明。二つに分かれている搬送先探しのシステムについても「改善を早急に検討し、県内で受け入れることができなかったかを検証したい」と話した。

同県は、昨年8月の大淀病院の妊婦死亡問題以降、産科医療体制の整備を進めてきた。しかし、総合周産期母子医療センターの開設は来年5月に持ち越しに。県は民間の主要病院にも受け入れ協力を要請したが、余力が少ない。近畿など2府7県の担当者は、昨秋以降、産科救急搬送の広域連携の検討を始めたが、いまだ結論は出ていない。

なお、この女性の年齢は当初36歳とされたが、38歳だった。大阪府警は事故と流産に因果関係はないとみている。

◇この1年何を…怒り覚える–大淀の遺族

奈良県大淀町立大淀病院を経営する同町などに損害賠償を求める訴訟を起こしている高崎実香さんの夫の晋輔さん(25)は29日、大阪地裁での口頭弁論の閉廷後、再び起きた悲劇に、憤りを語った。

悲しいというよりも、怒りを覚える。(妻が亡くなった)1年前に、産婦人科医や病院の関係者はいろいろ考えたはずなのに、なぜ同じことを繰り返すのか腹が立つ。行政も、結局は先延ばしにしてきた結果だ。もういいかげんに分かってください、と言いたい。再発防止や産科医療の改善を求めて自分たちも、もっと社会に訴える活動をしないといけないと思う。

今回流産した女性が住んでいる橿原市内には県立医大付属病院がある。なぜ受け入れられなかったのか。全国どこでも、同じような治療を受けられるようになってほしい。

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4病院、医師足りず 9施設調査、分娩続ける産科に負担 奈良・妊婦搬送中流産

奈良・妊婦搬送中流産:4病院、医師足りず 9施設調査、分娩続ける産科に負担

奈良県橿原市の妊婦(38)が大阪府高槻市の病院へ搬送中に救急車内で流産した問題で、受け入れを不可能とした9施設のうち、4病院が当時、わずかな人数の産科医で分娩(ぶんべん)などに追われる状況だったことが29日、毎日新聞の調べで分かった。全国的に問題とされている産科医療の体制不備には、分娩の取り扱いをやめたり制限する産科が相次ぎ、分娩を続ける病院に負担が集中しているという実態が背景にあることが改めて浮き彫りになった。(31面に関連記事)

受け入れの要請は、午前3-4時の間で、4病院が、医師が足りず、受け入れの余裕がなかった。最初に要請を受けた奈良県立医科大付属病院は、2人の当直医が陣痛の患者の診察に当たっており、受付の職員を通じて、受け入れ不可能と回答。同病院には、3時半と4時ごろにも要請の電話があったが、大量出血の患者の搬送が予定されているなどの理由で受け入れられなかった。

このほかは、「当直1人と、呼び出した医師1人の計2人で、4件のリスクの高い分娩に対応していた」(大阪市の千船病院)▽「当直が1人で、入院患者の分娩が始まっていた」(大阪府寝屋川市の藤本病院)などの理由だった。これらの病院では、分娩の取扱数が近年急増している。9施設のうち7施設が受け入れ不可能と回答していたが、残る2施設は「(搬送した橿原消防署から)連絡はなかった」とし、消防署の説明と食い違った。

一方、今回は消防隊が一般の救急を原則的に受け付けない高次救急病院に要請したという不備もあった。大阪府和泉市の府立母子保健総合医療センターは「事務レベルで断った。通院患者や病院からの転送だったら受け入れていた」と話した。

◇出産ジャーナリストの河合蘭さんの話

産科医不足が背景にあるのは間違いないが、増える見込みがない今、システムの工夫で対応すべきだ。搬送を断った病院が、どうすれば受けられるのか、国は徹底的に調査し、前向きな対策を講じてほしい。産婦の入院に対応していたとか、一般の救急だからという病院の言い分はおかしい。

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奈良県立医大に余力 要請直後、2人受け入れ 奈良・妊婦搬送中流産

奈良・妊婦搬送中流産:県立医大に余力 要請直後、2人受け入れ

奈良県橿原市の妊婦(38)の胎児が救急搬送中に死亡した問題で、橿原消防署(中和広域消防組合)から最初に妊婦の受け入れを要請された県立医科大学付属病院(同市四条町)が、要請から約2時間のうちに、他の2人の妊婦を救急搬送で受け入れていたことが県の調べで分かった。病院に受け入れの余力がありながら、消防とのコミュニケーションの不備などで結果的にこの妊婦の受け入れができなかった。

(11面に関連記事)

一方、大阪府警高槻署の調べで、この妊婦は妊娠24週(7カ月)で、胎児は胎内で死亡していたことが分かった。流産は22週未満で胎児が死亡する場合を指し、このケースは死産に相当する。

県によると、28日夜の同病院の産婦人科当直医は2人。1人は帝王切開手術後の患者の経過観察でつきっきりとなっていた。受け入れは、もう1人の当直医が対応した。

消防から死産した妊婦の受け入れ要請がきた1分前の29日午前2時54分に別の妊婦が来院。通常分娩(ぶんべん)の患者で、同医大をかかりつけにしていた。要請の連絡を病院の事務から受けた医師は「診察中のため後にしてほしい」と回答。事務員は「患者が入り、手術になるかもしれない」と消防に伝え、消防側は「断られた」と認識した。県の調査に、医師は「断るつもりではなかった」と話している。

一方、午前3時32分。新たに同医大をかかりつけにしていた妊婦が、破水。産婦人科の病床は一つ空いていたため、入院した。さらに午前4時ごろ、近くの医院から、分娩後、大量出血した妊婦を搬送したいと要請があり、受け入れを決めた。

この連絡の直後、橿原消防から2度目の要請があった。事務員が「別の医院からの電話を医師につないだところ」と答えると、電話が切れた。出血した妊婦は午前5時ごろ医大病院に到着。産科の病床が満床だったため、他の科で受け入れた。

橿原消防からの3度目の要請は、同医大の救命救急センターに寄せられた。時刻は不明。センターの医師が症状を聞き取り、「全身状態が悪くない」と判断、2次医療機関で対応してほしいと断ったという。センターには一般病床で4床の空きがあった。

結果的に、死産した妊婦は大阪府高槻市に搬送されることになり、その途中の午前5時9分、軽乗用車との接触事故に巻き込まれた。【中村敦茂】

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「また」揺らぐ搬送体制への信頼 救急車行き先なく 妊婦搬送中流産

妊婦搬送中流産:「また」揺らぐ搬送体制への信頼 救急車行き先なく /奈良

◇「行政は何をしていたのか」 出産控えた女性、不安の声

妊娠3カ月だった橿原市の女性(38)が橿原消防署(中和広域消防組合)の救急車で救急搬送中、大阪府高槻市内で交通事故に巻き込まれ、流産した問題で、出産を控えた女性らからは「ショックだ」「行政は何をしていたのか」と不安や批判の声が上がった。大淀町立大淀病院で昨年8月、五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、転送先探しが難航した末に死亡した問題が起きたばかり。県内の救急搬送システムへの信頼が揺らいでいる。【高瀬浩平】

来年1月に出産予定の五條市内の30代女性は「あんなに遠くに運ばれるのかと思うとショックだ。長い間車に揺られるのは赤ちゃんにとって良くない。なぜ県立医大付属病院が受け入れなかったのか。手術が終わってからでも処置すればよかったのに」と話した。

今年11月に出産予定の五條市内の20代女性は「自分にも同じようなことが起きたらと思うと不安。急な破水や出血など異常があったら、十分に対応してくれるだろうか。今後も起こらないとは限らない」と話した。

高崎実香さんの夫晋輔さん(25)と義父憲治さん(53)が奈良市の奈良女子大で講演した際、体験談を聞いた同大学の学生は「ニュースを見て、またかと思った。県内にも大きな病院が複数あるのに、なぜ搬送できなかったのだろうか」と疑問を投げかけた。

市民の立場で医療の安全を求める活動を続け、生駒市新病院整備専門委員会の委員を務める高校教諭、勝村久司さんは「県内では10年以上前から、救急車はすぐに来ても、行き先がないということが指摘されていた。産科や小児科は市民が必要としている救急医療で、行政が責任を持ってやらないといけない。県立医大付属病院が受け入れなかったのは非常に大きな問題だ」と憤った。

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転送妊婦死産流産報道事件 2 資料 / 共同通信

Posted by guideboard on 2007/08/30/Thu

» 転送妊婦死産流産報道事件 2

共同通信 2007.8.30

事故後も3病院が断る 搬送中に流産の女性 県のシステム機能せず (1)

受け入れ先が見つからず、大阪府高槻市の高槻病院へ搬送中に救急車が事故を起こし、流産した奈良県橿原市の女性(38)は、事故後も3病院に受け入れを断られていたことが29日、奈良県の説明で分かった。

高槻病院も「既に流産したなら処置は難しい。緊急手術も入っている」と、1度断ったという。

女性は救急車の中で破水。数分後に事故が起き、搬送を引き継いだ高槻市消防本部は、大阪府内の2病院に断られ再び要請、高槻病院は約20分後に引き受けたという。

女性にかかりつけ医がいないため奈良県の搬送システムが機能せず、119番して病院到着まで3時間かかった可能性が高いことも判明した。

県によると、奈良県の周産期医療搬送は、妊婦のかかりつけ病院が県内の2病院に連絡、それぞれ受け入れ先を探す仕組み。流産した女性はかかりつけ医がいなかった。

知人が午前2時44分に119番。奈良県中和広域消防組合が受け入れ先を探したが、決まって出発したのは4時19分だった。

奈良県健康安全局の米田雅博(よねだ・まさひろ)次長は記者会見し「想定できなかった状況。搬送システムに問題がなかったとは言えない。早急に対応策をとりたい」と話した。

県は危険性が高い出産で、母親と新生児をケアする「総合周産期母子医療センター」を来年5月に新設する予定だった。

高槻署などによると、女性は奈良、大阪の計9施設に断られ、40キロ離れた高槻病院へ搬送中に事故が起き、病院で胎児の死亡が確認された。その後の調べで胎児は6カ月で、女性は38歳と分かった。

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「処置中」と次々拒否 動かない車内で1時間半 (2)

小さな命は救えなかったのか。9つの病院から受け入れを断られ、妊娠6カ月の奈良県橿原市の女性(38)が流産した。病院が見つかるまで動かない救急車の中で1時間半。ようやく見つかった病院にたどり着いたのは、119番から3時間。既に手遅れだった。

「おなかが痛い」。女性は知人男性と橿原市のスーパーで買い物中のことだった。「妊娠しているかもしれない。既に出血している」。午前2時44分、男性が119番。10分後に救急車に運び入れられ、搬送可能な状態になった。

だが受け入れ先の病院が見つからない。近くの県立医大病院は「手術中」。消防が県の救急医療情報システムでほかの病院を調べたが、パソコンの画面に受け入れ可能な病院を示す丸印が1つもない。

「時間がない」。消防は大阪府の産婦人科がある病院に手当たり次第、電話した。症状を伝えるが「処置中」「手が離せない」と断られ続けた。必死に痛みをこらえる女性。いつになったら救急車は出発できるのか。救急隊員もヤキモキしながら回答を待つ。

