大淀事件 30 / m3 資料
Posted by guideboard on 2007/07/16/Mon
毎日新聞 2007.5.10
奈良・妊婦転送死亡:流出の診療情報を削除 掲示板運営会社、事実関係の調査開始
奈良県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、転送先探しが難航した末、死亡した同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)の診療情報がインターネット上に流出した問題で、流出元とみられる医師専用掲示板の運営会社が、この情報の掲載をいったん削除し事実関係の調査を始めた。今後、運営方法の見直しも検討するという。
掲示板は「m3.com Community」。ソニーグループの「ソネット・エムスリー」(本社・東京都港区)が運営する医療専門サイト内に、医師同士の率直な意見交換などを目的に設置されている。07年3月末の登録者数は14万6000人。
同社の永田朋之取締役は、診療情報の書き込みについて「個人情報の取り扱いなどの当社の規約に違反する可能性があり、判明すれば情報を削除する」としている。「書き込み情報のチェックは日常的に実施しているが、調査経過で、目的や規約に反する投稿が完全に削除されていない事実が判明した」と話している。【中村敦茂】
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毎日新聞 2007.5.16
奈良・妊婦転送死亡:診療情報流出 中傷削除のため医師掲示板を閉鎖
奈良県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、搬送先探しが難航した末に死亡した高崎実香さん(当時32歳)=奈良県五條市=の診療情報がインターネット上に流出した問題で、流出元とみられる国内最大級の医師専用掲示板が閉鎖されたことが16日、分かった。中傷などの書き込みがあったためで、閉鎖期間は削除が終わるまでの今後2、3週間に及ぶ見通し。
掲示板は、ソニーグループの「ソネット・エムスリー」(東京都港区)が運営する「m3.com Community」。登録医師は約14万6000人に上る。規約では中傷やプライバシーの侵害など不適切な書き込みを禁じているが、遺族や病院長らを不当に攻撃する書き込みがあった。書き込みは登録した医師しかできない。掲示板について遺族は「患者や遺族への中傷があふれている」と問題視していた。【中村敦茂】
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最近の弊社医師専用掲示板m3.comCommunityについての一連の報道に関しての、弊社の見解を以下の通りお知らせ致します。
<町立大淀病院に関連する診療情報のネット流出に関して>
弊社調査の結果、先般より掲載を停止している投稿の中に、既に遺族の方がマスコミに対して開示され公になっている情報、シンポジウムなどで開示された情報に加え、未だ公にはなっていない情報が含まれていた可能性があることが判明致しました。
投稿の内容のどこまでを公知とみなすのか、医師限定の掲示板における投稿をどのように扱うか等についての法的な判断に関しては、専門家の間でも見解が分かれるところです。
しかしながら、本件につきましては、遺族の方やその弁護士がマスコミを通じ法的措置を取る可能性を表明している状況の下、当該医師および弊社顧問弁護士との協議を踏まえ、弊社では当該投稿に関しては法的な問題が全くないという確証が得られるまでは、再掲載は見合わせることに致しました。
<m3.comCommunityの外部への開示について>
当掲示板サイトでは患者への中傷が溢れている等の、いたずらに医療不信を煽るようなマスコミの報道や、会員医師限定のサイトの内容が恣意的、部分的に許可無く転載、開示されている現状に対し、極めて遺憾に思っております。
弊社は、今回の件に限らず、マスコミを含む非会員に対して、当サイトの閲覧や内容についての公開は、一切許可しておりません。会員の皆様におかれましても、当サイトの投稿内容を外部に開示することのないようご協力をお願い致します。また、ID、パスワードを第三者に利用させることも規約にて禁止致しておりますので、もしそのようなケースをご存知でしたら、弊社までご連絡頂きますようお願い申し上げます。
