大淀事件 13-2 ( 20061025 / 18:07 )
Posted by guideboard on 2007/07/08/Sun
本記事は、2006 年 10 月 25 日、午后 6 時 7 分、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/ にオリジナルの記事 ( 奈良産科転送事件続報 9-2 ) がアップされたものである。原典は削除された。
キーワード
奈良県、大淀町立大淀病院、妊婦、転送、搬送、死亡、子癇、脳内出血、総合周産期母子医療センター
本日の続報である。奈良県は、やはり自分のところだけではできそうにないと気付いているようだ。
共同通信 2006.10.25
病院探し、大阪に協力要請 妊婦死亡受け奈良県
奈良県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明になった妊婦(32)が19の病院で受け入れを拒否され、その後死亡した問題を受け、奈良県は24日、大阪府の救急搬送ネットワークに協力を要請する考えを明らかにした。
ネットワークは大阪府内の43病院をインターネットで接続、設備や空き状況を24時間確認できるようになっている。奈良県は、県内の病院も情報を閲覧できるように協力を求める。
オンラインネットワークで情報確認、必要なことだ。だが最後はマンパワー。医師も看護師も、その他のスタッフも待機できるかどうかだ。直接電話で連絡を取って回る事には変わりない。
医療関係者や救急医療の現場に立った救急隊員などでなければ、このネットワークで救急受け入れ病院を登録表示するガイドシステムが如何に役に立たないか、理解できないだろう。
救急患者が出た。ではパソコンでガイドシステムにアクセスしたら、画面上に受け入れ可能病院のリストがツラツラッと表示されて、電話してすぐ搬送 OK。こういう情景を想像しているのではないだろうか。
———-
さらに奈良県はこういう手段に出た。医師を奈良県に呼び戻すという。
asahi.com 関西 2006.10.25
医療機関整備で県外派遣産科医の撤収へ 奈良・妊婦死亡
奈良県大淀町の町立大淀病院で19病院に搬送を断られた末、妊婦が死亡した問題を受け、同県立医大から大阪や和歌山など県外の病院に派遣されている産科医を引き揚げる方向で、県が検討を始めたことがわかった。高度な治療が必要な妊婦と新生児を受け入れる「総合周産期母子医療センター」を早急に整備するためだが、深刻な産科医不足の中、引き揚げによって「お産の空白地帯」に陥る恐れがある地域に、動揺が広がっている。
同センターは、厚生労働省が各都道府県に07年度中の整備を呼びかけているが、奈良を含む8県が未整備となっている。関係者によると、同センターは、県立医大付属病院(橿原市)の産婦人科が入る施設内に設置。母体・胎児集中治療室(MFICU)を現在の3床からセンター化の基準である6床に増床する。施設整備費は数千万円にのぼる見込み。
MFICU の増床分の看護スタッフはどうするつもりなのだろう。当然、医師の人件費の事など二の次だろう。日本の医療経済学では、下っ端医師の人件費が一番安価である。医科大学の奴隷スタッフとして呼び戻す、というわけだ。喜んで戻る医師は多いのだろうか。受け入れを断ったら刑事捜査を受ける奈良県。いや、次は全国どこででも同じことが起こるだろう。
だったらなおさら、戻ろうという医師は少ないだろう。計画通りにいくだろうか。逃散を加速しはしないだろうか。呼び戻された先、すなわち奈良県立医科大学での待遇次第では、退職して医局人事を離れる医師、開業する医師も出るだろう。大学のスタッフの待遇は、上記の通り、推して知るべし。
もしも引き上げに応じる医師が何人かいたとして、逃散する医師も出る。そうしたら、引き上げられたところ、あるいは、逃散されてしまったところは、そこがまた医療過疎地になる。連鎖反応、ドミノ倒し式に奈良県のさらに周辺で医療崩壊が起こるだけにならなければよいが。
———-
以下、参考資料
大淀事件 13 資料 | 旧 奈良産科転送事件続報 9 資料