大阪府高槻市の高槻病院が確保できたのは4時19分。既に1時間半が経過していた。近畿自動車道、名神高速を経由して約50キロ。5時すぎ、破水した。直後の5時9分、救急車が高槻市内で衝突事故を起こした。

救急車を乗り換えたが、高槻病院は「流産したなら処置は難しい」といったん受け入れを拒否。30分間、またも動けない。さらに2病院に受け入れを断られ、再び要請を受けた高槻病院に到着したのは5時46分。胎児は死亡していた。

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安全なお産の体制整備を 依然大きい地域格差 (3)

小児救急と並んで医師不足が深刻な産科は、診療を廃止する病院が後を絶たないなど、妊婦にとって厳しい状況が続いている。厚生労働省は、リスクの高い妊婦と赤ちゃんをケアするため「総合周産期母子医療センター」を拠点とする「安全なお産」の体制整備を急いでいるが、地域格差は依然大きい。

昨年夏、奈良県の妊婦が出産中に意識不明になり、約20の病院に受け入れを断られた末に死亡した。この問題を機に、同県も同センターの整備を進めているが、開設は来年5月の予定だ。

現在の奈良県のシステムは、妊婦のかかりつけ医が県内の拠点2病院に連絡し、それぞれ受け入れ先を探す仕組み。

だが、29日は「手術中」などを理由に、受け入れ先が見つからなかったという。

奈良県では妊婦の救急患者の4分の1を大阪府の病院に搬送している。しかし救急搬送が増え続ける中、大阪府側にも余裕があるわけではない。

奈良県内で受け入れる体制整備が進まないと、いつ同様の事態が起こらないとも限らない。奈良県は緊急に対策をとり、妊婦が安心して子どもを産める体制を整える責任がある。

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「全力で取り組む課題」 救急搬送中の流産で厚労相 (4)

大阪府の病院へ搬送中に流産した奈良県の女性が、医療機関9カ所に受け入れを拒否されていたことについて、舛添要一厚生労働相は29日、同省職員に対する就任あいさつで「受け入れ先の(確保の)問題だ」とした上で「省を挙げて全力で取り組むべき課題の1つだ」と述べた。

厚労省は奈良県などを通じて情報収集を進めており、事実関係を把握し、再発防止に向けて必要な対応を検討する。

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ベッド空きも対応できず 県立医大、受け入れ断る (5)

奈良県橿原市の妊婦(38)の受け入れ先が決まらず、搬送中の救急車が事故に遭った上、流産した問題で、最初に受け入れを要請された奈良県立医大病院に空きベッドがあったことが30日、分かった。2人の当直医は別の妊婦の診察に追われ、受け入れを断っていた。

県によると、救急隊員の最初の受け入れ要請は、29日午前2時55分。病院は1分前に別の妊婦を受け入れたため、当直医が事務員に「診察中なので後にしてほしい」と伝えた。

事務員が隊員に「手術になるかもしれない」と答えると電話は切れたという。もう1人の当直医は手術後の妊婦の対応に追われていた。

病院は隊員から再度要請されたが、別の妊婦が午前3時半ごろに破水して入院したため断った。5時半ごろにも分娩(ぶんべん)後に大量出血した患者を受け入れ、最終的には病院のベッド数23を超える24人を抱えていた。

病院は「ベッドが空いていたとしても医師は対応できなかった」と説明。県も「病院の対応はやむを得なかった」と話している。

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転送妊婦死産流産報道事件 3 / たらい回し報道 資料

Posted by guideboard on 2007/08/30/Thu

» 転送妊婦死産流産報道事件 3 / たらい回し報道

2007.8.29 毎日新聞の 2 つの記事。


病院たらい回し:妊婦衝突事故後に流産 救急搬送中 大阪

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠3カ月の女性(36)を搬送中の救急車と、茨木市の自営業の男性(51)の軽乗用車が出合い頭に接触した。けが人はなかったが、女性は搬送先の病院で胎児の死亡が確認された。また、女性は119番通報から約1時間半も受け入れ先の病院が決まらなかったことも判明。府警高槻署は、事故と流産の関連を捜査する。妊婦の搬送では、昨年8月に奈良県大淀町の病院を巡る問題をきっかけに、周産期医療の救急体制の不備が浮き彫りになった。

調べによると、女性は同日午前2時44分ごろ、「下腹部が痛い」と同居の男性を介して119番通報した。女性が妊娠していたため、奈良県の橿原消防署(中和広域消防組合)の救急隊員は同県立医科大に受け入れを要請したが、「手術中のため不可能」と回答された。このため、同消防署は大阪府内の産婦人科など要請したがいずれも「処置中」などを理由に断られ、延べ12件目の高槻市内の病院に決まったのは同4時19分だった。

同消防署によると、女性は搬送中の午前5時ごろ、救急車内で破水を起し、その約10分後に事故に巻き込まれた。病院に搬送されたのは同5時47分だった。

同消防組合は「事故による容態の変化は見られなかった。流産との関連は警察の捜査に委ねたい」と話している。

昨年8月、大淀町立大淀病院で、分娩中に意識不明になった妊婦が転送を同県と大阪府内の19病院に断られた末、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運ばれ、約1週間後に死亡した。これを受け、国は今年度中に、総合周産期母子医療センターを整備することとしていたが、奈良県など4県で困難な状況に陥っている。

奈良県では、緊急に高度な治療を要する妊婦を県外の病院に転送する比率が、04年で約37%に上り、全国最悪のレベルだった。母体・胎児の集中治療管理室(MFICU)を備えている病院も、県立医科大学付属病院(橿原市)と県立奈良病院(奈良市)の2カ所だけだった。

この問題を受け、奈良は未整備だった「総合周産期母子医療センター」を来年5月に設置し、母体や新生児の救急搬送に対応する予定だった。

毎日新聞 2007年8月29日 11時48分


救急車事故:搬送中の妊婦流産 大阪

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠3カ月の奈良県橿原市の女性(36)を搬送中の救急車と軽乗用車が出合い頭に接触した。搬送先の高槻市の病院で、胎児の死亡が確認された。女性は119番から車中で約1時間半も受け入れ先が決まらず、橿原市から約41キロ離れた高槻市の病院へ運ばれる途中だった。昨年8月には、奈良県の妊婦が転送先が見つからずに容体を悪化させて死亡しており、周産期医療の救急体制の不備が浮き彫りになった。

府警高槻署の調べでは、軽乗用車は大阪府茨木市の自営業の男性(51)が運転、他にけが人はなかった。同署は事故と流産の関連を捜査している。

女性は同日午前2時44分ごろ、橿原市内のスーパーマーケットで買い物中、「下腹部が痛い」と訴え、同居の男性を介して119番通報した。奈良県の橿原消防署(中和広域消防組合)の救急隊員は同県立医科大に受け入れを要請したが、「手術中のため不可能」と回答された。このため、同消防署は大阪府内の産婦人科などに要請したがいずれも「処置中」などを理由に断られ、10施設目(連絡は延べ12回目)の高槻市の病院に決まったのは同4時19分だった。

同消防署などによると、女性は搬送中の午前5時ごろ、救急車内で破水し、約10分後に事故に遭った。病院に搬送されたのは同5時46分だった。

同消防署予防課は「事故による容体の変化は見られなかった。流産との関連は警察の捜査に委ねたい」と話している。

昨年8月、大淀町立大淀病院で、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった妊婦が転送を同県と大阪府内の19病院に断られた末、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運ばれ、約1週間後に死亡した。国は今年度中に、総合周産期母子医療センターを整備するとしていたが、奈良県など4県で困難な状況に陥っている。

奈良県では、緊急に高度な治療を要する妊婦を県外の病院に転送する比率が、04年で約37%に上り、全国最悪のレベルだった。母体・胎児の集中治療管理室(MFICU)を備えている病院も、県立医科大学付属病院(橿原市)と県立奈良病院(奈良市)の2カ所だけ。

奈良県は未整備だった「総合周産期母子医療センター」を来年5月に設置し、母体や新生児の救急搬送に対応する予定だった。

毎日新聞 2007年8月29日 11時48分 (最終更新時間 8月29日 12時12分)

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転送妊婦死産流産報道事件 3 / たらい回し報道

Posted by guideboard on 2007/08/30/Thu

毎日新聞がやってくれた。複数のブログや掲示板で既に取り上げられているが、大切な記録を保存する。

タイトル、URL と time stamp を較べてみて頂きたい。最初にたらい回しと付けて、後で消して、記事を少し書き換えている。

ブラウザのウィンドウを左右に拡げて頂くと、URL が全部表示される。

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070829k0000e040036000c.html&date=20070829120816

病院たらい回し:妊婦衝突事故後に流産 救急搬送中 大阪

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠3カ月の女性(36)を搬送中の救急車と、茨木市の自営業の男性(51)の軽乗用車が出合い頭に接触した。けが人はなかったが、女性は搬送先の病院で胎児の死亡が確認された …..

毎日新聞 2007年8月29日 11時48分

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070829k0000e040036000c.html&date=20070829122542

救急車事故:搬送中の妊婦流産 大阪

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠3カ月の奈良県橿原市の女性(36)を搬送中の救急車と軽乗用車が出合い頭に接触した。搬送先の高槻市の病院で、胎児の死亡が確認された …..

毎日新聞 2007年8月29日 11時48分 (最終更新時間 8月29日 12時12分)

参考資料

転送妊婦死産流産報道事件 3 / たらい回し報道 資料
病院たらい回し:妊婦衝突事故後に流産 救急搬送中 大阪 ( PDF 556KB )
救急車事故:搬送中の妊婦流産 大阪 ( PDF 560KB )

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海外医療事情 / SiCKO 資料

Posted by guideboard on 2007/08/30/Thu

» 海外医療事情 / SiCKO

日本の公式サイトでの各界からのコメント。医師のコメントはさすが、本質を知っている人のものだ。

伊藤隼也氏のものも真っ当なコメントである。この映画を見て日本の医療と較べたら、いつもの日本の医師叩きはできなくなりそうに思うが。

http://sicko.gyao.jp/

ドラマのような現実。命より高い保険料。 医療制度が変わる日本に住んでいる以上、もはや他人事ではないと思う。
坂口憲二さん(俳優・「医龍2」出演)

マイケル・ムーア監督の映画には優しさと愛と勇気を感じます。
内田有紀さん(女優・「医龍2」出演)

医療制度にこんな差がある事に衝撃を受けました。
今の日本の医療の事にも興味を持って貰えたら嬉しく思います。
小池徹平さん(俳優・「医龍2」出演)

『シッコ』で、マイケル・ムーアは怒りを愛に変える「白魔術師」になった。
人を信じて生きる勇気をくれる映画。
茂木健一郎さん(脳科学者)

これは私たちの映画。マイクは本当の戦士。人は今、怒りという爆発的道具を捨て、叡智えいちで世界への許しと、理解で同じ光を見ようとするべきなのだ!!!
菊地凛子さん(女優)

あせろ!アメリカ!!やせろ!マイケル!!
おちまさとさん(プロデューサー)

強者生存の国アメリカ、そして日本。しかし、どんな英雄も“病”を賜れば切なく肩を震わす一人の弱者となるだけだ。助け合うこと以外に、人に生きる道はないのだ。
名越康文さん(精神科医)

表現者と呼ばれる人達は、本能的にタブーに挑戦するものだ。
その意味でマイケル・ムーアは間違いなく表現者だと思う。
佐藤秀峰さん(漫画家・「ブラックジャックによろしく」)

米国医療は世界最低だと吠えるムーア。ご心配なく。もうすぐ日本が追い抜きますから。
海堂尊さん(医師・作家「チーム・バチスタの栄光」)

凄い映画だ!日々、ひどくなる日本医療の明日を見ているようだ。医療改悪を推し進める官僚と政治家はこの映画を見て勉強せよ!
伊藤隼也さん(写真家・医療ジャーナリスト)

“地獄の沙汰も金次第”米国医療の現実を見事にスクープ!ムーアは進化している。
川村晃司さん(テレビ朝日コメンテーター)

「構造改革」の名の下に、日本政府が進める医療分野への市場原理導入は、行き着くところは、悪夢のような「シッコ」の世界である。
岩上安身さん(ジャーナリスト)

日本一の突撃男も認定!
突撃アメリカ代表、マイケル・ムーアの愛と勇気に心から拍手!!
ヨネスケさん(タレント)
(順不同)

もう一つの公式サイトより。

http://www.gyao.jp/cinema/sicko/

2002年『ボウリング・フォー・コロンバイン』で銃社会に、2004年『華氏911』ではブッシュ大統領に突撃し、世界中に衝撃を与えたマイケル・ムーア。彼の次の標的は、医療費が高いことでも知られるアメリカの医療問題だった!