<規約違反投稿に関して>
一方で、一部ではあるものの、サイト内において規約違反の投稿があることも事実です。規約にのっとり、誹謗中傷、名誉毀損、プライバシーの侵害に当たるような投稿は行わないよう、改めてお願い致します。弊社では、個人情報保護方針に基づいたプライバシーの保護、会員情報の管理を行っておりますが、他者の権利侵害等の理由で、公権的な開示請求がなされた場合には、登録情報を開示せざるを得なくなる事もございます。是非この点については、ご認識の上、ご注意をお願いいたします。また弊社では、そのような事態を未然に防ぐ意味も含め、上記他者の権利侵害に当たる恐れのある投稿、規約違反の投稿を削除することがございますのでご了承ください。
<m3.com Community運営方針について>
前回のお知らせでも述べさせていただきましたが、「医師の方々にオープンかつ率直な意見交換の場を提供することにより、さまざまな医療問題に対する認識を深めたり、医療や診療の質を向上させるためのヒントを共有することにより、日本の医療に貢献すること」を目的として、弊社では当掲示板サイトを運営しています。また、必ずしもマスメディアでは取り上げられないような専門的な情報を得る場としても、意味のあるサイトだと信じています。事実、先日行なったユーザー医師の方へのアンケートにおいても、93%の方に「意義があるサービスだ」とご評価頂き、96%の方に「サイトを継続して欲しい」との回答を頂きました。当社としては今後も上場しているメディア企業として、社会的な意義と責任を踏まえ、関連法及び利用規約に沿ったサイト運営を徹底していきたいと考えています。
多くの医師の方々が「目の前の患者を助けたい」という気持ちを持って、激務に耐えながら診療に取り組んでいるにも関わらず、医療に対する不信を煽る一部の報道により、患者と医師の間の信頼関係が崩れてきていることに、多くの会員医師の方と同様に弊社でも強い懸念を感じています。今回の一連の報道でも、事実関係が不明確なまま、センセーショナルなタイトルなどで、医師と患者の間の不信感を煽りかねないものも一部にみられ、忸怩たる思いです。当サイトの中に「患者と医師は対立するものではなく、共同して病という敵に対するパートナーであるべきだ」という投稿がありましたが、正にその通りだと考えております。今後、弊社としては、患者と医師の信頼関係を再構築し、さらに医療界が発展できるよう、最大限の働きかけを行って参る所存です。
今後ともご支援、ご愛顧の程、どうぞよろしくお願い致します。
ソネット・エムスリー株式会社
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愛媛新聞 コラム 地軸 2007.5.25
「妊婦死亡」が問うもの
「妊娠したら健康な児が生まれて、なおかつ脳出血を生じた母体も助かって当然、と思っているこの夫には、妻を妊娠させる資格はないッ!」「おまえらが一生懸命勉強して医者になりお前らが主張する医療事故がない医療を行えばいい」▲
奈良県の病院で昨年、分娩(ぶんべん)中に意識不明となった女性が約二十の病院に転送を断られ、亡くなる痛ましい出来事があった。その遺族や報道に関し、引用もはばかられる書き込みがネット上でなされている。週刊誌が伝えている。会員十四万人以上の医師専用掲示板というから、さらに驚く▲
出産にリスクはつきもの。そうとは分かっていても、患者側には確率論などではなく、わが身に降りかかったことがすべてになる。万一の時はだれしも果てしない「なぜ」にさいなまれると思う▲
では病院側は説明を尽くしたといえるか。遺族らはおととい民事訴訟を起こした。命を金銭で換算する作業は不本意だろう。法廷での対立でさらに傷つきかねず、真相に迫れる保証もありはしない。提訴は決して最善ではない。それでも事実を知るにはほかに道がない▲
被害が認められることが第一歩で、再発防止策が徹底されてようやく尊厳が回復される—医療情報の公開・開示を求める市民の会の勝村久司さんの指摘も重い(「医療被害にあったとき」さいろ社)。お産の危機を告発した奈良の問題では、再発防止がことに重要になる。これも遺族の思いだ▲
危機を一番知るのは現場の医師だろう。冷静な生の声を聞きたい。