Guideboard

大淀事件 14 ( 20061027 / 12:36 )

Posted by guideboard on 2007/07/08/Sun

本記事は、2006 年 10 月 27 日、午后 0 時 36 分、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/ にオリジナルの記事 ( 奈良産科転送事件続報 10 ) がアップされたものである。原典は削除された。


キーワード
日刊スポーツ、恥を知れ、奈良県、大淀町立大淀病院、産科、妊婦、転送、搬送、受け入れ拒否、死亡、脳内出血、行政、システム

日刊スポーツは、時々、政治家の腐敗などに切り込む記事を載せ、メジャー紙とは異なる気概を見せてくれる。

ところが刀の振り回し方を間違えると、危険この上ない。以下に示す記事のように、この刀の振り回し方を見ると、これまでの政財界に切り込む記事も、結局は大衆迎合というスタンスでしかなかったのかと思える。残念だ。

しかも、この記事、ウェブに出た最初は、これだけ無記名だった。ウェブ上のあちこちで叩かれているうちに、いつの間にか、署名が入ったが。

署名のない記事は、社説をはじめ、その新聞社の意見である。すなわち、その新聞社の見識を示す。この新聞社はこの程度の記事しか書けないというわけだ。この記事が出た時点 ( October 24, 2006 11:46 AM ) で、産經新聞や朝日新聞はそれなりの情報を伝え、ウェブ上には、ここをはじめ、多数の情報が、信頼できる形で、掲載されていたのにだ。
» 大淀事件 09 ( 20061023 / 13:51 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 6
» 大淀事件 12 ( 20061024 / 12:11 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 8

署名が入ってさらにその意が強くなった。この記者氏はよく知らなかったのだ。知る術も知る能力も持っていなかったのだ。これからはよく勉強して頂きたい。私は、新聞記者氏に「恥を知れ」とは言わない。冷静に考えて、新聞記者の脳の働き方、精神構造について考察する方が、有益だ。

あまり個別の記事に突っ込みを入れたことはないが、これだけは突っ込みどころ満載なので、検討を加える。

—–

井上真(いのうえ・まこと)
90年入社。野球部で日本ハム、ヤクルト、横浜、西武などを担当。総務部に異動し、03年からスポーツ部で相撲を担当。東京出身。41歳。

見た 聞いた 思った 2006.10.24 日刊スポーツ

命を救ってこそ病院:井上真

» 病院は、人が死ぬ所である。日本人の 8 割は病院で死ぬ。病気は必ず治るというものではなく、人はいつか必ず死ぬ。ところが、この事実を日本人は忘れている。妊娠は安全という誤解もそうだ。このタイトルは、病院に命を救ってほしいという自然な願望とともに、その裏にある日本人の無知と甘えを表現している。それが医療者を攻撃する意図を含んだこのタイトルになる。

激しい怒りが込み上げる。拒否した病院の無責任さ、受け入れ先を見つけられず手間取った病院の無能ぶりに対してだ。

» できない事に手は出せない。一か八かでは困るのだ。直前まで正常な妊娠だった。脳出血を予見することはできない。ならばこの病院で分娩にかかる事に瑕疵はない。麻酔科医がいない。脳外科医と放射線技師はオンコールだ。その脳外科医も産婦人科医も一人ずつしかいない。この病院は、突発する脳出血に対して無力だっただけだ。搬送に手間取るのはこの病院が無能だからではない。

» 拒否した病院は無責任ではない。自院の他の患者を顧みずに受け入れていたら、自院の患者の助かるものが助からなくなる。例えば妊娠 24 週の早産進行中。これだけで病院の産科、小児科、麻酔科を挙げての対応が必要になる。一人の名医が妊娠 24 週の早産と分娩中に突発した脳出血の両方を、母児とも計 4 人を救う、という事は現実には有り得ない。物語の中での絵空事だ。

理由はあるだろう、いくらでも。後から探せば何とでも言える。できない理由など100でも1000でも探せる。

» 搬送依頼の電話を受けた時点で、理由があったから断ったのだ。さぼっていて断ったのではない。脳の髄から非難しか意識にない。この記者氏は、勉強し直したとしても、理解はできないだろう。