今回マイケルムーアが取り上げた医療制度は保険。生きるべきか、死ぬべきか− アメリカではそれを決めるのは保険会社。そのウラで医療費が払えないというだけで多くの国民が命を落としている…!泣く子も黙る超大国のはずなのに、なんと保険充実度は世界37位という先進国中最下位。「こんな医療制度はビョーキ(SiCKO)だ!!」とムーアが医療業界にメスを入れた。

「健康でいたければ、病気にならないようにするしかない」と豪語するマイケル・ムーアが命の最前線の暗部を暴く!


米国ではこの映画を好ましく思わない人が多いだろう。特に勝ち組の人たちにとっては。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/forbes/070713_google/

from Forbes.com 2007年7月13日
原文タイトル:The Google Blogger Vs. Sicko
原文掲載サイト:www.forbes.com
著者名:Andy Greenberg
原文公開日時:2007年7月2日

いったいLauren Turner氏なのか、それとも彼女の勤務先、米Googleなのか。どちらかがMichael Moore監督の最新作『SiCKO』にあまり好感を持っていないことは分かる。しかし、米国時間6月29日にGoogleの公式ブログページに Turner氏が投稿したMoore批判のレビューを読むと、どちらなのかを見極めるのは容易ではない。

Turner氏は「Moore氏は、米国の保健医療制度に関する例外的で感情に訴える最悪の例ばかりを集めてきて、それを保険、保健医療サービス、製薬などの業界と結びつけて攻撃している」と書いている。この公式ブログ「Health Advertising Blog」(保健医療広告ブログ)は、保健医療(ヘルスケア)業界に向けてGoogleが6月に立ち上げたばかりの新プロジェクトだ。さらに「Moore 氏の作品では、この業界が利潤の追求とマーケティングだけに左右されているかのように描かれていて、受診者の健康維持や介護に関心を向けていることは無視されている」と続く。

Turner氏のエントリは「Does negative press make you Sicko?」と題したものだ。「SiCKO」を「sick」に引っかけた、「否定的な報道は不快でしょう?」というジョークだ。エントリの後半では、Googleに広告を掲載することでMoore作品の業界批判に対抗しようと、保健医療業界に向けて勧めている。

ブロガーたちの反応は強烈だった。Googleは保険業界に迎合したとして集中砲火を浴びたのだ。高額の医療保険を販売する保険業界は、製薬業界と並んで、『SiCKO』で標的にされている。これを受けてTurner氏は、同ブログに新たなエントリを投稿し、1本目のエントリは個人的な意見に過ぎず、 Googleの公式見解ではないと釈明した。その内容はこうだ。「読者の中には映画『SiCKO』について私が書いたことが、実際はGoogleの意見だと考えた人がいる。そういう受け取り方をされるのももっともだ。なんといっても、ここは公式ブログなのだから。というわけで、あれは私のミスだった。誤解を招いた理由は納得した」

Googleがオンライン広告代理店としての役割を拡大するにつれて、広告主企業との友好関係がますます強まっている。今回の出来事はその事実を浮き彫りにした。さらに、Googleが広報活動に、変則的な形でブロガーを利用していることが、あらためて注目される結果になった。Googleはだいぶ以前から、さりげない広報活動にブログを利用してきた。同社の公式サイトを利用することもあれば、従業員の個人サイトを利用することもある。時として、その境界はあいまいになる。

例えば、GoogleのTrust & Safety(信頼と安全)部門で企業向け製品のマネジャーを務めるShuman Ghosemajumder氏は、shumans.comという個人ブログサイトを持っている。同サイトの免責条項には、発表された意見は個人的なものだと書かれているものの、Googleでのクリック詐欺問題を話題にすることが多い。Googleを擁護し、クリック詐欺問題コンサルタントを批判する論調だ。

Googleの上級ソフトウエア技術者Matt Cutts氏は個人Webサイトmattcutts.comで、同社のWebスパムフィルタリングの変更点についてしばしば取り上げている。このサイトは、ブログ関連ポータルサイトの米Technoratiで74位にランクインしている人気ブログだ。免責条項には、このサイトで発表した意見は Googleの見解ではないと書かれている。だが、Googleの決定事項に触れるエントリも少なくない。先月、英国のプライバシー擁護団体Privacy International(PI)がGoogleのプライバシー・ポリシーに否定的な評価を下した際、Cutts氏は詳細な反論を展開した。その内容は PIレポートの思慮不足を批判し、米Microsoftや米Yahoo!、米AOLのプライバシー保護が不十分であることを指摘するものだった。

検索業界のアナリストで自らブロガーでもあるDanny Sullivan氏は、Googleはこれらのブログを、社会に対して同社の見解を徐々に浸透させる手段として利用していると言う。「個人ブログを通じてニュースを発信すれば、さほど重要視されることも目立ち過ぎることもない。これまでにもブロガーたちがGoogleの広報部門に協力してきたケースがあったのは間違いない」(Sullivan氏)。このコメントに対して、Googleからコメントを得ることはできなかった。

Sullivan氏は、Turner氏がGoogleの公式ブログに投稿しているにもかかわらず、個人的な意見を公表しただけだと主張している点に注目し、「まるで二重人格だ」と指摘する。「Turner氏は公式ブログに個人的な意見を書き、Cutts氏は個人ブログに公式の意見を発表する。Googleの公式見解を解読したいと思っても、容易に見分けがつかないことになる」(Sullivan氏)

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海外医療事情 / SiCKO

Posted by guideboard on 2007/08/30/Thu

2007.8.25、Michael Moore 監督の米国映画 SiCKO ( ビョーキといった意味の俗語 ) が日本公開された。

日米での公式サイトは以下。

http://www.sicko-themovie.com/

http://sicko.gyao.jp/

http://www.gyao.jp/cinema/sicko/

日本語版予告編では「人ごとではありません」とコメントしているが、その通りである。

日本では米国政財界の意を受けて、医療を社会保障から商業に変革する政策が進行している。

10 年後に日本がこの映画そのままになることはないだろうが、これに近づいている可能性は高い。

参考資料

海外医療事情 / SiCKO 資料
日本語版予告編 ( MP4 movie 4.8MB 1min. 39 sec. )。

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転送妊婦死産流産報道事件 2 資料

Posted by guideboard on 2007/08/30/Thu

» 転送妊婦死産流産報道事件 2

読売新聞 2007.8.30

妊婦死産、かかりつけ産科医なく搬送先決定遅れる

出血などの症状を訴えた奈良県橿原市の妊娠中の女性(38)を受け入れる病院が見つからず、死産した問題で、女性にかかりつけの産科医がいなかったことがわかった。医師から要請のあった妊婦については受け入れ病院を探す仕組みがあるが、今回は、消防が各病院に直接受け入れを打診せざるを得ず、搬送先の決定に時間がかかったとみられる。奈良県は「かかりつけ医のいない妊婦の搬送は想定外」とし、制度上の不備がなかったかどうか検証する。

奈良県によると、危険な状態にある妊婦らを対象にした周産期医療ネットワークがあり、県立医大病院などを窓口に受け入れ先を探す。新生児集中治療室などを備えた43病院がパソコン端末で空床状況などを共有する大阪府の「産婦人科診療相互援助システム(OGCS)」に協力を求める仕組みもある。しかし、原則として、かかりつけ医の要請に基づく病院間の転送に限られている。

女性にはかかりつけ医がいなかったため、救急要請を受けた橿原市の中和広域消防組合は、こうしたシステムとは別に受け入れ先を探した。同県立医大病院に要請したが、多忙などを理由に断られ、大阪府内の各病院へ連絡。10か所目の高槻市内の病院がようやく応じた。この間、女性は救急車内で待機させられた。

救急車は同市内で事故を起こし、病院到着は119番通報から約3時間後だった。女性は当初、妊娠3か月で事故直前に流産したとされていたが、病院の診断で妊娠7か月とわかったという。

消防の受け入れ要請を受けたOGCS加盟の大阪市立総合医療センターは「OGCSを利用した転搬送であれば受けられると回答した」と説明している。

この日、記者会見した奈良県健康安全局の米田雅博次長は「かかりつけ医のいない妊婦への対応策を検討していきたい」と述べた。

(2007年8月30日 読売新聞)

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読売新聞 2007.8.30

救急搬送中の妊婦死産、厚労相「省として検証、措置とる」

舛添厚生労働相は29日夜のNHKの番組で、受け入れ病院が見つからず、救急搬送中の妊婦が死産した問題について、「厚労省としてきちんと状況を検証して、しかるべき処置をとりたい」と述べ、調査に乗り出す考えを示した。

番組終了後、舛添厚労相は記者団に対して、「(奈良県では未整備の)総合周産期母子医療センターの整備を早めるなどの処置が考えられるが、まずは状況を把握したい」と語った。

(2007年8月30日2時4分 読売新聞)

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asahi.com 2007.8.29

11病院拒否 妊婦の悲劇教訓生きず 救急システムに穴

2007年08月29日

お産の医療現場で悲劇は繰り返された。29日朝、奈良県橿原市の妊婦(38)が病院に相次いで受け入れを拒まれて胎児を流産した事態の始まりは、昨夏にも妊婦が死亡したのと同じ県内で起きた。行政が主導する産科医療の受け入れシステムは機能せず、近畿の広域連携の仕組みも構想の途中だった。関係者は「一刻も早く解消を」と訴えた。

奈良県橿原市の中和広域消防組合に、同市のスーパーから男性の声で119番通報があったのは29日午前2時44分。「妊娠している。下腹部が痛いと言っている」

8分後、救急隊員3人を乗せた救急車が到着し、店内のベンチに横たわっていた女性を収容。1キロ余り離れた市内の県立医大病院に受け入れを求めたが、同病院からは別の妊婦を受け入れたばかりとして断られた。

消防は県のインターネットシステムも使って受け入れ産科を調べたが、県内の医療機関はいずれも「不可」。大阪府内の病院に協力を求めた。

府立母子保健総合医療センター(和泉市)には、午前3時17分ごろに電話が入った。同センターは高度医療を行う「総合周産期母子医療センター」で、一般救急は原則として受け入れていない。電話交換業務を請け負う業者の担当者が「紹介型病院なので、一般救急は受けていない」と答えると、「それなら結構です」と電話は切れたという。

