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大淀事件 24 / 報道被害 ( 20061117 / 22:45 )

Posted by guideboard on 2007/07/11/Wed

本記事は、2006 年 11 月 17 日、午后 10 時 45 分、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/ にオリジナルの記事 ( 報道被害 ) がアップされたものである。原典は削除された。


キーワード
報道被害、マスコミ、関西テレビ、KTV、スーパーニュースアンカー、MBS、大阪毎日放送、毎日新聞

情報は、電波、インターネット、活字など、伝達媒体上に一度載ってしまうと、もう元には戻せない。

奈良県での、妊婦のたらい回し死亡、という報道各社の記事やニュース。システムの問題に触れてはいても、どの報道を見ても、医師個人を糾弾する姿勢は忘れないでくれている。

2006 年 11 月 14 日 ( 火 ) の関西テレビ放送 ( KTV )スーパーニュースアンカー ANCHOR の報道に、端的というか、これまでの医師糾弾報道のなかでも最先端の報道姿勢を感じることができる。キャスターはアンカーマンこと山本浩之氏と、村西利恵氏である。

YouTube の動画配信。2006 年 11 月 17 日夜 10 時頃の時点で見ることができる。

—–

本件で、患者さんをなくされたご家族、ご遺族の方々の悲痛な心中は察するにあまりある。誠に残念な事であり、あらためて、心より哀悼の意を表したい。

だが、ここでは報道のあり方を取り上げさせて頂く。本件のご遺族、ご家族の方々には何らの評価を加えるものではない。あらかじめ、お断りさせて頂く。

—–

ご家族、ご遺族が担当医を非難する言葉を口にされることに、無理はない。しかし、ご遺族お二人が、涙ながらに担当医を非難するコメントの映像をこれでもかと流す。7 分 50 秒ほどの放送時間のうち、約 1/4 だ。当事者を、被害者側とはいえ、そこまで映像化して衆目に曝すことは、ヒーローが悪役を叩きのめすのを応援するのと同じ心情が視聴者に起こることを計算しているのだろうか。その姿を気分よく見ていられる人は、多いのだろうか。

そこまでやらなくてもよいのではないか。

担当医の対応を責めるご遺族。その対応とは、子癇と診断する以前の段階での休息と、もう一つは、搬送依頼の連絡を担当医自身があまりしなかった、というものだ。そして報道は、システムの問題と言いつつ、ご遺族の映像を使うことで、担当医個人を見事に糾弾している。そして放送の最後に、キャスター氏は、担当医の対応に問題があると、はっきり言明した。

休息については、これまでの記事で、この担当医 ( 産婦人科部長 ) の勤務形態、意識レベル低下時の内科医対診と分娩監視装置でのモニター、助産師の監視と必要な措置を講じていたことは確認した。あとからあのときにどうすればよかったかという検証は、科学的究明と再発防止、システム設計の観点から行う必要があるが、個人を非難して済むものではないし、この担当医を非難すること自体、かならずしも適切とはいえない。

搬送依頼は、奈良県の周産期救急医療システムの場合、奈良県立医大が紹介の窓口になる段取りだった。田舎の病院の一医師が、個人で病院をあたるより、大学医局と県のシステムとで事にあたった方が、探索範囲を広く遠方に及ぼすことができる。本件の担当医が奈良県立医大と、あと他に少々の連絡をしただけなのは、そういうシステムだからだ。複数の司令塔がてんでバラバラな行動をとるのは、緊急時ほど、好ましくない状態である。ご遺族がそれを知らずに非難するのは無理もない。しかし、事件からかなり日にちが経った ( 11 月 14 日 ) このニュース放送で、それを知らずに流したとは思えない。

事件第一報は 2006 年 10 月 17 日、私が事件の時系列をほぼ掴んだのが 10 月 21 日。
» 大淀事件 01 ( 20061019 / 01:11 ) | 旧 奈良産科転送事件
» 大淀事件 08 ( 20061021 / 15:22 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 5

この時期のこのニュース放送は、担当医へのバッシングのとどめとでも言うべきものだ。本当にシステムの問題と思うなら、国の医療政策を検証批判すればよい。

刑事訴追の上にこの報道によるバッシングでは、本件の担当医には惨すぎる仕打ちである。仮に刑事有罪という結果になっても、今はまだ推定無罪である。また有志の医師による様々な検証も参考にして、本件の担当医にそこまで叩かれるほどの過ちはなかったと考えられる。奈良県医師会産婦人科医会は、より詳しい資料をもとに、本件担当医に問題はなかったと言っている。それすらも吹き飛ばした凄まじい嵐だ。

福島県の逮捕された産婦人科医の映像とともに、これもショッキングな映像として、見る人々に医師への反感を植え付けただろう。

———-

以下、参考資料、過去記事

大淀事件 20 ( 20061105 / 23:53 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 16

2006.11.14 KTV ( 関西テレビ ) 妊婦死亡の波紋 ( LIVEJOURNAL )

大淀事件 20 ( 20061105 / 23:53 ) | 旧 映像 Pictures 2006.11.2 MBS ( 大阪毎日放送 ) 特集 妊婦の命は救えなかったのか ( LIVEJOURNAL )

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コメント

私もそうですし、
もちろん道標主人様もそうですが、
こうやってネット上で意見を主張している効果がどれほどあるかは疑問でした。
ネット上の意見なんてマスターベーションに過ぎないの批判も常にあり、
強大なマスコミの影響力に較べれば、
やっている事は月とすっぽんとも考えられてもいました。

ところがそんなに馬鹿にしたものでもなさそうです。
拙ブログに寄せられたコメントですが、
内容からかなりの信憑性が置けると考えています。
信憑性を置いた上での話になりますが、
コメンターは心嚢穿刺事件を担当していた可能性があります。
大淀の事件には関与していると明言しています。
その弁護士がネット上の声は確実に利いていると発言しています。

例の「恥を知れ」発言が不十分ながらも訂正されたのも、
これもネットの力が大きいと評価しています。
傍証に過ぎませんし、
手の込んだデマの可能性も否定できませんが、
それでもささやかながら
やってきた事に効果があったことを
素直に喜びたいと思っています。

道標主人様におかれましても
益々の健筆、期待しております。

投稿 Yosyan | 2006/11/18 8:51:47

Yosyan 先生
こんにちは、または、こんばんは

> ところがそんなに馬鹿にしたものでもなさそうです。

私も、少しはその期待が持てそうに思います。

大淀事件 21 / 溝 ( 20061108 / 09:02 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 17 / 溝
大淀事件 21 / 溝 2 ( 20061108 / 11:09 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 17 / 溝 2
大淀事件 21 / 溝 3 ( 20061108 / 12:45 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 17 / 溝 3
大淀事件 21 / 溝 4 ( 20061108 / 22:03 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 17 / 溝 4

全く、嘘偽りを信じ込んで改めようとしない方もいらっしゃれば、反対に、ここに挙げさせて頂きました記事で触れましたように、ご自身で考え、判断し、真実に近づくことができる方が、少数の方ではありますが、いらっしゃる様です。

NHK 飯野解説委員も、医療にタッチし始めた最初は、医療たたきそのものであったということですし。

先生の所にコメントを寄せて下さっておられる弁護士の方々も、半年ほどかかったとはいえ、ご理解がよく、早いと思います。

情報の理性的な判断ができる人たちから、まずご理解して頂くように、それを突破口にと思います。そういう方々は、マスコミにも、一般の市井の中にも、いらっしゃると信じています。

投稿 道標主人 | 2006/11/19 0:59:41

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