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大淀事件 09 ( 20061023 / 13:51 )

Posted by guideboard on 2007/07/03/Tue

本記事は、2006 年 10 月 23 日、午后 1 時 51 分、http://sword.txt-nifty.com/guideboard/ にオリジナルの記事 ( 奈良産科転送事件続報 6 ) がアップされたものである。原典は削除された。


キーワード
奈良県、大淀病院、産科、産婦人科、子癇、転送、搬送、放置、脳内出血、受け入れ拒否、死亡、医療崩壊、三大事件、医療事故、医療訴訟、刑事訴追、周産期救急医療、一人医長、周産期医療、搬送システム

産經新聞 2006.10.22 に時系列によるまとめが載っている。

報道機関には、少なくとも、大淀病院から診療記録のコピーがわたっていたらしい。私が伝聞と初期の報道からまとめたものが結構近かったようだ。
» 大淀事件 08 ( 20061021 / 15:22 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 5

産經新聞 2006.10.22

「判断、処置ミスない」
奈良県産婦人科医会が声明
問題の深さ浮き彫り

大淀病院の原育史院長 ( 63 ) が 17 日の会見で産科医の判断ミスを認めたが、奈良県医師会の産婦人科医会は 19 日の臨時理事会で「主治医の判断や処置にミスはなかった」との結論をまとめた。搬送先がすぐにみつかれば助かったのではないか -。遺族が医療ミスを疑うのも、ある意味当然のことだろう。しかし、現場の医師の抱える現状や診断の難しさを考慮に入れると、問題の深さが浮き彫りになってくる。

妊婦死亡問題の主な経過
8 月 7 日
9:20 高崎実香さんが分娩誘発のため大淀病院に入院
9:40 分娩誘発剤を投与 ( 以降、1 時間おきに 6 回 )
夕方 陣痛が始まる
8 月 8 日
0:00 「こめかみが痛い」と頭痛の訴え
0:14 突然意識消失。内科医、産科医呼ぶ。陣痛による失神と判断
1:37 強直性のけいれん発作、いびきを発症。産科医は子癇樽発作を疑い、そのための薬を投与
1:47 産科医が家族に「子癇」と告げる
1:50 県立医大付属病院に受け入れを依頼 ( 以降、医大病院を含め 19 病院に打診 )
2:00 瞳孔が開く
2:15 内科医が、「脳に異状が起きている可能性が高い」と CT 検査を主張したが、結局行わず
2:30 家族に「搬送先を探している」と説明。内科医から脳の異状の疑いを聞いた家族は CT 検査を行うよう主張したが行われず
4:30 呼吸困難に。搬送先が約 60 キロ離れた国立循環器病センター ( 大阪府吹田市 ) に決定
4:50 救急車で搬送
6:00 国立循環器病センターに到着
8 月 16 日
15:15 高崎さんが脳内出血で死亡

割と公平な視点の記事である。午前 2 時 15 分の、内科医が CT 検査を主張したという下りは、本当かどうか、これからの報道なりを待ちたい。CT を撮像するしないの問題は、ご家族が主張したという要素が大きいらしいと伝わっている。

これも伝聞だが、大淀病院の放射線技師は 2 名。当日夜間は、大淀病院には放射線技師はいなかった。オンコールの放射線技師は、呼び出すと、病院到着まで移動時間だけで 1 時間のところにお住まいだった。また CT の機種は旧式でスタンバイに 30 分かかると伝わっている。

CT を撮るとして、結果が判明するのに 2 時間前後はかかる計算だ。

—–

本件患者さんの脳内出血は、右脳混合型基底核出血で、かなり大きな出血だった。手術としては脳室ドレナージが行われた。脳出血について少し勉強する。

脳内出血について

http://www.tottori-med.jrc.or.jp/sinryouka_hp/23nouge/sippei/noushukketu.htm

高血圧性脳出血は、高血圧が問題となる40ー60才代に多く発生する出血性の脳卒中の代表的疾患です。大脳深部の被殻、視床という部位に好発しますが、これはこの部に血液をおくる細い穿通動脈に発生した粟粒動脈瘤が破綻するためといわれています。

高血圧性脳出血の約65%が大脳基底核部に見られますが、運動神経の線維が密集して走る内包という部を境に、それより内側の出血を内側型(視床出血)、外側の出血を外側型(被殻出血)、両方にわたるものを混合型と呼びます。外側型は内側型より頻度が高く、2倍近い割で多いものです。大脳半球深部のほか、大脳の表面近くの皮質下、脳幹、小脳にそれぞれ10%前後の頻度で見られます。

被殻出血と視床出血では、内包が障害されるための出血と反対側の上下肢の麻痺をきたします。さらに視床出血では反対側の上下肢の知覚が多くおかされます。脳出血は頭痛を伴うことが多く、小脳出血ではめまい、ふらつきが強く、歩けなくなります。脳幹出血では急激に昏睡に陥り、四肢のマヒ、呼吸障害などをきたします。

CTスキャンによれば脳出血は直後から診断が可能で、脳卒中が出血性であるか閉塞性であるか、その場所、大木さなどまでが正確につかめます。すなわち、出血の程度や脳組織の破壊状態まで同時に知ることができるのです。

脳出血の重症度は意識障害の程度と血腫の部位ならびにその伸展により判定されます。一般に意識障害がなく、CTスキャン上も軽症のときには内科的に治療しますが、重症になるに従って、手術をしたほうが結果はいいといえます。

出血の部位により治療法ならびに治療成績が異なります。皮質下出血、小脳出血は手術成績が良好で、外科的治療の対象となります。被殻出血では、意識障害が昏睡まで至らない昏迷から半昏睡までのものは手術を行ったほうがよいといえます。CTスキャンで血腫が内包の後方部分(後脚)まで伸びているときには手術を行うことが多いのです。手術法としては、頭に穴をあけ針を刺して血腫を吸引除去する方法と、開頭のうえ脳を切開して血腫を除去する方法があります。

内科的あるいは外科的のいずれの療法にしても、目的は出血によりできた血腫を早く消滅させ、血腫による脳組織への圧迫を除くと同時に、二次的な合併症を防ぐことにあります。脳ヘルニアが起ると脳幹が圧迫され、生命中枢が破壊されて死亡します。しかし最近では、抗脳浮腫薬を使えば、脳ヘルニアをある程度くい止めることができるようになりました。内科的、外科的、どちらの治療法を適用するかは患者の状態によって決めるべきであります。

妊娠母体にマニトールは使ってはいけないそうだ。

———-

以下、参考資料

大淀事件 09 資料 | 旧 奈良産科転送事件続報 6 資料

大淀事件 08 ( 20061021 / 15:22 ) | 旧 奈良産科転送事件続報 5
大淀事件 08 資料 | 旧 奈良産科転送事件続報 5 資料

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