ただ当時、センターには空き病床があった。牧野幸雄・事務局次長は「救急搬送を受け入れるかどうかは最終的には当直医の判断。消防側からどうしても、と強く言われて電話をつなげば、受け入れられた可能性もある」と話した。

府内のほかの7病院からも処置中や満床を理由に断られ、最後に高槻病院(高槻市)が受け入れ先に決まったのは、救急車の現場到着から約1時間半後だった。

奈良県には二つの救急搬送システムがある。救急が一般の救急患者の受け入れ先を探す「救急医療情報システム」と、医療機関がハイリスクの妊婦や新生児を別の医療機関に搬送する「周産期医療システム」だ。「周産期医療」では、県立医大などの基幹病院が窓口となって受け入れ先を探すため、比較的見つかりやすい。だが今回は救急からの通報だったため、「ハイリスク」の患者と認識されず、消防が単独で受け入れ先を探すことになった。同消防組合は「周産期医療システム」を知らなかった。

県内では昨年8月、大淀町の町立大淀病院で出産中に意識不明となった高崎実香さん(当時32)が、やはり奈良と大阪の19病院に転院の受け入れを断られた末に死亡する問題が起きている。

県はその後、県立医大病院内に、リスクの高い妊婦や新生児を対象に高度医療を行う「総合周産期母子医療センター」の開設を進めてきたが、開設時期が来年1月から同5月にずれ込んでいた。県健康安全局の米田雅博次長は29日午後に記者会見を開き、「反省点としてすぐに検証していきたい」と話した。

一方、大阪府には「産婦人科診療相互援助システム(OGCS)」というネットワークがある。府内の41病院がベッドや集中治療室の空き情報などをパソコンで共有し、他府県からの照会にも答えている。だがこの仕組みは、リスクの高い周産期の患者を対象にした病院間の2次救急援助システムで、消防からの救急搬送は想定していない。

事故を受けて、厚生労働省から「奈良から直接情報を閲覧できるか」と問い合わせがあったが、府は「関係機関と調整しないとできない」と回答したという。

また、近畿2府4県などは今年3月、「近畿ブロック周産期医療広域連携検討会」を発足させた。2次救急の搬送先が地元で見つからない場合、他府県で迅速に搬送先を探せるルールづくりを9月中に行う予定だが、そのさなかに事故は起きた。

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nikkansports.com 2007.8.30

死亡妊婦の夫、行政の対応に怒り

「何も変わっていない」。昨年8月、奈良県大淀町の病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、約20の病院から転院を断られ死亡した高崎実香さん=当時(32)=の夫晋輔さん(25)は29日、奈良県の女性(38)が同様の対応を受け、搬送中に流産したことに怒りをあらわにした。

晋輔さんは「行政は最初だけ(批判を)避けるように『対策を取ります』と言うが、結局何も実行していない」と指摘。「問題を真剣に考えていなかったのだろうというのが悔しい」と語気を強めた。

実香さんは約20の病院で転院を断られた後、最終的な転院先で手術し男児を出産したが、約一週間後に死亡した。

[2007年8月30日11時54分 紙面から]

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Sankei WEB 2007.8.30

奈良県の「ドクターバンク」、いまだ登録医ゼロ 産科・小児科 不足解消遠く

奈良県橿原市の妊婦(38)の受け入れ先病院探しが難航した問題で、同県が今年度スタートさせた産科や小児科の医師OB登録の「ドクターバンク」制度が、いまだ登録ゼロで機能していないことが30日、分かった。また、計3回にわたり受け入れ要請を断った県立医大付属病院(同市)ではベッドが1床空いていたにもかかわらず、医師が別の患者の処置に追われて受け入れられなかったことも判明した。

奈良県の「ドクターバンク」制度は、高崎実香さん=当時(32)=が昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院から転院を断られた末に後日死亡した問題を教訓として整備された。

奈良県外の医療機関で働く県内出身者の医師や、県立病院を出産や定年で退職した医師OBなどに事前登録してもらい、県内の主に産科や小児科、僻地(へきち)の医療機関で働いてもらう制度で、今年4月に発足。県医務課の職員が、全国各地の医師会や県人会などに足を運び、登録を呼びかけた。

しかし、退職した医師に接触を試みたくても、医療機関などから「個人情報保護」などを理由に退職医師の名簿提出を拒まれるなど、作業は難航。現時点で接触できた候補者は1人もいないという。

同制度は他府県でも例があり、医師不足が深刻な産科や小児科の医師の登録をすすめているが、登録する医師がほとんどいないのが現状だ。

一方、県などによると、今回の問題で最初に受け入れを要請された県立医大付属病院では当時、当直医が2人いたが、1人は帝王切開を終えた術後の妊婦の経過観察に追われ、もう1人は通常分娩の妊婦が入院してきた直後だった。

中和広域消防組合橿原消防署から連絡を受けた同病院の事務職員は、通常分娩の妊婦を診ていた医師に打診したが、医師は「いまお産の診察中なので、後にしてほしい」と回答。事務職員は同署に「患者が入ったところ」として断ったが、医師はその後の県の聞き取りに「(受け入れ自体を)断る意思はなかった」と答えたという。

県の担当者は「産科医が多ければ、今回のような事態を防げたかもしれない。ようやく産科医確保に動き始めたばかりなのに…」と話した。

また、最終的に受け入れた病院などによると、妊婦は妊娠6カ月程度だったとみられ、胎児は死産だった。厚生労働省の規定では、妊娠12週以降に死亡した胎児を出産することを死産としている。

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転送妊婦死産流産報道事件 2

Posted by guideboard on 2007/08/30/Thu

本日朝の続報で、事件の様子が変わった。

妊婦さんは 38 歳、7 ヶ月 ( 今朝の某地方新聞では 6 ヶ月 )、妊娠中の産科健診を受けていなかった。

高齢出産、健診なし、この時期ならおそらくは頚管無力症による切迫早産、しかも深夜、リスクが上がる因子は複数である。

救急隊現着時に妊娠週数が分かっていたら、NICU のある所へ運ぼうとするだろうか。

もし NICU のないところへ搬送して早産が止まらなかったら極小未熟児は助からない。

NICU のある所を探したら、もっと搬送の選択肢が限られてしまう。

24 時間 365 日、すべての飛び込み妊婦が、数十分以内に、NICU、ICU、手術室と手術スタッフが手を空けて待っている医療施設に搬送されなければならないとしたら、どれだけの医療資源が必要だろうか。

そこまで天文学的な空想を巡らせないまでも、現在の医療資源でどうすればよいだろうか。産科救急システムの不備を批判するのはよいが、医師以外は誰も分かっていないのだろうか。医師の間でも意見が分かれているものもあるが、必要な条件のいくつかははっきりしている。しかし、そのいずれもが、今の日本人では実現できないことばかりのようだ。

  1. 労働条件
  2. 訴訟リスク
  3. 人の心、患者さんの意識や理解、果てはモンペ ( monster patients )
  4. 市民レベルでの様々な動き ( 陣痛促進剤諸悪根源教、西洋薬毒薬教、ワクチン発病教その他 )
  5. 看護師助産師
  6. マスコミ報道やバッシング
  7. 医療行政

まだあるだろうか。

妊娠出産のリスクを理解できない、深夜に出歩くハイリスクの妊婦さんがノーフォローのまま深夜のノーガードの医療機関に飛び込んできたら、上記の条件のかなりの部分が当てはまってしまう。

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地図を見ると、奈良県橿原市は奈良県のほぼ真ん中、北には 10km 単位で天理市、そして奈良市がある。

すぐ西の大和高田市は、市立病院の産婦人科医が書類送検された所である ( 不起訴 )。

10 km 少々南は大淀町。そう、橿原市より南、大淀町立大淀病院が支えてきた奈良県南部の産科医療は無くなったのだった。

大淀事件のご遺族の方が憤りになられるお気持ちは分かるが、その気持ち、それだけでは、力は医療が壊れる方向に働いてしまったのだ。

医療システムを構築し直すのに必要なのは、時間、金、それにもまして大切なのは人。折れた心が戻ることがなければ。ご遺族がおっしゃるほどにはすぐには戻らない。たとえ行政が全力を挙げても。

参考資料

転送妊婦死産流産報道事件 2 資料
転送妊婦死産流産報道事件 2 資料 / 共同通信
転送妊婦死産流産報道事件 2 資料 / 毎日新聞

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大淀事件 35 / 第 2 回口頭弁論

Posted by guideboard on 2007/08/29/Wed

今日 2007.8.29、大阪地裁で大淀事件民事訴訟の第 2 回口頭弁論が開かれた。

元大淀病院産婦人科部長は無責であると考える。その理由については、本ブログのこれまでの記事を参照して頂きたい。

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転送妊婦死産流産報道事件 / その他報道資料

Posted by guideboard on 2007/08/29/Wed

» 転送妊婦死産流産報道事件

妊婦乗せ、救急車事故 病院決まらず搬送2時間半 大阪

asahi.com 2007.8.29

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市の中和広域消防組合の男性救急隊員(32)が運転する救急車と、同府茨木市の配送業男性(51)運転の軽ワゴン車が接触した。救急車は約2時間半前に橿原市の妊娠3カ月の女性(36)を乗せたが、奈良県内で受け入れ病院がなく、高槻市内の病院に運ぶ途中だった。別の救急車に乗り換え、約35分後に病院に運び込まれたが、流産が確認された。

高槻署や同消防組合によると、赤色灯をつけサイレンを鳴らして赤信号の交差点を直進していた救急車の後部に、左から来た軽ワゴン車が接触。双方の車体にすり傷がついた。けが人はなく、流産と事故との関係は不明という。

女性は腹痛などを訴えて午前2時45分ごろ、知人が119番通報。救急車は約10分後に女性宅に到着した。妊娠の可能性が高いため、救急隊員が消防組合本部を通じて、インターネットの県医療情報システムで産科の急患を受け入れられる県内の病院を探すとともに、奈良県立医大病院にも直接電話で問い合わせた。

同医大病院が処置中であるなど、県内で病院が見つからなかったため大阪府内の病院に電話をかけた。しかし、満床や処置中などで受け入れ病院はすぐに見つからず、9カ所目で高槻市の病院が受け入れ可能と判明した。午前4時20分ごろ、橿原市内の女性宅を出発。病院まで約20分のところで事故が起きたという。

奈良県では昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった女性(当時32)が奈良、大阪両府県の19病院で受け入れを拒まれ、8日後に死亡した問題があった。

事故を起こした救急車が所属する同組合橿原消防署は「搬送手順に問題はなかった。大型病院に受け入れてもらえなければ県外へ搬送せざるを得ず、日によっては今回程度の時間がかかってしまう」と説明している。

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奈良→大阪9か所断られ、妊婦の搬送先決まらず流産

YOMIURI ONLINE 2007.8.29

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市から女性(36)を搬送していた中和広域消防組合(橿原市)の救急車が、同府茨木市の自営業男性(51)運転の軽乗用車と衝突した。

女性は高槻市消防本部の救急車に移し替えられ、約40分後に高槻市内の病院に運ばれたが、妊娠3か月で、すでに流産していた。女性は奈良県立医大病院(橿原市)と大阪府内の計9病院で受け入れを断られ、高槻市内の病院が10か所目だった。

