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大淀事件 09 追補資料 / 読売新聞 20061031

Posted by guideboard on 2007/07/15/Sun

» 大淀事件 09 ( 20061023 / 13:51 )

2006.10.23、産經新聞で時系列にまとめた報道があった。同じソースによると思われる報道の読売新聞のものを収載する。マスコミ各社は、初報時から日にちをおかずして、診療録に基づくレベルの報道が可能であった。すなわち、カルテを入手していた。それも家族提供である。

——————– 以下引用 ——————–

読売新聞大阪朝刊 2006.10.31 社会 39 頁

奈良県大淀町の町立大淀病院で8月、高崎実香さん(当時32歳)が出産時に脳内出血を
起こし、転院先で死亡した問題で、大淀病院の医師は、意識消失を「失神」、その1時間2
3分後のけいれんを「子癇(しかん)」と判断していた。産科医の間では「診断は難しく、
仕方がなかった」とする意見が多いが、「最初から脳出血を疑うべき」と指摘する医師もい
る。転院の問題より、早い段階で脳出血に気づけたかどうかが、救命の可能性を考える上で
最大のポイントと言えそうだ。

◆脳神経外科医「典型的な症状だ」 産科医「その場で難しい」

■高血圧で起きる

出産の際に妊婦が脳出血を起こすことは、たまにあり、緊急に開頭手術をして血腫(けっ
しゅ)を除く必要がある。

一方、子癇は、妊娠中毒症の高血圧から生じるけいれんで、こちらも頻度は少ないが命に
かかわる。妊娠中毒症は胎児と母体の不適合が原因といわれ、帝王切開などで子どもを早く
体外に出すのが治療の基本だ。

どちらも血圧の上昇が直接原因なので、子癇に脳出血が併発することもある。

高崎さんは予定日を過ぎていたため8月7日朝に入院。陣痛促進剤を投与され、夕方から
陣痛が始まったが、深夜に異変が生じた。

午前0時に頭痛、0時10分に嘔吐(おうと)、0時14分に意識消失、1時37分にけ
いれん、2時に瞳孔拡大、4時30分に呼吸困難と進んだ。

家族によると、転送先の国立循環器病センター(国循)では「右脳混合型基底核出血」と
いうタイプの出血と診断されたという。

■意識消失の時点で

大阪府高槻市で開業する脳神経外科医の山口研一郎医師は「典型的な脳出血の経過で、頭
痛の前後に出血したようだ。深い部位だが手術は可能で、いち早く開頭するしかない。けい
れんや瞳孔拡大は脳圧上昇が進んだ症状。呼吸まで止まると、命が助かっても意識障害が続
く。もっと早い段階が勝負だ」と説明。

「妊婦の意識消失で脳出血を疑うのは常道。脳外科医なら、片側まひの有無を調べてすぐ
わかる。神経系に詳しい医師がいなかったのが不幸だ」と言う。

大淀病院の主治医と内科医は、意識消失を陣痛による失神と考え、特に処置をせずに病室
を離れた。けいれんの後、子癇と判断して緊急対処を始めた。子癇では安静が重視される。

内科医はCT(コンピューター断層撮影法)を求めたが、主治医は「搬送までは安静が一
番」と退けた。家族は「私たちも『脳の血管が切れたのでは』と訴えたのに、『それは絶対
ない』と言われた」としている。

産科の訴訟で鑑定経験の多い我妻タカシ(わがつまたかし)医師は「意識を失い、痛み刺
激を与えても戻らなければ、脳出血を疑ってCTを撮るべきだ。けいれんも、子癇の場合は
繰り返し起き、意識は戻るので区別できる」と話す。

ただ、転送先については「開頭手術、帝王切開、新生児への対応が必要で、夜中に見つけ
るのは簡単ではなかろう」という見方だ。

■現実にできるか

妊娠中毒症は高血圧、たんぱく尿、浮腫のどれか一つがあると診断される。入院前、高崎
さんに明確な兆候はなかったようだが、急に起きることもある。

奈良県立医大出身の産婦人科医の1人は「頭痛が起きた時の血圧上昇は妊娠中毒症の診断
基準を上回っている。意識消失の段階で何かできたかも」と言いつつ、「自分が居合わせた
ら現実にどうだったか……」。

別の医大の産婦人科教授も「事後に考えれば処置がまずかったと言えるだろうが、その場
ではなかなかわからないものだ」と話している。

陣痛促進剤の事故は多いが、今回の脳出血とは無関係という見方が一般的だ。

■高崎実香さんの経過(診療記録から)

8/7~8
9:20 町立大淀病院に入院。妊娠41週
9:40 陣痛促進剤の内服開始
   (昼の血圧測定121/81)
14:55 陣痛促進剤の内服6回目で終了
   (夜の血圧測定131/66)
17:20 嘔吐あり、2分ごとに陣痛
21:46 「痛い、痛い」
22:00 嘔吐あり
23:00 「もうイヤ、家に帰りたい」
0:00 頭痛。「こめかみが痛い」。血圧155/84
0:10 胃液を嘔吐
0:14 突然の意識消失。血圧147/73、尿失禁
   内科医も呼ぶが「失神でしょう」
1:37 強直性けいれん、いびき。水銀血圧計で
   は200/100。主治医は子癇を疑い、けいれ
   んを抑えるマグネゾールの投与を開始
1:50 県立医大に「子癇の患者がいる」と転院
   要請。内科医がCT撮影を提案するが、
   主治医は「動かさないほうがいい」
2:00 瞳孔拡大。血圧148/75
   (この間、搬送先を探すが見つからず)
   (血圧は上が154~186)
4:30 呼吸困難で気管挿管。国循に搬送決定
4:50 救急車で搬送開始。主治医が付き添う
6:00 国循に到着。脳の手術後、帝王切開で出産
8/16 意識不明のまま死亡

写真=高崎実香さんのカルテ(家族提供)。上から5行目に「意識消失」、2枚目に「強
直性ケイレン?」「eclampsia(子癇)?」と書かれている

——————– 以上引用 ——————–

なお、読売新聞社の過去記事データベースからは、写真を見ることはできないが、記事からは、この写真と同じ診療録を撮影した写真と思われる。

http://guideboard.livejournal.com/1474.html

http://guideboard.livejournal.com/2150.html

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