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大淀事件 09-2 ( 20061024 / 22:33 )

Posted by guideboard on 2007/07/08/Sun

本記事は、2006 年 10 月 24 日、午后 10 時 33 分、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/ にオリジナルの記事 ( 奈良産科転送事件続報 6-2 ) がアップされたものである。原典は削除された。


キーワード
奈良県、大淀病院、産科、産婦人科、子癇、転送、搬送、放置、脳内出血、受け入れ拒否、死亡、医療崩壊、三大事件、医療事故、医療訴訟、刑事訴追、周産期救急医療、一人医長、周産期医療、搬送システム、産經新聞

産經新聞は、2006.10.22 に、折角 ( まあまあだが ) よい記事を掲載したのに、またダメになった。

産經新聞 主張 2006.10.24
【主張】病院たらい回し 患者本位の基本忘れるな
重体の患者を引き受け、面倒な医療訴訟を起こされる事態を避けたがる受け入れ側の病院の体質もあるだろう。厚労省によると、周産期医療は訴訟が多く、医療ミスや医療事故の12%は、産婦人科医が当事者だという。
妊婦が最初に入院した大淀病院の誤診の問題も、忘れてはならない。大淀病院は容体の急変後、妊娠中毒症の妊婦が分娩中に痙攣(けいれん)を引き起こす「子癇(しかん)発作」と判断し、痙攣を抑える薬を投与した。当直医が脳の異常の可能性を指摘し、CT(コンピューター断層撮影法)の必要性を主張したが、受け入れられなかった。
脳内出血と正確に診断されていれば、搬送先の幅が広がり、早く受け入れ先が決まっていた可能性は高い。

これまでの当ブログで収集した情報を見れば、私が何か自説を申し述べなくても、ご理解が頂けると思うが。

10 月 22 日の自紙の記事を、この記者は読んでいないのか。それとも 10 月 22 日の記事の方が誤報だったのか。

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受け入れを断った他の医療機関の事情は、単に嫌だから、ではない。判明しているだけで以下のようなものだったのだ。

奈良県立医大 : 帝切手術中
県立奈良病院 : 妊娠 24 週早産進行中
大阪府立母子保健総合医療センター : 満床
大阪市立総合医療センター : NICU が病床オーバー
ベルランド総合病院 : 人手不足、ハイリスク分娩待機中、他分娩 2 件待機中

施設の人的、物的キャパシティを超えているから、受け入れることができないのだ。ベッドが空いていない = 物理的にも、マンパワーからも、受け入れることができない、という意味なのだ。医師は、患者が目の前で増えても、医師の分身が現れるわけではない。医療は医師だけでするものでもない。看護スタッフ、NICU や手術室などでは医療工学技師なども増えないと、増えた患者に対応できない。ベッドがなければ廊下でいいから受け入れてほしかった、というのは、あくまでも医療関係者ではない当事者の、理性を超えたところでの心情の吐露なのだ。それをそのまま流してしまっては、正確な検証も、建設的な議論も何もできない。

その上で、各医療機関では、医師が労働基準法無視のぎりぎりのところで働いているのだ。そしてその努力が刑事訴追される時代になったから、現場の医師はこれ以上の無理はできないと思うようになったのだ。それでも現場の医師たちは、今でもなお、無理をしているのだ。

—–

子癇という診断が誤診かどうか、新聞社がどういう検証の末にこう決めるのだろうか。記者の早とちりか、だれか入れ知恵をする医療関係者がいるのだろうか。

脳内出血と分かれば、なお搬送先の条件が厳しくなる。そういう事が理解できないとは。これはどう考察すればよいのだろう。新聞記者でしかも社説などの論評を書く記者は経験があって優秀なはずだ。そういう人の頭脳が全ての方面において優れていると信じたいが、優れた頭脳が思考した結果がこれでは、文系の頭脳と理系の頭脳は構造が違うのか、科学的な思考をする脳と情緒的な思考をする脳との違いなのか。新聞記者の思考の構造は理解できない。

—–

2 日間で、情報量も増えているだろうに、この記事の「劣化」は、一体なんなのだろうか。報道各社、本件ではこういう報道方針で行くという、報道各社の暗黙の了解か協定か。警察からの情報操作、あるいはこれも国策なのか。

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以下、参考資料

大淀事件 09-2 資料 | 旧 奈良産科転送事件続報 6-2 資料

大淀事件 09 ( 20061023 / 13:51 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 6
大淀事件 09 資料 | 旧 奈良産科転送事件続報 6 資料

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トラックバック

この記事へのトラックバック一覧です: 奈良産科転送事件続報 6-2:

» マスコミの理解力… トラックバック いなか小児科医
日付が変わりました。 2006年10月25日 産經新聞の記事です。いまだに、「C [続きを読む]

http://swedenhouse-oita.cocolog-nifty.com/pediatrics/2006/10/post_940e.html

受信: 2006/10/25 23:49:47

» 止まらない産科医療崩壊への負のループ トラックバック 斑鳩の箱庭
患者さんは大変お気の毒であったと思います。しかし、この話についてマスコミは事実を歪曲して報道しているように見受けられます。 [続きを読む]

http://blogs.dion.ne.jp/ikaruga/archives/4408873.html

受信: 2006/10/26 11:15:11

コメント

こんばんは
トラックバックありがとうございました。

唖然としてしまった社説でした。ホントに「国策?」と考えたくなります。

こちらからもトラックバックさせていただきました。

投稿 いなか小児科医 | 2006/10/25 23:52:03

いなか小児科医先生
こんにちは、または、こんばんは
まったく、あきれてしまいますね。

報道機関、記者の方々に、医療の問題を理解してくれと望む事は無理なようですが、せめて真実に近づくための思考の様式をとって頂きたいものです。

拙ブログにも報道機関の社内からと思われるアクセスがあります。私の言う事があてになるわけではありませんが、情報を収集し、検証し、分析する努力が必要だと言う事に気付いて頂きたいと思います。

投稿 道標主人 | 2006/10/26 0:10:24

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