高槻署の調べによると、救急車がサイレンを鳴らして赤信号で交差点に進入し、左から走ってきた軽乗用車が衝突した。当時、激しい雨が降っていたという。消防隊員らにけがはなかった。女性は事故10分前に救急車内で流産したという。

中和広域消防組合によると、午前2時45分ごろ、自宅近くのスーパーにいた女性が体調を崩し、いっしょにいた知人が「妊娠の可能性がある女性が下腹部から出血している。彼女には流産の経験がある」と同消防組合に通報。同消防組合は同医大病院に受け入れを要請したが、手術中だったため搬送できず、同府内の5病院に連絡。5病院は「処置中」などと回答し、さらに同府内の4病院に電話を入れ、10か所目の高槻市内の病院で受け入れが決まった。救急車は最初の通報を受けてから、約1時間半後の同4時20分に出発した。

この日、同県内の産婦人科で妊婦の受け入れが可能だったのは同医大病院だけだったが、消防組合からの要請を3度にわたり断ったという。同医大病院は「事実を確認中」としている。

(2007年8月29日14時3分 読売新聞)

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9病院に断られ妊婦流産…奈良から大阪へ搬送中

YOMIURI ONLINE 関西発 2007.8.29

◆通報から出発まで1時間半

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市から女性(36)を搬送していた中和広域消防組合(橿原市)の救急車が、同府茨木市の自営業男性(51)運転の軽乗用車と衝突した。女性は高槻市消防本部の救急車に移し替えられ、約40分後に高槻市内の病院に運ばれたが、妊娠3か月で、すでに流産していた。女性は奈良県立医大病院(橿原市)と大阪府内の計9病院で受け入れを断られ、高槻市内の病院が10か所目だった。

高槻署の調べでは、救急車がサイレンを鳴らして赤信号で交差点に進入し、左から走ってきた軽乗用車が衝突した。当時、激しい雨が降っていたという。消防隊員らにけがはなかった。女性は事故の10分前に救急車内で流産したという。

中和広域消防組合によると、午前2時45分ごろ、自宅近くのスーパーにいた女性が体調を崩し、いっしょにいた知人が「妊娠の可能性がある女性が下腹部から出血している。彼女には流産の経験がある」と同消防組合に通報。同消防組合は同医大病院に受け入れを要請したが、手術中だったため搬送できず、同府内の5病院に連絡。

5病院は「処置中」などと回答し、さらに同府内の4病院に電話を入れ、10か所目の高槻市内の病院で受け入れが決まった。救急車は最初の通報を受けてから、約1時間半後の同4時20分に出発した。

この日、同県内の産婦人科で妊婦の受け入れが可能だったのは同医大病院だけだったが、消防組合からの要請を3度にわたって断ったという。同医大病院は「事実を確認中」としている。

妊婦の救急搬送を巡っては、昨年8月、同県大淀町立大淀病院で、分娩(ぶんべん)中に意識不明となった妊婦が、同県内や大阪府内の計19病院に受け入れを断られた末、約6時間後に収容された同府内の病院で、出産から8日後に死亡した。同県は妊婦の救急搬送システムの見直しに取り組み、未整備だった「総合周産期母子医療センター」を来年5月に開設することになっている。

(2007年8月29日 読売新聞)

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受け入れ難航、救急車事故 大阪、打診10カ所で妊婦は死産

東京新聞 2007.8.29

2007年8月29日 12時43分

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市の女性(36)を搬送中だった救急車と、大阪府茨木市の自営業男性(51)の軽ワゴン車が衝突した。女性は妊娠3カ月で、別の救急車で午前5時50分ごろ病院へ着いたが、死産が確認された。女性らにけがはなかった。

奈良県の中和広域消防組合によると、女性は同日午前2時45分ごろ、出血を伴う腹痛を訴え119番。産婦人科を探したが、奈良県では受け入れ先が見つからず、10カ所目に打診した高槻市の病院へ搬送する途中だった。

高槻署の調べでは、救急車は赤色灯をつけて直進。青信号で交差点に進入した軽ワゴン車とぶつかった。同署は双方に落ち度のない事故で、事故と死産の関係は分からないとしている。

奈良県では昨年8月、大淀町の病院で分娩中に意識不明になった女性が、約20の病院に転院を断られ死亡している。

(共同)

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受け入れ難航 妊婦流産 奈良から大阪 救急車、車と事故 打診10カ所

東京新聞 2007.8.29

2007年8月29日 夕刊

二十九日午前五時十分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市の妊娠三カ月の女性(36)を運んでいた救急車と、大阪府茨木市の自営業男性(51)の軽ワゴン車が衝突。女性は別の救急車で午前五時五十分ごろ病院へ着いたが、流産が確認された。女性は無事。

女性は腹痛のため一一九番したが、受け入れ先がなかなか見つからず、十カ所目に打診した高槻市の病院に着いたのは約三時間後だった。救急隊員らにけがはなかった。

奈良県の中和広域消防組合によると、女性は出血を伴う腹痛を訴え、同日午前二時四十五分ごろ、知人の男性が一一九番。同二時五十五分ごろ救急車に運び込まれた。

組合が産婦人科を探したが、奈良県では手術中などの理由で受け入れ先が見つからず、救急車は待機。高槻市の高槻病院が受け入れることになり、同四時二十分ごろ出発。事故は同病院に向かう途中だった。

高槻署の調べでは、救急車は赤色灯をつけてサイレンを鳴らし、赤信号だった交差点に進入。左から来た軽ワゴン車とぶつかった。

同署は双方に落ち度のない事故で、事故と流産の関係は分からないとしている。

相次ぐたらい回し

救急患者のたらい回しによる悲劇は、奈良県などで相次いでいた。今回の事故で、依然として受け入れ態勢に不備があることが浮かんだ。

同県では昨年八月、大淀町の病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明になった女性=当時(32)=が約二十の病院に転院を断られた末に死亡した。

二〇〇五年二月には、広島市の特別養護老人ホームに入所していた九十代の女性が、意識不明の重体になり救急搬送された際、満床などを理由に七病院が受け入れを拒んだ。搬送先が見つかるまでに約一時間二十分かかり、女性は死亡した。

〇三年八月には、ゼリーをのどに詰まらせた川崎市の男児=当時(3つ)=が市立病院に救急搬送の受け入れをいったん断られるなどして窒息死。翌年十一月、両親が病院を相手に損害賠償を求めて提訴した。男児は、この病院のほかにも五病院に次々に搬送を断られ、結局、市立病院が受け入れたが助からなかった。

一九九九年一月には、埼玉県大宮市(現さいたま市)で、交通事故で重体になった主婦=同(79)=が、事故現場近くの病院で受け入れを断られ、別の病院へ運ばれる途中で死亡している。
 
受け入れ拒否の理由は満床や人手不足、専門医不在など。奈良の妊婦死亡をめぐっては、救急医療の不備が問題化。厚生労働省は、超未熟児や切迫早産などの母子に対して緊急時を含めて高度医療を行う拠点を全都道府県に設ける方針だが、奈良県は来年一月の新設予定で、未整備だった。

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受け入れ難航、救急車事故、妊婦流産

nikkansports.com

2007.8.29

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市の国道171号交差点で、奈良県橿原市の妊娠3カ月の女性(36)を運んでいた救急車と、大阪府茨木市の自営業男性(51)の軽ワゴン車が衝突。女性は別の救急車で午前5時50分ごろ病院へ着いたが、流産が確認された。女性は無事。

女性は腹痛のため119番したが、受け入れ先がなかなか見つからず、10カ所目に打診した高槻市の病院に着いたのは約3時間後だった。救急隊員らにけがはなかった。

奈良県の中和広域消防組合によると、女性は出血を伴う腹痛を訴え、同日午前2時45分ごろ、知人の男性が119番。同2時55分ごろ救急車に運び込まれた。

組合が産婦人科を探したが、奈良県では手術中などの理由で受け入れ先が見つからず、救急車は待機。高槻市の高槻病院が受け入れることになり、同4時20分ごろ出発。事故は同病院に向かう途中だった。

高槻署の調べでは、救急車は赤色灯をつけてサイレンを鳴らし、赤信号だった交差点に進入。左から来た軽ワゴン車とぶつかった。

同署は双方に落ち度のない事故で、事故と流産の関係は分からないとしている。

奈良県では昨年8月、大淀町の病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明になった女性が、約20の病院に転院を断られ死亡。近畿2府4県と福井、三重、徳島の知事でつくる近畿ブロック知事会議は、各府県が協力し、出産前後の妊婦の搬送や受け入れ態勢を確保することで合意している。

[2007年8月29日14時5分]

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受け入れ難航、救急車も事故 打診10カ所で妊婦死産

中國新聞 2007.8.29

二十九日午前五時十分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市の女性(36)を搬送中だった救急車と、大阪府茨木市の自営業男性(51)の軽ワゴン車が衝突した。女性は妊娠三カ月で、別の救急車で午前五時五十分ごろ病院へ着いたが、死産が確認された。女性らにけがはなかった。

奈良県の中和広域消防組合によると、女性は同日午前二時四十五分ごろ、出血を伴う腹痛を訴え一一九番。産婦人科を探したが、奈良県では受け入れ先が見つからず、十カ所目に打診した高槻市の病院へ搬送する途中だった。

高槻署の調べでは、救急車は赤色灯をつけて直進。青信号で交差点に進入した軽ワゴン車とぶつかった。同署は双方に落ち度のない事故で、事故と死産の関係は分からないとしている。

奈良県では昨年八月、大淀町の病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明になった女性が、約二十の病院に転院を断られ死亡。近畿二府四県と福井、三重、徳島の知事でつくる近畿ブロック知事会議は、各府県が協力し、出産前後の妊婦の搬送や受け入れ体制を確保することで合意している。

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救急車が接触事故・妊婦搬送、胎児が死亡

NIKKEI NET 2007.8.29

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号の交差点で、奈良県橿原市の中和広域消防組合の救急車と軽乗用車が接触事故を起こした。救急車は同市内に住む妊娠3カ月の女性(36)を搬送する途中で、女性は約40分後に高槻市内の病院に搬送されたが、流産だった。女性は無事という。高槻署が事故の詳しい原因を調べている。

奈良県では昨年8月、大淀町の病院で意識不明になった妊婦(当時32)が、受け入れ先の病院が決まるまで約6時間かかり、出産後に死亡する事故が起きている。この日の事故でも女性を病院に搬送するまでに約3時間かかっており、救急医療態勢の不備が改めて問われそうだ。

同組合などによると、同日午前2時45分ごろ、女性から「下腹部から出血した」と119番通報があった。この日、産婦人科の救急搬送が可能な病院として県内で唯一リストアップされていた奈良県立医大病院(橿原市)に受け入れを打診したが、「医師がほかの患者の手術中」などと断られた。(14:49)

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時事ドットコム 2007.8.29

2007/08/29-13:04 妊婦乗せた救急車事故=奈良から搬送中、流産−受け入れ先探し1時間半・大阪

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道の交差点で、救急車と軽自動車が接触した。救急車は奈良県橿原市から妊娠3カ月の女性(36)を搬送中で、女性は別の救急車で高槻市内の病院に運ばれたが流産した。府警高槻署が事故の詳しい原因を調べている。事故と流産の因果関係は不明という。