18病院が受け入れの姿勢を見せていれば、助かる確率は19番目の病院到着時よりも高かった。

» 分娩中の脳出血、または子癇、これだけで最大のリスクだ。いずれも産科だけの対応では死を招く可能性を考えなければならない。どれだけのスタッフと設備があれば助けられるのか、この記者氏は考えることができないのだ。この患者さんは、国立循環器病センターに最初に連絡を取って搬送されていても助かったかどうか。それを検証するのが科学であり、それも再発防止策につながる。国立循環器病センターだからこそ、赤ちゃんだけでも助かったとも言えるのだ。ただ、正常分娩中に突発する脳出血を助けるための再発防止策、国立循環器病センターで日本人全てのお産をしても、その不幸をゼロにする事はできない。

「ここで急ぐことよりも、もっと根本のところが間違っている」。

» そう思うのなら、小泉劇場などに喝采を送るのを止めたらどうか。安倍新政権は、さらに医療社会保障の縮小政策を採ると明言している。

18病院は大淀病院がどの順番で打診したかを知りたがるだろう。そして、早くに打診された病院は「我々に打診された時はまだ重篤ではなかったはず」と言い逃れ、最後の方の病院は「自分たちよりも前に打診された病院の責任が重い」と主張するだろう。

» これは全くの記者氏の想像だ。依頼を受ける時間の前後は、この場合、あまり関係なかろう。依頼を受けた時点で、自院と依頼して来た患者の状態とを、瞬時瞬時に判断している。医師なら、どんな患者さんのどんな事例でも、後から反省や検討はする。この言は、それとはかけ離れた次元のバッシングでしかない。

命を見捨てた18の病院に言いたい。恥を知れ。

» 搬送を断った病院は、自院でできる事をして、自院の患者さんを救う努力をしていたのだ。このことも、これ以上も、この記者氏に何を言っても無駄だ。正義の味方のつもりなのだ。

—–

この記者氏に「恥を知れ」とは、私は言わない。恥を知ることができる可能性がある人には、そう言っても何かの価値があるかもしれない。しかし、日刊スポーツ紙にはこの言葉は当てはまらない。

———-

以下、参考資料

大淀事件 14 資料 | 旧 奈良産科転送事件続報 10 資料

—————————————-

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» 感情は向けられるべき所がある トラックバック いなか小児科医
2006年10月26日 晴れ久しぶりに、映画のビデオを見ました。日本語タイトル「 [続きを読む]

http://swedenhouse-oita.cocolog-nifty.com/pediatrics/2006/10/post_9987.html

受信: 2006/10/27 18:49:00

» もう,がんばらなくていいのです トラックバック freeanesthe
重ね重ね,亡くなられた女性の冥福をお祈りする。 —————- [続きを読む]

http://anesthesia.cocolog-nifty.com/freeanesthe/2006/10/post_d155.html

受信: 2006/10/28 11:17:04

コメント

こんばんは
トラックバックいただきありがとうございました。

悲しいコラムです。救われないでしょう…
何を言ってもですね…

こちらからもトラックバックさせていただきました。

投稿 いなか小児科医 | 2006/10/27 18:51:03

いなか小児科医先生
こんにちは、または、こんばんは
こちらこそ有り難うございます。

こういう人が報道機関の大多数なのかも知れません。

インターネット上の情報を眺めていますと、医療関係者以外の方にもご理解をいただけるような方が、ちらほらですが、見受けられるようになってきました。

報道機関の方がまだまだです。

投稿 道標主人 | 2006/10/27 20:52:23

誠に申し訳ありません。
こちらの手違いでTBを2回送ってしまいました。
ひとつを削除していただければ幸いです。

投稿 freeanesthe | 2006/10/28 13:29:03

freeanesthe 先生

トラックバック有り難うございます。おっしゃって頂いたようにいたしました。

cocolog@nifty のトラックバックシステムのせいでしょうか。
私もうまく他所にトラックバックを送れない事態を経験します。

投稿 道標主人 | 2006/10/28 13:36:51

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