女性を搬送した中和広域消防組合(橿原市)によると、女性は腹痛を訴え、午前2時45分ごろ知人が119番。救急車は10分後に女性を収容したが、同市内の県立医科大学付属病院は手術中で対応できなかった。県内でほかに受け入れ可能な病院は見つからず、大阪府内の9病院に打診して搬送先を高槻市内の病院に決め、出発したのは約1時間半後だった。

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転送妊婦死産流産報道事件 / 毎日新聞資料

Posted by guideboard on 2007/08/29/Wed

毎日新聞の報道を記録する。一部に web 版と m3 版との重複がある。

» 転送妊婦死産流産報道事件


妊婦が流産 9施設が拒否 奈良・橿原から大阪・高槻に搬送中、救急車事故

毎日新聞 2007.8.29

救急車事故:妊婦が流産 9施設が拒否、奈良・橿原から大阪・高槻に搬送中

◇1時間半待機

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠中の奈良県橿原市の女性(36)を搬送中の救急車と軽乗用車が出合い頭に接触した。搬送先の高槻市の高槻病院で、胎児の死亡が確認された。母体は無事。女性は119番から車中で約1時間半も受け入れ先が決まらず、橿原市から約41キロも離れた高槻市の病院へ運ばれる途中だった。妊婦の搬送を巡っては、昨年8月に奈良県の妊婦が転送先が見つからずに容体を悪化させて死亡し、救急体制の不備が浮き彫りになった。(11面に関連記事)

府警高槻署の調べでは、軽乗用車は大阪府茨木市の自営業の男性(51)が運転、この事故で他にけが人はなかった。同署は、事故と流産の関連を捜査している。

女性は同日午前2時44分ごろ、橿原市内のスーパーマーケットで買い物中、「下腹部が痛い」と訴え、同居の男性を介して119番通報した。奈良県の橿原消防署(中和広域消防組合)の救急隊員は同県立医科大に受け入れを要請したが、「手術中のため不可能」と回答された。このため、同消防署は大阪府内の産婦人科などに要請したがいずれも「処置中」などを理由に断られ、10施設目(連絡は延べ12回目)の高槻市の病院に決まったのは同4時19分だった。かかりつけの医者は、いなかったらしい。

高槻市消防本部によると、女性は妊娠中期だったとみられる。

橿原消防署などによると、女性は搬送中の午前5時ごろ、救急車内で破水を起こし、その約10分後に事故に巻き込まれた。病院に着いたのは、通報から約3時間後の同5時46分だった。

同消防署予防課は「事故による容体の変化は見られなかった。流産との関連は警察の捜査に委ねたい」と話している。

大阪市内の産婦人科院長によると、破水の状況から、女性は切迫流産と見られる。(1)何らかの理由で胎児が死亡し、おなかの張りを訴えた(2)子宮が感染を起こし、それに伴って破水した(3)妊娠初期にかかわらず子宮口が開いてしまう「頸管(けいかん)無力症」による流産–の3通りが考えられるという。早期に病院に運ばれていれば、(3)の場合は胎児を助けられた可能性があったという。

昨年8月、奈良県大淀町立大淀病院で、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった妊婦が転送を同県と大阪府内の19病院に断られた末、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運ばれ、約1週間後に死亡した。これを受け、国は今年度中に、総合周産期母子医療センターを整備することとしていたが、奈良県など4県で困難な状況に陥っている。

奈良県では、緊急に高度な治療を要する妊婦を県外の病院に転送する比率が、04年で約37%に上り、全国最悪のレベルだった。奈良県は未整備だった「総合周産期母子医療センター」を来年5月に設置。母体や新生児の救急搬送に対応する予定だった。

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搬送中の妊婦が流産 奈良→大阪、入れ先決まらず車中で1時間半 救急車事故

毎日新聞 2007.8.29

救急車事故:搬送中の妊婦が流産 奈良→大阪、入れ先決まらず車中で1時間半

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠中の奈良県橿原市の女性(36)を搬送中の救急車と軽乗用車が出合い頭に接触した。搬送先の高槻市の病院で、胎児の死亡が確認された。女性は119番から車中で約1時間半も受け入れ先が決まらず、橿原市から約41キロも離れた高槻市の病院へ運ばれる途中だった。昨年8月には、奈良県の妊婦が転送先が見つからずに容体を悪化させて死亡しており、救急体制の不備が浮き彫りになった。

府警高槻署の調べでは軽乗用車は大阪府茨木市の自営業の男性(51)が運転。他にけが人はなかった。同署は、事故と流産の関連を捜査している。

女性は同日午前2時44分ごろ、橿原市内のスーパーマーケットで買い物中、「下腹部が痛い」と訴え、同居の男性を介して119番通報した。奈良県の橿原消防署(中和広域消防組合)の救急隊員は同県立医科大に受け入れを要請したが、「手術中のため不可能」と回答された。このため、同消防署は大阪府内の産婦人科などに要請したがいずれも「処置中」などを理由に断られ、10施設目(連絡は延べ12回目)の高槻市の病院に決まったのは同4時19分だった。かかりつけの医者はいなかったらしい。

高槻市消防本部によると、女性は妊娠20週目だったとみられるという。

橿原消防署などによると、女性は搬送中の午前5時ごろ、救急車内で破水を起こし、その約10分後に事故に巻き込まれた。病院に着いたのは、通報から約3時間後の同5時46分だった。

同消防署予防課は「事故による容体の変化は見られなかった。流産との関連は警察の捜査に委ねたい」と話している。

◇昨夏は妊婦死亡–奈良

昨年8月には、奈良県の大淀町立大淀病院で、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった妊婦が転送を同県と大阪府内の19病院に断られた末、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運ばれ、約1週間後に死亡した。これを受け、国は今年度中に、総合周産期母子医療センターを整備することとしていたが、奈良県など4県で困難な状況に陥っている。

奈良県では、緊急に高度な治療を要する妊婦を県外の病院に転送する比率が、04年で約37%に上り、全国最悪のレベルだった。母体・胎児の集中治療管理室(MFICU)を備えている病院も、県立医科大学付属病院(橿原市)と県立奈良病院(奈良市)の2カ所だけ。

奈良県は未整備だった「総合周産期母子医療センター」を来年5月に設置。母体や新生児の救急搬送に対応する予定だった。

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「同じ過ち、なぜ」 大淀の教訓生きず「医療機関充実していれば」 奈良の搬送中流産

毎日新聞 2007.8.29

奈良の搬送中流産:「同じ過ち、なぜ」 大淀の教訓生きず「医療機関充実していれば」

深刻な産科医不足が、またも悲劇を生んだ。大阪府高槻市で29日、妊娠中の女性(36)を搬送していた救急車が交通事故に巻き込まれ、その後、女性の流産が確認された。女性は、奈良県橿原市内で買い物中に下腹部の痛みを訴え、9カ所の医療機関に受け入れを断られた末、約1時間半後に受け入れに応じた高槻市内の病院に向かう途中。救急車に乗ってから約2時間20分後の事故だった。同県では昨年8月に19病院から受け入れを断られた妊婦が死亡し、周産期医療の救急体制の不備が問題になったばかり。その遺族は「なぜ同じことが繰り返されるのか」と、唇をかみしめた。

女性が「下腹部が痛い」と訴えたのは、橿原市内の自宅近くの24時間営業スーパーで買い物をしていた29日午前2時44分ごろ。一緒にいた同居の男性が119番通報した。9カ所の医療機関に延べ11回、「手術中」「処置中」と断られ、ようやく同4時19分に高槻市内の病院が受け入れに応じた。救急車が同市内で事故に巻き込まれたのは、同5時9分ごろだった。

代わりの救急車は現場で約30分間、足止め状態に。「胎児が、女性の体外に出ており、処置などに手間取った」という。胎児は20週目くらいだった。橿原消防署の西谷重信・予防課長は「女性には不幸なことだった。医療機関が充実してさえいれば、こんなことにはならなかった」と話した。

同県大淀町立大淀病院では昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となった高崎実香さん(当時32歳)が、19病院に転送を断られた末、約60キロ離れた搬送先の国立循環器病センター(大阪府吹田市)で約1週間後に死亡した。高崎さんの義父憲治さん(53)はこの日、「悲しく、悔しい。家族として同じことを繰り返さないよう訴えてきたのに、何も変わっていない。関係者は責任を持って、もっと真剣に考えてほしい」と訴えた。

救急搬送が必要な妊婦を県外病院に転送する比率が04年に4割近くに達していた同県。大阪府でも、「産婦人科診療相互援助システム」加盟病院への搬送件数は、96年の963件から、05年には1779件と2倍近くに増加している。両府県など2府7県は、府県境を越えて円滑な緊急搬送を実現するため「近畿ブロック周産期医療広域連携検討会」を今年3月に設置。来年度からの運用を目指しているところだった。

◇1次救急どう対応–大阪府の産科救急ネットワークの中核を担う府立母子保健総合医療センターの末原則幸・副院長兼産科部長の話

府内の「産婦人科診療相互援助システム」(OGCS)は、かかりつけの病院など地域の出産施設から搬送を受ける2次救急のネットワークの中にある。今回のように、救急隊が現場から妊婦を搬送する1次救急は、枠組みに入っていない。今後、1次救急にOGCSとして、どう対応するか検討する必要がある。

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■事故の経緯■

29日午前2時44分 女性の同居男性が119番
2時52分 救急隊員が到着
4時19分 高槻市の病院に搬送先決まる
5時ごろ  救急車内で女性が破水
5時9分  救急車と軽乗用車が接触事故
5時10分 隊員が高槻市消防本部に119番
5時13分 高槻の隊員が事故現場に到着
5時41分 現場から高槻の病院へ出発
5時46分 病院に到着
5時55分 胎児の死亡確認

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救急車事故:搬送中の妊婦流産 大阪

毎日新聞 2007.8.29

29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠中の奈良県橿原市の女性(36)を搬送中の救急車と軽乗用車が出合い頭に接触した。搬送先の高槻市の病院で、胎児の死亡が確認された。女性は119番から車中で約1時間半も受け入れ先が決まらず、橿原市から約41キロも離れた高槻市の病院へ運ばれる途中だった。昨年8月には、奈良県の妊婦が転送先が見つからずに容体を悪化させて死亡しており、救急体制の不備が浮き彫りになった。

府警高槻署の調べでは、軽乗用車は大阪府茨木市の自営業の男性(51)が運転。他にけが人はなかった。同署は、事故と流産の関連を捜査している。

女性は同日午前2時44分ごろ、橿原市内のスーパーマーケットで買い物中、「下腹部が痛い」と訴え、同居の男性を介して119番通報した。奈良県の橿原消防署(中和広域消防組合)の救急隊員は同県立医科大に受け入れを要請したが、「手術中のため不可能」と回答された。このため、同消防署は大阪府内の産婦人科などに要請したがいずれも「処置中」などを理由に断られ、10施設目(連絡は延べ12回目)の高槻市の病院に決まったのは同4時19分だった。かかりつけの医者はいなかったらしい。

高槻市消防本部によると、女性は妊娠20週目だったとみられるという。

橿原消防署などによると、女性は搬送中の午前5時ごろ、救急車内で破水を起し、その約10分後に事故に巻き込まれた。病院に着いたのは、通報から約3時間後の同5時46分だった。

同消防署予防課は「事故による容体の変化は見られなかった。流産との関連は警察の捜査に委ねたい」と話している。

昨年8月には、奈良県の大淀町立大淀病院で、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった妊婦が転送を同県と大阪府内の19病院に断られた末、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運ばれ、約1週間後に死亡した。これを受け、国は今年度中に、総合周産期母子医療センターを整備することとしていたが、奈良県など4県で困難な状況に陥っている。

奈良県では、緊急に高度な治療を要する妊婦を県外の病院に転送する比率が、04年で約37%に上り、全国最悪のレベルだった。母体・胎児の集中治療管理室(MFICU)を備えている病院も、県立医科大学付属病院(橿原市)と県立奈良病院(奈良市)の2カ所だけ。

奈良県は未整備だった「総合周産期母子医療センター」を来年5月に設置。母体や新生児の救急搬送に対応する予定だった。

毎日新聞 2007年8月29日 11時48分 (最終更新時間 8月29日 13時11分)

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転送妊婦死産流産報道事件

Posted by guideboard on 2007/08/29/Wed

妊娠 3 ヶ月の妊婦が腹痛を訴え、救急搬送先を探すのに時間がかかり、搬送の間に流産した。報道により、20 週目、3 ヶ月などと差がある。

妊娠 12 週までの流産の、そのほとんどの原因は胎児側の要因、すなわち遺伝子異常であるという。自然の摂理として受精卵に遺伝子の異常が生じることがあり、母体はそれを排除しようとする。それが妊娠初期の流産の多くのケースである。高次の周産期救急医療の適応外である。

週数がもっと進んで、早期搬送で助かる切迫早産の事例もあり得る。そういう事例とシステムの検証とが必要である。

ところが報道では、早い搬送なら流産せずに助かったはずであるかのような印象を受ける。その上、大淀事件のご遺族のコメントを出してまで、救急搬送システムの不備を批判している。

救急医療システムに不備があり、それを改善するための批判、検証や提言は大切だが、この報道だと感情に訴えて犯人探しをして叩いて終わりになってしまう。

毎日新聞 2007.8.29
高崎さんの義父憲治さん(53)はこの日、「悲しく、悔しい。家族として同じことを繰り返さないよう訴えてきたのに、何も変わっていない。関係者は責任を持って、もっと真剣に考えてほしい」と訴えた。

構築には長い年月がかかるが壊れるのは一瞬。福島県立大野病院と奈良県大淀町立大淀病院の、たった 2 件で日本の産科医療を破壊するのに充分なエネルギーだった。それらだけでなく、さらに多くのエネルギーが、既に、注入されている。

参考資料

転送妊婦死産流産報道事件 / 毎日新聞資料
転送妊婦死産流産報道事件 / その他報道資料

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大淀事件 34 / 医療過誤専門弁護士資料

Posted by guideboard on 2007/08/23/Thu

損害賠償請求控訴事件
大阪高等裁判所平成一五年(ネ)第一〇四四号
平成17年9月13日民事第四部判決
控訴人 甲野一郎
同法定代理人親権者父 甲野太郎
同母 甲野花子
控訴人 甲野太郎 ほか一名
上記三名訴訟代理人弁護士 阪井基二

同 阪井千鶴子 

被控訴人 徳島県
同代表者徳島県病院事業管理者 塩谷泰一
同訴訟代理人弁護士 田中達也
同 田中浩三

【文献番号】28110568
文献種別 判決/大阪高等裁判所(控訴審)
判決年月日 平成17年 9月13日
事件番号 平成15年(ネ)第1044号
事件名 損害賠償請求控訴事件

判決概要 帝王切開術によって出生した子とその父母である控訴人らが、控訴人の出生に際し、被控訴人が設置、運営する病院の担当医師らの医療行為に不適切な点があったため、控訴人に脳障害が残ったとして、不法行為又は診療契約の債務不履行に基づき、損害賠償を請求した事案で、担当医師には、母に対して帝王切開術を施行する必要性がいまだ肯定できないのにこれを実施し、子を在胎31週4日で肺機能や脳室周囲血管の未熟なままに娩出させた過失があり、また、父母に対し、帝王切開の選択が胎児に与えるリスクや他の選択肢の可能性について説明しなかった点において、説明義務の違反があるとして、請求を一部認容した事例。

主   文

一 原判決を次のとおり変更する。
(1)被控訴人は、控訴人甲野一郎に対し、一億〇六二四万四九六九円及びこれに対する平成四年七月四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
(2)被控訴人は、控訴人甲野太郎及び同甲野花子に対し、各三三〇万円及びこれらに対する平成四年七月四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
(3)控訴人らのその余の請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は第一、二審を通じてこれを五分し、その一を控訴人らの、その余を被控訴人の負担とする。
三 この判決主文一項(1)及び(2)は仮に執行することができる

事実及び理由

第一 当事者の求める裁判
一 控訴人ら
(1)原判決を取り消す。
(2)主位的請求
ア 被控訴人は、控訴人甲野一郎に対し、一億四二三八万一五五七円及びこれに対する平成四年七月四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
イ 被控訴人は、控訴人甲野太郎及び同甲野花子に対し、各六五〇万円及びこれらに対する平成四年七月四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
(3)予備的請求
 附帯請求の起算日を平成九年二月八日とするほかは、いずれも主位的請求と同じ。
(4)訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
(5)仮執行宣言
二 被控訴人
(1)本件各控訴をいずれも棄却する。
(2)控訴費用は控訴人らの負担とする。
(3)担保を条件とする仮執行免脱宣言

第二 事案の概要
一 本件は、控訴人らが、控訴人甲野太郎及び同甲野花子の子である同甲野一郎の出生に際し、被控訴人が設置、運営する徳島県立中央病院の医師らの医療行為に不適切な点があったため、控訴人甲野一郎に脳障害が残ったとして、主位的には不法行為に基づき、予備的には診療契約の債務不履行に基づき、それにより生じた損害の賠償を求めた事案である。
 原審は、徳島県立中央病院の医師らに控訴人ら主張の各過失は認められず、その余の点について検討するまでもなく控訴人らの請求は理由がないとして、その請求をいずれも棄却した。そこで、これを不服として、控訴人らが本件控訴を提起した。
二 前提となる事実(当事者間に争いがない事実並びに後に掲記する証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実)
(1)当事者
ア 控訴人甲野一郎(以下「控訴人一郎」という。)は、控訴人甲野太郎(以下「控訴人太郎」という。)を父とし、控訴人甲野花子(以下「控訴人花子」という。)を母として、平成四年七月四日に、第三子として誕生した。
イ 被控訴人は、徳島県立中央病院(以下「被控訴人病院」という。)を設置、運営し、産婦人科の乙山松子医師(以下「乙山医師」という。)や小児科の丙川竹夫医師(以下「丙川医師」という。)など同病院に勤務する医師を履行補助者として診療行為を行っていた。
(2)診療契約の締結
 控訴人花子の入院に際し、控訴人太郎及び同花子は、被控訴人病院を通じて、被控訴人との間で、控訴人花子の出産について、適切な診療、分娩介助及び施術をする旨の診療契約を締結するとともに、控訴人一郎の出生介助及び出生後に控訴人一郎に適切な診療をする旨の診療契約を締結した。
(3)事実経過等
ア 控訴人花子は、平成四年一月七日(以下、日時の記載は、特に断りのない限り平成四年のことである。)、月経が止まったとの理由で、被控訴人病院産婦人科を受診し、在胎週数六週四日(以下、「〜週」というのは在胎週数を意味する。)と診断された。
イ 控訴人花子は、一月二一日から六月九日までの間、被控訴人病院において、おおむね一か月ごとに乙山医師による検診を受けていた。乙山医師は、四月一四日の検診のころから、控訴人花子につき、前置胎盤を疑うようになったが、五月一二日及び六月九日に控訴人花子に対して行った超音波検査により前置胎盤であるとの確定診断を下し、六月九日、控訴人花子に入院を勧めた。そこで控訴人花子は、六月一二日、二八週三日で被控訴人病院に入院した。
ウ 七月四日午前六時四〇分ころ、控訴人花子がトイレに行った際に性器出血が見られた(なお、これ以降の出血の態様や量については争いがある。)。
 乙山医師は、同日午前八時二五分ころに控訴人花子を診察した上、控訴人花子に対し、帝王切開術による分娩を行うこととした。
 控訴人花子は、同日午前一〇時五分ころ、被控訴人病院三階の手術室(以下、単に「手術室」という。)に搬入され、全身麻酔を施された。
 乙山医師は、控訴人花子に対し、手術室において、同日午前一〇時一五分から帝王切開術を開始し、
同日午前一〇時一八分に控訴人一郎を娩出した。出血量は、羊水込みで約七五〇mlであった。
 控訴人一郎は、三一週四日であり、出生体重は一七一六gと低出生体重児であった。
控訴人一郎は、出生時の啼泣がカルテ上(±)とされ、全身色不良で、筋緊張も弱く、一分後のアプガースコアは七点であった。
エ 控訴人一郎は、自発呼吸はあるものの呼吸がやや弱いため、手術室内でアンビューバッグによる酸素投与により呼吸補助を受け、その後、同所から酸素投与しながら保育器に入れられて、丁原梅子助産婦によってエレベーターを利用して、被控訴人病院四階小児病棟の未熟児室(以下、単に「未熟児室」という。)に搬送された(以下「本件搬送」という。なお、未熟児室に搬入された時刻については争いがある。)。手術室において分娩に立ち会っていた小児科の丙川医師は、三階の手術室を出てから四階の未熟児室まで先行し、控訴人一郎を待ち受けた。
 本件搬送に際し、エレベーターを待ち未熟児室に至るまでの間に、控訴人一郎は呼吸不全を起こし皮膚色が悪化し、強度のチアノーゼを呈した。
丙川医師は、未熟児室への搬入後、控訴人一郎に対し、アンビューバッグによる酸素投与を行い、その後、気管内挿管を行ってレスピレータ装着等の処置を施した。
その後、レントゲン所見上、肺未熟の疑いにより、同日午前一一時二五分ころに至って人工サーファクタントを投与した。投与中から経皮酸素モニターでの酸素分圧等の改善がみられ、レスピレータの酸素投与条件減少の方向へ向かった。
オ 翌七月五日には、控訴人一郎の右肺に気胸が認められたが、八日には消退した。
カ 八月一三日、控訴人一郎は、被控訴人病院を退院した。
キ 控訴人一郎は、一一月一八日の四か月検診の際に、被控訴人病院で発達の遅れを指摘された。
 その後、控訴人一郎は、遅くとも平成六年七月七日までには、脳性麻痺と診断され、肢体不自由(両上肢機能障害二級、両下肢機能障害二級)により、身体障害一級との認定を受けた。
ク 控訴人らは、被控訴人病院の措置の過失を疑い、平成七年九月カルテ等について証拠保全を申し立て、同月二二日証拠保全がなされた。その後、控訴人らは、平成一〇年二月二六日、本件訴えを提起した。被控訴人は、控訴人らの不法行為に基づく損害賠償請求に関し、平成一一年一〇月一四日の原審第八回弁論準備手続期日において、消滅時効を援用する旨の意思表示をした。

三 争点
(1)産婦人科乙山医師の帝王切開術の実施時期決定等に係る過失
(2)小児科丙川医師の呼吸管理に関する過失
(3)説明義務違反
ア 帝王切開術の実施決定時の乙山医師の説明義務違反
イ 脳性麻痺との確定診断後の丙川医師の説明義務違反
(4)過失と脳性麻痺との因果関係
(5)控訴人らの損害額
(6)各要因の現在の症状への寄与度の考慮
(7)消滅時効(予備的抗弁)

四 争点に対する当事者の主張
(1)産婦人科乙山医師の帝王切開術の実施時期決定等に係る過失
(控訴人ら)
ア 前置胎盤が見られる場合に、分娩時期を決定するに当たっては、子宮出血の量、持続、妊娠持続期間、胎児生活力、前置胎盤の程度、胎位・胎勢、下降度、経妊、経産回数、挙児の熱望度、頸管の状態、分娩開始の有無など多くの要因を総合して慎重に判定しなければならない。
 なお、三一週の胎児の肺機能が未熟であることは、医学上明らかであり、この時期は胎児の肺の成熟にとって重要な時期なのであるから、担当の医師としては、可能な限り長く、子宮内に胎児をとどめ、肺機能が成熟するのを待つべきである。実際にも、前置胎盤においては、少量の出血を繰り返しながら、三六週まで在胎期間を延ばすことが広く行われている。
イ 本件では、乙山医師は、経口投与していたウテメリンを点滴投与に切り替えた上で、控訴人花子に対し、絶対安静を指示し、止血を試みるとともに、経時的に外出血量を計測しつつ経過観察し、少しでも長く胎児が発育するのを待ち、具体的に分娩時期を決定するに当たっても、胎児の状態、母胎の状態、出血量等から慎重に判断すべき義務があった。

 とりわけ、小児科的には、胎児は、三二週からサーファクタントが分泌され、肺機能が急速に成熟するところ、控訴人一郎は、あと二、三日で三二週となる時期にあったのであり、あと少し胎内保存的治療を施せば、肺機能の未熟性は大きく変わり、出生後の呼吸不全が起こる確率は異なったはずであるし、出生後に同じく軽度の呼吸不全が起こったとしても、予後は全く異なったはずである。また、上記のようにして胎出娩出までの時間を稼ぐ間に、副腎皮質ホルモンであるベタメタゾンやデキサメタゾンを投与するなどして、胎児の肺サーファクタントの産生を誘導した後に帝王切開することにより、新生児呼吸窮迫症候群(RDS)の発生を予防するべきであった。この方法は、平成四年当時既に一般的に行われていた。
 ところが、乙山医師は、上記義務に違反し、控訴人花子がいまだ大出血も来しておらず、大出血の予兆も少なくとも出血量からはこれを窺い知ることができない段階で、しかも、診察後も自力歩行で帰室しても何ら問題がなく、子宮収縮なども見られない状況下で、出血が止まるかどうか様子を見るというようなことを全くしないままに、単に、当日が土曜日であり、その午後以降は手術スタッフがそろいにくいことを手術決定の理由として、直ちに帝王切開術を行った。これは、慎重に決定すべき分娩時期を安易に決定したものというべきである。ちなみに、乙山医師は、出血の状況が噴出型の出血であったかのようにいうが、これを裏付ける記録はカルテには全くない。かえって、カルテには「帯下血性増量」とあるだけで、生理パッドにも出血はなかったのである。
 したがって、乙山医師には、分娩時期の決定につき、判断を誤った過失がある。また、胎内保存的治療を行い待期する間に、上記のように副腎皮質ホルモンの母胎投与を行い肺サーファクタントの産生を促すべきところ、これを怠った過失もある。

(被控訴人)
ア 前置胎盤では、通常、二五週以降、特に二八週以降に陣痛を伴わない子宮出血を来すのが特徴であり、初回は警告出血と呼ばれる出血から始まることが多いが、初回から大出血を来すこともある。一度強出血を起こすと、母体は出血性ショック、胎児は胎児仮死、胎児死亡となることがあるため、警告出血とは思えない出血があれば、初回の出血であっても、母児の救命を図る目的で緊急帝王切開術が適応となる。特に母体が出血性ショックで重篤な状態になる前に児の娩出を行うことが必要である。
 一方、控訴人らが主張するように、できる限り胎内保存的治療をすべきであるとは限らず、直ちに娩出した方が待期的管理法に比して呼吸窮迫症候群(RDS)、貧血、感染、高ビリルビン血症、低血糖症、低カルシウム血症等の罹患率が圧倒的に低いとの統計もある。
 したがって、未熟児の救命が見込める病院において、前置胎盤で出血が制御困難であると判断された場合に、やや早期に帝王切開を施行しても過失があるとはいえず、特に、全前置胎盤で性器出血が起きた場合にそれが警告出血にとどまると予測することは容易ではなく、近い将来に大量出血が起きることを想定して対処することは、医師として当然なすべき措置である。


徳島新聞 2006.2.7

県側の敗訴確定 中央病院脳性まひ訴訟、最高裁が上告棄却

徳島県立中央病院で帝王切開し、出産した子供が脳性まひになったのは医師の不適切な対応が原因として、大阪府の両親らが県に約一億六千万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は六日までに県の上告を棄却した。病院側の医療ミスを認め、県に約一億一千万円の支払いを命じた二審大阪高裁判決が確定した。

二審判決によると、母親は一九九二年六月、同病院で帝王切開することが多い「前置胎盤」と診断され入院。医師は「いつ大出血が起こるか分からない」などとし、子供が三十一週の段階の七月に帝王切開した。

一審の大阪地裁堺支部は、両親らの請求を棄却。二審の大阪高裁は一審判決を変更し、子供が三十一週の段階で、少量出血する程度だったのに帝王切開したため、出産後の呼吸不全が原因で脳性まひになったとして、病院側の医療ミスを認めた。

塩谷泰一県病院事業管理者は「県側の主張が認められず、極めて残念だ。今後とも医療安全対策については懸命に取り組んでいきたい」と話している。

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大淀事件 34 / 医療過誤専門弁護士

Posted by guideboard on 2007/08/22/Wed

本件に関連して、お二方の弁護士の名前を覚えた。

石川寛俊弁護士

大淀事件で原告ご遺族の代理人を務められている石川寛俊弁護士は、エイズ訴訟大阪原告団の弁護を努められたり、医療問題に造詣が深い方と伺っている。大阪の撃墜王とも呼ばれる凄腕でもあるという。

大淀事件では、有志の多数の医師がネット上に流れた情報を元に医学的立場から、医学、医療制度それぞれを顧みた的確な検証を行った。その元となった患者情報が流出したことを、石川弁護士はどうお思いになられたのかをここでは考察したり言及したりはしないが、大淀町の個人情報保護条例や医師などの守秘義務に反するものとして訴訟をちらつかせた。

m3.com はそれを受けて貴重なログを消し去ってしまった。

自然科学に基づく真実の探求よりも、依頼人の利益が大切なのは弁護士なら当たり前だ。日本の司法制度には、そういう司法のシステム自体が医学医療、国民の生命や健康に敵対してしまうという、制度上の限界があるともいえるだろう。

情報漏洩問題の過去記事の主なものは以下である。

» 大淀事件 27 / 情報漏洩問題
» 大淀事件 27 / 情報漏洩問題資料
» 大淀事件 30 / m3
» 大淀事件 30 / m3 資料

情報漏洩問題の画像資料は以下にある。

» guideboard


阪井千鶴子弁護士

この方は、徳島県で緊急帝切出生児の脳障害に係る裁判に置いて、原告患者側代理人を務められ、最高裁まで争って勝利された。医療過誤を専門に掲げられている、これまた凄腕の方であろう。

損害賠償請求控訴事件
大阪高等裁判所平成一五年(ネ)第一〇四四号
平成17年9月13日民事第四部判決

また、マチ弁日記おばさん弁護士の独り言というブログを主催していらっしゃる。母親でもあり、人情味あふれる方でいらっしゃるのだろう。

ただ、医療過誤専門とおっしゃった割には、大淀事件や、今まさに崩れ落ちていくまっただ中の医療については、あまりご存じないようだ。

正真正銘ひとりごと 作成日時 : 2007/06/27 21:05

突然、まじめな話をするが、ここ最近で一番ショックを受けたのは、奈良県の妊婦死亡事件の裁判のニュースである。
私も、昨年、最高裁まで争った産婦人科分野の訴訟では、某サイトで書き込まれた記事を読んで、正直言ってめげた。
で、今回、何にショックを受けたかというと、医療側の主張である。今まで、産婦人科分野の訴訟をするたびに、一病院を相手にしていると言うよりも、産婦人科学会を相手にしているという感が強かった。裁判所が「鑑定」という度に、私は、その鑑定医の推薦はどこに頼むの?産婦人科学会相手の裁判で、医師会の顧問弁護士が代理人で出てきているのに、学会に推薦して貰うの?医師会に推薦して貰うの?学会と関係のない大学なんてあるの?近畿の医療訴訟での裁判所ネットワークって何?って思ってた。そして、医療側が出してくる私的鑑定書は、鑑定人の名前を見れば、産婦人科学会を通じて頼んでいるのねと丸わかり。当時産婦人科学会の牙城と言われていた「某大学の助教授」だったりした。それを見て、いつも、自分が相手にしているのは、一病院じゃない、産婦人科学会なんだと思っていた。
ところが、今回の奈良の裁判では、報道が正しければ、被告は「医療界」をあげて、闘うらしい。おっきくなってる!!
しかし、医療界をあげて闘うのであれば、裁判所はどこに鑑定依頼をするのだろう。大阪地裁17民事部の裁判官たちも、今頃、悩んでいるのでは?

突然 作成日時 : 2007/08/19 20:25

相談者が望んでいることは医師を個人的に攻撃することではない。
相談者は、「何が起こったのか知りたい」という場合が多い。そして、金銭的なことは二の次のケースが多い。

医学と日本の医療制度の限界が示された本事件であったが、国立循環器病センターで亡くなられた方とその後遺族の方々を、まことにお気の毒に思う。そのご遺族は、本事件が報道された最初にどのようにコメントされたか。阪井弁護士はご存じないのだろう。

» 大淀事件 01 資料 / 各社報道 第一報 20061017

夫の晋輔さん(24)は「実香が意識を失っても大淀病院の主治医は『単なる失神でしょう』と言って仮眠をとっていた。命を助けようという行動は一切見えなかった。決して許せない」と訴えている。
(2006年10月17日 読売新聞)

亡くなった患者さんが意識を失った時点と脳内出血がいつ起こったかの問題、担当医が仮眠を取っていたかと各所へ連絡を取っていたかの真実は、この第一報以後、数多く検討が加えられているし、裁判で新たな事実が判明することもあろう。

「決して許さない」、こうコメントされている。ご主人がこういうコメントをされたことは無理もない。だが、阪井弁護士は、医療事故、医療過誤の被害者たる患者さんやご遺族は真実が知りたいのだとおっしゃる。

乖離しているのではないか。復讐願望、処罰感情や金銭要求は全くないのだろうか。

後は炎上、祭となってしまった阪井弁護士のブログを、見ることが叶うなら、ご覧頂きたい。

マチ弁日記おばさん弁護士の独り言
医療過誤 ( pdf 保存 658KB )
正真正銘ひとりごと ( pdf 保存 702KB )
突然 ( pdf 保存 1.2MB )

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